レビュー

「Copilot+PC」で何ができる? デル「XPS 13」でAI機能をレビュー

マイクロソフトが打ち出したWindowsパソコンの新しいカテゴリー「Copilot+PC」。マイクロソフトやデル・テクノロジーズ、HP、レノボ、ASUSなどさまざまなメーカーから続々と発売されています。

今回はデル・テクノロジーズの「XPS 13 9345」を使って、「Copilot+PC」で何ができるのかを見ていきましょう。

デル「XPS 13 9345」、価格.com最安価格249,980円(2024年8月1日時点)、2024年6月18日発売

デル「XPS 13 9345」、価格.com最安価格249,980円(2024年8月1日時点)、2024年6月18日発売

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2024/05/22 21:45

「XPS 13 9345」はどんなパソコン?

・NPUを活用して各種AI機能が使える「Copilot+PC」
・最大27時間の長時間バッテリー駆動で1日中使える
・スマートで未来的なデザイン

BTOの先駆者、高コスパでラインアップが豊富なデル

デル・テクノロジーズ(以下、デル)は米国の大手パソコンメーカー。直接販売とBTO(Built To Order:受注生産)が特徴で、BTOパソコンの先駆者でもあります。価格競争力が高く、価格.com上でも高コスパなPCメーカーとして高い人気を誇ります。

そんなデルの個人向けパソコンのラインアップは、以下の4シリーズです。

XPS…先進機能を盛り込んだプレミアムシリーズ
Inspiron…高コスパで価格.com上でも人気のシリーズ
Alienware…最新機能やパーツをいち早く取り入れたハイスペックなゲーミングパソコン
Dell G…初心者にもちょうどいいスペックの高コスパなゲーミングノートパソコン

プレミアムシリーズの13.4型ノートパソコン

「XPS 13」はプレミアムシリーズの13.4型ノートパソコン。高級感のあるCNC削り出しアルミボディに、タッチ式のファンクションキーや境目のないガラス製タッチパッドなど先進的な機能が搭載されています。重量は1.2kg前後(BTO構成により前後します)。超軽量ではありませんが、バッテリー駆動時間も長くストレスなく持ち運べるモデルです。

今回取り上げる「XPS 13 9345」は、そんな「XPS 13」の「Copilot+PC」版です。

本体のデザインはインテルCPUを搭載した既存の「XPS 13」と同じです。タッチ式ファンクションキーや境目のないガラス製タッチパッドなど近未来的なデザインが見所

本体のデザインはインテルCPUを搭載した既存の「XPS 13」と同じです。タッチ式ファンクションキーや境目のないガラス製タッチパッドなど近未来的なデザインが見所

今回試したモデルの主なスペック
CPU:Snapdragon X EliteX1E-80-100
グラフィック:Adreno GPU
メモリー:16GB LPDDR5X
ストレージ:512GB(M.2 PCIe NVMe SSD)
OS:Windows 11 Home(Arm版)
ディスプレイ:13.4型(1920×1200)、非タッチ、非光沢
本体サイズ:295.30(幅)×199.10(奥行)×15.30(高さ)mm
本体重量:1.19kg
本体カラー:プラチナ

どんな用途に向いている?

■「XPS 13 9345」 筆者による評価チャート

価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート

価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート

評価チャートについて
・実際に製品を使用して、価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けました。
評価項目:満足度、デザイン、処理速度、グラフィック性能、拡張性、使いやすさ、持ち運びやすさ、バッテリー、画面、コストパフォーマンス
点数:5点満点(標準点は3点)
・製品カテゴリーや価格を考慮して評価しています。ノートパソコンとしての絶対的な評価ではありません。
・本記事を執筆した筆者による個人的な評価です。評価は個人によって変わりますので、あくまでも参考程度にとどめてください。
価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビュー一覧

処理速度は「Snapdragon X Elite X1E-80-100」が想像以上に高性能だったので5点、と言いたいですが、AI機能はメモリーも重要になります。本モデルのメモリー容量は「Copilot+PC」のハードウェア要件ギリギリの16GBなので4点としました。拡張性はUSB Type-Cが2ポートで少ないですが、どちらもフル機能なので3点。バッテリーは最大27時間というスペックは伊達ではないので、文句なしの5点としました。

価格はインテルCPUの「XPS 13」よりも4万円ほど高いです(CPU以外のスペックを同等にした場合)。AI機能とバッテリー駆動時間にプラス4万円の価値を感じられるかが分かれ目になりそうです。また、同じCPUを搭載した他社の「Copilot+PC」は、安いものなら約20万円から購入できるので、コストパフォーマンスは3点としました。

「Copilot+PC」とは?

まずは「Copilot+PC」とは何かを整理しておきましょう。

「Copilot+PC」はマイクロソフトが提唱するWindowsパソコンで、AI機能を快適に利用できるのが特徴です。ただし、クラウドではなく、CPUに内蔵されたNPU (ニューラル プロセッシング ユニット)を活用するのがポイント。

「Copilot+PC」のハードウェア要件(詳しくはこちら)は、40TOPS以上のNPUを搭載していること、メモリーが16GB(DDR5/LPDDR5)以上、ストレージが256GB以上とされています。このなか中で特に重要なのが40TOPS以上のNPUでしょう。40TOPSとは、「1秒あたり40兆回の演算」ということで、記事執筆時点で、この処理能力を発揮できるのはクアルコムの「Snapdragon X Elite/Plus」しかありません(2024年8月1日にASUS JAPANが、最大50TOPSのAMD「Ryzen AI 300」シリーズを搭載したノートパソコンを発表しました)。

40TOPS以上のNPUを搭載するクアルコムのSoC(クアルコムのWebページより)

40TOPS以上のNPUを搭載するクアルコムのSoC(クアルコムのWebページより)

なお、価格.comには26機種の「Copilot+PC」が登録されています(2024年8月1日時点)。

>>>価格.comで「Copilot+PC」をチェックする!

「Copilot+PC」でできること

続いて、「Copilot+PC」のAI機能を見ていきましょう。

Copilotキーで「Copilot」が起動

「Copilot+PC」は、キーボードにCopilotキーが搭載されており、一発で「Copilot」を起動できます。CopilotキーはAI PC(インテルやAMDの最新CPUを搭載したパソコン)にも搭載されており、「Copilot+PC」ならではの機能ではありません(「Copilot」自体はWebブラウザー上で動作するので、非AI PCでも利用可能)。「Copilot」は質問に対して、AIが返答してくれるもの。検索の代わりとしても、話し相手としても、仕事の相談相手としても使えます。

カーソルキーの左に搭載されるCopilotキー

カーソルキーの左に搭載されるCopilotキー

「Edge」の「Copilot」と同じように、さまざまな問いに対して、AIが返答してくれます

「Edge」の「Copilot」と同じように、さまざまな問いに対して、AIが返答してくれます

目玉機能の「リコール」、ただし使えるのはもう少し先

「Copilot+PC」の目玉AI機能の「リコール」。スナップショットを自動で撮影し、NPUでインデックス化。「赤い納屋」など曖昧なキーワードで、該当するファイルや作業内容を見つけ出せるというものです。プライバシーやセキュリティについての懸念を払拭するために公開が延期され、記事執筆時点では一般公開されていません。

手書きの絵から画像を生成する「コクリエイター」

手書きのイラストとテキスト(プロンプト)から画像を生成してくれる機能。「ペイント」アプリに搭載されます。さすがに一発で思い通りの画像を生成するのは難しく、試行錯誤は必要になるでしょう。画像生成にはNPUが活用されていますが、生成スピードは問題なし。短時間で生成してくれるので、試行錯誤も苦になりません。何度も気軽に繰り返せるのがNPUを活用する「Copilot+PC」の美点と言えるでしょう。

下手な筆者の手書きの絵から、ハイクオリティな猫の画像が生成できました。テキスト(プロンプト)に加えて、スタイル(アニメ風など)の選択や創造性の調整が可能

下手な筆者の手書きの絵から、ハイクオリティな猫の画像が生成できました。テキスト(プロンプト)に加えて、スタイル(アニメ風など)の選択や創造性の調整が可能

なお、本モデルは画面のタッチ操作に非対応で、タッチパッドとマウスで絵を描きました。「コクリエイター」を活用するには、直感的なタッチ&ペン対応モデルがよさそうです。

画像生成の「イメージクリエイター」と「リスタイル」

「イメージクリエイター」は画像管理の「フォト」アプリに搭載される画像生成機能です。「Copilot」と同じように、テキスト(プロンプト)からAIが画像を生成してくれます。前述の「コクリエイター」に似ていますが、こちらは元になる絵が不要。画像生成スピードは「コクリエイター」同様、待たされることなくサクサク生成してくれました。

前述の「コクリエイター」と同じ画像生成機能ですが、「イメージクリエイター」はテキスト(プロンプト)のみで画像を生成できます

前述の「コクリエイター」と同じ画像生成機能ですが、「イメージクリエイター」はテキスト(プロンプト)のみで画像を生成できます

「リスタイル」は、画像のスタイル(テイスト)を変更する機能。「イメージクリエイター」と同じく「フォト」アプリに搭載されます。手持ちの写真をファンタジー、アニメ、印象派など指定したテイストに変更してくれます。

夜景をサイバーパンク風に“リスタイル”してみました。あまりサイバーパンク風には見えません。もう少し色がある画像だと、よりサイバーパンク風に変わるのかもしれません

夜景をサイバーパンク風に“リスタイル”してみました。あまりサイバーパンク風には見えません。もう少し色がある画像だと、よりサイバーパンク風に変わるのかもしれません

「テレプロンプター」と「クリエイティブフィルター」

「テレプロンプター」は、内蔵カメラのフィルター機能。ビデオ会議の自分の画質を改善してくれるものです。「Copilot+PC」では、「アイコンタクト」に「テレプロンプター」が追加されました。画面上の文字を目で追っているときでも、カメラを見ているようにしてくれる機能です。有効にすると黒目の大きさや位置が微妙に変化し、じっとカメラを見ているようにしてくれます。オンラインでの面接や面談など重要なシーンで役立ちそうですね。

「クリエイティブフィルター」は文字通りフィルター機能で、カメラで写る自分に特殊効果を適用できます。フィルターの種類は、「説明」「アニメーション」「水彩」の3つ。

「クリエイティブフィルター」はカメラの設定で調整できます

「クリエイティブフィルター」はカメラの設定で調整できます

「テレプロンプター」を有効にし、「クリエイティブフィルター」で「説明」を選択。顔が塗り絵みたいになってしまいましたが、ビデオ会議では、このくらいクッキリしたほうが見やすいかもしれません

「テレプロンプター」を有効にし、「クリエイティブフィルター」で「説明」を選択。顔が塗り絵みたいになってしまいましたが、ビデオ会議では、このくらいクッキリしたほうが見やすいかもしれません

日本語対応に期待したい「ライブキャプション」

音声を認識してリアルタイムで翻訳してくれる機能。現時点で翻訳できるのは英語のみで、日本語を含む44言語から英語へ翻訳してくれます。価格.comマガジンのYouTube動画を英語に翻訳してみましたが、スラスラと遅れもなく表示してくれました。

「ライブキャプション」中にタスクマネージャーを見ると、NPUで処理していることがわかりました。翻訳したものは画面の上部に表示されます

「ライブキャプション」中にタスクマネージャーを見ると、NPUで処理していることがわかりました。翻訳したものは画面の上部に表示されます

フレームレート生成機能の「自動スーパー解像度」

PCゲームにおいて、AIを活用してフレームレートを向上させる機能。対応ゲームは限られており、「Copilot+PC」をゲーム用として選ぶユーザーは多くないことを考えると、その恩恵を受けられるユーザーは少ないかもしれません。

「自動スーパー解像度」はグラフィックの設定から有効にできます。NVIDIAの「DLSS 3」やAMDの「FSR 3」と同様の機能と言えます

「自動スーパー解像度」はグラフィックの設定から有効にできます。NVIDIAの「DLSS 3」やAMDの「FSR 3」と同様の機能と言えます

アーキテクチャーが「Arm64」で困ることはない?

「Copilot+PC」に採用されるクアルコムの「Snapdragon」は、Androidタブレットやスマートフォンで使われているSoCです。アーキテクチャーは「Arm64」で、インテルとAMDのCPUが採用する「x86/x64」とは異なります。アーキテクチャーとはCPUとアプリを橋渡しするもので、アーキテクチャーが同じでないとアプリは動作しません。つまり、「Copilot+PC」では、従来のWindowsアプリが動かないということです。

「それだと全然使えないじゃん」……ということになりますが、さすがにそんなことはありません。マイクロソフトのOfficeアプリや「Teams」、Googleの「Chrome」、アドビの「Photoshop」など有名アプリはArm64版のアプリが用意されています(アップルの「Rosetta 2」と同じように、x64アプリをエミュレーションで動かしているものもあります)。マイクロソフトではArm版アプリが増加しており、日常使いでは問題ないと自信を見せています。

実際にいくつかのx64アプリを動かしてみましたが、サクサク動きました。Epic Storeからダウンロードしたゲーム「Among Us」も問題なし。ただし、同じくEpic Storeからダウンロードした「フォートナイト」は起動できませんでした。日本語入力アプリ「ATOK」が正常に動かないことがネットでは報告されています。「ATOK」がダメなら、Googleの「Google日本語入力」は動くのか試してみましたが、インストールできませんでした。

確かに日常使いは問題なさそうですが、ゲームなど動作しないアプリがあることは頭に入れておくといいかもしれません。

「タスクマネージャー」からアーキテクチャーを確認すると、「ARM64」と表示され、多くのアプリやユーティリティがArm版であることがわかります

「タスクマネージャー」からアーキテクチャーを確認すると、「ARM64」と表示され、多くのアプリやユーティリティがArm版であることがわかります

「Chrome」のダウンロードページ。「Windows 11 ARMをお使いの場合。」と表示され、Arm版の「Chrome」を入手できます

「Chrome」のダウンロードページ。「Windows 11 ARMをお使いの場合。」と表示され、Arm版の「Chrome」を入手できます

x64版のライトなゲームはプレイ可能。画像は「Among Us」

x64版のライトなゲームはプレイ可能。画像は「Among Us」

「Photoshop」はArm版が用意されており、ネイティブに動作します。画像生成機能の「Firefly」も使えました(こちらはNPUではなくクラウドのAI機能を利用)

「Photoshop」はArm版が用意されており、ネイティブに動作します。画像生成機能の「Firefly」も使えました(こちらはNPUではなくクラウドのAI機能を利用)

「Snapdragon X Elite」の性能は?

続いて、「Copilot+PC」の性能をチェックしましょう。

「XPS 13 9345」が搭載するのは、「Snapdragon X Elite X1E-80-100」というSoCです。CPUの「Oryon CPU」は12コアで、動作周波数は最大3.4GHz/デュアルコアブースト時4.0GHzという仕様。グラフィックは「Adreno GPU」です。「Snapdragon X」のラインアップは5種類あり、その中ではちょうど真ん中のグレードのSoCです。聞き慣れないCPUとグラフィックですが、その性能はどの程度なのかいくつかのベンチマークアプリで試してみました。

「Snapdragon X Elite」のシール

「Snapdragon X Elite」のシール

CPUの情報を確認できる「CPU-Z」にはArm64版が用意されています。コアは4コアと8コアの合計12コアで、プロセスルールは4nmであることがわかります

CPUの情報を確認できる「CPU-Z」にはArm64版が用意されています。コアは4コアと8コアの合計12コアで、プロセスルールは4nmであることがわかります

CPU性能を測定する「CINEBENCH R23」は、Arm64版はなく、エミュレーションして動作しました。結果は「7718」と第11世代や第12世代の「Core i7」レベルで、スムーズにエミュレーションされている印象です。ただ、MP Ratioが5.98xと12コアCPUとしては物足りない感じもします。エミュレーションの精度が高まれば、結果は向上するかもしれません。

「CINEBENCH R23」の結果

「CINEBENCH R23」の結果

パソコンの総合性能を測定する「PCMark 10」の「PCMark 10 Applications」が動作しましたが、Officeアプリが必須のため今回は実行できませんでした。グラフィックの性能を測定する「3Dmark」からは、「Night Rapid」(統合型GPU向けのDirectX 12ベンチマーク)と定番の「Time Spy」を実行しました。こちらもx64アプリでエミュレーションでの動作です。Direct X12向けの「Time Spy」は、普段はゲーミングPCで実行しているベンチマークなので、スコアはゲーミングPCと比べると高くありません。「Night Rapid」の結果はまずまずと言ったところ。前述のとおり、「Among Us」のようなライトなゲームはストレスなく楽しめそうです。

「Night Rapid」の結果

「Night Rapid」の結果

「Time Spy」の結果

「Time Spy」の結果

「XPS 13 9345」について

「Copilot+PC」の話ばかりになってしまいましたが、最後に「XPS 13 9345」のデザインや使い勝手をチェックしていきましょう。

本体はCNC削り出しアルミボディで、質感が高く、高級感もあります。天板の見た目はシンプルですが、キーボード面のデザインは個性的です。タッチ式のファンクションキーと境目のないガラス製のタッチパッドは未来的でスタイリッシュ。キーボードはタイル状でフラットなタイプです。

気になる使い勝手は、ファンクションキーは物理キーではないため、慣れるまで時間はかかりそうです。キーボードは一般的な配列で、キーストロークも見た目以上に深いので快適にタイピングできました。

中央にデルのロゴが配置された天板。見た目はシンプルですが、アルミボディらしく高級感があります

中央にデルのロゴが配置された天板。見た目はシンプルですが、アルミボディらしく高級感があります

タッチ式のファンクションキーは通常のFnキーとディスプレイ輝度やボリュームを調整できる機能キーを切り替えられます

タッチ式のファンクションキーは通常のFnキーとディスプレイ輝度やボリュームを調整できる機能キーを切り替えられます

スリットを最小限に抑えた底面。見えない部分までこだわっています

スリットを最小限に抑えた底面。見えない部分までこだわっています

プレミアムシリーズらしく、クアッドスピーカーでノートパソコンとしては高品質なサウンドを実現。Webカメラも明るく高画質です。ディスプレイは1920×1200の液晶で、BTOではいちばんベーシックな仕様。それでも最大輝度が500ニト、sRGB 100%カバー、リフレッシュレート最大120Hzとハイクオリティなディスプレイです。BTOでは2560×1600のQHD+ディスプレイと2880×1800の有機ELディスプレイが選択できます。

13.4型ディスプレイはベゼル(額縁)が細いのが特徴です。同社では「フレームレス」と呼んでいます

13.4型ディスプレイはベゼル(額縁)が細いのが特徴です。同社では「フレームレス」と呼んでいます

「Copilot+PC」の「XPS 13 9345」を使っていて驚いたのがバッテリー駆動時間。公称で最大27時間と24時間越えの長さです。YouTube動画を1時間視聴してみましたが、バッテリーは5%しか減りませんでした。単純計算20時間は動画を見られることになります。使い方やパソコンの設定でバッテリー駆動時間は上下するものですが、このスタミナは、間違いなく優秀です。電源のとれない屋外で長時間作業する人にとっては心強いモデルになってくれるでしょう。

機能面で気になるのは外部インターフェイスがUSB Type-Cが2ポートのみという点です。
厚さ15.3mmとスリムボディを実現するためでもありますが、HDMIやUSB Type-Aがないのは、人によっては不便に感じるかもしれません。ただ、2ポートともにデータ転送、Power Delivery、DisplayPortをサポートし、周辺機器をUSB Type-Cで揃えている人にとっては、使いやすいでしょう。

重量は実測で1.224kgとカタログスペックよりも34gほど重かったです

重量は実測で1.224kgとカタログスペックよりも34gほど重かったです

外部インターフェイスはUSB Type-Cポートを左右に搭載します

外部インターフェイスはUSB Type-Cポートを左右に搭載します

まとめ

「Copilot+PC」を試しましたが、「思った以上に使えそう」と感じました。アプリの互換性は、全部OKとまではいきませんが、筆者が普段利用しているアプリは問題なく動作しました。AI機能は、画像生成系が多く、メリットに感じる人は限られるかもしれません。それでも、目玉の「リコール」が使えるようになれば、より多くの人がAI機能の恩恵を受けられるようになるのではないでしょうか。

「XPS 13 9345」は高級感のあるアルミボディで、プレミアムモデルにふさわしいデザインです。長時間バッテリー駆動で携帯性も抜群。価格は少々高めですが、最新のAI機能を利用したい人はぜひチェックしてみてください。

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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