レノボの15.6型ノートパソコン「IdeaPad Slim 3 Gen 8」は、エントリークラスながらも、一般的な作業を行うには十分なスペックを備えており、コストパフォーマンスにすぐれた一品です。その中から、価格.comノートパソコンカテゴリの売れ筋ランキングで上位に支持されている「IdeaPad Slim 3 Gen 8」(Ryzen 5 7530U)をレビュー。6万円強で購入できるノートパソコンの実力を検証します。
「IdeaPad Slim 3 Gen 8」、価格.com最安価格:63,910円(税込/2024年7月31日時点)、2024年4月12日発売
・ミドルスペックで6万円台の高コスパ
・15.6型 フルHD液晶ディスプレイ搭載
・一般的な作業ならストレスフリー
レノボは、世界有数のパソコンメーカーで、コストパフォーマンスにすぐれたモデルから、高性能なモデルまで幅広いラインアップを揃えています。ノートパソコンは、コストパフォーマンスにすぐれる「IdeaPad」、高品質なビジネスノート「ThinkPad」、ゲーミング向けの「Legion」「LOQ」など、計7シリーズを展開中です。
今回レビューする「IdeaPad Slim 3 Gen 8」は、シリーズの中でもエントリークラスに位置するモデルです。63,910円(税込/2024年7月31日時点での価格.com最安価格)という価格ながらも、ミドルクラスのCPU「Ryzen 5 7530U」、16GBメモリー、512GB SSDといった十分な基本スペックが備わっています。2024年7月31日時点での価格.com「ノートパソコン」カテゴリーの人気売れ筋ランキングは4位と、ユーザーからも高い支持を得ています。
■「IdeaPad Slim 3 Gen 8」 筆者による評価チャート
価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート
評価チャートについて
・実際に製品を使用して、価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けました。
評価項目:満足度、デザイン、処理速度、グラフィック性能、拡張性、使いやすさ、持ち運びやすさ、バッテリー、画面、コストパフォーマンス
点数:5点満点(標準点は3点)
・製品カテゴリーや価格を考慮して評価しています。ノートパソコンとしての絶対的な評価ではありません。
・本記事を執筆した筆者による個人的な評価です。評価は個人によって変わりますので、あくまでも参考程度にとどめてください。
「IdeaPad Slim 3 Gen 8」は軽い作業であればストレスなく利用でき、資料作成、Webブラウジング、動画視聴、Web会議/授業といった一般的な作業を行うのに向いています。ただし、15.6型と画面サイズが大きく、重量も1.62sあり軽量とは言えないため、自宅メインで使用し、外への持ち出しは時々行う程度の使い方がベターです。
詳細な特徴は、次項以降のレビューをぜひご確認ください。
「IdeaPad Slim 3 Gen 8」の基本スペック
CPU:Ryzen 5 7530U
メモリー:16GB
ストレージ:512GB SSD
正直に言いますと、6万円台で上記スペックはお買い得のひと言につきます。価格だけで判断すると、「安かろう悪かろう」と思われそうですが、本機は「安かろう良かろう」に当たる製品です。
CPUの「Ryzen 5 7530U」は、ハイスペックではありませんが、普段使いに十分なミドルクラスのCPU。そして、エントリークラスとしては大容量の16GBのメモリーを搭載しているのがポイント。資料作成しながらWebブラウジングするなど、複数のアプリを同時に起動させても、もたつかず安定した動作が可能です。普段使いでストレスを感じることは、まずないでしょう。
グレー寄りの落ち着いたシルバーを採用したボディ。ロゴは天板中央ではなく、天板の縁に配置されています
暗めのトーンのシルバーを採用したボディ。よくあるデザインですが、レノボのロゴが天板の中央ではなく、さりげなく縁に配置されているのがスタイリッシュ。厚さ17.9mmと、15.6型の中では比較的スリムなのもポイントです。
毎日持ち運ぶのは個人的に厳しいですが、自宅で部屋を移動するくらいならまったく問題なし。自分用だけではなく、家族用としてリビングに設置のような使い方もアリだと思います。
使っていて特によいと感じたのは電源ボタンとキーボードです。電源ボタンは指紋センサーを兼ね備えており、ボタンを押すだけでログイン可能。また、キーボードはしっかりとした打鍵感で打ちやすく、高速で入力する際にも正確に入力できました。
テンキー付きのキーボード
エンターキーが隣のキーと同化。最初こそ打ちにくく感じるかもしれませんが、慣れれば問題ありません
その半面、タッチパッドは指の滑りが悪く、指が引っ掛かってしまうのが残念な点。個人的にはマウスを合わせて使いたいところです。
タッチパッドは指が滑りにくく、個人的にはスムーズな操作が難しかったです
続いては、外部インターフェイス。USB端子×2やイヤホンジャックに加えて、SDカードスロットとHDMI端子、DisplayPort出力機能付きのUSB Type-C端子を備えます。カメラで使用するSDカード内の画像をパソコンに移行したり、デュアルディスプレイ環境で作業したりなどが可能です。
本体右側(画像上)にSDカードスロット、USBポートを、左側(画像下)にイヤホンジャック、USBポート、HDMIポート、USB Type-Cポート(DisplayPort出力機能付き)、電源ポートを搭載
ディスプレイは、このクラスだと標準の16:9、フルHDに対応。ノングレアなので映りこみなどは気になりませんが、コントラストは低め。事務作業や、YouTubeなどの動画を見るぶんには十分です。映画鑑賞などもキレイな映像で楽しめますが、鮮やかで美麗とまではいかないのは頭に入れておきましょう。
彩度が低く感じますが、YouTubeなどで動画を見るのには十分
大きな画面なのでマルチタスクも行いやすいです
自宅で使うぶんには気にならないポイントかもしれませんが、バッテリー駆動時間は最大約14時間と十分。インターネットに接続し、輝度50%で動画を1時間視聴したところ、バッテリーは約10%しか減りませんでした。ちなみにACアダプターはコンパクトながらも、電源コードとケーブルを合わせて2m弱あるため、コンセントから離れた場所でも作業しやすいと思います。
ACアダプターは机の上に置いてもじゃまにならないコンパクトなサイズです
最後に、参考として各種ベンチマークの結果をまとめておきます。
試用では、テキストアプリで文章作成、Webブラウジング、動画鑑賞など一般的な作業を快適に行えましたが、さすがに動画を編集したり、ゲームをプレイしたりするには厳しいスペックです。その点は覚えておきましょう。
「PCMark 10 Professional Edition」のスコア
トータル:5750
Essentials:10309
Productivity:9333
Digital Content Creation:5362
「IdeaPad Slim 3 Gen 8」は、重たい作業はせずに、軽い作業メインの人にこそおすすめしたい一品。自宅用にサクッと使えるノートパソコンを探している人であれば、いいお買い物になるでしょう。反対に、動画編集など負荷の高い作業を想定している人は、このクラスだと快適な動作が難しいため、避けたほうがよいでしょう。