レビュー

事務作業に最適! モバイルワーカーにも推したい「ERGO M575SP」

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パソコンを操作するマウスにはさまざまなタイプの製品があるなかで、一般的なマウスとは操作方法が異なるのにもかかわらず、大人気のタイプがあります。それがトラックボールと呼ばれるマウスです。トラックボールにはどんな特徴があり、どういった作業シーンに向いているのか。今回はトラックボールの大人気モデルとして注目度が高いロジクール「ERGO M575SP」をレビューします。

ロジクール「ERGO M575SP」、6,490円(税込/価格.com最安価格。2024年11月27日時点の情報、以下すべて同様)

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トラックボールなのにマウスカテゴリ3位と大人気の「ERGO M575SP」

ちなみにトラックボールは、ボールを転がしてマウスポインターを動かすデバイスです。操作方法によって、大径のボールを人さし指で動かすタイプと、親指で転がすタイプの2つに分かれます。後者は「トラックボールマウス」と呼ばれることもありますが、ここでは両方を「トラックボール」と総称します。

このトラックボールのなかでも、価格.comのマウスカテゴリ人気売れ筋ランキングで第3位、トラックボールだけに絞れば第1位という、圧倒的な支持を得ているのがロジクールの「ERGO M575SP」です。

価格.comのマウスカテゴリで人気の「ERGO M575SP」

価格.comのマウスカテゴリで人気の「ERGO M575SP」

この「ERGO M575SP」は、見る角度によってはマウスと変わらないように見えますが、親指部分に備わるボールの存在が、普通のマウスとは違うことを教えてくれます。また、本体の右側より左側(親指側)が高くなっているのが、外観上の大きな特徴です。

操作部側から見たところ内側(写真では右)が高くなっているのがわかる

操作部側から見たところ内側(写真では右)が高くなっているのがわかる

ここでいったん、力を込めずに両腕を前に出してみてください。手のひらがクロール泳法するときのように水平となっている人は少ないのではないでしょうか。多くの人は大きなボールに上から触れているような、手のひらが軽く内側に向かって傾いている状態となっていることでしょう。「ERGO M575SP」は、この手のひらの湾曲によりできた空間にすっぽりと入り込むような設計になっています。

人間工学に基づいた形状のエルゴノミクスマウス(縦型マウス)と同様に、トラックボールは手首や前腕がねじれないニュートラルポジションで握れる形状となっている製品が多数です。この形状により、トラックボールは手にかかる負担が少なくなっています。ロジクールも公式サイトにて「前腕をより自然な位置に置き、前腕の筋肉緊張を25%軽減します。」としています。

握った感覚としては一般的なマウスとあまり変わりません。しかし内側が高くなっていることで、手首の返しの角度が控えめなことに気がつきます

握った感覚としては一般的なマウスとあまり変わりません。しかし内側が高くなっていることで、手首の返しの角度が控えめなことに気がつきます

さらにデバイス全体を動かす(腕や手首で動かす)のではなく、親指の位置にあるボールでマウスポイントを操作するので、長時間のPC操作でも手首に負担をかけないという特徴も、疲れにくさにつながっています。

ボールのサイズに着目すると、大きなものは50mmを超えるものもありますが、「ERGO M575SP」で使われているボールのサイズは、実測で直径が約34mmのもの。およそ平均的と言えるでしょう。肝心の操作感ですが、親指で滑らすように回転させたときもさほど重さは感じず、回転を止めるときも力を込めなくて大丈夫。軽々と操作できるところも「ERGO M575SP」の人気のポイントでしょう。

そのほかの操作系を見ると、一般の5ボタンマウスと同じレイアウトになっていることに気がつきます。ドラッグ&ドロップや右クリックメニュー表示、Webブラウザーの「戻る」「進む」などの操作がしやすいUIを取り入れることで、マウスから「ERGO M575SP」への移行もしやすくなっています。

アプリごとに異なる操作が可能になるカスタマイズ性

「ERGO M575SP」は、専用アプリの「Logi Options+」によるカスタマイズが可能です。ボールを回したときのマウスポインターの移動速度、ホイールボタンに適用する機能やショートカットなどが自由に選べるようになります。

設定を変更するには、「ERGO M575SP」を接続した状態で「Logi Options+」を起動。機能を変更したいボタンをクリックして選択し、右側のアクションメニューから好みの機能を選べます。また上部にある「+」アイコンをクリックすると、操作しているアプリごとに異なる機能をセットできます。

「Logi Options+」で「ポインタ速度」を調節しているところ

「Logi Options+」で「ポインタ速度」を調節しているところ

興味深いのが、1ボタンで「ChatGPTを開く」などのアクション設定が可能なことです。生成AIを多用する人にとってはありがたさを感じる機能でしょう

興味深いのが、1ボタンで「ChatGPTを開く」などのアクション設定が可能なことです。生成AIを多用する人にとってはありがたさを感じる機能でしょう

画面上に並ぶアイコンからアプリごとのショートカットメニューが設定できます

画面上に並ぶアイコンからアプリごとのショートカットメニューが設定できます

定期的にボールのメンテナンスが必要

「ERGO M575SP」の底面を見ると、マウスのような光学センサーを備えていないことがわかります。なお本製品は乾電池駆動式。USBケーブルなどによる充電はできません。面倒だと思うかもしれませんが、身体に合ったポインティングデバイスは長く使いたくなること確実です。内蔵バッテリーが寿命を迎えたら買い換え、よりも入れ替え式バッテリーによる長寿命な製品サイクルのほうがありがたいのではないでしょうか。

底面に光学センサーはなく、乾電池入れ替え用の蓋があります

底面に光学センサーはなく、乾電池入れ替え用の蓋があります

ボールを外すとボールの回転を認識する光学センサーがあります

ボールを外すとボールの回転を認識する光学センサーがあります

底面部の穴からやわらかい綿棒などで突けば、ボールを外せます。なお、このボールが収まっている部分にはホコリなどのゴミが入り込みやすいです。ゴミが入るとマウスポインターが正しく動かなくなったり、動きが悪くなったりしまいます。定期的にボールを外して清掃しましょう。

手順としてはボールを外した後、エアダスターでホール内のゴミを吹き飛ばし、綿棒でホール内の光学センサーとローラーを軽く拭く。さらにボールをウェットティッシュで拭けばOKです。

【まとめ】ERGO M575SPはデスクワーカーにぜひ試してほしい

「ERGO M575SP」は2024年9月に発売された、最新トラックボールのひとつですが、実は2010年リリースの「Wireless Trackball M570」を祖とするモデルでもあります。代を重ねるごとに形状は少しずつ変わり、光学センサーなどもアップデートされてきましたが、素性がよいからこそ長らくこの形状と操作系が評価されてきたのでしょう。

そんな「ERGO M575SP」は、まずはマウスを使っていると疲れやすいというデスクワーカーにおすすめしたいモデルです。前述したように手首の返しが穏やかで前腕を動かさなくてもマウスポインターが動かせる点は、身体の負担を低減してくれるでしょう。ここはメーカーが「前腕をより自然な位置に置き、前腕の筋肉緊張を25%軽減します」と言っているとおりだと感じます。

また、本体を動かさなくて済むことから、カフェテーブルのような狭い空間で作業することが多い人にもおすすめ。マウスと比較すると大ぶりなサイズではありますが、出張時にもぜひ持ち歩いてほしいです。ビジネスホテルのテーブルでも着実に作業が捗ります。

ソファや椅子に深く腰掛けて、Webを見たり、ストリーミングコンテンツを楽しんだりしたい人にもベストなポインティングデバイス。光の反射率などテーブル天板の材質を選ばず、膝の上において使うこともできる「ERGO M575SP」のメリットが生きてきます。この便利さをぜひ体感してみてください。

武者良太
Writer
武者良太
1971年生まれのガジェットライター。出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。PCやスマートフォンのハードウェアレビューから、ガジェット市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。
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柴田崇志(編集部)
Editor
柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
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