レビュー

新ボディにM4搭載! 小さくてパワフルな新型「Mac mini」レビュー

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アップルの小型PC「Mac mini」が昨年2024年11月にフルモデルチェンジしました。本体を小型化しつつ、頭脳には最新の「M4チップ」を採用。今年2025年から日本語での利用がスタートするAI機能「Apple Intelligence」にも対応します。

価格.comの「Macデスクトップ」カテゴリーの人気売れ筋ランキングでは1位から4位までを、この新型「Mac mini」が占めています(2025年1月23日時点)。2023年モデルよりも値上がりはしたものの、最小構成モデルで10万円を切る価格も人気の理由と言えるでしょう。

2023年モデルからどんな進化を果たしているのか、遅ればせながらレビューしていきます。

アップルの新型「Mac mini」、価格.com最安価格は90,969円(税込)から、2024年11月8日発売

アップルの新型「Mac mini」、価格.com最安価格は90,969円(税込)から、2024年11月8日発売

手のひらサイズのボディ、底面の電源ボタンは予想通り押しにくい

新型「Mac mini」のいちばんの特徴はボディの小型化です。本体サイズは127(幅)×127(奥行)×50(高さ)mmで、手のひらに載るほどコンパクトになりました。重量は「M4チップ」モデルが0.67kg、「M4 Proチップ」モデルが0.73kg。「M4 Proチップ」モデルのほうが少し重いのは、冷却性能を高めるためヒートシンクなどが大きくて重いためだと思われます。

「M2チップ」を搭載する2023年モデルまでは平べったいボディでしたが、新型「Mac mini」はフットプリント(設置面積)が小さくなり、「Mac Studio」のような少し高さのあるボディに生まれ変わりました。14.2mmほど高さが増したため、ディスプレイの下に設置して使う場合は、収まるかどうか気をつけたほうがよいでしょう。

●本体サイズ比較
2024年モデル(M4モデル):127(幅)×127(奥行)×50(高さ)mm、0.67kg/0.73kg
2023年モデル(M2モデル):197(幅)×197(奥行)×35.8(高さ)mm、1.18kg/1.28kg

※重量は搭載するチップにより異なります。

「iPhone 14 Pro」と比較すると、新型「Mac mini」の小ささがよくわかります

「iPhone 14 Pro」と比較すると、新型「Mac mini」の小ささがよくわかります

新型「Mac mini」は手のひらに載るほどコンパクト。重量も1kg以下で非常に軽量です

新型「Mac mini」は手のひらに載るほどコンパクト。重量も1kg以下で非常に軽量です

「Mac mini」の2023年モデル。この平べったいフォルムはDVDドライブを搭載していた2010年モデルから10年以上続きました

「Mac mini」の2023年モデル。この平べったいフォルムはDVDドライブを搭載していた2010年モデルから10年以上続きました

本体だけでなく、パッケージもコンパクトです

本体だけでなく、パッケージもコンパクトです

発表時に賛否両論あったのが本体底面の左奥に設けられた電源ボタン。見た目はスマートですが、実際に使ってみると想像どおり押しにくかったです。電源を落とさず、スリープで運用するなら気にならないでしょうが、電源を落として運用するとなると面倒でしょう。特に手の届きにくい場所、たとえばディスプレイの裏などに本体を設置する場合は不便に感じるはずです。

「なぜそこに設けた?」と言いたくなる電源ボタン。本体がコンパクトで、さっとひっくり返して押せばいいのですが、その場合は手が届く場所に「Mac mini」を置いておく必要があります

「なぜそこに設けた?」と言いたくなる電源ボタン。本体がコンパクトで、さっとひっくり返して押せばいいのですが、その場合は手が届く場所に「Mac mini」を置いておく必要があります

本体前面にも注目です。2023年モデルにはなかった、USB Type-Cポート×2とヘッドホン出力が搭載されました

本体前面にも注目です。2023年モデルにはなかった、USB Type-Cポート(USB 3、10GB/s)×2とヘッドホン出力が搭載されました

「M4」と「M4 Pro」は性能だけでなく、外部インターフェイスの違いにも注意

新型「Mac mini」の標準モデルの主なスペックとアップルストア価格(税込)は以下のとおり。標準モデルでも最低メモリー容量が8GBから16GBになったのはうれしいポイントです。

・M4(10コアCPU/10コアGPU)、16GBメモリー、256GB SSD…94,800円
・M4(10コアCPU/10コアGPU)、16GBメモリー、512GB SSD…124,800円
・M4(10コアCPU/10コアGPU)、24GBメモリー、512GB SSD…154,800円
・M4 Pro(12コアCPU/16コアGPU)、24GBメモリー、512GB SSD…218,800円

新型「Mac mini」が搭載するチップは以下の3つです。「M4チップ」と「M4 Proチップ」の違いはコア数以外にも、メモリー帯域幅も違います。日常的な作業でその差は体感できないでしょうが、より高負荷な作業で違いが出るはずです。

・M4:10コアCPU(高性能コア4・高効率コア6)・10コアGPU、16コアNeural Engine、メモリー帯域幅120GB/s
・M4 Pro:12コアCPU(高性能コア8・高効率コア4)・16コアGPU、16コアNeural Engine、メモリー帯域幅273GB/s
・M4 Pro(オプション):14コアCPU(高性能コア10・高効率コア4)・20コアGPU、16コアNeural Engine、メモリー帯域幅273GB/s

コア数に関しては、特にGPUのコア数が大きく違うので、グラフィック処理を重視するなら、「M4 Proチップ」搭載モデルを選ぶといいでしょう。「Mac Studio」ほどの予算はかけられないが、グラフィック処理に強いMacを探している人に向いたモデルと言えます。

搭載するチップによる違いは性能だけではありません。背面の外部インターフェイスも違います。ギガビットEthernetポートとHDMI出力は同じですが、3つのThunderbolt(USB Type-C)ポートが「M4チップ」モデルがThunderbolt 4なのに対して、「M4 Proチップ」モデルはThunderbolt 5です。

これによりデータ転送速度とディスプレイ出力の仕様が異なります。データ転送速度はThunderbolt 4が40GB/sなのに対して、Thunderbolt 5が120GB/sで3倍の速さ。ケーブルや接続する機器が対応していないとフルスピードは得られませんが、“Pro”にふさわしい仕様と言えるでしょう。

ディスプレイ出力は、「M4チップ」モデルが最大2台の6Kディスプレイと最大1台の5Kディスプレイに対応するのに対して、「M4 Proチップ」モデルは、60Hzで最大3台の6Kディスプレイをサポートします。

なお、2023年モデルまであったUSB Type-Aポートが搭載されなくなりました。USB Type-Aポート対応のドックや周辺機器を使いたい場合は注意しましょう。

背面の外部インターフェイス。ギガビットEthernetポートは、オプション(+15,000円)で10GbEthernetに変更できます

背面の外部インターフェイス。ギガビットEthernetポートは、オプション(+15,000円)で10GbEthernetに変更できます

ベンチマークでM4のパワーをチェック

新型「Mac mini」のパフォーマンスをチェックしましょう。今回試した「Mac mini」は、「M4チップ」モデルの標準モデルの最上位機種。ユニファイドメモリーの容量が24GBと大容量なのがポイントです。

今回試した「Mac mini」のスペック。CPUが「M4チップ」、メモリーが24GB、ストレージが512GB。OSは「mac OS Sequoia 15.1」です

今回試した「Mac mini」のスペック。CPUが「M4チップ」、メモリーが24GB、ストレージが512GB。OSは「mac OS Sequoia 15.1」です

新型「Mac mini」のパフォーマンスをチェックするため、定番のベンチマークアプリ「CINEBENCH R23」と「Geekbench 5」を実行しました。過去に試したモデルの結果とも比較してみましょう。結果は以下のとおりです。

CPU性能を測定する定番ベンチマークアプリ「CINEBENCH R23」の結果

CPU性能を測定する定番ベンチマークアプリ「CINEBENCH R23」の結果

同じくCPU性能を測定する定番ベンチマークアプリ「Geekbench 5」(CPU)の結果

同じくCPU性能を測定する定番ベンチマークアプリ「Geekbench 5」(CPU)の結果

GPU性能を測定する「Geekbench 5」のCompute。MaxやProなどはGPUがパワフルなのがわかります

GPU性能を測定する「Geekbench 5」のCompute。MaxやProなどはGPUがパワフルなのがわかります

「M2チップ」搭載の「Mac mini」と比べると、CPU、GPUともに着実にパワーアップしていることがわかります。世代を重ねるごとに着実にアップルシリコンがパワーアップしていることがうかがえます。

新型「Mac mini」にはファンが内蔵されていますが、ベンチマークアプリを実行しても、ほとんど音がしませんでした。動作音はきわめて静かと言えるでしょう。

【まとめ】新型「Mac mini」はモバイルもできそうなほどコンパクト

新型「Mac mini」は現行のMacの中でいちばん安いモデルです。最小メモリー容量を16GBに引き上げつつ、最小構成モデルは94,800円(税込)と10万円以下を実現。ディスプレイやキーボード、マウスは別途必要ですが、Windows用のものも使えるので、人によっては初期費用を抑えられるはず。モバイルディスプレイと組み合わせれば、ノートパソコンに近い感覚で使えるし、テレビと組み合わせるのもありでしょう。

モバイルディスプレイを組み合わせれば、ミニマムな環境が構築できます。電源の問題はありますが、この組み合わせなら持ち運びもできそう

モバイルディスプレイを組み合わせれば、ミニマムな環境が構築できます。電源の問題はありますが、この組み合わせなら持ち運びもできそう

「Mac mini」ユーザーが買い替える場合は、前述のとおり、本体サイズの変更とUSB Type-Aポートがなくなった点に注意しましょう。「M4チップ」は非常にパワフルなので、メインマシンにも使える高性能な小型PCとして、新型「Mac mini」に注目してはいかがでしょうか。

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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