Dynabook「dynabook GA/ZY 価格.com限定 W6GAZY5CAL-K(以下dynabook GA/ZY)」は約956gの軽さが特徴の13.3型モバイルノートパソコンです。ハイスペックとまでは言えませんが、拡張性が高く実用度の高い1台。さっそくその魅力をチェックしていきましょう。
Dynabook「dynabook GA/ZY 価格.com限定 W6GAZY5CAL-K」、103,180円(税込。価格.com 最安価格 ※ページ内の価格などはすべて2025年2月17日時点のもの)、2024年12月16日発売
はじめに、「dynabook GA/ZY」を使ってみた印象をまとめました。
・1kgを切る重量で持ち運びがラク
・各種ポートを備えた高い拡張性
・思いのほか長かったバッテリー駆動時間
「dynabook GA/ZY」筆者による評価チャート
価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート
評価チャートについて
・実際に製品を使用して、価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けました。
評価項目:満足度、デザイン、処理速度、グラフィック性能、拡張性、使いやすさ、持ち運びやすさ、バッテリー、画面、コストパフォーマンス
点数:5点満点(標準点は3点)
・製品カテゴリーや価格を考慮して評価しています。ノートパソコンとしての絶対的な評価ではありません。
・本記事を執筆した筆者による個人的な評価です。評価は個人によって変わりますので、あくまでも 参考程度にとどめてください。
価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビュー一覧
https://review.kakaku.com/review/newreview/CategoryCD=0020/
dynabookと言えばタブレットにもなる2in1パソコンから光学ドライブを搭載した16型の大画面モデルまで、幅広いラインアップを揃えているのが特徴です。そのなかで今回紹介する「GA/ZY」シリーズは、メーカー公式(https://dynabook.com/direct/mobile-note-pc/ga-series.html)に「高性能を身近なものに。」とあるように、軽量ながら「AMD Ryzenプロセッサー+メモリー16GB」が基準となる、基本スペックの充実したモバイルノート。画面サイズは13.3型ですが、手に取った際、「軽っ!」と口に出たほどです。
まさにモバイルにふさわしい1台ですが、本体に目を移せば小型のボディに不釣り合いとも言える充実のポート類を搭載。USBはType-A、Type-Cともに2ポートで、microSDカードスロットも備えます。さらに、HDMIポートやモバイルノートパソコンでは省かれがちな最大1GBに対応のLANポートまであります。これなら、自宅では大型モニターと有線LAN、キーボードなどを接続してデスクトップのように使うことも可能でしょう。
気になるバッテリーは、動画再生テストにおいて公称値を上回る約12時間30分を記録。1日持ち歩くような用途にも対応できるでしょう。CPUの「AMD Ryzen 5 7430U」は決してハイスペックではありませんが、インターネットやOfficeの使用においては問題のないレベルで、実際に作業をしていてもストレスを感じるほど待たされることはありません。
ほかにも、非光沢のディスプレイは屋内・屋外を問わず視認性よし。これらを踏まえれば、10万円台という価格は十分リーズナブルです。ビジネスパーソンの相棒に、学生の講義のお供にと、幅広く使えまた満足度の高い製品と言えそうです。
さらに詳細な特徴は、次項以降で紹介していきます。
ここからは「dynabook GA/ZY」について実際に使用した感触などより詳しくレビューしていきます。
dynabookの13.3型モデルのなかでも「ハイスタンダードモバイルノート」に位置づけられているGA/ZYシリーズ。13.3型では個人向けでは唯一CPUにAMD Ryzenを採用しており、約956gという軽さも魅力の1台です。
dynabook公式直販ページ(https://dynabook.com/direct/mobile-note-pc.html)より
なお、dynabookの多くは「量販店モデル」に対応する形で「Dynabook Directモデル」があります。しかし、「dynabook GA/ZY」は法人向けあるいは「Dynabook Directオリジナルモデル」のみとなっており、量販店モデルはありません。
「dynabook GA/ZY」を手に取って、まず驚かされたのがその軽さです。オニキスブルーのボディは重厚そうに見えますが、カタログ値は約956gと1kgを下回ります。
実際にショルダーバッグやトートバッグで持ち運んでみましたが、パソコンが入っていることを忘れるほど。この軽さはモバイルノートとしては大きな強みになります。
また、ボディには軽量のマグネシウム合金を採用。マグネシウムは比強度(強度/比重)が鉄やアルミニウムよりも高く、軽さと強度を両立できます。また、振動吸収性も高く落下の衝撃や外部からの圧力にも耐えられる堅牢性も期待できます。
なお、「dynabook GA/ZY」は価格.comの13.3型ノートパソコンの売れ筋ランキングでトップ5に入る人気ですが、そのなかでも最軽量です。それでいて価格は10万円台と比較的安価で、バランスのよいモデルと言えます。
実測値は939g。ボディは約17.9mmと薄く、持ち運びに困ることはありません
昨今モバイルノートというと、”端子類はUSB Type-Cポートのみ”という製品も珍しくありません。シンプルではありますが、もしUSBメモリーなどを使い耐場合、USBハブを持ち歩く必要が出てくるなど、これでは薄型化や軽量化をしても本末転倒です。
拡張性が高い「dynabook GA/ZY」はその点で安心。2つあるUSB Type-Cポートのうち1つは充電ケーブルで埋まってしまいますが、USB Type-Aも2ポート備えているためUSBメモリーも使用可能。セキュリティ上の理由などから、クラウドを利用できない環境でも問題ありません。13.3型でmicroSDカードスロットを備えているのもレアです。
さらに、HDMIと1Gbps対応のLANポートも備えます。HDMIがあることで、ケーブル1本で外部モニターに接続し、より大きな画面で作業できます。USB Type-Cでも外部ディスプレイ出力は可能ですが、HDMIがあることでUSBポートは別の用途に使えます。
自宅やオフィスではHDMI接続で外部ディスプレイにつないで、デスクトップパソコンの代わりとしても使えると考えれば、よりコスパが高く感じられます。
右側面にはmicroSDカードスロット、USB Type-Aポート、有線LANポート、セキュリティスロットを備えます
左側面にはUSB Type-C×2ポート、HDMIポート、USB Type-Aポート、マイク入力/ヘッドホン出力端子を備えます
バッテリー駆動時間は、カタログ上ではアイドル時で約13時間、動画再生時は約7時間と表記されています。
実際にスペックと同程度の時間使用できるのか、動画を再生してチェックしました。画面の輝度と音量は50%に設定し、バッテリーの節約機能などはすべてオフにします。この状態でYouTubeのフルHD画質動画をフルスクリーン表示で再生したところ、約12時間20分とスペック以上の長時間を記録しました。
これなら電源のない屋外でも余裕をもって利用できそうです。なお、電源アダプターは実測値約215gの重さで、サイズはおよそ60×60mm。”携帯してもジャマにならない”とはちょっと言いづらい大きさです。
接続はUSB Type-C。本体の最大消費電力は65Wです
ディスプレイは13.3型のTFTカラー LED液晶で、解像度はフルHD(1920×1080)です。非光沢液晶のため派手さはありませんが、発色は鮮やかで写真や動画も違和感なく表示してくれます。視野角も広く、真横や真上に近い位置からでも見え方は変わりません。ちなみに、タッチ操作には対応していません。
1920×1080のディスプレイは精細で、小さめの文字もくっきり表示されています
非光沢ディスプレイのため、光沢ディスプレイと比べると赤がやや暗めに見えましたが、全体としては鮮やかで元画像に忠実です
視野角は広く、上左右から角度を付けて見ても色彩はほとんど変わりません
屋外に持ち出して公園でも使用してみましたが、ディスプレイの反射がほとんどなく太陽光下でも問題なく閲覧できました。
ディスプレイの上部には約92万画素のWebカメラを備えますが、こちらは映像が暗く鮮やかさ、精細さともに感じられません。ただし、カメラシャッターを備え、プライバシーには配慮されています。また、「AIノイズキャンセラー」「AIカメラエフェクター」などオンライン通話を快適にする機能も搭載しています。
スピーカーはパームレストの裏面に、左右分かれて配置。高音はそれなりに出ているのに対して、低音はあまり出ていないようで、音楽を聴いても動画を見ても軽い印象が残りました。
公園の太陽下でも画面が反射せず見やすいです
Webカメラにはスライド式のカバーが備わっています。左写真はカバーを開いた状態。右写真はカバーを閉じてカメラを隠した状態です
キーボードは86キーのJIS配列。キーピッチは19mm、キーの幅は16mmと一般的なサイズで、キーは中心がやや凹んでいるもののフラットに近いです。キーストロークは1.5mmで、打鍵感はやや固め。しっかりと入力した感覚がほしい人と相性がよいでしょう。
Shiftキー、Enterキー、スペースキーは大きめで、全体的にバランスのよい配置です。最前列の右にはCopilotキーも備えていて、その左のキーは右クリックメニューを表示します。また、電源ボタンが独立しているためDeleteキーは右上に配置されています。
タッチパッドはすべりがよく、ほどよいクリック感もあって気持ちよく入力できます。サイズは一般的で、特別大きくはありません。ジェスチャー入力にも対応し、クリックボタンはありません。
なお、本体は180度開けます。画面も180度回転して表示することで、卓上でのプレゼンテーションなどに活用できます。
キーピッチは19mmと標準的で、入力しやすいです。キーにはアルファベットとひらがなのラベルがあります
最前列の方向キーの左にCopilotキーを配置、さらに左のキーは右クリックメニューを表示します
トラックパッドは指のすべりがよく操作しやすいです
本体を180度開いたところ。画面も180度回転表示できるので、対面の相手との共有が楽です
最後に、「dynabook GA/ZY」の性能をベンチマークソフトで数値化していきましょう。
まずは、複数のパフォーマンスをテストできる「PCMark 10」のスコアです。測定できるのは以下の3項目。
・「Essentials(簡単な作業を行うための一般的なPC向け)」
・「Productivity(一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作向け)」
・「Digital Content Creation(写真、動画、そのほかのデジタルコンテンツ編集向け)」
それぞれ公式にスコアの目安が提示されているので、実際のスコアを比較してみます。
・Essentials:[目安]4100以上推奨/[スコア]7785
・Productivity:[目安]4500以上推奨/[スコア]6582
・Digital Content Creation:[目安]3450以上推奨/[スコア]4927
スコアを見ると、アプリの起動やネットの利用といった一般的な作業「Essentials」が目安の約1.9倍、ライティングや表計算といったオフィス作業「Productivity」が約1.4倍、写真や動画の編集「Digital Content Creation」も約1.4倍といった結果でした。
この結果からは、ビジネスや学習用途に最適と言えそうです。
EssentialsとProductivityは好成績でした
続いて、「3DMark」でGPUの処理能力を測定しました。GPUは内蔵の「AMD Radeon グラフィックス」のため、使用するのは中程度の負荷でテストする「Steel Nomad Light」です。
・Steel Nomad Light:1053
数値としてはかなり低めでした。3Dゲームを遊ぶのは厳しそうです。
スコア掲載サイトの数値と比べると、かなり低い数値です
PCゲームのベンチマーク測定の定番ツールとなっている「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク」も使用してみました。
・高品質(ノートPC)・1920×1080・フルスクリーン:3924(設定変更を推奨)
・標準(ノートPC)・1920×1080・フルスクリーン:3695(設定変更を推奨)
いちばん軽い「標準(ノートPC)」でも設定変更を推奨という評価。やはり3Dゲームは諦めたほうがよさそうです。
標準品質でも設定変更を推奨という厳しい評価になりました
900g台の軽さは、それだけで買う理由になるほどの魅力です。13.3型のほぼA4サイズなのでビジネスバッグならちょうど入るサイズで、持ち運びがストレスになりません。
加えて、キーの配置にゆとりがあるのも実用的。よりコンパクトなサイズのモデルはキーの幅やピッチが狭く入力効率が下がりがちですが、本製品なら一般的なデスクトップ向けのキーボードとも変わらないのは強みでしょう。
ボディはアルミニウムより軽いマグネシウム合金製で、強度もあるのでまさにモバイルノートには最適。樹脂素材に比べると肌ざわりがよく、光に当てると光沢感があるため、所有欲も満たしてくれます。
スペックはものすごく高いわけではありませんが、メモリーは16GB搭載しており、ベンチマークを見てもオフィスワークや学習用途には不足ありません。いっぽうで、写真や動画の編集は快適とは言えないことは改めてお伝えしておきます。
拡張ポートの多さは、クラウドストレージになじめないUSBメモリーユーザーには推しポイント。外部モニターと接続できるHDMI、有線LAN用のポートも備えていながら17.9mmという薄さは特筆です。
モバイルとしての携帯性と、パソコンとしての使い勝手のよさがちょうどよいバランス。手ごろな価格のモバイルノートを求めている人にピッタリはまる1台と言えます。
なお、本製品にはOfficeは付属していませんが、仕様違いとなる「dynabook GA/ZY 価格.com限定 W6GAZY5BAL-K 13.3型フルHD Ryzen 5 7430U 512GB SSD Officeあり [オニキスブルー]」には付属しています。Officeが必要な人はこちらも検討してみてください。