レビュー

17.3型がこのサイズに!? 折りたためるポータブルモニターASUS「ZenScreen Fold OLED」

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ノートPCのサブモニターとして活用されるモバイルモニター。このモバイルモニター市場で異彩を放つ、折りたたみ型モデルASUS「ZenScreen Fold OLED MQ17QH」が、2025年2月28日に発売されました。今回、こちらをレビューしていきます。

ASUS「ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]」341,820円(税込、2025年3月24日時点の価格.com最安価格。以下同)

ASUS「ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]」341,820円(税込、2025年3月24日時点の価格.com最安価格。以下同)

台湾に拠点をおくASUSが手掛ける「ZenScreen Fold OLED MQ17QH(以下ZenScreen Fold)」は、同社が展開しているポータブルモニターシリーズ「ZenScreen」の最新モデル。Foldの名のとおり、折りたためることが最大の特徴です。折りたためるポータブルモニター自体は珍しいものではありませんが、その多くは2つの画面をヒンジで固定した、いわば2画面をたたんで持ち歩くデザイン。しかし本機は、本機は継ぎ目のない一体型のディスプレイとなっています。

折りたたみ時は12.5インチながら、展開すると17.3インチもの大画面モニターとして利用可能。いわば巨大な折りたたみスマホのような見た目です。また、折りたたんだサイズはほとんどのノートPCよりも小型。この携帯性のよさは魅力的で、仮に14インチのノートPCと一緒に運用すれば、14インチ+17.3インチもの広大な作業領域を好きな場所で展開できます。

ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]の製品画像
  • ASUS
  • ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]
  • 価格.com最安価格345,272 ( 発売日:2025年2月28日 )
  • 売れ筋ランキング642
価格.comで見る
モニタサイズ
17.3型(インチ)
解像度(規格)
パネル種類
OLEDパネル
表面処理
グレア(光沢)
モニタ形状
平面型
応答速度(GtoG)
0.2ms
リフレッシュレート
60Hz
入力端子
MiniHDMIx1/USB Type-Cx2

折りたたみ&継ぎ目なし、まるで巨大なスマホのよう

本機はType-C接続で電源が取れるので、PC側が対応しているのならHDMIケーブルよりもType-Cケーブルで接続するほうがおすすめ。付属のType-Cケーブルは片側がL字型になっていて接続しやすく、ケーブル長は110cm。電源供給の面からわかるように、本機はバッテリー非搭載です。無線接続も不可。

同梱物は本体、Type-C to Cケーブル、Mini HDMI to HDMIケーブル、別売りのスタンド「MTS02D」に取り付けるためのソケット、マイクロファイバータオル、専用の収納ケース(実測重量は約128g)、アダプターなどです

同梱物は本体、Type-C to Cケーブル、Mini HDMI to HDMIケーブル、別売りのスタンド「MTS02D」に取り付けるためのソケット、マイクロファイバータオル、専用の収納ケース(実測重量は約128g)、アダプターなどです

14インチのMacBook Proの上に置くと、その小型さがわかります。折りたたみ時のサイズはA4用紙よりわずかに小さい程度です。重量は1.17kgで、こちらも軽量ノートPCクラス。

折りたたみ時の寸法は、実測値で約186(幅)×287(高さ)×19(奥行)mm

折りたたみ時の寸法は、実測値で約186(幅)×287(高さ)×19(奥行)mm

外装はアルミ製。折りたたみガジェットの心臓部とも言えるヒンジ部には、最新の機構を採用しています。

最新の水滴型ヒンジを採用。3万回以上の開閉テストを実施しているとのこと

最新の水滴型ヒンジを採用。3万回以上の開閉テストを実施しているとのこと

完全に展開するとこのような形に。縦方向のスペースは30cm近くにもなり、圧巻のサイズ感!

展開時の公称寸法は、368.2(幅)×286.8(高さ)×9.7(奥行)mm。キックスタンドも内蔵

展開時の公称寸法は、368.2(幅)×286.8(高さ)×9.7(奥行)mm。キックスタンドも内蔵

ディスプレイの厚みは1cmもないため、横から見ると非常にシャープ。ともすれば壊してしまいそうで、デリケートに扱いたくなります。

キックスタンドは半端な位置でも止まりますが、接地面が不安定になるので非推奨

キックスタンドは半端な位置でも止まりますが、接地面が不安定になるので非推奨

背面のキックスタンドは薄型で、平時は本体に収納されています。スタンド上部には1/4インチネジの穴があり、ここに同梱のソケットを取り付けることで別売りのモニタースタンド「MTS02D」やカメラ用の三脚に取り付けられます。

キックスタンドは斜めに展開しており、デザインを含んだ意匠に。中央部の穴が1/4インチネジの穴

キックスタンドは斜めに展開しており、デザインを含んだ意匠に。中央部の穴が1/4インチネジの穴

ポート類はUSB Type-C×2、Mini HDMI、イヤホンジャックを搭載。前述したようにType-C端子は本機への電源供給も兼ねています。つまり、Type-CケーブルでPCと接続すれば映像出力・電源供給がケーブル1本で完結しますが、HDMIケーブルで接続するなら別途電源供給が必要。できるだけType-Cケーブルで接続したいところですね。

端子類は上部端に配置

端子類は上部端に配置

ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]の製品画像
  • ASUS
  • ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]
  • 価格.com最安価格345,272 ( 発売日:2025年2月28日 )
  • 売れ筋ランキング642
価格.comで見る
モニタサイズ
17.3型(インチ)
解像度(規格)
パネル種類
OLEDパネル
表面処理
グレア(光沢)
モニタ形状
平面型
応答速度(GtoG)
0.2ms
リフレッシュレート
60Hz
入力端子
MiniHDMIx1/USB Type-Cx2

ノートPCを超えるディスプレイを数秒で展開できる

16インチのゲーミングノートPCと接続すると以下の写真のような感じに。特別な手順やドライバなどを必要とせず、Type-Cケーブルでつなぐだけでサブモニターとして利用できます。写真では縦画面で使っていますが、横画面で使うことも可能。タッチ操作には対応していません。

Type-Cケーブル1本でPCと接続。PCを閉じて、別途キーボードとマウスを使って本機をメイン画面にすることも可能

Type-Cケーブル1本でPCと接続。PCを閉じて、別途キーボードとマウスを使って本機をメイン画面にすることも可能

ディスプレイはグレアの有機ELで、解像度は2560×1920。標準輝度は350nits、リフレッシュレートは60Hz、フリッカーフリー対応。HDR 500対応で鮮やかさも際立っていますが、明るさはやや物足りない印象です。

本機は、写真のようにわずかに折り曲げた状態でも一体型のモニターとして閲覧できます。オフィシャルの動画(https://youtu.be/-hJi6eJLT5w?si=bUJFVSJKMdX6ELHX)でも少し折り曲げた状態で使っていますが、実はこちらのほうがフラットな状態よりも見やすかったりします。

わずかに折りたたんだほうが見やすいときも

わずかに折りたたんだほうが見やすいときも

これは、フラットな状態だと目線に対して画面が斜めになってしまうためです。モニターを少し折り曲げて上部をデスクに対して垂直にすると、目線に対してもちょうど正面に画面をとらえられるため、とても見やすくなります。折り曲げた境目の部分も、特に見にくくなることはありませんでした。

折り曲げずフラットに使っている状態

折り曲げずフラットに使っている状態

14インチのノートPCと並べると、より縦画面の大きさが際立ちますね。ポータブルモニターは持ち運びを優先するなら13インチ台、画面サイズを優先する場合でも15インチ台が一般的です。17インチを超えるポータブルモニターもありますが、そこまでいくと自宅での据え置き運用が主流です。折りたたんでA4サイズ、展開すると17インチというのは、やはり唯一無二の存在感。

それにしても、縦方向に17インチものモニターが存在するビジュアルは圧巻! もはやノートPCディスプレイの大きさをも超えています。縦画面を生かして、PDF資料のようなページの多いファイルも効率的に表示可能。ついタッチでスワイプしそうになるのですが、それができないのはもどかしくもありました。

アルミの色合いや質感的に、MacBookとの相性は抜群

アルミの色合いや質感的に、MacBookとの相性は抜群

たとえば動画編集であれば、編集はPCのディスプレイで行いつつ、プレビューはモニターに出力した大画面で確認する、といった使い方も便利。多くの資料を表示するような使い方でも充分に便利ですが、せっかくの大画面と鮮やかな発色ですからクリエイティブ作業の相棒としたいところです。

縦置きだけでなく、90度回転させて横画面として使うこともできます。動画やブラウジングなどは横画面のほうが見慣れたスタイルですが、そのかわり占有スペースもかなりのものになります。また、横置き時はキックスタンドの角度がやや高く、もう少し寝かせて閲覧したいなと感じました。縦画面に対して視線移動の回数は増えてしまいますが、動画やゲームを大画面で楽しみたいなら横置きが望ましいですね。

モニター側面にはゴム足があり、横置き時でも安定します

モニター側面にはゴム足があり、横置き時でも安定します

モニターの輝度や色温度などを調整するOSDナビゲーションボタンも搭載。レスポンスも良好で使いやすかったのですが、縦置き時に操作すると、文字が90度回転しています。横置きで操作すれば正しい見え方になるのですが、おそらくは縦置き利用がメインとなる本機ならばこのOSDメニューも縦置き表示に対応してくれるとうれしかったなーと。

縦置き時の本体右上にOSDナビゲーションボタンと電源ボタンを搭載

縦置き時の本体右上にOSDナビゲーションボタンと電源ボタンを搭載

OSDメニュー内には、縦置き時と横置き時で画面を自動回転させる機能もあります。しかし、これを使うと縦置きの画面に対して、PC側から一部横長のディスプレイとして認識されました。対応解像度も横画面になっていたので、自動回転はオフにしたうえで、縦置きと横置きを切り替えた際はPC側でディスプレイ設定を90度回転させるのがベターです。

モニター側の自動回転をオンにした状態で、縦置き。写真ではたわみやフリッカーが見られますが、実際はフラットな見え方です

モニター側の自動回転をオンにした状態で、縦置き。写真ではたわみやフリッカーが見られますが、実際はフラットな見え方です

ちなみに、Type-Cで本機に接続した際に利用できる解像度は写真のとおり(縦置きで接続)。最高解像度の1920×2560では文字が小さすぎるため、Windowsの場合は200%の拡大が推奨されていました。視力の自信のある人ならば、さらに大量の情報を表示できるでしょう。

Windowsとつないだ際の解像度一覧

Windowsとつないだ際の解像度一覧

理想の環境作りには、別売りスタンドがぜひ欲しい!

16インチのWindowsノートPCと14インチのMacBook Proを接続して本機の使い心地を確かめてみました。結論としては縦置きで使うほうが効果的だと感じましたが、さらに効果的に使う方法があります。

それは、別売りのモニタースタンド「MTS02D」との組み合わせです。「MTS02D」を使えば、以下のオフィシャル画像のように本機を空中に配置できます。

「ZenScreen Fold」を、「MTS02D」に取り付けて運用している様子。公式画像より

「ZenScreen Fold」を、「MTS02D」に取り付けて運用している様子。公式画像より

これならノートPCディスプレイのさらに上にモニターを配置できるため、視線移動の距離や、設置スペースが少なくて済みます。しかも、モニターの角度や回転も柔軟に調整できます。

縦置きではなく横置きでスタンドに取り付けるのも美しいですね。動画編集やコーディングなど、大画面が要求される作業では特に活躍しそうです。自宅で本機を使うなら「MTS02D」はぜひとも一緒に使いたいアイテムでしょう。

同様の組み合わせで、「ZenScreen Fold」を横向きに配置

同様の組み合わせで、「ZenScreen Fold」を横向きに配置

【まとめ】手軽に快適な作業スペースを

PC側でゲームをプレイしつつ、「ZenScreen Fold」にゲームの攻略情報を表示するといった使い方も便利でした。35万円近くする高級なポータブルモニターとなれば、仕事だけでなくプライベートでも使い倒したいところ。ポータブルと謳ってはいるものの、この画面拡張性は自宅でも充分に活躍してくれます。自宅で使うなら、ぜひとも前述のモニタースタンドが欲しいですね。

仕事だけでなく、ゲームや配信でも活躍

仕事だけでなく、ゲームや配信でも活躍

自宅ではスタンドと合体させて柔軟な閲覧スタイルを、外出先では軽さを生かした場所を問わない大画面展開を。自宅でも外出先でも使えることを思えば、モニター2台分の役割をこなせます。さらに用途もジャンルレスで、仕事やクリエイティブ作業、ゲーム、動画配信など、なんでもござれです。

価格とデザインからいかにもキワモノなアイテムに見えますが、いざ使ってみればオールマイティなモニターとして運用できました。細かい部分の不満点や、折りたたみゆえの「ていねいに扱わねば……」といったプレッシャーはあるものの、A4サイズ感覚で17インチを持ち歩ける万能感はたまりませんね。大画面のポータブルモニターを持ち歩きたかったけれど躊躇していた人も一考の余地ありです。

ヤマダユウス型
Writer
ヤマダユウス型
ガジェット、音楽、楽器を主食とするライター。電気の通るモノに囲まれた生活を送りつつ、休日は登山やキャンプで魂を漂白している。
記事一覧へ
柴田崇志(編集部)
Editor
柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]の製品画像
  • ASUS
  • ZenScreen Fold OLED MQ17QH [17.3インチ スターダストグレー]
  • 価格.com最安価格345,272 ( 発売日:2025年2月28日 )
  • 売れ筋ランキング642
価格.comで見る
モニタサイズ
17.3型(インチ)
解像度(規格)
パネル種類
OLEDパネル
表面処理
グレア(光沢)
モニタ形状
平面型
応答速度(GtoG)
0.2ms
リフレッシュレート
60Hz
入力端子
MiniHDMIx1/USB Type-Cx2
本ページはAmazonアソシエイトプログラムによる収益を得ています
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×