サムスンは、折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold」シリーズの2026年モデルとして、「Galaxy Z Fold8 Ultra」と「Galaxy Z Fold8」の2モデルをラインアップしました。これまでのような1モデル展開ではなく、予算や利用スタイルに応じて選べるようになったわけです。そこで今回は、新モデル2機種に加え、前モデルの「Galaxy Z Fold7」も交え、性能や機能、使い勝手の違いを詳しく見ていきます。
「Galaxy Z Fold8 Ultra」「Galaxy Z Fold8」「Galaxy Z Fold7」の新旧3機種を比較
まずは、新モデルの「Fold8 Ultra」と「Fold8」の基本的な特徴を見ていきましょう。両モデルの違いで最も特徴的なのは画面サイズとアスペクト比です。
「Fold8 Ultra」は、展開時が8インチ(2504×2256ドット、約10:9)、折りたたみ時が6.5インチ(2520×1080ドット、21:9)。詳細は後述しますが、この画面サイズ・アスペクトは前モデル「Fold7」と同じ仕様です。
いっぽうの「Fold8」は、展開時が7.6インチ(1848×2448ドット、約4:3)、折りたたみ時が5.5インチ(1972×1248ドット、約16:10)で、「Fold8 Ultra」と大きく異なっています。
「Fold8 Ultra」は閉じた状態でも普通のスマホに近い感覚で使え、開けば8インチの大画面になります。いっぽうの「Fold8」は一般的なスマホとは異なる形状で、閉じた状態では横幅が少し広く、縦が短い。そして開くと横長の画面を利用できるのがポイントです。
カメラ構成は大きく異なります。「Fold8 Ultra」は望遠カメラを含む3眼構成ですが、「Fold8」は望遠を省いた2眼構成を採用しています(※詳細は後述)。
プロセッサーについては両モデル共通で、前モデルの「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」から「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」へと刷新。ベンチマークの結果は記事の後半に掲載しますが、パフォーマンスは前モデルよりも向上しています。
基本的な特徴をまとめると、「Fold8 Ultra」は、大画面とカメラ性能を重視した上位モデル。「Fold8」は動画やゲーム、電子書籍などのコンテンツを楽しみやすい画面形状を採用し、価格とのバランスを狙ったモデルと言えるでしょう。
続いて、「Fold8 Ultra」と前モデル「Fold7」の違いをチェックします。
「Fold8 Ultra」は、「Fold7」とディスプレイサイズや本体サイズがほぼ同じ。重量も約215gに据え置かれています。興味深いのは、展開時の厚さが0.1mm薄くなっていること。わずか0.1mmですが、開発陣の執念を感じるシェイプアップです。
メインディスプレイの解像度は2184×1968ドットから2504×2256ドットへ、最大輝度は2600nitsから3000nitsへ向上。バッテリー容量も4400mAhから5000mAhへ増えています。
カメラは200MP広角と光学3倍望遠を継承しつつ、超広角を12MPから50MPへ強化。レンズもF2.2からF1.9へ明るくなっており、超広角撮影時の解像感や暗所画質の向上が期待できます。
「Fold8 Ultra」は、前モデルからサイズと重量をほぼ変えずに、プロセッサー、ディスプレイ、バッテリー、超広角カメラを強化したモデルとなっています。
説明会で展示された歴代「Galaxy Foldシリーズ」。耐久性を確保しつつ、薄型、軽量化に注力し続けています
「Fold8 Ultra」と「Fold8」ではリアカメラの構成が異なるのも注目点です。「Fold8 Ultra」は200MP広角、50MP超広角、10MP望遠(光学3倍対応)の3眼構成。いっぽうの「Fold8」は50MP広角と50MP超広角の2眼構成で、望遠カメラを搭載していません。
広角カメラにも200MPと50MPという画素数の差はありますが、望遠撮影については、光学3倍望遠カメラを搭載する「Fold8 Ultra」が圧倒的に有利。「Fold8」も広角カメラを利用した光学相当2倍ズームに対応しているものの、最大ズーム倍率は10倍にとどまります。
より遠くの被写体を大きく撮影したいのであれば「Fold8 Ultra」を選びたいところ。両モデルで迷っているなら、望遠撮影が必要かどうかも考慮して決めるとよいでしょう。
左が「Fold8 Ultra」、右が「Fold8」のリアカメラアップ。「Fold8 Ultra」は200MP広角、50MP超広角、10MP望遠の3眼構成、「Fold8」は50MP広角、50MP超広角の2眼構成です
パフォーマンスについては、「3DMark」の「Wild Life Extreme」で検証しました。スコアは「Fold8 Ultra」が5163(30.92fps)、「Fold8」が5176(31.00fps)、「Fold7」が4534(27.15fps)。「Fold8 Ultra」と「Fold8」はほぼ互角で、「Fold8 Ultra」は「Fold7」の約114%に相当するスコアを記録しました。
「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」から「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」への刷新により、3Dグラフィックス性能は明らかに向上しています。「Fold7」でも現在のAndroid用ゲームには十分すぎる性能ですが、最高画質でより安定したフレームレートを狙うなら、「Fold8 Ultra」か「Fold8」を選ぶ意味は十分にあるはずです。
「Fold8 Ultra」と「Fold8」のスコアはほぼ同等。「Fold8 Ultra」は「Fold7」に対して114%相当のスコアを記録しています
ここからは、「Fold8 Ultra」と「Fold8」のアスペクト比の違いが、コンテンツやアプリの見え方、使い勝手にどう影響するのか触れておきましょう。個人的には、ここが両モデルの最大の違いだと考えています。
動画鑑賞では、横に長い「Fold8」のほうが上下に入る黒帯が少なくて没入感が高いのが特徴。特に映画はシネスコサイズで配信されている作品も多く、同じ動画を表示すると、「Fold8」のほうが画面を無駄なく使えます。
「Fold8」を選ぶ最大の理由が電子コミックです。約4:3のメインディスプレイは漫画の比率にベストマッチ。見開きでも1ページ表示でも、ほぼぴったり収まります。
下の画像のように並べてみると、「Fold8 Ultra」は上下に大きな余白が入り、そのせいか少し間延びして見えます。筆者がスマホやタブレットで最も長い時間楽しんでいるのは電子コミックなので、この差は大きなアドバンテージです。もし筆者自身がどちらかを購入するのであれば、迷わず「Fold8」を選びます。
※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー 1」より
※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー 1」より
ゲームについては、端末のアスペクト比に合わせて画面レイアウトが変わるため、今回試した「原神」では、どちらもディスプレイの隅々まで活用できました。見え方については、好みで選んでよさそうです。
ただし、実際にプレイしてみると、横幅の広い「Fold8」のほうがやや操作しにくく感じました。ゲームが主目的であれば、店頭などで両モデルを手に取り、サイズ感だけでなく、画面両端の押しやすさや本体のホールドしやすさまで試してから、購入することを強くおすすめします。
Webブラウジングでは、縦方向の見通しのよさが閲覧しやすさにつながります。そのため、「Fold8 Ultra」も「Fold8」も、横持ちより縦持ちのほうが見やすいと感じました。このスタイルで使う限り、両モデルの見え方や使い勝手に大きな差はありません。ただ、画面の実面積が広いぶん、見やすさでは「Fold8 Ultra」がわずかに有利だと思います。
製品の位置づけとしては、「Fold8 Ultra」がフラッグシップ、「Fold8」がスタンダードと考えていいでしょう。そのうえで、どちらを選ぶかを大きく左右するのは、やはりカメラ構成です。光学3倍の望遠カメラを搭載する「Fold8 Ultra」のほうが望遠撮影に強く、より多彩な撮り方を楽しめます。
ただし、筆者のようにスマホでの望遠撮影をそれほど重視していない人もいるでしょう。本当に個人的な考えですが、遠くのものは近くまで寄って撮ればいいですし、遠くのものを撮影したいときはミラーレス一眼カメラに超望遠レンズを組み合わせることが多いです。
望遠撮影は一眼カメラで行うのであれば、動画や電子コミックと相性のよいアスペクト比のディスプレイを搭載した「Fold8」のほうが魅力的に感じるのではないでしょうか。
Galaxy Z Fold8 Ultra
256GB:296,780円
512GB:326,780円
1TB:386,780円
Galaxy Z Fold8
256GB:269,880円
512GB:299,880円
1TB:359,880円
※いずれも税込
ただし、「Fold8 Ultra」「Fold8」ともに決して安くはありません。どちらを選ぶにしても、価格.comで最安価格をしっかりチェックしておきたいところです。