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飛びついてもOK? 格安モバイルノートPCの弱点はディスプレイ

ASUS JAPAN「EeeBook X205TA」―売れ筋2位! 3万円モバイルノートPCの実力は?―

ASUS JAPANの「EeeBook X205TA」は、11.6型液晶を搭載したコンパクトなモバイルノートPCだ。価格.comの「ノートパソコン」カテゴリーの売れ筋ランキングで2位、注目ランキングで1位に入っている人気モデルである。35人がレビューを投稿しており、その満足度は4.60。満足度のカテゴリー平均が4.25なので、レビュワーからの評価は悪くない。人気の理由の1つは安さだ。価格.com最安価格は31,000円と、モバイルノートPCとしては驚くほど安い。ただし、価格.comで探せば3万円前後で買えるモデルは、ほかにもいくつかある。どうしてEeeBook X205TAはここまで人気なのだろうか? 実機を試用して、その人気の理由を探った。

※記事中の価格.com最安価格、各ランキングの順位、レビューの投稿数は2015年5月7日時点の情報です。

11.6型液晶ディスプレイを搭載するASUS JAPANのモバイルノートPC「EeeBook X205TA」。厚さ17.5mm、重量が980gとスリムで軽量なのが特徴だ。価格.com最安価格は31,000円

○(いいところ)
スリムで軽量なボディ! 11.3時間のバッテリー駆動を確保

・MacBook Air並みに薄くて、1kgを切る軽さを実現
・格安モバイルノートPCとしてはキーボードが打ちやすい
・バッテリー駆動が公称11.3時間。実利用でも7、8時間は使える

最近は3万円前後で購入できる格安モバイルノートPCがいくつか登場している。それらのモデルの多くは、外観が事務機器のように味気ないものだったり、バッテリー駆動時間が短くて外出先で使いものにならなかったり、パフォーマンス以外に何かしらの欠点がある。それに対して、今回取り上げるEeeBook X205TAには、これらの欠点が見られない。もちろん、スペック面は目をつむらなければならないが、それ以外に我慢して使わなければならない点がほとんどないのだ。

外装は樹脂素材で、金属を使ったモデルには及ばないものの、安っぽさは感じない。今回はレッドモデルを試したが、きれいに塗装されており、質感も悪くなかった。底面が天板と同じ色に塗装されているのも見逃せない。本体サイズは286(幅)×193.3(奥行)×17.5(高さ)mm。アップルの人気モバイルノートPC「MacBook Air」並みにスリムで、カバンにすっきりと収まる。重量は約980gで、1kgを切る軽さを実現。3万円で買えるモバイルノートPCとは思えないほど、つくりがしっかりしており、ボディの完成度は非常に高い。

外装は樹脂素材だが、きれいに塗装されており、安っぽさは感じられない。四辺のエッジの処理も滑らかだ。厚さは17.5mmで、薄型モバイルノートPCの代表モデルであるMacBook Air並みに薄い

本体底面は、天板と同じ赤色に塗装されている。ゴム足は黒色だが、非常にスッキリとした見た目だ

本体底面は、天板と同じ赤色に塗装されている。ゴム足は黒色だが、非常にスッキリとした見た目だ

キーボードが打ちやすいのもいいところだ。キーピッチは実測で18mmほど、主要なキーの面積は20×18mm(キートップ)ほどだ。キーのレイアウトにクセがなく、DeleteキーとBackspaceキー以外は、特別小さくて押しにくいキーはない。ストロークも深くて、長時間タイピングしても指が痛くなりにくいだろう。高級なノートパソコンと比べると、キーボードのたわみがあるものの、個人的には許容できるレベルだ。また、ディスプレイを開くと、少しだけキーボード面が傾斜するように、背面に小さな突起が付いている。本当に小さな突起で、言われなければ気付かないほどだ。細かな点だが、使い勝手に配慮した仕掛けと言える。

タッチパッドの面積も広くて、操作しやすい。一体型のクリックボタンが深くて、クリックしにくいと感じる人もいるかもしれないが、その場合はマウスを利用すればよいだろう。コンパクトなサイズを考えると、キーボードとタッチパッドは使いやすい部類に入る。

標準的なキーレイアウトのキーボード。実測で18mmのキーピッチが確保されており、キーボードは打ちやすい

標準的なキーレイアウトのキーボード。実測で18mmのキーピッチが確保されており、キーボードは打ちやすい

背面に小さなポッチが付いており、ディスプレイを開くとキーボード面がわずかに傾斜し、キー入力しやすい角度になる

バッテリー駆動は公称で約11.3時間。実利用でも7、8時間は使えそうだ。これだけ持てば、バッテリーが多少へたってきても問題ないだろう。外出先で使いたい人にとって、このスタミナは魅力的だ。付属のACアダプターは、タブレットに付属するようなコンパクトなタイプで、本体といっしょに持ち運んでも苦にならない。薄さ、軽さ、バッテリー駆動の3点は、モバイルノートPCとしては合格点と言っていいだろう。

ACアダプターは、タブレットに付属するACアダプター並みにコンパクトだ。いっしょに持ち歩いても荷物にならない

×(気になるところ)
ディスプレイの視野角が狭いのが残念

・ディスプレイの視野角が狭い。タッチ非対応
・パフォーマンスは価格相応。ストレージがeMMCで64GBなのは○

EeeBook X205TAを使っていて気になったのがディスプレイだ。視野角が狭く、正面から少しでもずれると、色味がすぐに変わってしまう。しかも、左右だけでなく、上下も狭いので、ベストな位置を探すのがなかなか難しい。また、表面がピカピカしたグレアタイプなので、映り込みも気になる。明るい屋外で使うのには厳しそうだ。スマートフォンやタブレットのディスプレイは視野角が広いので、それに見慣れている人だと、物足りなさを感じるかもしれない。解像度は1366×768と高くないが、画面サイズが11.6型と小さいので、粗さは目立たない。タッチ操作ができない点も気になるが、実利用ではそれほど困ることはないだろう。

視野角が狭く、少しでも横から見ると白っぽく見えてしまう。コストを抑えるためにTN方式のパネルを使っていると思われる。正面から見れば、明るくてコントラストも高く感じられたので、視野角が狭いのは残念だ

パフォーマンスは価格相応だ。搭載するCPUは、「Atom Z3735F」(1.33GHz-最大1.83GHz)で、メモリーは2GB。ストレージには64GBのeMMC(SSDの一種でスマートフォンやタブレットによく使われている)を採用する。スペックは2、3万円で購入できるWindowsタブレットと変わらないと考えていいだろう。実際の動作は、Webページの閲覧、「Office Online」の利用などは問題なくこなせた。ただし、「Core i5-5200U」(2.20GHz-最大2.70GHz)と4GBのメモリーを搭載したノートパソコンと比べると、アプリケーションの起動などで、少し待たされるシーンも見られる。また、「YouTube」にて4K動画を再生してみたが、頻繁に再生が止まってしまった(1080pなら問題なく再生できた)。Webページの閲覧やメールの送受信、写真のチェックといった日常的な用途にはストレスなく使えるだろうが、複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業したり、CPUパワーが求められる動画・写真を編集したりするのには向いていない。

外部インターフェイスはUSB2.0ポートを2基、microHDMI出力端子、microSDメモリーカードスロット(microSDXCメモリーカード対応)を備える。フルサイズのHDMI出力端子とSDメモリーカードスロットのほうが使い勝手はよいところだが、価格を考えれば納得できる。

ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0.3b」(ひよひよ氏作)でストレージのスピードを測定した結果。SSDよりも遅いが、ハードディスク(5400回転/分)に比べると高速だ。ストレージの容量は、格安モバイルノートPCとしては大容量の64GBで、すぐに容量不足で困ることはないだろう

Office Onlineを使って、テキストの入力や写真の貼り付けをしてみた。Webブラウザー上での作業は問題なくこなせる。動画や写真の視聴も問題なし。4K動画の視聴や、動画、画像の編集といった用途では、さすがに厳しい

右側面にUSB 2.0ポートを2基備える。USB3.0でないのは残念だが、2基あることを考えると不便なく使えそうだ

右側面にUSB 2.0ポートを2基備える。USB3.0でないのは残念だが、2基あることを考えると不便なく使えそうだ

カードリーダーはmicroSDカードスロットなので、フルサイズのSDカードを利用するには、アダプターが必要となる。ストレージ容量を拡張するのが主な用途になるだろう

まとめ

EeeBook X205TAのコストパフォーマンスは驚異的だ。性能は2、3万円前後のWindowsタブレットと同じだが、打ちやすいキーボードが付いており、テキスト入力などの作業には、こちらのほうが向いている。デザインと使い勝手は、3万円という価格を感じさせない仕上がりだ。もちろん高級モデルに比べると、質感は劣るし、性能も低いが、多くの人が許容できるレベルにまとめられているのが、本モデルの魅力であり、多くの人が手にする理由であろう。個人的にも「これで3万円ならアリ」と感じた。EeeBook X205TAは、安さで飛びついて購入しても後悔することがない、優秀な格安モバイルノートPCだ。売れ筋ランキングで2位、注目ランキングで1位に入っているのも納得できる。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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