鉄道系電子マネーサービスでは人気の高いJR東日本の「モバイルSuica」。かつては、SIMフリースマホでは対応が見送られていたが、最近になり対応が解禁され、派生モデルも含めた8機種で利用可能になっている。モバイルSuicaに対応するSIMフリースマホやMVNOが販売するスマートフォンを紹介しよう。
720×1280のHD表示に対応する約5.0インチ有機ELディスプレイを備える1台。富士通のSIMフリースマホとしては2世代目になる。サイズは約68.9(幅)× 141(高さ)×8.9(厚さ)mm、重量は約149g。スペックの割に重量は重めだが、横幅は70mm以下に切りつめられており、高い技術力を誇る富士通の意地を感じる。
本機の特徴は、最近の富士通製スマホと同じく、タフネス性能を備えている点だ。IPX5/8等級の防水仕様、IP6X等級の防塵仕様と、米国国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」のうち、耐衝撃、耐振動、高温および低音、塩水など14項目をクリア。本機のタフネス性能は、一部の本格アウトドア仕様のモデルを除いた、日常向け製品では最高レベルといっていいだろう。
ディスプレイに有機ELパネルを採用するのも見逃せない。バックライトがなく、応答速度の速い有機ELパネルは、高いコントラストや残像感の少なさで、動画の再生に適している。その代わり、有機ELパネルは、サブピクセルの配列に一般的な液晶異なるペンタイル配列を採用しているため、細かな文字を表示した場合ににじみが現れやすい。もし、気になる場合は実機で確認しておいたほうがよいだろう。
処理性能は、クアッドコアCPUの「Snapdragon 410 MSM8916(1.2GHz)」、2GBのRAM、16GBのROMを搭載。microSDHCメモリーカードスロットも備える。OSはAndroid 5.1。
NTTドコモ系とau系のSIMカードの両方に対応していることも特徴で、J:COMやmineoのようなauのネットワークを使うMVNOでも取り扱いがある。
タフネス性能や使用頻度の高い機能を選りすぐって搭載している実用性の高いスマートフォンとして人気が高い
「AQUOS SH-M02」は、ディスプレイに720×1280のHD表示に対応する約5.0インチのIGZO液晶を採用したモデル。サイズは約71(幅)×134(高さ)×9.9(厚さ)mm、重量は約145g。CPUにはクアッドコアの「Snapdragon 400 MSM8926(1.2GHz)」を採用する。RAMは2GB、ROMは16GBだが、楽天モバイル向けの「SH-RM02」はROMが32GBだ。microSDHCメモリーカードスロットも備える。OSはAndroid 5.0。
本機は、赤外線通信に対応している点がユニーク。また、マナーモードと連携した簡易留守録機能も備えていることも貴重である。
なお、本機をベースに開発された、アニメ作品の「新世紀エヴァンゲリオン」20周年記念モデルの「SH-M02-EVA20」も、モバイルSuica対応となっている。
シャープ自慢のIGZO液晶を搭載する。FeliCaポートに加えて、赤外線通信ポートや簡易留守録機能も備えている
auの2014年夏モデル「AQUOS SERIE SHL25」は、現在mineoでも取り扱い中で、モバイルSuica対応機として利用できる。
ハードウェアの仕様は変わっておらず、フルHD対応の約5.2インチIGZO液晶を備えたボディは、約71(幅)×134(高さ)×9.9(厚さ)mm、重量約141gというサイズだ。CPUは、クアッドコアの「Snapdragon 800 MSM8974AB(2.3GHz)」で、2GBのRAMと、32GBのROM、128GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを備える。なお、プリインストールされるOSは、Android 4.4だが、Android 5.0へのバージョンアップが行える。
2年ほど前のモデルではあるが、もとが通信キャリア向けモデルということもあって機能は豊富。WiMAX2+も含むキャリアアグリゲーションやVoLTEによる音声通話、フルセグおよびワンセグチューナーなどを備えており、上記のAndroid 5.0対応も含めて十分現役として利用できる。
なお、本機はその出自からわかるように、auのネットワークに特化した製品となっており、いわゆるSIMフリースマホではない点は注意だ。
CPUの世代が1〜2世代ほど古いことを除けば、Android 5.0搭載や付加機能の多さなどで、今でも十分現役として使うことができそうだ
こちらも、AQUOS SERIE SHL25と同じく、mineoで発売されている製品。2013年冬モデルとしてauから登場したものと同じだ。
フルHD対応の約5.0インチ液晶を備えたボディは、約69(幅)×138(高さ)×9.9(厚さ)mm、重量は約134g。かなり軽めに仕上がっているが、ボディの最薄部となる長辺のエッジ部分が厚さ約3mmという薄さで、スペック以上に薄く感じるように工夫されている。
京セラ製スマートフォンの特徴である、ディスプレイを振動させることで音声通話用のスピーカーとして利用する「スマートソニックレシーバー」を備えている。スマートソニックレシーバーは、騒音下でも音声が聞き取りやすいとう特徴がある。
搭載されるCPUは、クアッドコアの「Snapdragon 800 MSM8974(2.2GHz)」、2GBのRAMと32GBのROM、64GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを備える。動作OSは、3年ほど前の世代に当たるAndroid 4.2.2で、バージョンアップはされていない。Android 4.X世代のOSでも大きな問題はないが、Android 4.4以降が必要になるスマートウォッチ用OSの「Android Wear」には対応していない。
機能面では、WiMAX2+やキャリアアグリゲーション、フルセグチューナーの搭載が見送られている点がAQUOS SERIE SHL25と異なる。IPX5/8等級の防水仕様とIP5X等級の防塵仕様に対応しており、タフネス性能もなかなかハイレベルだ。
フルHD液晶を備えたボディはエッジ部分が約3mmという薄さ。手にするとスペック値以上の薄さを実感できる
「Xperia J1 Compact」は、HD(720×1280)表示に対応する約4.3インチ液晶を備えたコンパクトなスマートフォン。サイズは約65(幅)×128(高さ)×約9.7(厚さ)mmで、重量は約138gとなっている。ほかのXperiaシリーズと同じ、持ちやすいラウンドフォルムで電源ボタンにはアルミが使われている。IPX5/8等級の防水仕様と、IP5X等級の防塵仕様に対応しており、機能性も申し分ない。キッチンやバスルームなどでも、安心して利用できるだろう。
AV性能の高さはまさにXperiaといったところで、メインカメラに約2070万画素という高精細なイメージセンサーを利用しているほか、サウンドエンハンサー「ClearAudio+」を備えている。性能面では、CPUに「Snapdragon 800 MSM8974 (2.2GHz)」を採用し、2GBのRAMと16GBのROMを搭載。OSは「Android 4.4」で、今のところバージョンアップは行われていない。
なお、本機は、同梱されるSIMカードと組み合わせることが前提の製品で、端末単体では販売されていない。取り扱っているのはソニーストア、ソネット、イオン、楽天モバイル。一般的なSIMフリー機とは少し位置づけが異なっている。
Xperiaシリーズらしいデザインと、高いカメラ性能やオーディオ機能などが特徴だ
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。