LGエレクトロニクスが大画面軽量ノートPCで日本市場に参入

15.6型ノートPCで980g!世界最軽量「LG gram」の実力をチェック

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「スタンダードノート」や「A4ノート」などと呼ばれる15型クラスのノートパソコンは、一般的に自宅や会社などに置いて利用するものだ。ノートパソコンなので持ち歩くことはできるが、大きくて重いので、持ち歩くと言っても家の中や社内で少し移動するくらいだろう。もしも、15型クラスのノートパソコンを、11型や13型クラスのモバイルノートのように気軽に持ち運べたらどうだろうか? 大画面でどこでも作業できるので、なかなか魅力的に思える。そんな気軽に持ち運べる15型クラスのノートパソコンがLGエレクトロニクス・ジャパンから登場した。約980gの世界最軽量を実現した「LG gram(グラム)」だ。今回は実機を用いて、LG gramのレビューをお届けする。

15.6型の液晶ディスプレイを搭載しつつ、980gの軽さを実現したLG gram。価格.com最安価格は128,670円(2016年10月14日)

1kgを切る驚異的な軽さを実現

LGエレクトロニクスは、薄型テレビや液晶ディスプレイ、スマートフォン、掃除機など、さまざまな製品を日本国内で展開しているが、意外にもノートパソコンの国内販売は今回のLG gramが初だ。価格競争が厳しく、差異化も難しい国内のノートパソコン市場に参入したのは、15型クラスのノートパソコンで世界最軽量という強烈な個性を持っているためだろう。その重量は驚異の980g。13型クラスのモバイルノートでも1kgを切るモデルは少なく、なかなかインパクトのある軽さだ。価格.comで15型以上のディスプレイを備えつつ、1kgを切るモデルを探しても、当然、LG gramだけ。次に軽いのは約1.59gのNECパーソナルコンピュータの「LaVie X LX850」および「同 LX750」なので、かなり軽いのがわかる。

実際に手にすると、驚異的に軽い。「中身が入っていないのでは?」と思うほどだ。2日間、カバンに入れて会社と自宅を往復してみたが、まったく苦にならなかった。本体サイズは357.6(幅)×228.4(奥行)×16.8(高さ)mm。左右のベゼル幅が6.7mm、上部が9.1mmとスリムなので、15型クラスとしてはフットプリント(設置面積)がコンパクトだ。それでも15.6型の液晶ディスプレイを搭載しているだけあって、それなりのサイズ感があるので、軽さとのギャップが大きい。

LG gramの重量は実測で968gという驚異的な軽さ

LG gramの重量は実測で968gという驚異的な軽さ

スリムなベゼルにより、14型クラスのノートパソコン並みのコンパクトさを実現している

スリムなベゼルにより、14型クラスのノートパソコン並みのコンパクトさを実現している

真っ白いボディは、マグネシウム合金を使っており、堅牢性が高そうだ。ただ、サイズが大きいだけに、ねじれには弱いと感じた。ペンなどの小さなもので天板に力が加わるような、満員電車などではカバンへの入れ方に気を付けたい。大きいが故の注意点と言える。

樹脂素材のように見えるが、外装はマグネシウム合金。質感も上々だ

樹脂素材のように見えるが、外装はマグネシウム合金。質感も上々だ

軽いだけでなく、16.8mmとスリムなのも魅力

軽いだけでなく、16.8mmとスリムなのも魅力

キーボードは英語配列

15型クラスのノートパソコンは、キーピッチが広く取れるので、モバイルノートよりもキー入力しやすいのが魅力だ。LG gramも実測で約19mmのキーピッチが確保されている。さらに、テンキーも備えているので数字も入力しやすい。しっかりとしたクリック感もあり、快適にタイピングできた。打鍵音も静かなので、図書館など静かな場所でも使いやすい。ただし、2点ほど注意点がある。まず、英語配列のキーボードであること。日本語配列に慣れているユーザーにとっては、とっつきにくいだろう。もう1点はバックライトがないこと。必須の機能ではないが、暗い場所で使う場合はバックライトがあったほうが便利だ。

ディスプレイは、IPS方式の15.6型液晶を搭載する。解像度は1920×1080のフルHD。発色がよく、明るさも十分だ。色味も自然で、赤や青に偏った印象も受けなかった。液晶テレビや液晶ディスプレイを手がけるメーカーだけに、バランスのとれたディスプレイを備えている。

キーピッチは約19mmでストレスなくタイピングできる。ただし、写真の通り英語配列なのには注意が必要だ

キーピッチは約19mmでストレスなくタイピングできる。ただし、写真の通り英語配列なのには注意が必要だ

ディスプレイは1920×1080の15.6型。IPS方式で視野角も広い

ディスプレイは1920×1080の15.6型。IPS方式で視野角も広い

色味は自然で、明るさも十分。写真や動画を見るのにも向いている

色味は自然で、明るさも十分。写真や動画を見るのにも向いている

シンプルなモデルで独自機能は少ないが、ディスプレイを開くとスリープから復帰する「Instant Booting」や、ブルーライトを低減する「リーダーモード」(Fnキー+F9キーでオンにできる)などを搭載している。試していて気になったがWebカメラの位置。Webカメラは、ディスプレイの上部にあるモデルが多いが、LG gramはヒンジ部分にある。ディスプレイを倒すと、顔だけが下から映り、あまり見栄えがよくない。ディスプレイを垂直に立てると、ちょうどいい角度になるが、これだと画面が見えにくい。ベゼルを薄型化するために、ヒンジ部分にWebカメラを搭載したと思われるが、この位置にあると使い勝手はよくないと感じだ。

「LG Control Center」で、Instant Bootingをオンにできる

「LG Control Center」で、Instant Bootingをオンにできる

ヒンジ部分に720pのWebカメラを搭載する

ヒンジ部分に720pのWebカメラを搭載する

日常使いには十分な性能

最後にパフォーマンス面をチェックしたい。海外では「Core i7-6500U」を搭載したモデルや、ゴールドモデルをラインアップするが、日本向けモデルは「Core i5-6200U」(2.3GHz、最大2.8GHz)を搭載した「15Z960-G」の1モデルのみで、カラーもホワイトの1色だけだ。メモリーは8GB、ストレージは256GBのSSDを備える。性能に不安を感じることは全くなく、動画編集などCPUパワーが求められる用途以外であれば問題なくこなせるはずだ。細かい点だが、SSDの接続方法がSerial ATA 3.0なので、PCI Express接続を採用するモデルと比べると、ストレージの読み書きの性能が劣る。CPUも最新の第7世代Coreプロセッサーではないので、性能に徹底的にこだわりたい人は妥協できるか吟味する必要があるだろう。

パソコンの総合性能を測るFuturemarkの「PCMark 8」のHome acceleratedの結果

パソコンの総合性能を測るFuturemarkの「PCMark 8」のHome acceleratedの結果

Work acceleratedの結果

Work acceleratedの結果

ストレージの速度を計測できる定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 5.2.0 x64」(ひよひよ氏作)の結果。順次読み出しは545.8MB/秒で、Serial ATA 3.0の規格上の性能は使い切っているようだ

15型クラスのノートパソコンらしく、外部インターフェイスが充実しているのもポイント。USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0×2(1ポートはスマートフォンなどの高速充電に対応)、USB 2.0×1の合計4つのUSB端子を備えており、多くの周辺機器を接続できる。このほか、HDMI出力端子、ヘッドホン出力端子、MicroSDメモリーカードスロットを備える。MicroSDメモリーカードは、カメラや音楽プレーヤー、スマートフォンなど対応機器が増えているとは言え、フルサイズのSDメモリーカードスロットを搭載してほしかったところだ。

右側面。SDメモリーカードスロットは、フルサイズではなくMicroとなる

右側面。SDメモリーカードスロットは、フルサイズではなくMicroとなる

左側面。USB 3.0 Type-CやHDMI出力などを搭載

左側面。USB 3.0 Type-CやHDMI出力などを搭載

スピーカーは底面に1W+1Wのステレオスピーカーを搭載する

スピーカーは底面に1W+1Wのステレオスピーカーを搭載する

バッテリー駆動は長く、カタログ値ではMobile Mark2014による測定で約7時間となっている。モバイルノートと比べると短めだが、15型クラスのノートパソコンとしては長い時間、充電せずに使える。付属のACアダプターはコンパクトなので、本体といっしょに持ち歩いてもいいだろう。ACアダプターとLAN変換コネクターを合わせても約1.2kgに収まる。

付属のACアダプターとLAN変換コネクターを合わせた重量は実測で約1.2kg

付属のACアダプターとLAN変換コネクターを合わせた重量は実測で約1.2kg

まとめ 1kgを切る唯一の15.6型ノートパソコン

LG gramの魅力は、なんと言っても980gという軽さだ。価格.com調べだが、15型クラスのノートパソコンで1kgを切るモデルはLG gramだけで、しかも、ほかのモデルよりも圧倒的に軽い。大画面ノートパソコンを頻繁に持ち歩きたいという人にとっては、唯一の選択肢になるはずだ。基本性能が充実しているので、持ち運び用ではなく、自宅や社内で利用するノートパソコンとして選んでもいいだろう。価格.com最安価格は128,670円(2016年10月14日)で、スペックを考えると妥当だろう。年末商戦に向けて、どれだけ安くなるかも注目したい。10万円前後になってくると、気になる人が増えてくるのではないだろうか。

難点は、日本市場初参入らしく、キーボードが英語配列なこと。大画面かつ軽量というLG gramのコンセプトが気に入っても、人によっては英語配列のキーボードが購入への障壁になるかもしれない。それでも、元気のない国内のパソコン市場にLGエレクトロニクスが参入したことは歓迎したいし、第2弾、第3弾モデルで、さらにブラッシュアップされることを期待したい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

製品 価格.com最安価格 備考
LG gram 15Z960-G [ホワイト] 109,000 980gの軽量大画面ノート
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2017.2.26 更新
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