スマートフォンの疑問・トラブル110番

便利なBluetoothのトラブルを解決します!

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スマートフォンと周辺機器をワイヤレスで接続するために使われる近距離無線通信規格のひとつが「Bluetooth」だ。利便性が高く、ヘッドホンやイヤホン、ヘッドセット、スピーカー、マウス、キーボード、体組成計をはじめとする健康管理機器など、対応製品は多い。ただし、うまくつながらない、音が途切れたり遅延したりする、といったトラブルもよく耳にする。そこで、Bluetoothに関するトラブルと疑問を解決しよう。

便利なBluetoothだが、時としてトラブルに見舞われることもある

便利なBluetoothだが、時としてトラブルに見舞われることもある

【トラブル事例1】うまく接続できないときはどうすればいいの?

【答え】正しい方法で「ペアリング」する。

初めてBluetooth機器を使用するときは、機器同士がお互いに通信相手として認識するための「ペアリング」という作業が必要だ。手順を以下に示すが、うまく接続できない場合、機器が故障していなければこの手順のどこかで操作を間違っている。順に確認していこう。

●ペアリングの手順
(1)両方の機器の電源を入れる
(2)機器同士を近づける
(3)Bluetooth機能をオンにする
(4)ペアリングモードにする
(5)ペアリングする

(1)と(2)を確認したら、スマートフォンの「設定」→「Bluetooth」を開いてBluetooth機能をオンに。次に、Bluetooth機器をペアリングモードにする。ペアリングモードとは、機器を接続可能な状態にする操作のことだ。ボタンを押す、長押しするなど機器によって操作は異なるので、マニュアルなどで確認しよう。ここまで正しく操作すれば、スマートフォン側が接続可能なBluetooth機器を探し出して機器名を表示してくれる。

Bluetooth機器をペアリングモードに。写真はBOSEのBluetoothスピーカー「SoundLink Mini Bluetooth speaker II」で、本体上部に並んでいる「Bluetooth」ボタンを長押しするとインジケーターが白から青に変わってペアリングモードになる

iPhoneは「その他のデバイス」欄、Androidは「使用可能なデバイス」欄に、接続可能なBluetooth機器を一覧表示する

最後に、スマートフォンに表示されたBluetooth機器名をタップしてペアリングを実行する。方法は以下の3通りがあるので、表示される画面をよく確認しよう。なお、パスキーは、接続先が間違っていないことを確認するために利用するものだ。パスコード、ペア設定コードなど、呼び名は機器によって異なる。

・接続したい機器を選ぶだけで自動接続
・スマートフォンの機器に表示されるパスキーを他方の機器で入力
・お互いに表示されるパスキーが同じであることを確認して実行

iPhoneにBluetoothキーボードを接続する例。表示される4桁のコードをキーボードから入力して「Enter」キーを押す

iPhoneとAndroidを接続する例。お互いのコードが同じであることを確認し、それぞれの「ペアリング」「ペア設定する」ボタンをタップする

ペアリングが完了すると、iPhoneは「自分のデバイス」欄、Androidスマートフォンは「ペアリングされたデバイス」欄に機器名が表示され、利用できるようになる。なお、ペアリングは初回の接続時にのみ必要な作業で、次回以降は自動接続される。

突然つながらなくなった場合は?

正しくペアリングできていた機器がつながらなくなることもある。その場合は、いったんお互いの機器の電源をオフにして電源を入れ直してみよう。それでもうまくつながらないときは、一度機器を切断して再度ペアリングを実行する。

iPhoneは、機器名の右にある「i」ボタンをタップし、「このデバイスの登録を解除」をタップすると切断できる

Androidは、機器名の右にある「設定(歯車アイコン)」ボタンをタップし、「削除」をタップすると切断できる

【トラブル事例2】ヘッドホン・ヘッドセットでノイズが乗ってしまう!

【答え】複数の原因が考えられるので、対応状況の確認や、電波状況の改善などを試してみる。

Bluetoothヘッドホンやヘッドセットを使っての音楽再生中や通話中に雑音やノイズが乗ったり、音がブツブツと途切れたりしてしまうことがある。原因はいくつか考えられるので、以下の対策を試してみよう。

なお、Bluetoothが使う電波の周波数は「2.4GHz帯」であり、Wi-Fiや電子レンジなどの家電製品も同じ周波数帯を使う。そのため、特に宅内で利用するときには、わりとノイズが乗ってしまうものだということは理解しておきたい。

・機器同士の対応状況を確認する
Bluetooth製品の中には、動作確認を行ったスマートフォンの機種をホームページなどで公開しているメーカーもある。自分のスマートフォンが対応しているか、確認してみよう。非対応の場合、以下の対策を試しても改善しないなら、残念ながら買い替えを検討することが必要になる。Bluetooth機器を選ぶときには、こうした対応状況もしっかり確認しておこう。

エレコムの「スマートフォン対応検索」画面。使っているスマートフォンの機種から対応製品を検索できる

エレコムの「スマートフォン対応検索」画面。使っているスマートフォンの機種から対応製品を検索できる

・ケースから取り出してみる
スマートフォンに保護カバーやケースを付けている場合、Bluetoothの電波が弱くなることがあるので取り外して確認してみよう。特に、金属製のケースや厚みのある素材の場合に、影響が出やすい。

・カバンなどから取り出す
たとえば、スマートフォンをカバンの中に入れたままBluetoothイヤホンで音楽を再生する、といった場合にもBluetoothの電波が弱くなることがある。取り出して確認してみよう。

外ポケットがあるカバンなら、そこにスマートフォンを入れて利用するのもいいだろう

外ポケットがあるカバンなら、そこにスマートフォンを入れて利用するのもいいだろう

・ペアリングし直す
機器同士は対応していて、なおかつ上記の対策でも改善されないときは、まずは機器の電源を入れ直してみる。それでもだめなら、最後の手段として、前述の方法でペアリングをやり直してみるのも手だ。

【トラブル事例3】動画を見ているときに音が遅れてしまう!

【答え】音声コーデック(圧縮方式)を確認し、iPhoneは「AAC」を、Androidスマートフォンは「Apt-X」を使用する。

動画を視聴するときに、動画に対して音が遅れて聞こえることがある。原因は、音声のコーデックの性能が考えられる。

スマートフォンとBluetooth機器間で音楽や動画を転送するには、双方が「A2DPプロファイル」に対応している必要がある。プロファイルとは、Bluetooth通信における約束事のことだ。音声コーデックは、この「A2DPプロファイル」に組み込まれており、代表的なコーデックとして「SBC」「AAC」「apt-X」の3つがある。それぞれの特徴は、以下の通り。

・SBC(SubBand Codec)
標準かつ必須のコーデック。必ず組み込まれているので、利用できるBluetooth機器が多い。ただし、圧縮率が高いために音質が低く、音の遅れが出やすい。

・AAC(Advanced Audio Coding)
おもにiPhoneで使用されるコーデック。圧縮率はSBCと同等だが、高品質な音で、遅延も少ない。

・apt-X
おもにAndroidで使用されるコーデック。SBCに対して圧縮率が低いため、高品質な音で、遅延も少ない。

つまり、音が遅れてしまうのは、「SBC」コーデックを使っているためだ。iPhoneなら「AAC」、Androidスマートフォンは「Apt-X」を使用することで動画の再生に支障がでない程度まで遅延を軽減(なくなるわけではない)できる。

重要なことは、対応製品を購入すること。iPhoneは「AAC」対応なので、AAC対応のイヤホン・ヘッドホンを購入すればいい。ペアリングすれば、自動でAACが選択される。Androidの場合は、スマートフォンとイヤホン・ヘッドホンの両方で「apt-X」対応を確認する必要がある。また、スマートフォン側で「apt-X」を有効にする操作も必要となる。

高音質・低遅延を実現するには、iPhoneユーザーなら「AAC」、Androidスマートフォンユーザーは「apt-X」対応製品を購入しよう(写真はQCY製のBluetoothイヤホン「QCY-QY19」)

apt-X対応Androidスマートフォンは、「設定」→「Bluetooth」で右上の「オプション」ボタンをタップ。「Qualcomm aptX」をタップし、「aptXを優先的に利用」にチェックを入れる(画面は「AQUOS mini SH-M03」の例で、設定方法は機種やOSのバージョンによって異なる)

apt-X対応のイヤホンをペアリングすると、「aptXは利用可能です」と表示される

apt-X対応のイヤホンをペアリングすると、「aptXは利用可能です」と表示される

【疑問1】複数のBluetooth機器を1台のスマートフォンで同時に使用するには?

【答え】異なるプロファイルの機器なら同時利用が可能。

1台のスマートフォンには、イヤホン、スピーカー、キーボードなど複数のBluetooth機器を同時にペアリングすることができる。その場合、イヤホンで音楽を聴きながらキーボードで文字入力、といった使い方ができる。

いっぽう、イヤホンとスピーカーのように音楽を再生するという同じ機能(プロファイル)の機器は同時に利用できない。外出先ではイヤホン、自宅ではスピーカーといった使い分けをすれば問題ない。その場合、電源の入っている機器と優先的に自動接続されるので、そのつど接続先を切り替える必要はない。

複数のBluetooth機器をペアリングしておくと、異なるプロファイルの機器なら同時利用も可能だ

複数のBluetooth機器をペアリングしておくと、異なるプロファイルの機器なら同時利用も可能だ

【疑問2】1台のBluetooth機器を複数のスマートフォンで使用するには?

【答え】Bluetooth機器の上限接続可能台数までペアリングが可能。

Bluetooth機器は、複数のBluetooth機器とのペアリングが可能だ。これを「マルチペアリング」と呼び、機器によって接続可能な台数が異なる。この上限までなら、ペアリングしておくことが可能だ。たとえば、1台のイヤホンをiPhoneとiPadの両方で利用する、といった使い方ができる。ただし、あくまでもペアリングをしておくだけで、同時に利用することはできない。

たとえばiPad側でイヤホンを使っているとき、iPhone側に切り換えるには、iPhoneのBluetooth設定でイヤホンをタップして「未接続」が「接続済み」になれば切り替わる

いっぽう、同じプロファイル(待ち受けと通話)の機器を同時に利用する、「マルチポイント」という特殊な機能もある。1台のヘッドセットなどを2台のスマートフォンや携帯電話とペアリングしておき、同時に待ち受けをする、という機能だ。どちらに着信があっても、同じヘッドセットで通話ができる。この機能が必要な場合には、マルチポイント対応の機器が必要となる。

まとめ

Bluetoothの接続自体はさほど難しいものではないが、ワイヤレスで実際のつながりが目に見えないだけに、ちょっとしたつまづきがトラブルにつながってしまう。ただ基本的には、ペアリングについて理解しておくと対処できることが多いので、これを機にきちんと理解しておこう。

また、Bluetooth機器は、搭載するコーデックや機能に違いがあることもポイントだ。目的に合わせて製品を選び、しっかりと使いこなしてほしい。

小野均

小野均

パソコンからモバイルまで、ハード&ソフトのわかりやすい操作解説を心がける。趣味は山登りにクルマという、アウトドア志向のIT系フリーライター。

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2017.8.17 更新
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