「Zenマイクロアーキテクチャー」を採用した新世代CPUがついに登場

AMDの逆襲始まる! 8コア16スレッドのAMD最新CPU「Ryzen 7」3モデルを一斉テスト

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3月3日に国内販売がスタートしたAMDの最新CPU「Ryzen 7」。価格.comでも発売されるや否や、一気に売れ筋ランキング上位に食い込むなど、PCパーツとしてはひさびさの注目製品となっている。さっそく編集部に3モデルが到着したので、マイクロアーキテクチャーを刷新した新CPUの実力をくわしくチェックしてみた。

AMDの最新CPU「Ryzen 7 Ryzen 1800X」

AMDの最新CPU「Ryzen 7 Ryzen 1800X」

完全新設計の「Zenアーキテクチャー」を採用する初のCPU。第1弾は3モデルラインアップ

新CPUのベンチマークレポートをお届けする前に、まずは「Ryzen」について軽くおさらいしておこう。

AMD「Ryzen」

AMD「Ryzen」

「Ryzen」は、AMDの最新マイクロアーキテクチャー「Zen(ゼン)」に基づいて開発されたPC向けCPUの新しい製品ブランドだ。ハイパフォーマンス向けの「Ryzen 7」、ミドルレンジクラスの「Ryzen 5」、エントリー向けの「Ryzen 3」といった3つにカテゴライズされる予定で、今回登場した「Ryzen 7」は、ライバルのインテルが発売している「Core i7」と真っ向勝負する形の製品となっている。

「Zenマイクロアーキテクチャー」の最大の特徴は、CPUコアをゼロから設計し直したまったく新しいアーキテクチャーであるということだ。ここ数年、同社はBulldozerモジュールを基本にしたBulldozer系コアを搭載するCPUを投入してきた。Bulldozerアーキテクチャーは1クロック当たりの命令処理効率(IPC)を下げてでもマルチスレッドによる効率を上げるという設計思想だったため、シングルスレッド性能で大きな弱点を抱えていた。もちろん、ただ単にIPCの低下に手をこまねいていたわけではなく、IPCを下げた分は高クロックに動作させることで対処しようとしていた。しかし、ファウンドリでのプロセス微細化が思い通りに進まなかった影響もあり、当初予定していたほどパフォーマンスが伸びず、インテルの「Core i」シリーズの後塵を拝していた。

そこで、AMDはこういったBulldozerアーキテクチャーの課題を克服するため、これまでのアーキテクチャーとはつながりのない完全新規のマイクロアーキテクチャーの開発に着手。そうして、4年の歳月と200万時間をかけて新たに生み出されたのが「Zenマイクロアーキテクチャー」だ。

「Zenマイクロアーキテクチャー」の概要

「Zenマイクロアーキテクチャー」の概要

「Zenマイクロアーキテクチャー」では、Bulldozerアーキテクチャーの弱点であったシングルスレッド性能を徹底的に追求。その結果、Bulldozer系コアの最終形となる「Excavator(エスカベーター)」と比べ、IPCは52%も改善したという。また、マルチスレッド性能についても、1つのCPUで2つのスレッド処理が可能な「Simultaneous Multi-threading(SMT)」をAMDのCPUとして初めてサポートすることで、高い処理能力を確保。シングルスレッド性能を高めつつ、マルチスレッドも高効率に行えるバランスのよいアーキテクチャーへと生まれ変わった。

当初、IPCの40%向上を目標にしていたが、最終的に52%も改善したという

当初、IPCの40%向上を目標にしていたが、最終的に52%も改善したという

そんな「Zenマイクロアーキテクチャー」を採用した第1弾製品として今回投入されたのが、「Ryzen 7 1800X」「Ryzen 7 1700X」「Ryzen 7 1700」の3モデルだ。「Summit Ridge(サミッドリッジ)」の開発コードネームで呼ばれていた製品で、AMDとしては久々のハイエンドデスクトップ市場に向けた製品となる。価格は、「Ryzen 7 1800X」が59,800円、「Ryzen 7 1700X」が46,800円、「Ryzen 7 1700」が38,800円(いずれも税別)。ライバルのインテルが発売する8コアCPUと比べて約半額という、かなり強気な価格設定となっている。

「Ryzen 7」のパッケージ。「Ryzen 1800X」と「Ryzen 1700X」の2モデルはCPUクーラーなしモデルとなっている

「Ryzen 7」のダイ画像

「Ryzen 7」のダイ画像。GLOBALFOUNDRIESの14nm FinFETプロセスで製造される

今回登場する3モデルとも、8コア/16スレッドに対応。定格動作クロックは、「Ryzen 7 1800X」が3.6GHz、「Ryzen 7 1700X」が3.4GHz、「Ryzen 7 1700」が3.0GHzとなっているが、環境に応じて動作クロックをリアルタイムで細かく調整する「Precision Boost」を備えており、最大動作クロックは、「Ryzen 7 1800X」で4.0GHz、「Ryzen 7 1700X」で3.8GHz、「Ryzen 7 1700」で3.7GHzまで上昇する。また、すべてのモデルでクロック倍率を解除した倍率可変仕様となっているのもポイントだ。

さらに「Ryzen 7」は「Extended Frequency Range(EFR)」と呼ばれるオーバークロック機能を新搭載している。冷却システムに合わせて自動的にクロック数を上げてくれるというもので、高い冷却性能を確保すれば、最大動作クロックで設定されているクロック数よりも高く動作させることもできるのが特徴だ。なお、型番末尾にXの付くモデルは、このEFRによるオーバークロックの上昇マージンがXの付いていないモデルの2倍に設定されているという。

キャッシュ容量は、L2キャッシュが各コア512KB、L3キャッシュが4コアごとに8MBずつの計20MB搭載。メモリーコントローラーは、最大でDDR4-2667までサポートされる。TDPは、「Ryzen 7 1800X」と「Ryzen 7 1700X」が95W、「Ryzen 7 1700」が65Wだ。

なお、今回登場した3モデルとも、CPUのピンの数は1331で、対応ソケットはSocket AM4となる。これまでの同社製デスクトップ向けCPU/マザーボードと互換性がないため、利用する場合は、マザーボードも新調する必要があるというところは覚えておきたい。

最上位モデルの「Ryzen 7 1800X」

最上位モデルの「Ryzen 7 1800X」

CPUのピンの数は1331本となった

CPUのピンの数は1331本となった

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2017年5月15日 17:48 現在

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2017.6.25 更新
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