アラフォーにもなると、気になるのが「いちご鼻」。いちご鼻とは、鼻の毛穴に皮脂やホコリ、皮などの汚れが「角栓」となって溜まっている状態のことで、角栓が溜まると鼻の表面がいちごのように凹凸になることから、「いちご鼻」と呼ばれています。普通の洗顔では改善が難しいいちご鼻ですが、このたびパナソニックが “角栓専用”の美顔器「毛穴洗浄 角栓クリア EH-SP55」(以下、角栓クリア)を発売! 発売に先立って製品を試すことができたので、その効果のほどをレポートします。
角栓ケアの難しいところは、なんといっても無理に除去ができないところ。気になる部分に貼ってはがすことで角栓を除去する「鼻パック」や、毛穴に直接押し当てて角栓を押し出す「角栓抜き」などの製品もありますが、これらのケアは鼻の表皮まで傷つける可能性もあるため、あまりおすすめできません。ケアの方法を間違えると、肌が乾燥して余計に角栓ができやすい状態になることもあります。
「角栓クリア」の場合は、肌を傷つけずに汚れだけを「水流の力で吹き飛ばす」方式を採用。非常に細い高圧ジェット水流を直接肌に当てることで、毛穴の汚れを落とすのです。ちなみに、パナソニックによると、一般的な毛穴のサイズは直径約400μm。一方、「角栓クリア」の水流噴射口は直径約160μm。毛穴の半分以下の直径の水流なので、毛穴の中の汚れにダイレクトに届くというわけですね。
本体サイズは、58(幅)×64(奥行)×208(高さ)mm、重量は約195g(タンク空時)
本体背面には充電用の端子を配置。防水仕様なので、使用時は電源端子のふたをしっかりと閉めましょう
ノズル奥にある2つの穴から水を噴出。噴射口の直径は約160μmと非常に細いです
「洗浄レベル」ボタンで、水圧を弱、中、強の3段階から選択できます
「強」で水を噴射したところ。水平に持った状態で2m先まで飛ぶくらいの勢いがありました
そして、「角栓クリア」のもうひとつの特徴が、噴射する水に「アルカリ毛穴洗浄水SP EH-4P01」を使用すること。こちらはその名の通り保湿効果のあるアルカリ性の洗浄水。アルカリ性の洗浄液は、角質のもとでもある油やタンパク質をやわらかくする効果があるそうです。
本体底面からタンクを取り出し、専用洗浄水を作って使用します
「アルカリ毛穴洗浄水SP EH-4P01」(税別2,400円)。1本で約30回使用可能。製品には1本付属します
石けん水(左)とアルカリ毛穴洗浄水入りの水(右)でファンデーションを塗った凹凸のある革を洗ったところ。アルカリ洗浄水で洗った部分のほうがキレイにファンデーションが落ちているのがわかります
「角栓クリア」を使用するには、最初に「洗浄水」を作る必要があります。洗浄水は、本体底から取り出せるタンクで作ります。まず、タンクの下の線まで「アルカリ毛穴洗浄水SP EH-4P01」を入れ(約8ml)、さらに温かいお湯をタンク上部にある線まで補充(約80ml)。ちなみにお湯の推奨温度は約42℃。ちょっと熱めのお風呂くらいの温度です。
タンクに付属洗浄水とお湯を入れて準備。お風呂場で使えば、お湯の準備も手軽です
準備ができたら「電源/選択」ボタンで「塗布」モードを選択し、顔の洗浄したい部分をアルカリ洗浄水で濡らします。約1分の「塗布」モードが終了したら、「洗浄」モードに切り替えて高圧ジェット水流で洗浄。どちらも本体上部の「スタート」ボタンを押している間のみ、水が噴射されます。
塗布モードも洗浄モードも水を噴射するため、使用中はつねに顔から水がポトポトと垂れてきます。このため、「角栓クリア」は洗面所や風呂場など、濡れてもよい場所で使うのがおすすめ。個人的には、ゆっくりと風呂に浸かると毛穴が開いた状態になるためか、風呂場で使用した時のほうがより汚れが落ちるように感じました。
使用中は写真のようにボトボトと水が垂れるので、お風呂場や洗面所などの濡れてもよい場所で使用します
「角栓クリア」は主に角栓をケアするので、推奨されているケア部位は鼻と小鼻、そしてあごの3か所です。鼻などは凹凸が多い場所ですが、噴射口に柔らかなシリコン製のノズルが装着されているため、使い勝手は意外と良好。小鼻など普段は丁寧にケアしにくいエリアも、ラクに水流を当てることができました。
ノズル先にはやわらかなシリコンカバーがついているので、凹凸のある鼻も比較的使いやすく感じます
また、実際に使ってみた感想は「意外と刺激が少ない」というもの。細い高圧ジェット水流が飛び出るということで、かなりの水圧を覚悟していましたが、水圧を最大レベルの「強」にしても意外にそこまでの水圧を感じません。刺激としては、細い綿棒で優しく触れているような感覚。正直「これで本当に汚れが落ちているのかな?」と感じるレベルで、個人的にはもう数段階強い刺激が欲しいと感じたくらいです。とはいえ、顔の肌は敏感なので、これくらいの「物足りない」刺激のほうが肌には優しいかもしれません。
使用感にはやや物足りなさを感じたものの、使用後に鼻を触るとなんとなくツルンとした手触り。ただし、すべての角質を「水流で吹き飛ばすか」というと、さすがにそこまでの威力はないようです。マイクロスコープで肌を拡大してみたところ、一部の角栓は吹き飛ばされていましたが、場所によっては「なんとなく黒ずみが薄くなったかも?」と感じるだけの部分もありました。1回のケアでも、とくによく角栓が取れたのは小鼻部分。反対に、数度のケアでは目立って変わらないのが鼻の穴まわりでした。
1回の使用での変化はこれくらい。鼻の頭などは見た目はあまり変わりませんが、触るとつるっとした感触
マイクロスコープで一番汚れやすい小鼻を撮影。使用前、1回使用、2週間(5回)使用したところ
また、洗浄水で角栓がふやけている上、ジェット水流で皮膚がマッサージされるためか、「角栓クリア」を使用後は残っている角栓が非常にやわらかくなっているのも印象的でした。普段は触ってもビクともしない小さな角栓が、軽く指で押さえただけでニュッと飛び出します。とはいえ、自分で角栓を押し出すのは肌を傷めやすい行為なので、むやみに角栓を触らず、しっかり保湿をするのが重要です。
「角栓クリア」は、最初は水圧が頼りないと感じましたが、使っている内に徐々に角栓が小さく、少なくなるのが実感できました。ちなみに、角栓クリアの使用頻度の目安は週に2〜3回。今回は2週間(計5回)しか試していませんが、小鼻とあごの角栓はかなりスッキリとしました。1〜2か月使用すれば、鼻の頭などのガンコな角栓部分の状態も変わりそうだと感じます。また、本体が防水・コードレス仕様なので、風呂場でゆっくりと使える点も気に入っています。
唯一気になったのは、「角栓クリア」の使用には専用の「アルカリ毛穴洗浄水SP」が必要になること。ネット通販ならば手軽に購入できるものの、専用洗浄液なので「近所のドラッグストアで補充」とはいかないので、継続的に使用する場合は、切らさないように注意したいところ。ちなみに、アルカリ毛穴洗浄水のメーカー希望小売価格は2,400円(税別)。1本で約30回使用できるため、一度のケアにかかるランニングコストは80円程度です。エステの「イチゴ鼻ケア」を考えれば、効果もわかりやすくコストもリーズナブルだと感じています。