お気に入りのモノがいろいろ置いてある“趣味部屋”の掃除って大変ですよね。ホコリが溜まりやすい本棚のへりなど、目に付いた場所をパパッとキレイにするハンディ掃除機が手元にあると便利です。そこで筆者は考えました。趣味部屋の掃除には、趣味の世界で名をはせているメーカーの掃除機を使うとイイのでは? ……ということで今回は、世界最大級の電動工具メーカー、ブラック・アンド・デッカーのハンディ掃除機に注目してみたいと思います。
趣味部屋の掃除には、趣味の世界で強いメーカーの掃除機を使ってみよう
最近の掃除機事情を見てみると、コード付きのキャニスター掃除機をメインで使いつつ、サブ機としてハンディ掃除機を家に置いておくという人も増えています。ちなみに、コードレスのハンディ掃除機を世界で初めて開発したのって、実は今回取り上げるブラック・アンド・デッカーなんですよね。
日本メーカーでいうとマキタの製品なども人気ですが、こういった電動工具メーカーの掃除機は、各社で長年培われたモーターやバッテリー技術などを応用して開発されているのがポイントです。
さて、そんなハンディ掃除機の老舗であるブラック・アンド・デッカーは、今年に入ってから「ピボットIII」などの新製品を続々リリースしています。このピボットIIIはコンパクトで、価格も1万円前後と、ちょうどサブ機としてのニーズにぴったりそうなモデル。ただ、同社のハンディ掃除機といえば、球体デザインで価格を抑えた人気の「リチウムオーブ」も外せません。ということで、今回はこの2機種をまとめて試してみることにしました!
というわけで、「ピボットIII」(左)と「リチウムオーブ」(右)をまとめて試してみました!
まずは簡単に、各製品の特徴を見ていきましょう。新製品のピボットIII(型番:PV1020L)は、ノズルの角度を210°まで調整して、いろいろな場所を掃除できるモデル。サイクロン式で、運転音を抑えた排気設計を採用しています。10.8Vバッテリーを搭載しており、4時間充電で10分稼動することができ、このバッテリーはセルフ交換可能。また、ダストボックスを取り外して、水洗いできるのも大きなポイントです。
サイクロン式のピボットIII。最新モデルではニッカド電池からリチウム電池に変更され、充電後に放置しておいても電池容量が減らなくなりました。重量も約1.3kgに軽量化
ダストボックスの集じん容量は400ml。青で囲った部分が充電池の場所で、セルフ交換できるようになっています。ちなみに緑で囲った部分は排気口
ノズルの角度を210°まで自在に調整できるようになっているのが特徴
90°くらいに立てて使ってみたり、
180°近く寝かせることも可能です
いっぽうのリチウムオーブ(型番:BO36L)は、とにかく掃除機には見えないデザインがインパクト大なモデル。モーターを本体中心部に配置するという独自設計で、直径約13cmのコンパクトな球体を実現しています。その姿はまるで「ガンダム」に出てくるハロのよう。シリーズ最新モデルは、3.6Vリチウムイオンバッテリーを搭載し、重量は約0.64kg。従来モデルに比べ約15%も軽量化しました。約4時間の充電で9分ほど稼動できます。
ちょっとしたおしゃれ家電感もあるリチウムオーブ。直径約13cm、ハンディ掃除機として最小・最軽量クラスです
左右にピョコンと突き出た“耳”みたいなものが、ゴミを吸い込むノズルとハンドルです
棚の隙間を掃除しやすい「ブラシノズル」(左)のほか、最新モデルではさらに細かい場所の掃除がしやすい「極細すきまノズル」(右)も追加されました
では、それぞれを使ってみた詳細をレポートしていきましょう。ちなみに筆者は普段、自宅でコード付きのキャニスター式掃除機を使っています。それとは別に「趣味部屋に専用で置いておくサブの掃除機」という目線で、それぞれを使ってみました。趣味といってもいろいろあると思いますが、筆者宅の場合は本と楽器です。
ピボットIIIを使ってみると、やはりノズルの角度を210°まで調整できることが大きなアドバンテージになっていることがわかります。ノズルを自由自在に調整して、椅子の裏側やピアノの鍵盤の下など、普通は掃除がしにくい場所を無理なくキレイにすることができるのです。
それに本体重量は約1.3kgと、女性でも片手で難なく持てる軽さ。ノズルの角度調製+軽量化のおかげで、高い位置にあるエアコンも手を伸ばしてラクラク掃除できました。いまいち掃除がしづらかった室内のいろいろな場所に手が届きます。
まずはスタンダードにノズル部を伸ばして使います
ノズルの角度をイイ具合に調整すると、意外とホコリが溜まっているピアノの裏などにまで手が届きます
普段なかなか掃除しにくい場所のホコリがラクラク吸い取れる!
高い位置にあるエアコンにもパッと手が届く軽さです。部屋全体がキレイになるのでうれしい
棚など家具の表面についた細かいホコリを取りたいときは、ブラシノズルをパカッと出します。このブラシノズルは本体収納式なので、ノズルをわざわざ付け替えなくてよいのが地味に楽だったりします。
ブラシノズルはこのように本体に収納されているので、
必要なときにパカッと出して使います
わりと凹凸が多くてホコリが溜まりやすいピアノのフタもこんなにキレイに!
薄型テレビの脚部に溜まったホコリも強力に吸引
もちろん、ピボットIIIは吸引力もばっちり。以下の動画と画像をご覧いただきたいのですが、フローリングの髪の毛や小麦粉をちゃんとキレイに吸い取ってくれています。サブの掃除機として使う分には、十分パワフルではないでしょうか。稼動音は多少気になるかもしれませんが、一般的な掃除機のレベルと言えるでしょう。
クッションにまいた小麦粉も強力に吸い取ってくれました。縫い目にもほとんど残っていません
ダストボックス内に溜まったゴミを捨てるときは、ワンタッチでフタを開けてそのままゴミ箱に捨てられるようになっています。そして、このダストボックスを取り外して水洗いができるのも、ピボットIIIの魅力。サイクロン式の掃除機を選ぶとき、この水洗いができるかどうかを気にする人も多いと思います。清潔性を保てるのはかなりポイントが高いですよね。
ダストボックスに溜まったゴミは、ワンタッチでフタを開けてそのままゴミ箱に捨てられる仕様です
そして、ダストボックスはこのように本体から取り外すことが可能
まるごと水洗いできて清潔性を保てるのがうれしい! 洗ったあとはしっかり乾かしてからセットしましょう
充電中はこんな感じ。コンパクトに収まります
続いて、球体デザインが特徴のリチウムオーブを使ってみると、こちらはより細かい場所の掃除にぴったりであることがわかります。本機にブラシノズルを取り付けると、とにかく本棚のへりを掃除しやすくなるのです。それに、ピアノの鍵盤の隙間やギターの弦の隙間など、取り外せない細かいパーツの間に溜まったホコリを強力に取れるのがうれしい。
本体重量は約0.64kgで、ピボットIII以上に軽々と動かすことができます。小さくてインテリアになじむので、オフィスや書斎など、デスクまわりに置いておくのもアリですね。小さなゴミがふと目についたときにパッと手に取って、手軽に使うことができます。
とにかく小さくて軽い! ふとゴミが気になったときに、すぐ手に取って使えます
リチウムオーブのブラシノズルを付けた状態は、サイズ的にも本棚のへりを掃除するのにぴったり
文庫本のしおりのヒモに引っかかることもなく、ホコリを強力に吸い取れました。本棚専用の掃除機にしたい!
古い本は、ずっと本棚に入れておくと 上側にホコリが溜まりやすいんですよね。こちらもキレイになりました
ピアノの鍵盤やギターの弦の隙間など、動かせない細かいパーツの隙間を掃除しやすいのもかなりメリット
掃除がしにくい黒鍵の隙間に溜まったホコリも、見事に吸引してくれます
新しく追加された「極細すきまノズル」は、家具のちょっとした突起に溜まったホコリを掃除にするのにぴったり!
リチウムオーブは、本体上部のフタをワンタッチで開けて、中に溜まったゴミを捨てます。本体内にゴミを溜める仕組みなので、水洗いには非対応。ただ、本機をあくまでも手軽なサブ掃除機として考えた場合、フタをワンタッチでパカッと開けて、簡単にゴミが捨てられる仕様に割り切っているのは、逆にシンプルで使いやすいと思いました。
本体上部にあるフタをパカッと開けて、そのままゴミを捨てられるようになっています
フィルター交換も簡単。シンプルなので、全体的に使用方法に迷うポイントはありません
充電中はこんな感じで、本体上部のランプが点灯します。かわいさを感じてしまうフォルム
……というわけで、“ハンディ掃除機の老舗”であるブラック・アンド・デッカーの2機種を見てきました。高い吸引力でいろいろな場所に手が届くピボットIIIと、細かい場所を強力にケアできるリチウムオーブ。用途にあわせてそれぞれを選ぶのがいいでしょう。
筆者個人は、趣味部屋になっている自宅の中で特に本棚にホコリが溜まりやすいので、細かい場所に強いリチウムオーブのほうが相性がよさそう。がっつり部屋をキレイにするときはメインのキャニスター掃除機、普段生活しながらパッとゴミを取るときはリチウムオーブを使うといった感じでしょうか。メイン機とサブ機の掃除機をうまく使い分けて、楽しい趣味の部屋をキレイに保っていきたいですね。