発売から2年弱で累計販売10万台を超える大ヒットとなったシャープの「超音波ウォッシャー」に、初号機と基本構造は同じでUSB端子を防水対応に変更した標準タイプ「UW-A2」と、本体を軽量・コンパクトにしたスリムタイプ「UW-S2」の2機種が登場。今回は、いち早く使ってみたスリムタイプ「UW-S2」の実力をお伝えします。
超音波ウォッシャーは、“真空の泡が弾けるチカラで衣類の汚れを落とす”というハンディタイプの洗濯ツールです。水に浸した衣類に本体の先端にある金属部(ホーン)を当てると、毎秒38,000回の超音波振動が伝わり、微細な真空の泡が発生。その泡が弾けることで汚れを剥ぎ取ります。しかも、洗浄方法は汚れを“なぞる”だけ! 下の動画のようにホーンを汚れに沿わせるだけでキレイにできる手軽さ、手で洗うよりも生地の傷みが少なくて済むなどのメリットから、超音波ウォッシャーは洗濯前の予洗いや部分洗いのツールとして高い評価を獲得。シャープの調査によると、購入者の6割がほぼ毎日使用しているというほど重宝されているそうです。
ただ、超音波ウォッシャーは携帯するには少し大きいことがネックでした。初号機のサイズは40(直径)×168(高さ)mmで、重量は200g(キャップ除く)と、500mlのペットボトルよりも小さくて軽いものの常時携帯するには不向きだったようで、購入者の大半が自宅でのみ使っている状況だったそう。そこで、外出先で付いた食べこぼしなどの汚れも落とせるように、初号機よりも体積が約40%、重さが約50%になったスリムタイプ「UW-S2」を開発。本体サイズのコンパクト化にあわせ、ホーンの形状も丸型に変更されましたが、毎秒38,000回の超音波振動は保持され、“小さくなっても洗浄力はそのまま”を実現しました。
右が初号機「UW-A1」で、左が新モデルのスリムタイプ「UW-S2」。「UW-S2」のサイズは26(幅)×22.5(奥行)×165(高さ)mmで、重量は100g(キャップ除く)に軽量・小型化されました
スリムタイプは化粧ポーチにも納まるほどコンパクト。これなら、毎日持ち歩くことができます
毎秒38,000回という周波数は、衣類を傷めず、キレイに洗浄するのにもっとも適した数値なのだそう。そのため、毎秒38,000回の超音波振動を保持しながら持ちやすいサイズ感にすることが必須条件。何度も検証を重ね、スリムタイプのホーンは直径5mmの丸型となり、それに合わせて本体サイズも設計されたといいます
ただ、幅12mmの平たい形状のホーンに比べ、スリムタイプのホーンは衣類に接する面が小さいため、同じ範囲の汚れを落とすには時間が少々かかるとのこと。たとえば、襟元の皮脂汚れを約1分で落せる初号機に対し、スリムタイプは2分ほどかかるということです
しかし、実際に使ってみると、それほど時間差は感じませんでした。スリムタイプは細くて持ちやすく、本当にペンでなぞるように操作できるからか、非常にラク。下の動画のように、汚れている部分を狙いやすい印象です。このような使いやすさもあり、少し長めに時間がかかったとしても負担には感じないはず
超音波ウォッシャーでなぞったところは、ファンデーションの汚れがかなり落ちました。初号機とスリムタイプでは振動周波数(毎秒38,000回)が同じなので、洗浄力も互角というのは間違いなさそう。なお、今回は水のみで洗浄しましたが、ファンデーションのような油分の多い汚れは、液体洗剤を軽く塗布してから超音波ウォッシャーでなぞると、よりキレイに落とせます
ここまで紹介した使い方は自宅で使う時の方法ですが、携帯性にすぐれたスリムタイプは付属の「パフ」を利用すれば、外出先でも簡単に汚れ除去が可能。パフを水に浸し、汚れに当てて、超音波ウォッシャーで洗浄すれば、食事中に飛んでしまったミートソースやカレー、しょうゆなどを、その場ですぐに落とすことができます。
付属のパフを水で濡らしておきます
汚れの付いた部分をパフに当て、超音波ウォッシャーの電源をオンにし、汚れた部分をなぞります(下の動画参照)
1分もかからずに、カーディガンに付いたしょうゆ汚れが落ちました。カーディガンに付いた汚れをパフに移すことでキレイにするようです
自宅に帰ってから軽く洗濯し、乾かしたカーディガンは、どこが汚れていたのかもわからないほど。食べこぼしなどの汚れが付いた時には、早めに汚れ除去の対応をすることが大切ですね
ちなみに、超音波ウォッシャーはコードレス仕様。スリムタイプは使用時間3分で、いったん電源がオフになるようになっていますが、満充電の状態から計15分使用できるので数日持ち歩いても大丈夫そう。なお、バッテリー残量ゼロの状態から満充電にするには約5時間かかります
スリムタイプ「UW-S2」はバイオレット系、シルバー系、ピンク系の3色がラインアップ。市場想定価格は15,000円前後で、2018年6月21日発売予定です
持ちやすくて洗浄力も上々だったスリムタイプですが、広範囲の汚れを落とすなら、スリムタイプよりも連続使用時間が2分長い、標準タイプ「UW-A2」を選ぶほうがいいでしょう。基本的な構造は初号機と同じです。
標準タイプ「UW-A2」のサイズは初号機と同じ40(直径)×168(高さ)mmで、重量は200g。バッテリー残量ゼロの状態から満充電にするには約5時間かかり、計約30分使用できます
初号機との違いは、USB端子が防水対応になったこと。キャップがなくなったので、充電もしやすい!
標準タイプもスリムタイプ同様にバイオレット系、シルバー系、ピンク系の各カラーがラインアップ。市場想定価格は、こちらも15,000円前後
今回、説明会も開催されたのですが、会場には実際に超音波ウォッシャーで洗浄した衣類などが展示されていました。そのいくつかを紹介しておきます。
赤ワインやカレーなどの落ちにくい汚れも簡単にキレイに! ウソのように思えますが、筆者が初号機で試したところ、本当に汚れを落とすことができました
<関連記事>超音波ウォッシャーでいろいろな汚れ落ちの検証をしてみた!
なかなか洗えないダウンジャケットは、袖口や襟元が汚れがち。そんな汚れも超音波ウォッシャーでキレイにできます
衣類だけでなく、靴にも使用可能。ブラシで擦って洗うより、キレイな仕上がりかも!
<関連記事>超音波ウォッシャー(初号機)でいろいろなモノを洗浄してみた!
また、洗濯機で洗う前に超音波ウォッシャーで洗浄しておくと黄ばみ防止に役立つそう。写真のTシャツは、右側の脇の部分のみ超音波ウォッシャーでなぞってから洗濯機で洗浄したもの。超音波ウォッシャーを使っていない左側の脇の部分は変色していることからも、黄ばみ防止に効果的なのは間違いないようです
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。