レビュー
シーラーと低温調理器がセットになった「KaiHouse aio The Sousvide Machine 低温調理器」

低温調理×真空包装だからおいしい! “こだわり”がすごい低温調理器を使ってみた

低温でじっくり加熱させることにより、やわらかで旨みたっぷりに仕上がる低温調理が近年人気です。さまざまなメーカーが低温調理器をリリースしていますが、なかでも群を抜くこだわりを見せるのは、貝印「KaiHouse aio The Sousvide Machine(アイオ・ザ・スービッドマシーン) 低温調理器 DK-5129」(以下、DK-5129)でしょう。そのこだわりと、料理の出来映えをチェックしてみました。

「KaiHouse aio The Sousvide Machine 低温調理器」のこだわりとは?

袋詰めした食材を一定の温度でじっくりと湯せんするというのが、低温調理で主流な方法。たとえばお肉を60℃以下くらいの温度で時間をかけて加熱すれば、たんぱく質が硬くならないのでやわらかく仕上げられるほか、旨みや栄養素の流出も防げるため、焼いたり煮たり茹でたりするよりもおいしくなると評判です。この、湯せん時の水温をキープするのが低温調理器の役割。センサーで湯温をチェックしながら、ヒーターで水を温めるというのが一般的な低温調理器の構造で、この構造はどのメーカー製も同じです。今回紹介する「DK-5129」も基本構造は同様ですが、他の低温調理器と大きく違うのは、食材を真空包装するためのシーラーが付属していること。貝印によると、本当においしく仕上げるためには温度を一定にして加熱するだけでなく、食材を入れる袋の中にムダな空気がないようにすることが大切なのだとか。シーラーでしっかり真空にすることにより、ムラなく加熱が行え、より理想的な出来映えになるといいます。

低温調理器本体(左)とシーラー(右)がワンセットになっています。本体のサイズは190(幅)×310(高さ)×77(奥行)mm。写真のように、スタンドに立てて収納できるようになっています

本体には電源コードが付いており、コンセントに挿して使用します。いっぽうシーラーは、本体に接続して給電する仕様。つまり、シーラー単体で使いたい場合でも、本体はコンセントにつないでおかねばなりません

このような仕様なので、本体の操作部には低温調理を行うための温度や時間を設定するボタンのほか、シーラー操作用のボタンが用意されています

本体の重量は2kgほど。ヒーター(銀色の部分)やセンサーのほか、シーラーの電源や操作部も兼ねているため、他メーカーの低温調理器と比べるとサイズは大きめで、重量も重めです

ちなみに、ヒーターの部分はこのような構造になっています。らせん状のものがヒーターで、直線の短めの棒は温度を検知するセンサー。ヒーターの先端にあるファンは、水をかくはんするためのものです

低温調理してみよう!

さっそく低温調理にトライ! と、その前に、湯せんするための水を入れる鍋を準備しましょう。たっぷりの水を使い、かつ、低温調理器をセットしても転倒しないように大きめの鍋が必要なのですが、筆者宅にはDK-5129に合うサイズの鍋がなく、この準備がもっとも苦労しました。

DK-5129で調理するためには、20(直径)×20(高さ)cm以上の鍋が必要。結局、筆者宅には合うサイズの鍋がなかったので、メーカーに借りました。なお、鍋に低温調理器を固定する仕様がメーカーによって異なるようです。DK-5129はクリップで挟むタイプですが、意外に力がいりました

必要な道具がそろったところで、低温調理スタート。ローストビーフを作ってみます。なお、今回はDK-5129の特性の優位性をチェックするため、牛肉をシーラーで真空包装したものと、手動で空気を抜いた包装の2種類を用意し、同じ温度、加熱時間で調理することにしました

牛モモ塊肉(350g)の表面に塩こしょうをふりかけ、専用の袋に入れます

牛モモ塊肉(350g)の表面に塩こしょうをふりかけ、専用の袋に入れます

袋の口をシーラーにセット

袋の口をシーラーにセット

操作部の「V」ボタンを押すと、袋の中の空気が脱気されます。なお、シーラー機能は低温調理中でも使用可能

操作部の「V」ボタンを押すと、袋の中の空気が脱気されます。なお、シーラー機能は低温調理中でも使用可能

シーラーの運転モードは自動と手動が用意されており、自動の場合は脱気が完了すると自動で運転が停止します。手動の場合は、様子を見ながら脱気できるので、液体が入っているものを真空状態にしたい時に使うといいでしょう。また、脱気はせずに、シーリングのみ行うこともできます

シーラーで真空包装した肉(左)と、手動で空気を抜いて包装した肉(右)が準備できました。なお、シーラーが付属しない低温調理器の場合、右側の肉のようなファスナー付きフリーザーバッグに入れるのが一般的です

ここまでは準備段階。いよいよ低温調理の工程へと移ります。

銀色の部分に記された「MAX」と「MINI」の間に水面がくるように、鍋に水を入れます

銀色の部分に記された「MAX」と「MIN」の間に水面がくるように、鍋に水を入れます

取扱説明書にあるとおり、水温58℃、加熱時間50分にセットして運転スタート。なお、温度は1分単位で最大99時間まで、温度は5℃間隔で1〜95℃まで設定できます

設定温度に達するとアラーム音が鳴るので、素早く、シーラーで真空包装した肉と手動で空気を抜いて包装した肉の両方を鍋に投入。1,000Wという他メーカーの低温調理器よりも出力の高いヒーターを使用しているため、設定温度に到達するまでの時間も短い印象です

調理終了もアラーム音でお知らせしてくれます。設定した時間通り、50分で運転終了

お湯から取り出した肉は、若干、手動で空気を抜いたもののほうがドリップの量が多いような気もしますが、それほど違いは感じず

外観では違いがわからないので、粗熱を取ったあと、カットしてみました。すると、真空包装した肉のほうが包丁がスッと入ります! さらに、肉汁がにじみ出てきました。これは、肉汁が外に流出していないという証拠なのではないでしょうか。そして、肝心のカットした断面は、なんとなくピンク色の部分のムラが少ないのは真空包装のほうかな……という程度でしたが、食感は間違いなく真空包装したローストビーフのほうがやわらか!

作りたて直後の見た目ではあまり違いを感じませんでしたが、食事の準備をしていたら1時間経過してしまい、様子を見てみると明らかな差が現れていました。手動で空気を抜いて包装したほうの肉は、レア部分に色の差が目立ちはじめ、ドリップがにじんできています

ただ、食感と色味に多少の差が見られたものの、ローストビーフでは期待していたほどの違いは見られなかったというのが正直な感想。そこで今度は、鶏ムネ肉を使用した鶏ハムでも差が出るのかを検証してみました。67℃の水温で、50分加熱します。

袋から出して触ってみたところ、明らかに真空包装した肉のほうが弾力がすごい! 包丁でカットする際にはローストビーフ同様に中から肉汁が出てきて、旨みたっぷりなことがわかります。食べてみても肉の線維っぽさは感じず、なめらか

手動で空気を抜いて包装したほうは、肉汁が少なめ。肉の線維を感じ、ちょっとパサつきがある印象です。歯触りや旨みに大きな差が出ました

アイデア次第でいろいろ楽しめる!

低温調理といえば、ローストビーフや鶏ハムといったメニューが定番ですが、煮魚やスープ、スイーツなど多彩な料理を作ることができます。いろいろ試してみた中で、普通に作るよりもおいしく仕上がった料理をいくつか紹介しましょう。

・ローストポーク

約400グラムの豚ロースを60℃で6時間加熱。豚肉は牛や鶏肉以上に加熱に気遣いが必要で調理が難しい食材ですが、DK-5129なら失敗せずにできました。

ムラなく一面がキレイなピンク色のロースポークが完成! 食感もやわらかです

ムラなく一面がキレイなピンク色のロースポークが完成! 食感もやわらかです

・豚ハム

一般にハムと言えば、豚肉。豚肩ロースの塊肉を60℃で5時間加熱すれば、手作りハムが簡単にできます。添加物が多い市販のものとは違い、自家製だと安心。塩分もお好みで調整できるのでヘルシーです。

塩分控えめで作りましたが、肉汁や旨みがたっぷりなので物足りなくはありません。ローストポーク同様に、難しい食材がこれだけのレベルでできるのはすばらしい!

・ソフトチキンレバー

鶏レバーを80℃で30分加熱すれば、完成。鉄分豊富なレバーが摂りやすいメニューなので、お気に入りです。

DK-5129で作ったソフトチキンレバーは、しっとりとした食感。食感が苦手という人も多いですが、これならおいしく食べられるのではないでしょうか

・手作りツナ

まぐろ(赤身)の柵を丸々使用して、手作りツナも作ってみました。65℃で35分加熱し、好きな大きさにほぐしたら完成です。

缶詰のツナを使うより食材費はかかるものの、味は雲泥の差! 余分な油分や塩分がないのでヘルシーですし、缶詰のツナとは異なり、しっとりしているので食べ応え十分。メインディッシュにもうってつけです

まとめ

正直、最初は低温調理器って必要? と疑問に感じていました。しかし、使い始めると「○℃で○分加熱したらどうなるのかな?」「今度はあれを使ってみよう」と、気付けばメニューを考案している状況に。低温調理すれば、安い肉もおいしくなるので、ハマるとクセになるのは間違いなさそう。

ちなみに、低温調理器を購入する人は料理好きであることが多いと思うので、せっかく買うなら性能のよいものを選ぶほうがいいと思います。DK-5129はシーラーがセットになっていることが注目されがちですが、低温調理器としての性能も優秀。1,000Wの出力は水を素早く設定温度まで持っていけるだけでなく、水をしっかりかくはんできるので、鍋の中で温度ムラが起こりにくくなります。消費電力の低い低温調理器の場合(一般的な低温調理器は800〜900Wだそう)、かくはんのパワーも弱くなるため、場所によって水温が2℃ほど違うこともあるのだそう。そして、シーラーによる真空包装があれば、さらに加熱ムラも低減できます。実は、真空機能についても、それほど重要ではないと思っていたのですが、今回試したローストビーフと鶏ハムでは真空包装にしたほうがおいしいという結論が出ました。シーラーは本体と接続しないと使えないのは残念ですが、一般的なシーラーでは対応していないことも多い、液体モノの脱気や、脱気せずにシーリングのみ行えるなど、シーラーとしての性能は上々。DK-5129は他メーカーの低温調理器よりも本体サイズが大きめなうえ、価格も54,000円(2018年6月15日時点の価格.com最安価格)と少々高めですが、高性能な低温調理器とシーラーがセットになっていることを考えると妥当な価格だと言えるのではないでしょうか。

※今回のレビューでは比較のためチャック付きのフリーザーバッグで調理していますが、「KaiHouse aio The Sousvide Machine 低温調理器」は専用の袋を使用することが推奨されています。

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る