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世の中に問う! やり忘れを防ぐアラーム付き電子メモ機、製品化なるか

本日2018年7月25日、キングジムは、手書きでメモが取れて、その内容をリマインドしてくれるアラーム搭載電子ツール「カクミル」を発表。クラウドファンディングサービス「Makuake」において、同日より資金提供者の募集を開始した。

「カクミル」は、開発担当者の体験をもとに企画。電話の内容をメモしたり、ToDoリストを紙や付箋に書いておいても、紙自体を紛失してしまったり、その存在をうっかり忘れてしまって大事な仕事の時間に遅れてしまったという経験は、誰もがあるのでは?

「カクミル」はメモができるだけのガジェットではない!

「カクミル」は、デスクの上に置いて、必要なときにすぐにメモを取ったり、ToDoリストを管理したりできるデジタルツール。専用タッチペンで画面に直接書けるので、紙のメモ用紙と同じ感覚で筆記できる。

また、書き取ったメモやToDoリストそれぞれにアラームを設定することが可能で、重要な内容はアラーム音や画面表示によって後日リマインドしてくれる。つまり、スケジュールやToDoの“うっかり忘れ”を防げるわけだ。

メモ画面では、紙にメモするように筆記できる。筆跡の太さは、3種類から選択可能。消しゴム機能も搭載する

メモ画面では、紙にメモするように筆記できる。筆跡の太さは、3種類から選択可能。消しゴム機能も搭載する

チェックボックス付きのToDoリスト画面。項目ごとにアラームの鳴る時間を設定できる

チェックボックス付きのToDoリスト画面。項目ごとにアラームの鳴る時間を設定できる

さらに「カクミル」は、メモとToDoリスト機能のほかに、時計や電卓、カレンダーの機能も搭載。よく使うツールをひとまとめにできるため、デスクの上をスマートに整理整頓できる。また、「これをチェックしていれば大丈夫」という安心感も得られるはずだ。

ユニークなデザインの時計画面

ユニークなデザインの時計画面

10桁表示の簡単な計算ができる電卓画面

10桁表示の簡単な計算ができる電卓画面

カレンダー画面。アラームの時間を設定したメモやToDoリストは、このカレンダーに反映される

カレンダー画面。アラームの時間を設定したメモやToDoリストは、このカレンダーに反映される

画面下部に並ぶメニューリスト。アイコンを専用タッチペンでタッチすることで、5つの主要機能に簡単に切り替えられる

E Ink社の「電子ペーパーディスプレイ」を採用

キングジムは以前、似たような製品「卓上メモ『マメモ』」(TM1)を発売している。実は「カクミル」は、「マメモ」の後継機種として開発がスタートした製品だ。

「カクミル」の、手書きでメモが取れる電子ツールというコンセプトは「マメモ」と同じ。いっぽうで、「画面が暗い」「画面は常時オンのほうがメモ帳として使いやすい」という、液晶ディスプレイを採用した「マメモ」に対するユーザーからのフィードバックに注目。「カクミル」には高コントラスト&広視野角で視認性が高く、常時表示が可能なE Ink社の「電子ペーパーディスプレイ」を採用することになった。

「カクミル」は、4.3インチ(横56.2×縦93.65mm)の「電子ペーパーディスプレイ」を搭載。解像度は480×800ドットで、抵抗膜方式のタッチパネルを採用する

また「カクミル」は、電源に単3形アルカリ乾電池あるいは「エネループ」4本を使用するが、低電力ですむ「電子ペーパーディスプレイ」のおかげで常時表示していても長期間の使用が可能だという。なお、電池寿命は現時点(2018年7月25日時点)では未定とされている。

データの保存先は本体メモリーで、メモは最大99枚、ToDoリストは最大30件まで保存できる。また製品版では、データはmicroSDカードにエクスポートできる仕様を検討しているという。

実際に「カクミル」に触ってみた!

試用には開発サンプルを使ったため、はっきりとしたことは言えないが、本体の上部(画面側)は傾斜しているので画面が見やすく、画面の右横に手を置いて書けるので、筆記も安定していた。専用タッチペンで、メモ、ToDoリスト、カレンダーなどをサクサク切り替えられるのは便利。仕事の作業効率は上がりそうだし、デスクの上にベタベタ貼られた付箋も一掃できるのはうれしい。

専用タッチペンでなめらかに筆記できた。写真は違うが、画面の右横に手を置いて書けるため、筆記も安定する

専用タッチペンでなめらかに筆記できた。写真は違うが、画面の右横に手を置いて書けるため、筆記も安定する

スマートフォンの「iPhone X」を横に並べてみた。「カクミル」のサイズは、横93×高さ132×奥行41mm

スマートフォンの「iPhone X」を横に並べてみた。「カクミル」のサイズは、横93×高さ132×奥行41mm

本体は加速度センサーを内蔵し、姿勢を検知。画面を上に向けて置いた「入力時」から、本体を縦置きにすると(写真)、画面表示は自動で反転する。なお、専用タッチペンは、マグネットで本体にくっつけられる

【まとめ】製品化するかどうかはユーザー次第!

「カクミル」のクラウドファンディングは、製品の市場受容性の確認を目的として、支援金額が目標金額に達したときにのみ製品化を行う「All or Nothing」という形式でプロジェクトを実施。つまり、支援金額が目標の1,000万円に到達しなければ、製品化はされずに支援者も手にすることができないし、もちろん一般販売も行われない。支援金額の1,000万円突破は、「Makuake」においてはまれらしく、なかなかハードルは高そうだ。

さらに言えば、「カクミル」の「Makuake」における支援コースのラインアップは、10,000〜13,500円(税込)。「マメモ」は一般販売価格が6,458円(税込)だったこともあり、電子メモツールとしては価格が少々高い気もする。

しかし、キングジムが以前に「Makuake」で支援募集したモニタリングアラーム「TRENE(トレネ)」は、購買ターゲットが狭かったのにもかかわらず、スマッシュヒットを飛ばした。いっぽうで「カクミル」は、デスクの上で使う電子メモツールという、ユーザー層がかなり幅広いと思われるアイテムだ。また、「電子ペーパーディスプレイ」を採用しているので、紙のように見やすく、電源オフでも書いた内容を表示したままにしておけるというアイデアは、いままでにない強い魅力としてユーザーの目に映るだろう。また、キングジム調べではあるが、ビジネスパーソンの70%がいまだに手帳などのアナログツールでタスク管理をしているという統計も、キングジムの「Makuake」における2回目のスマッシュヒットを後押しするはずだ。

もし支援金額1,000万円を突破した場合は、一般販売を2019年の4〜5月にスタートする予定。なお7月25日現在、支援ページ公開後6時間で、支援金額は190万円(支援者数169人)を突破している。同支援プロジェクトは、2018年10月30日まで続くので、興味のある方はお早めに申し込んでほしい。

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

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