レビュー
“雑巾掛け”に似た発想の掃除システムで日本人との相性も良好!

ケルヒャー「水拭きフロアクリーナー」の実力を家中の汚れでチェック

フローリングの床には皮脂汚れなどが意外に付いてしまうもの。こうした掃除機で落ちにくい汚れは雑巾などで水拭きするのが1番で、水拭きしたあとの床は肌触りもサラッとして気持ちいいのですが、そのぶん掃除は超大変。なんでも、主婦が嫌う家事の第1位が「雑巾がけ」なんだそうです。

そんな「掃除後は気持ちいいけどやるのはめんどう」な水拭き・雑巾がけの“めんどう”を軽減すべく、近年いろいろなメーカーから水拭き掃除機(ロボット型を含む)が登場しています。その中でも注目を集めている機器のひとつが、この夏発売されたケルヒャーの「水拭きフロアクリーナー FC 3d」(以下、FC 3d)です。

汚水の回収システムを搭載しているので、汚れを広範囲に広げる心配がない

FC 3dは、汚水の回収システムを搭載し、つねにきれいなローラー型モップで汚れを取るコードレス水拭きクリーナー。ヨーロッパで2018年春に発売したところ、生産が追いつかないほどの大ヒットを記録した「FC 5」を、日本向けに小型化したモデルです。

本体サイズは305(幅)×1,170(高さ)×226(奥行)mm。本体質量は2.5kgです

本体サイズは305(幅)×1,170(高さ)×226(奥行)mm。本体質量は2.5kgです

水拭きのシステムを簡単に説明しましょう。FC 3dは、ヘッド部分にマイクロファイバー搭載のローラーを搭載しており、電源スイッチを入れると、給水タンクから約10秒に1回、きれいな水がローラーに供給されます。ローラーは毎分500回転しながら床面の汚れを水で浮かせて除去。マイクロファイバーが吸収した汚れと水は、ローラーが回転する際にヘッドカバー裏面のブレードでしぼり取られ、ヘッド内の汚水タンクに回収されます。掃除しながら汚れを回収することで、拭き取った汚れをほかの場所に広げることなく、フロアを水拭き掃除できるというわけです。

マイクロファイバー製のローラーが毎分500回転して床面の汚れを除去。雑巾がけのように力を入れてこすることなく、フローリングの掃除を短時間かつラクに行えます

ヘッドカバー裏面の金属製ブレードの先(写真左)がマイクロファイバーのモップ部分に潜り込むかたちでセット(写真右)。これにより、ローラー回転時にモップが吸い込んだ汚水をモップからしぼり取るように分離して汚水タンクに貯め込みます

掃除後の汚水タンクに、汚れた水がたっぷり貯まっています。汚水タンクの容量は140ml

掃除後の汚水タンクに、汚れた水がたっぷり貯まっています。汚水タンクの容量は140ml

使用前の準備は、ローラーを本体に取り付け、給水タンクに水を入れるだけ。ただし、本体が大型なので、ローラーの取り付けはややめんどうでした。スティックが本体から簡単に着脱できるので、ローラー装着の際はスティックを外したほうが作業しやすいかもしれません。

ローラーの外側のツマミをつかみ、ローラーを回し入れて装着。ローラーは左用・右用が決まっていますが、軸が緑と青に色分けされているので、間違えずに取り付けることができます。本体スティック部の裏面がラウンド形状をしているため、ローラーを装着中にヘッドがグラグラ揺れてしまい、取り付けにやや手間取りました

本体スティック部裏の給水タンクを外し、タンクキャップを開けて給水します。タンク容量は360mlです

本体スティック部裏の給水タンクを外し、タンクキャップを開けて給水します。タンク容量は360mlです

充電は本体裏側に直接電源コードを装着して行います。充電時間は4時間で、最大約20分の連続運転が可能。1回の充電で掃除できる面積の目安は約60m2です

乾いてしまった食べこぼし汚れもきれいに除去。皮脂汚れも落ちて床面がサラっと快適に!

では実際に、いろいろな汚れの汚れ落ちを見てみましょう。

食べこぼし汚れ

まずはダイニングの食べこぼし汚れ。床にこぼれて乾いた状態のコーヒー、しょうゆ、マヨネーズを水拭きしてみましたが、どれも3往復ほどできれいに拭き取ることができました。

コーヒー

床にこぼして乾き切った状態のコーヒー(左)。見た目の色は薄いですが、雑巾がけすると意外に落ちにくいです。今回も1往復目はほぼコーヒーの跡が残っていましたが、2往復目からコーヒーが水に溶け出し、3回往復させたら完璧に拭き取れていました(右)

しょうゆ

しょうゆを床に垂らして乾燥させました(左)。ローラーで拭き取るとあっという間に水に溶けて、これも3往復でしっかり拭き取れました(右)

マヨネーズ

マヨネーズは、時間が経つと透明に(左)。2時間ほど放っておきましたが、油脂成分が多いため乾燥はせず。これも3往復できれいになりましたが、油が床に広がっていないかやや心配に。触ってみたところ、特にベタつきは感じませんでした。それでも、あとでローラーを洗う手間を考えると、油系の量の多い汚れは、個人的には最初にティッシュなどで拭き取ってから、仕上げに水拭きしたいです(右)

皮脂汚れが蓄積したフローリングもサラサラに

続いて、床面に蓄積した皮脂汚れを拭き掃除。掃除後に手で触るとフローリングのベタつきがなくなりすべすべの触感に。ちなみに、翌日も同じ場所を拭き掃除したところ、汚水タンクにたまった水はまだ黒く汚れ、フローリングの手触りはよりサラッと快適になりました。1度の掃除で完全に皮脂汚れが取れるわけではないようなので、長く拭き掃除をしていない床の場合は、しばらくは毎日水拭きしたほうがよさそうです。

見た目にはわかりにくいですが、皮脂でベタッとしたフローリングが、本機で水拭き後は気持ちのよい床面に変わり、思わず床上でゴロゴロ寝転んでしまいました

通常の水拭きでは汚れが落ちきれなかった部分は、住居用の中性洗剤を薄めたものをスプレーしてから水拭きしました(まだらに汚れて見えるのは、掃除前からワックスが剥がれていたものです)

キッチンのこびりつき汚れにはさすがに歯が立たず

次に試したのは、キッチンの頑固なこびりつき汚れですが、これはさすがに水拭きだけでは落ちませんでした。ただしこの汚れ、中性洗剤を散布して雑巾で拭いても落ちないほどカチカチに固まっていたので、これをもって本機の水拭き力が弱いと評価するのは、かなり“酷”な気もします。

キッチンの隅、ガスレンジ下の床面にこびりついた汚れは、FC 3dでも歯が立たず。汚れは結局メラミンスポンジでこそぎ落としましたが、これはあくまで“最終手段”。床面のワックスも削れてしまいます

ところで、本機は基本的に髪の毛やペットの毛、綿ぼこりなどの除去は不得意です。汚水を回収する際、それらのゴミの一部は汚水タンクに回収されず、掃除終了後の床にゴミの塊になって残ってしまいます。ペットのいる家庭や綿ぼこりなどが床に目立つ場合は、まず通常の掃除機などでそれらのゴミを取ってから本機を使うほうがいいでしょう。

今回、FC 3dで拭き掃除する前にコードレス掃除機でフローリングを掃除していたのですが、それでも拭き掃除後にはところどころに写真のようなゴミの塊が落ちていました。ただ、このゴミはフローリングが乾燥したあと床にこびりつくことなく、簡単に除去できます

ローラーの回転で自走し、コードレス掃除機と同じ感覚でスムーズに拭き掃除できる

続いて、FC 3dの操作性をチェック。本機は2.5kgあり、持ち上げると特にヘッド部に重さをかなり感じますが、掃除中はローラーの回転でヘッドが自走するため、軽い力で操作できます。むしろ前に行く力が強すぎて、ヘッドを引き戻すのに力がいるほど。左右の方向転換もグリップをひねるだけで簡単で、さらにグリップを倒せばヘッドを低い場所に差し込めるなど、通常のコードレススティック掃除機に近い感覚で拭き掃除できました。

水拭き掃除機は、後ろに下がりながら掃除するのが基本。前向きに掃除すると水拭き直後の濡れた床面を歩くことになり、せっかくきれいになった床がまた汚れてしまいます

方向転換する際は、持ち手をひねることでヘッドをスムーズに首振りできます。首振り角度は左右各45°程度でした

ローラー2本を左右にセットし、真ん中のシャフトで回転する構造を採用しているので、壁際ギリギリまで拭き掃除が可能です

グリップをひねりながらスティック部を倒すことで、ラックの下など高さのない場所も拭き掃除できます

グリップをひねりながらスティック部を倒すことで、ラックの下など高さのない場所も拭き掃除できます

フル充電からの連続駆動時間は約20分。筆者の場合、17畳のリビングとキッチン、廊下、寝室の掃除を充電1回で終了できました。リビングやキッチンの汚れが目立つ場所はやや念入りに拭き掃除しましたが、2〜3日に1回のペースで掃除すればしつこい汚れもそれほどなくなるはずなので、もう少し広い面積を掃除できそうです。

持ち手の裏側にラバー製の滑り止めが付いているので、掃除中に壁に立てかけても倒れません。掃除中に家具や荷物をちょっと動かしたい時に便利です

お手入れは汚水タンクとヘッドカバーを洗い流すだけで簡単。使い始めはローラーのマイクロファイバーが抜けるのが気になる

最後に、メンテナンス性について見てみますが、本機のお手入れはかなりシンプル。掃除後に給水タンクに残った水を捨て、汚水タンクの水を捨てて中をざっと水洗いし、ヘッドカバーも水洗いします。特にブレードの裏は汚れが残りがちなので、忘れずに洗う必要あり。ローラーは水を流しながら汚れをもみ洗いしますが、汚れが激しい場合は中性洗剤をつけて洗います。また、円筒形状のローラーは雑巾のようにギュッと絞ることができず、ややストレスでした。

ヘッドカバーを外し、汚水タンクを取り出して、中の汚水を捨てます。汚水タンクの容量は給水タンク容量よりかなり少ないですが、これは給水タンクの水がなくなる時にちょうど汚水タンクが満杯になるよう調整された量で、実際掃除中に汚水がこぼれることはありませんでした

汚水タンクに水が満タンな場合、スタンドに縦置きしてタンクを外すと汚水が少しこぼれてしまいます。むしろ床に横置きしてから外したほうが、こぼれにくかったです

水拭き掃除後、ヘッドカバーのブレード付近には汚れが大量に付いています

水拭き掃除後、ヘッドカバーのブレード付近には汚れが大量に付いています

掃除が終わったら毎回水で洗い流しましょう

掃除が終わったら毎回水で洗い流しましょう

ローラーのマイクロファイバーは水を流しながらもみ洗いします。汚れが激しい時は、中性洗剤を使うとよりすっきり汚れが落ちます

洗ったローラーは、スタンドの両端に立てかけて乾かせます

洗ったローラーは、スタンドの両端に立てかけて乾かせます

ひとつ心配になったのは、使い始めの時期にローラーのマイクロファイバーがそこそこの量抜けること。そのため、拭き掃除後の床に白い毛ゴミがけっこう目立ちました。まあ、その後の拭き掃除に支障をきたすほど抜けるわけではなく、何度も掃除するうちに“毛羽落ち”は落ち着きましたが、こうなるとローラーの実質使用期間がどれくらいなのか気になるところ。

そこで、ケルヒャーの公式サイトを見てみたところ、ローラーの交換目安は6〜12か月との記載がありました。もちろん実際どれくらい持つかは、使用頻度によってかなり変わるはずです。ちなみに、ローラーは2本セットで2,462円(税込)。本機をヘビーに使いたい人は、そうしたランニングコストも考慮しておいたほうがよいでしょう。

ローラーの使い始めは、掃除後に写真のような白い繊維が固まったゴミがあちこちに落ちていました。ただ、これも床にこびりつくわけではなく、掃除機をかければ簡単に取り除けました

日本人との相性も良好!“雑巾がけ”に似た発想の掃除システムで、床面の清潔さと快適さ維持できる

従来の水拭き掃除機はモップが汚れた状態のまま最後まで掃除していたので、便利ではあるものの清潔さに関しては課題がありました。それに対し、FC 3dは汚水を回収することで、ある程度モップのきれいさを維持しながら部屋中掃除できるのが最大のメリット。「モップの汚れを取りながら掃除する」というのは、汚れた雑巾をバケツの水で洗いながら拭き掃除するのに似ています。

そう考えると、本機は元々ヨーロッパでヒットした製品ではありますが、雑巾がけに慣れた私たち日本人にも抵抗なく使えそうです。何より、日々の「雑巾がけ」の苦労から解放してくれるのは魅力。特に赤ちゃんや小さな子供がいる家庭で、床面の清潔さに気を使う人には、FC 3dはうってつけの製品と言えるでしょう。

平島憲一郎

平島憲一郎

雑誌やWEB媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。

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