デロンギの全自動コーヒーマシンに、フラッグシップモデル「プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン ECAM55085MS」が登場。操作性が大幅に向上し、豊富なメニューバリエーションが用意された新モデルを見てきました。
フラッグシップモデルである「プリマドンナ クラス 全自動コーヒーマシン ECAM55085MS」(以下、プリマドンナ クラス)には、自動ミルク泡立て技術「ラテクレマシステム」が搭載されており、コーヒーメニューだけでなく、カプチーノやカフェラテなどのミルクメニューも自動で淹れられます。ちなみに、ラテクレマシステムとは、メニューに応じて、ミルクコンテナに入れた牛乳などを泡立ててカップに注ぐデロンギ独自の技術。きめ細かく泡立てるだけでなく、ミルクがもっとも甘く感じられる60〜65℃で温度管理しながら抽出されます。
メニューを選ぶだけで、ミルクメニューが作れます。写真は、プリマドンナ クラスで淹れたカプチーノ。牛乳の泡の大きさは無段階で調整できます
ラテクレマシステムは、豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクといった植物性ミルクにも対応。試しに、アーモンドミルクを使ってカプチーノを淹れてみたところ、牛乳と同レベルのキメ細かい泡が立ちました。ただ、泡の大きさを同じ設定にしても抽出される泡の質は異なるようで、飲んでみると違いに気付きます。牛乳の泡のほうがなめらかな印象でしたが、商品によっても異なるそうなので、いろいろな商品でミルクメニューを試してみるのも楽しいでしょう
このようなミルクメニューが、プリマドンナ クラスには「カプチーノ」「カプチーノ+」「カプチーノMIX」「ラテマキアート」「エスプレッソマキアート」「カフェラテ」「フラットホワイト」「ミルク(フロス/スチーム)」の8種類用意されています。このうち、「カプチーノ+」と「カプチーノMIX」は新たに搭載されたメニュー。普通のカプチーノがエスプレッソにフロスミルク(泡立てたミルク)を加えているのに対し、「カプチーノ+」は「ドッピオ+」(エスプレッソの2倍強のコーヒー豆の量を使用/スタンダード設定時)をベースにしており、コーヒーの味が強めなカプチーノに仕上がります。
見るからに、コーヒー液の量が違います。普通のカプチーノがミルクの味を強く感じるまろやかなコーヒーなのに対し、「カプチーノ+」はコーヒーの味が強めで、それでいてミルク感もある印象。設定でコーヒーの濃さを調整せずに、コーヒーが濃いめのカプチーノが簡単に作れます
そして、もうひとつの新メニュー「カプチーノMIX」は、普通のカプチーノ同様にベースにエスプレッソを使用しながら、抽出する順番を変えたのがポイントです。普通のカプチーノは泡立てたミルク(フロスミルク)をカップに注いだあとにエスプレッソを抽出しますが、「カプチーノMIX」はこの順番を逆に抽出(下の動画参照)。ラテクレマシステムで淹れたミルクメニューはコーヒー液とミルクの層が分かれた仕上がりとなりますが、先にエスプレッソを抽出してからフロスミルクを注ぐ「カプチーノMIX」は、コーヒー液(エスプレッソ)とミルクがかき混ぜられた状態となります。
普通のカプチーノはミルク→エスプレッソ→ミルク泡と層になっているのに対し、「カプチーノMIX」はミルク泡の下はエスプレッソとミルクが混ざり合った状態。普通のカプチーノは、飲んだ時にもエスプレッソとミルクの味が順番にやってきますが、「カプチーノMIX」はエスプレッソとミルクが同時に口の中に広がる印象です。一般的なカフェなどで出てくるカプチーノは「カプチーノMIX」のようなタイプが多いので、そこにきめ細やかなミルク泡がプラスされた感じだと想像してみてください
ミルクメニューだけでなく、コーヒーメニューにも新メニュー「アメリカーノ」が追加されました。「アメリカーノ」は抽出されたエスプレッソにお湯を追加する淹れ方で、雑味を抑えた仕上がりになるのが特徴です。このほか、「エスプレッソ」「カフェ・ジャポーネ」「スペシャルティ」「ドッピオ+」といったコーヒーメニューも用意。「プリマドンナ クラス」に搭載されているメニュー数は、デロンギ史上最多の17種類となりました。
「アメリカーノ」の抽出の様子を見ていると、エスプレッソの抽出はカップの1/4くらいで止まり、あとは、お湯が注がれました。エスプレッソとお湯の割合のとおり、試飲してみると、すっきりとした味わい。しかし、「薄い」というわけではなく、コーヒーの香りは芳醇で物足りなさはありません
ちなみに、ラテクレマシステムで使用するミルクコンテナを取り外し、給湯ノズルを装着すれば、給湯にも利用できます。他モデルでも給湯はできますが、給湯温度は90℃限定。「プリマドンナ クラス」は75/80/85/90℃と給湯温度を選択できるのがポイントです。また、給湯ノズルはミルクフロッサーとしても使用可能。ミルクジャグに入れたミルクを手動で泡立てることができます。
手動でミルクを泡立てたい時や給湯したい時は、給湯ノズルを装着します
多彩なメニューが用意されていても、使い方がわかりにくい場合、結局、同じメニューでしか淹れない状況になりやすいもの。「プリマドンナ クラス」はそうした点を考慮し、3.5インチカラー液晶ディスプレイとワンタッチでメニューが選べるダイレクトメニューアイコンを採用。わかりやすく直感的な操作が行えるようになりました。
液晶ディスプレイの周囲に配置されている6つのイラストが「ダイレクトメニューアイコン」。エスプレッソ、スペシャルティ、カフェ・ジャポーネ、カプチーノ、ラテマキアート、ミルクは、ダイレクトメニューアイコンをタッチするだけで抽出が始まります
ダイレクトメニューアイコンに用意されていないメニューを選ぶのもカンタン。「ドリンクメニュー」のセレクターをタッチすると液晶ディスプレイにイラストでドリンクメニューが表示されるので、作りたいメニューを選べばOKです
給湯温度も、茶葉の種類で選択する仕様。白茶(75℃)、緑茶(80℃)、烏龍茶(85℃)、紅茶(90℃)と、茶葉の種類を選ぶだけで最適な温度が出ます
また、日本導入モデルでは初となるスマートフォン専用アプリ「De'Longhi Coffee Link」(無料)にも対応。コーヒーの濃さや抽出量など設定を変えられるほか、メンテナンスやエラーの通知を行ってくれたり、コーヒーの豆知識を確認することもできます。コーヒーの濃さや抽出量はコーヒーマシン本体でも変更できますが、スマートフォンの操作に慣れているなら、アプリ上で行うほうが使いやすいかも!
コーヒーマシンとはBluetoothで接続。コーヒーの抽出量は5ml刻みで調整できます
「プリマドンナ クラス」は、手厚いサポート「Better Support」を受けられるのもポイントです。通常、購入してから1年経過後は有償となる修理サポートが、「プリマドンナ クラス」は5年間、何度利用しても無償。さらに、通常3日前後かかる修理サービスも、テクニカルセンターに到着した日に修理して返却する「即日修理サービス」に対応。また、「プリマドンナ クラス」専用の問い合わせ窓口(電話回線)や、デロンギ公認バリスタが紹介するオンラインコーヒー講座に参加できる特典も用意されています。なお、このサポートは正規販売店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ、デロンギ直営店)からの購入した場合に限られるので注意しましょう。
公式オンラインでの価格は283,800 円(税込)。サイズは260(幅)×460(奥行)×360(高さ)mm
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。