価格.com 家電トレンド研究所

アイロンを持たない人が増えている「今」パナソニックの衣類スチーマーが売れる理由

長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第13回は、新生活需要が高まるアイロンの最新トレンドについて解説する。

例年4〜5月に盛り上がるアイロン市場

衣類のシワを伸ばすために使うアイロンは、一家に1台は持っておくべき家電製品のひとつと言える。ただ最近は、衣類のほうで、シワが付きづらいものや、洗って干しておくだけでシワが取れるといったものが増えてきたこともあり、アイロンを持たない層も、若者を中心に広がっていると聞く。3年に及ぶコロナ禍の影響もあり、アイロン市場全体はやや縮小気味となっている。

【図1】価格.com「アイロン」カテゴリーの閲覧者数推移(過去1年)

【図1】価格.com「アイロン」カテゴリーの閲覧者数推移(過去1年)

しかしながら、それでも新生活がスタートする4月から5月にかけては、例年、アイロン市場は伸びを見せている。図1は、価格.com「アイロン」カテゴリーの過去1年間における閲覧者数推移を示したものだが、昨年も4〜5月にかけてピークがきており、今年も4月に入って一定の盛り上がりを見せている。一時期より数は減っているものの、新社会人になりスーツやシャツの身だしなみを整えたい人などから一定の需要を得ているものと推測される。

人気の中心は「衣類スチーマー」、特にパナソニック製品が強い人気

【図2】価格.com「アイロン」カテゴリーの主要メーカー別閲覧者数推移(過去1年)

【図2】価格.com「アイロン」カテゴリーの主要メーカー別閲覧者数推移(過去1年)

図2は、価格.com「アイロン」カテゴリーの主要メーカー4社別に見た、過去1年間における閲覧者数推移を示したものだ。これを見ると、圧倒的に人気なのはパナソニックで、シェアの半数近くを占めていることがわかる。ここからやや離れて、ティファール、東芝、日立が2〜4位のグループを形成している形だ。

パナソニックは、アイロンに限らず、全方位で家電製品をカバーしているうえに、製品のラインアップも多いので、さまざまなカテゴリーの家電製品で強さを誇っている。この「アイロン」カテゴリーでパナソニックの強さを確実なものにしているのが、「衣類スチーマー」の人気だ。

【図3】価格.com「アイロン」カテゴリーにおける人気5製品別閲覧者数推移(過去3か月)

【図3】価格.com「アイロン」カテゴリーにおける人気5製品別閲覧者数推移(過去3か月)

図3は、価格.com「アイロン」カテゴリーにおける人気5製品の閲覧者数推移(過去3か月)を示したもの。5製品中、実に4製品がパナソニック製品で占められているのに加え、なかでも圧倒的な人気を誇っているのが、3月1日に発売されたばかりの衣類スチーマーの最新モデル「NI-FS790-K」であることが見て取れる。なお、2位グループにつけている「NI-FS790-C」もこれの色違いモデルであり、「NI-FS430-C」は同時期に発売された下位モデルということで、人気5製品中、実に3モデルが、3月に発売されたパナソニックの衣類スチーマーの新モデルということになる。これにティファールの「アクセススチーム フォース DT8261J0」を加えた4モデルが、いわゆる衣類スチーマー製品であり、今やアイロン市場は、衣類スチーマーの人気によって支えられていると言っても過言ではない状態だ。

パナソニックの衣類スチーマーは簡易アイロンとしても使える利便性が人気

衣類スチーマーは、元来、ハンガーなどにかけた衣類にスチームを噴射し、シワを取り除く目的で作られている。ティファールの衣類スチーマーはまさにこの目的に特化された形で作られており(なので、厳密にはアイロンではない)、専用モデルならではの大容量パワフルスチームが高い支持を得ている。これに対して、パナソニックの衣類スチーマーは、比較的コンパクトなボディに加えて、簡易アイロンとしても使えるかけ面を装備している点が特徴。これ1台で衣類スチーマーとしてもアイロンとしても使えるという利便性で人気となった。最新モデルではスチームの噴射量も増し、よりパワフルになっていることなどもあり、価格の安くなった旧型モデルよりも、最新モデルが選ばれる傾向にある。

冒頭でも触れたように、今、アイロンを持たない層が増えているが、ハンガーにかけたまま手軽にスーツやシャツのシワ取りが行える衣類スチーマーはむしろ人気となっている。しかも、パナソニックの製品のように、いざとなればアイロンとしても使えるのであれば、ハンカチやスカーフなどの小物もケアできて便利だ。しばらくアイロンから離れていた人も、新生活の始まるこの時期に1台手に入れてみてはいかがだろうか。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目するアイロン5選

※最安価格とユーザー評価は、いずれも2023年5月2日 時点のものです。

パナソニック「NI-FS790-K」

NI-FS790-K

価格.com最安価格:14,049円
発売日:2023年3月1日発売
ユーザー評価:★4.65(2人)

パナソニックの衣類スチーマーの最新モデル。カームブラックの本モデルのほかに、ベージュの色違いモデルもある。アイロンとしても使える2ウェイ設計が特徴。前モデル「NI-FS780」と比べて、スチーム量が約36%アップしており、平均約15g/分(HIGH設定時)のパワフルスチームを実現。電源オンから約19秒で立ち上がり、約690g(スタンドを含まず)の軽量ボディのため、軽々とスチームを噴射できる。連続使用時間は約7分(HIGH設定時)。アイロンの温度は3段階で設定可能だ。

パナソニック「NI-FS780-H」

NI-FS780-H

価格.com最安価格:9,980円
発売日:2022年3月1日発売
ユーザー評価:★4.86(13人)

パナソニックの衣類スチーマーの2022年モデル。スチーム量は平均約11g/分で、最新モデルのほうが上だが、約4倍のスチームを噴射する「瞬間4倍パワフルスチーム」機能を搭載している。型落ちモデルとなるため、最新モデルよりもかなり割安に購入できる。ただし、発売から1年以上が経過して流通在庫も少なくなってくるので、購入はお早めに。なお、本製品は、「価格.comプロダクトアワード2022」のアイロン部門にて金賞を受賞したほどの評価の高さを誇る。

ティファール「アクセススチーム フォース DT8261J0」

DT8261J0

価格.com最安価格:9,175円
発売日:2022年3月発売
ユーザー評価:★4.19(5人)

平均約23g/分のパワフルスチームを実現した、衣類スチーマー専用モデル。さらに、約2秒間、約3倍のパワフルスチームを噴出するターボモードも備える。取り外し可能な185mlの水タンクを備え、ターボモード時でも約8分の使用が可能。なお、本機は衣類のプレスには非対応なものの、ヒーティングプレートによるしわ伸ばしは行える。シルクなどの繊細な衣類でも安心して使えるスチームボンネットと、ウールなど毛足の長い素材の毛を起こしながらスチームをあてるアタッチメントブラシが付属。

パナソニック「カルル NI-WL707-H」

NI-WL707

価格.com最安価格:16,590円
発売日:2022年10月20日発売
ユーザー評価:★5.00(2人)

パナソニックが発売するコードレスタイプのスチームアイロン。コードレスなのでケーブルがじゃまにならないうえ、前後左右どちらの方向にも滑らせられる「Wヘッドベース」を採用し、プレスしやすいのが特徴。かけ面全面から最大約13g/分の強力なスチームを噴出することができ、キレイに衣類を仕上げられる。握りやすいハンドルも特徴的。カラバリは、こちらのダークグレーのほか、ベージュピンクのカラバリがある。

ティファール「アルティメット FV6828J0」

FV6828J0

価格.com最安価格:12,762円
発売日:2022年10月発売
ユーザー評価:★5.00(3人)

ティファールが発売する、本格派のスチームアイロン。1分間に最大140gの大量パワフルスチームを噴射可能。細かいスチームが繊維の奥まで届くため、頑固なシワも楽々伸ばせる。衣類スチーマーではないが、衣類をハンガーにかけたままのスチーム噴射も可能だ。エナメルコーティングを2層にしたかけ面も非常に滑りやすく、パワフルなスチームと相まって、アイロンがけが非常にしやすいと評判だ。

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鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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