毎日、掃除機をかけていると、意外に面倒だと感じるのが「ゴミ捨て」。特に、サイクロン式のコードレス掃除機の場合、ゴミ捨ての際にゴミに触れたり、ホコリが舞ったりするのがイヤ! という人も多いでしょう。
そんな声を受け、ロボット掃除機に続き、コードレススティック掃除機のカテゴリーでも、掃除機に溜まったゴミをドックに回収する「ゴミ収集ドック付属モデル」が複数メーカーから発売され、新トレンドになりつつあります。
ただし、そういったドックを付属しているモデルの多くは、価格が5万円以上とお高め。そんななか、コスパのよさで注目なのが、ツインバードの「ごみすての少ないクリーナー TC-E292W」(以下、「TC-E292W」)です。
ゴミ収集ドック付属で、ゴミ捨ての手間からほぼ解放されるコードレススティック掃除機が、ツインバードからリーズナブルな価格で登場!
とはいえ、掃除機にとって最も大事なのはゴミ除去性能と使いやすさ。そこで今回は、同モデルの「ゴミ収集機能」に加え、「ゴミ除去能力」「操作性」「お手入れのしやすさ」などをチェック! 実力を検証しつつ、どんなユーザーにおすすめなのかを考察します。
「TC-E292W」は、容量2Lのダストパックを装備した充電ドック付属サイクロン式コードレススティック掃除機。掃除機のダストカップ内のゴミをボタン1つでドック内の紙パックに回収できるため、ゴミ捨ての手間を大幅に減らせます。ツインバードによると、ダストパックの交換目安は約4か月に1回で、年間たった3回ゴミ捨てするだけで済むとのこと。
また、ヘッドは自走式で、回転ブラシには一般的なハードブラシではなく、全面にやわらかい起毛加工を施した大型ローラーブラシを採用。床上のゴミを“面”でとらえて本体内にかき込む方式で、特にフローリングなど、ハードフロアの床で効果を発揮します。さらに、ヘッド前面が大きく開口しているため、ペットフードなど、厚みのあるゴミもヘッドを持ち上げずに取り除けます。
「TC-E292W」の本体サイズは、250(幅)×210(奥行)×1035(高さ)mmで、本体重量は2kg。充電時間の目安は約4.5時間で、連続使用可能時間は強モードで約8分、標準モードで約25分が目安です。充電ドックのサイズは、340(幅)×260(奥行)×590(高さ)mm
ここからは、「TC-E292W」の性能と使い勝手をチェックしていきます。チェックする項目は以下の7つです。
【1】ゴミ除去性能
【2】操作性
【3】静音性
【4】ゴミ収集機能
【5】メンテナンス性
【6】拡張性・設置性
【7】ランニングコスト
掃除機で最も重視すべき項目は、もちろんゴミ除去の能力。「TC-E292W」が採用するソフトローラーブラシは、フローリングでは高いゴミ除去力を発揮するいっぽう、カーペットの掃除は苦手だと言われています。そこで、その2つの床面で実際にどれくらいゴミが取れるのかを検証してみました。
ヘッドには、毛足が短くソフトな触感の大型ローラーブラシを採用。床上の大小のゴミをローラーで包むように捕捉し、モーター吸引で逃さず除去します
フローリングとカーペットそれぞれの上に、髪の毛を想定した綿糸/ペットの毛を想定した綿ゴミ(少しずつちぎったコットン)/猫用のドライフード/重曹をまき、1回の走行でどれだけ取れるか見てみました。
フローリング上に、左から綿糸、綿ゴミ、ドライフード、重曹をまいて吸引力を検証
本機は、「強モード」と「標準モード」で吸引力を2段階調整できます。そこで、フローリング上では「標準モード」で、カーペット上では「強モード」で掃除を行いました。
電源ボタンは、掃除機の運転開始・停止を操作するほか、長押しすることで「標準モード」と「強モード」の切り替えにも使います
まず、フローリングですが、綿糸、綿ゴミ、ドライフード、重曹のほぼすべてを1回の走行で除去できました。ただし、よく見ると重曹がほんのわずか残っており、また、硬くて大きいドライフードを回転するローラーブラシが1〜2個弾き飛ばしていました。さらに、ヘッドを引き戻して掃除機の運転を止めたときに、ヘッドの下に重曹が残ってしまう問題も……。ただ、これらの取り残しはもう1ストロークで逃さず除去できました(下記動画も参照)。実際の掃除機がけでは同じ場所でヘッドを2〜3度走行させますから、基本取り残しの心配はなさそうです。
よく見ると、一部にうっすら重曹の取り残しが……。また、ローラーヘッドの回転で遠くに弾き飛ばされたドライフードも取り残しとなりました
1回の走行後に掃除機を停止し、ヘッドをどけてみると重曹が……。ヘッドを後ろに引きながら掃除した場合に、ゴミの取り残しが出るようです。このゴミは、再びヘッドを前に走行させるときにすべて吸引除去できました
続いては、カーペット。見た目ではフローリングと同様に、ほぼすべてのゴミを除去できていました(下記動画も参照)。特に、カーペットの毛に引っ掛かると思われていたコットンと綿糸をほぼ除去できていたのは驚き。ただし、検証後にカーペットを持ち上げて叩くと、カーペットの毛の奥に入り込んでいた重曹が落ちてきました(その量はまいた重曹の1割弱、という印象)。検証では1回走行しただけなので、2〜3回走行させればもっと重曹は取り除けますが、それでもやはり、かき出し力ではハードブラシに劣るソフトローラーブラシでは、繊維の奥に潜り込んだ重曹までをすべて取り除くのは難しいと思われます。
わずかに1つずつ、綿ゴミと綿糸の取り残しを発見
掃除機がけする際に、壁際に溜まったハウスダストなどの微粒子ゴミを、どれくらいしっかり除去できるかも気になるポイント。もちろん、すき間ノズルを使えば壁際ギリギリのゴミも残さず除去できますが、できれば通常のヘッドで床上すべてのゴミを取り除きたいところです。
ここでは壁際に重曹をまき、壁に向かって垂直にヘッドを走らせた場合と、壁に沿って平行にヘッドを走らせた場合の重曹の取れ具合をチェックしました。
壁に向けて垂直に掃除した場合、壁から1cm程度の距離にある重曹が取れませんでした。これに対し、壁に沿ってヘッドを平行に動かすと、壁際ギリギリまでしっかりと重曹を吸引! 壁際掃除は壁と並行にヘッドを動かすように心掛けるのがよさそうです。
「TC-E292W」は、本体重量が2kgと、最近のコードレススティック掃除機の中では、やや重めなほう。掃除中は自走式ヘッドのおかげもあり、腕への負担はそこまで感じませんが、本体を充電ドックから取り出すときと戻すときは、その重さがまるごと腕にかかり、やや大変な印象を持ちました。
掃除機を充電ドックから取り出す際に、1度真上に持ち上げる必要があります。筆者の場合は、使っている間に重さに慣れましたが、力の弱い人は取り出しに少し苦労するかもしれません
ヘッドの取り回しも、やや癖があります。全体的に重心が上にあり、しかも持ち手が棒状なので、握った手のひらで左右のバランスを取りながらヘッドを動かす必要があり、最初は真っ直ぐ動かす際にもややふらついていました。
ただ、これはしばらく使っていくうちにコツがつかめます。特に、左右へのヘッドの方向転換は、角度を浅めにゆっくり行うのが有効。急角度の方向転換ではヘッドが前に出にくく、またヘッドを急いで動かそうとすると、手のひらの中でバランスが崩れてしまいます。
ハンドルを持つ手の手首をひねることで、ヘッドを方向転換させるんですが、環形のハンドルと比べると、棒状の持ち手はより手首に力を入れる必要があります
持ち手の人さし指がかかる部分に、くぼみがあるのは手に収まりやすくする配慮でしょう。持ち手に多少角度がつくように持つと、このくぼみがより人さし指にフィットすると思います
テーブルの脚周りを掃除するためにヘッドを細かく動かす場合、本体の重さと棒状の持ち手のホールド感の少なさから、やや扱いにくさを感じました
掃除機は、床から約20度の角度まで倒して掃除可能。一般的なベッドとしては、かなり奥まで掃除できます
ちなみに、連続稼働時間は「標準モード」で約25分、「強モード」で約8分。フローリングの部屋を「標準モード」でざっと掃除するのであれば、3〜4部屋はいけそうです。
ゴミ収集ドック付き掃除機では、掃除中の運転音以上に、掃除機内のゴミをドックに収集するときの音が気になるもの。そこでデジタル騒音計を使い、それぞれの運転音をチェックしました。
運転音の測定は、掃除機と充電ドックから2mの距離にデジタル騒音計を設置。運転停止状態で約32〜34dBという環境で、「標準モード」では約59〜61dB、「強モード」では約67〜69dBという測定結果になりました。
「標準モード」(写真)では、デジタル騒音計の数値は60dB近辺を推移。「強モード」では68dB前後の数値を表示していました
使用中の体感では、「標準モード」はかなり静か。テレビを見ながら掃除機をかけてもそれほど運転音がじゃまにならず、夜間の掃除機がけもほぼ問題ないと思われます。「強モード」はさすがに音が大きめですが、短時間の掃除であれば我慢できる程度の大きさだと感じました。
いっぽう、ドック使用時の運転音は約70〜73dBで、体感でもこちらのほうがややうるさく感じました。両者の運転音を比較すると、掃除機の「強モード」は高域の風切り音が目立つタイプの運転音。ゴミ収集時の運転音は中〜低域の“うなる”ような音が気になりました。筆者だったら、夜間のドックへのゴミ収集は躊躇してしまいます。
ドックでゴミ収集中にデジタル騒音計が表示していた数値は、約70〜73dB。メーカーが公表しているスペックでは、スティッククリーナー使用時(強モード)の運転音のほうがドック使用時より音量が大きくなっていますが、筆者の測定ではドックのゴミ収集時の運転音のほうが大きいという結果になりました
本モデルを特徴づける機能として特に注目したいのが「ゴミ収集機能」。掃除機がけでの面倒ごととして「ゴミ捨て」をあげる人も多いですから、その面倒臭さからほぼ解放されるのは大きな魅力です。
他社のゴミ収集ドック付き掃除機の多くは、掃除機本体をドックにセットすると、自動的にゴミ収集をスタートしますが、本機はボタンを押してゴミ収集する方式を採用しており、筆者はこれを非常に合理的だと感じました。
というのも、床上の気になるゴミを都度掃除する場合、掃除機に少ししかゴミが溜まっていないのに、毎回“うるさい運転音”が室内に響くのは少々ストレスを感じます。また夜間に掃除する場合、せっかく運転音が静かな「標準モード」で掃除しても、そのあとのゴミ収集の音がうるさいのでは意味がありません。他社製品でも、電源ボタンの長押しなどで、掃除機をドックに戻したときのゴミ収集をキャンセルできますが、その設定をうっかり忘れて夜中に大音量を出してしまうリスクを考えると、ゴミ収集ボタンを押すという操作ステップは、それほど手間だとは思いません。
掃除機本体を充電ドックにセットする接続部のすぐ右に、ゴミ収集用の吸引ボタンがあるので、本体を充電ドックに戻した流れでスムーズにゴミを回収できます。吸引ボタンを1度押すと、約40秒間ゴミの吸引回収が続いたあとで運転終了。吸引中にもう1度ボタンを押すと、吸引を途中で終了できます
本モデルは、他社のゴミ収集ドック付き掃除機と比べ、掃除機本体のダストカップが0.25Lと大きめで、ドックへのゴミ収集が毎回必要ではない家庭も多いはず。そういう家庭にとっても、本モデルのゴミ収集ボタンは大変使いやすいと思います。
ダストパック(紙パック)は、ドック右側天面のフタを開け、ダストパックの持ち手を引き出してそのまま持ち上げれば簡単に取り出せます。ダストパックの穴は、持ち手を引き上げると自動で閉じられる構造なので、取り出し時にホコリが舞ってしまう心配はなし!
ゴミ収集機能付きドックのおかげで毎回のゴミ捨ては不要ないっぽう、吸引力を長く保つためには定期的なフィルターのお手入れが必要です。
「TC-E292W」の掃除機本体には、2つのフィルターが搭載されています。1つめはダストカップのフィルターセットの上部にあるクリーンフィルター。フィルターの表裏を軽く叩いたり、歯ブラシでやさしくホコリを取り除いたりします。汚れが気になるときは、ホコリを取り除いたあと、水洗いもできます。
ダストカップとサイクロンユニット、クリーンフィルターは写真のように分解できます
クリーンフィルターに付いたホコリやペットの毛、髪の毛などは、歯ブラシなどを使ってていねいに除去
ダストカップやサイクロンユニットに付いたハウスダストなどは、水で洗い流すと簡単に落ちます。ただし、洗い流したあとは、陰干ししてしっかり乾かす必要があります
2つめのフィルターは、排気口に設置された排気HEPAフィルター。こちらは水洗い不可で、歯ブラシなどでお手入れをします。
サイクロンユニットの上部にあるフタを開けると、中に排気HEPAフィルターが。これも定期的なメンテナンスが必要です
もう1つ、掃除機のメンテナンスで面倒なのがヘッドブラシ。本モデルはソフトローラーブラシを採用していますが、これは通常のハードブラシと比べて髪の毛などがからみにくいというメリットがあります。実際に1週間ほど掃除を続けたあと、ローラーブラシを見てみましたが、髪の毛やペットの毛などの毛がらみはまったく見られませんでした。これが1か月2か月と続くと、さすがに毛がらみが見られるかもしれませんが、その場合でもローラーブラシは簡単に取り外せて、からんだ毛をハサミで除去できます。また、ローラーブラシの汚れがひどい場合は、水洗いもできます(洗剤・漂白剤の使用は不可)。
掃除後のソフトローラーブラシ。毛がらみはもちろん、ホコリが付いていたりすることもなく、むしろヘッド周りのナイロンフェルト部に付いたホコリが気になりました。ちなみに、このホコリも定期的に取り除かないと、しつこいこびりつき汚れにつながります
以上のように、メンテナンス性に関しては、フィルター周りは一般的なサイクロン式掃除機と同等で、ヘッドブラシは優位性ありと言えます。
「TC-E292W」に付属するアタッチメントは「すき間ノズル」のみで、拡張性は最小限といったところ。「すき間ノズル」はブラシの出し入れができ、壁や家具の角はブラシなしで直接吸引したり、窓のサッシはブラシありで溝の奥のゴミをかき出しながら吸引したりと、用途により使い分けができます。
すき間ノズルに付いているブラシをクルッと回せば、ノズルをブラシあり/なしで使い分けられます
延長管を外し、すき間ノズルを装着すれば、ハンディ掃除機として使用可
延長管を付けたまま、その先にすき間ノズルを装着すれば、エアコンなどの高所の掃除にも使えます。ただし、それなりに重いです……
設置性に関しては、ゴミ収集機能付き充電ドックのサイズが、340(幅)×260(奥行)×590(高さ)mm。ほぼB4サイズの設置面積で、リビングに置いてもそれほど場所を取らないでしょう。フォルムはシンプルな直方体。掃除機本体同様に白のカラーリングで、部屋置きした際に圧迫感が少ないのが好印象です。
掃除機本体を外した状態の充電ドック。掃除機をかける首の部分の高さは59cmですが、ダストパックが収まる筐体は高さ29.5cmで、それほど威圧感はありません
本体が2kgあり、掃除前後の着脱にやや負担を感じますが、掃除後に掃除機をドックに戻す際は、本体が接続部に変に引っ掛かることもなく、スムーズにセットできます。
ちなみに、充電ドック天面の左側に付属品のすき間ノズルが置ける専用ホルダーを用意。掃除機とアタッチメントを同じ場所にまとめられるのは助かります。
充電ドック天面左側の凸部に、すき間ノズルをスポッとはめて収納できます
ゴミ収集ドック付き掃除機を選ぶ際は、ランニングコストにも要注意。ドックのダストパック(紙パック)にゴミを回収するため、ダストパックが満杯になれば交換が必要です。
抗菌防臭加工が施された、「TC-E292W」専用のダストパック(TC-KP06)は、3枚入りで1,250〜1,500円程度。「1枚で約4か月持つ」ということなので、単純計算で1年をこの価格でまかなえることになります。
ただ、この「1枚約4か月」というのは1日1回掃除を行い、1日分のゴミが1gと仮定した場合のもの。犬や猫などのペットを飼っていてゴミが多めに出る家庭では、もう少し短い期間でダストパックを交換する必要があります。
ちなみに、他社のゴミ収集機能付きコードレススティック掃除機で使われる紙パックの容量/枚数/価格を比較すると、たとえばパナソニックは容積0.8L、枚数10枚で850円前後、東芝は同じく容積0.8L、枚数10枚で1,000円前後。容積2L、枚数3枚で1,250〜1,500円の本モデル専用ダストパックはやや割高です。
そのほか、本モデルはパワーブラシやフィルター、バッテリーなども交換可能。特にバッテリーが交換できるのは、製品を長く使いたい人にはうれしいポイントです。
「TC-E292W」は価格.com最安価格31,636円(2025年1月27日時点)。この価格帯でゴミ収集機能を搭載しているのは高コスパと言えます。ソフトローラーの採用でヘッドの毛がらみがほぼなく、掃除後のゴミ捨てや掃除機のメンテナンスが面倒な人には大変魅力的な製品だと思います。
基本のゴミ除去性能は、フローリングの部屋なら「標準モード」での掃除でまったく問題ないレベル。壁際のゴミ除去能力も文句なし。カーペットの掃除も「強モード」を使えば、ある程度は掃除できると感じました。ただ、カーペットの毛の奥に入ったハウスダストなどの微細なゴミは、ハードブラシを採用していない本モデルでは十分に取り切れず……。カーペットやじゅうたんが多い家庭、カーペットをいちいちはがしてホコリを落とすことが難しい家庭には、本モデルは不向きかもしれません(もちろん、フローリング部分の都度掃除に使うサブ機としては問題ありません)。
操作性に関しては、本体質量が2kgとやや重いうえ、持ち手が棒状でホールド感が弱いため、慣れないうちはやや「掃除がしにくい」と感じるかもしれません。それでも筆者の場合は、2〜3日使う間に操作のコツがつかめてきて、その後は問題なく掃除ができました。ただし、テーブルの脚周りなどを掃除する際は、ほかの軽量コードレス掃除機と比べて若干の不便さを感じました。
静音性に関しては「標準モード」の“静かさ”が印象的。「強モード」もそこまでうるさいわけではないですが、長時間運転できるメリットを考えると、通常の掃除はできるだけ「標準モード」で行うのがおすすめです。
ゴミ収集機能に関しては、掃除機をドックにセットしたら自動でゴミ収集を始める方式ではなく、あえてボタンでゴミ収集を行う方式にしたのが秀逸。自身のタイミングでゴミ収集できるのはかなり便利です。実際、本モデル試用中は、掃除3〜4回に一度、ゴミ収集ボタンを押す程度で済みました。サイクロン式コードレススティック掃除機のように、ゴミ捨て時にゴミに触れる必要がないのも、思いのほか快適でした。
メンテナンス性に関しては、前述のとおり、ヘッドのメンテナンスの手間がほぼないのがとてもラク。いっぽう、フィルターの掃除はそれほどの時間はかからないものの、確かに面倒ではあります。ただ、これをやらないと掃除機の吸引力は落ちるいっぽう。ちなみに、集じん部周りのメンテナンスが不要と思われている紙パック式掃除機にも、実は紙パックとは別のフィルターが搭載されているものが多く、そのフィルターのお手入れ(もしくは交換)が必要です。つまり、どんな掃除機もフィルターのお手入れは不可欠。本モデルがことさらフィルターのお手入れに手間がかかるというわけではないのです。
そのほか、拡張性は最小限ながら、設置性はまずまず。都度掃除に適しているため、リビングなど、サッと手に取りやすい場所に置くのがおすすめで、主張しすぎない白のシンプルなデザインも部屋なじみがよく好印象です。ランニングコスト(紙パックの交換コスト)は他社製品よりやや割高ですが、それでも年間1,250〜1,500円。ゴミが多少多めに出る家庭でも、年間3,000円程度で収まりそうです。
以上の結果を踏まえ、「TC-E292W」がどんな人に向いているか考えてみました。
・ゴミ収集機能付きコードレススティック掃除機をなるべく低価格で導入したい人
・フローリング中心の部屋に住んでいるひとり暮らしや2人世帯
・ペットを飼っている家庭、髪の長い人が多い家庭
・メンテナンスの負担をできるだけ少なくしたい人
・普段からこまめな掃除をしたい人
・カーペットやじゅうたんが多い人
・床面以外のあらゆる場所を掃除したい人
・部屋数の多い家に住んでいる人
・ホールドしやすい環形ハンドルの軽量モデルに慣れている人