レビュー

ペットオーナー必見! 毛の掃除に強い「ハンディクリーナー」2機種を比べてみた

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ペットオーナーにとって、ペットの抜け毛は、掃除が大変なもののひとつ。筆者宅では猫を2匹飼っていますが、せっかく掃除機で床掃除した後でも、猫が走り回るとすぐさまあちこちに抜け毛が……。床上や卓上の毛をサッと掃除するのにはハンディクリーナーが便利ですが、ソファや服に付いた毛はうまく取れない場合が多かったりします。粘着クリーナーやガムテープを使えばそうした毛も除去しやすいですが、その分、手間も出費もかさみます。

ペットオーナー向けに発売されたAQUA「PetPrimo AQC-SD1R」(上)と人気モデルのシャーク「EVOPOWER DX WV515J」(下)

ペットオーナー向けに発売されたAQUA「PetPrimo AQC-SD1R」(上)と人気モデルのシャーク「EVOPOWER DX WV515J」(下)

そんななか、家電メーカーのAQUAから「ペットの毛が楽に取れる」とうたうハンディクリーナー「PetPrimo AQC-SD1R」(以下、「AQC-SD1R」)が登場。ペットオーナーとしては、その実力が気になります。そこで今回は、同モデルの特徴を紹介しつつ、ハンディクリーナーの国内シェア1位のシャークが発売する人気モデル「EVOPOWER DX WV515J」(以下、「WV515J」)と比較。服に付いたペットの毛の除去力のほか、両機種のゴミ除去力や使い勝手を詳しくチェックします!

AQUA「PetPrimo AQC-SD1R」
シャーク「EVOPOWER DX WV515J」
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2025/04/01 11:00

ペットオーナー注目のハンディクリーナー2モデルを全方位から比較検証!

2モデルの基本性能

検証テストを始める前に、両モデルの特徴を簡単に紹介。

AQUAの「AQC-SD1R」は、ペットと暮らす人のためのクリーナーシリーズ「PetPrimo」に新しく追加されたハンディ機で、カーペットなどに付いたペットの抜け毛やフケを取り除くための「ケトリノズル」を付属。ノズルの前後に施された起毛ブラシで繊維に付いた抜け毛やホコリをからめ取って吸引します。本体重量が550gと軽量で取り回ししやすいのも魅力です。

AQUA「PetPrimo AQC-SD1R」の本体サイズは70(幅)×83(奥行)×377(高さ)oで、本体重量は550g。充電時間の目安は約4.5時間で、連続運転時間は強モードで約15分、標準モードで約30分です。集じん容積は約0.15L

AQUA「PetPrimo AQC-SD1R」の本体サイズは70(幅)×83(奥行)×377(高さ)oで、本体重量は550g。充電時間の目安は約4.5時間で、連続運転時間は強モードで約15分、標準モードで約30分です。集じん容積は約0.15L

いっぽう、シャークの「WV515J」は、従来比2.5倍のパワフルな吸引力や、最長40分掃除できるスタミナ、薄暗い場所の掃除に有用なLEDライト搭載など、多機能・高性能を誇るハンディ掃除機。付属の「ミニモーターヘッド」を使えば、カーペットにからんだペットの毛や繊維の奥のハウスダストも効率よく除去できます。

シャーク「EVOPOWER DX WV515J」の本体サイズは68(幅)×90(奥行)×398(高さ)oで、本体重量は約680g。充電時間の目安は約3.5時間で、連続運転時間はブーストモードで約8分、標準モードで約20分、エコモードで約40分です。集じん容積は非公表

シャーク「EVOPOWER DX WV515J」の本体サイズは68(幅)×90(奥行)×398(高さ)oで、本体重量は約680g。充電時間の目安は約3.5時間で、連続運転時間はブーストモードで約8分、標準モードで約20分、エコモードで約40分です。集じん容積は非公表

今回は、そんな両モデルのゴミ除去力、操作性、アクセサリー装着による拡張性など7つの項目で比較検証します。

(1)フローリングやカーペット、衣服でゴミ除去力を検証!

まずは両モデルのゴミ除去力をチェック。

それぞれの商品スペックには吸引力の具体的な数値は明示させていませんが、吸引口に手のひらを近づけてみた感覚では、「WV515J」のほうがパワフル。特に、「AQC-SD1R」の強モードと「WV515J」のブーストモードでの吸引力の差は歴然でした。

では、実際に掃除したときのゴミの取れ具合はどうなのか。フローリング、カーペット、衣服の3シーンでゴミ除去力テストを実施しました。

・フローリング:アクセサリーなしで検証
・カーペット:アクセサリーあり/なしで検証
・衣類:アクセサリーありで検証

フローリング

フローリングのテストでは、床上に(左から)猫用ドライフード、綿糸、綿ゴミ、重曹、比重が重いカラーサンドを撒いて、標準モードでゴミの取れ具合を見ました

フローリングのテストでは、床上に(左から)猫用ドライフード、綿糸、綿ゴミ、重曹、比重が重いカラーサンドを撒いて、標準モードでゴミの取れ具合を見ました

このテストでは、両モデルともにどのゴミもほぼ完璧に除去できていましたが、唯一残ったのがカラーサンド。大きめの粒はすべて除去したいっぽうで、フローリング表面の微細な窪みに落ちた微粒粉の取り残しがありました。

また、「AQC-SD1R」で掃除後、掃除機をかけていない場所にカラーサンドの散らばりが……。理由は定かではありませんが、排気で砂粒を吹き飛ばしたのかもしれません。ちなみに、残った微粒粉は「AQC-SD1R」は「2WAYノズル(ブラシ)」、「WV515J」は「ミニモーターヘッド」を付ければしっかりと吸引できました。

「AQC-SD1R」(標準モード+アクセサリーなし)でのテスト結果。いちばん右側のカラーサンドのあった場所のみ、フローリング上にうっすら白い跡が残ってしまいました

「AQC-SD1R」(標準モード+アクセサリーなし)でのテスト結果。いちばん右側のカラーサンドのあった場所のみ、フローリング上にうっすら白い跡が残ってしまいました

「WV515J」(標準モード+アクセサリーなし)でのテスト結果「AQC-SD1R」。カラーサンドが多少残っていますが、「AQC-SD1R」よりは少なく、吸引力の強さを示してくれました。その強さは、綿糸や綿ゴミを吸引口から少し離れた場所からでも吸い込むほど!

「WV515J」(標準モード+アクセサリーなし)でのテスト結果「AQC-SD1R」。カラーサンドが多少残っていますが、「AQC-SD1R」よりは少なく、吸引力の強さを示してくれました。その強さは、綿糸や綿ゴミを吸引口から少し離れた場所からでも吸い込むほど!

カーペット

続いて毛足の短いカーペットでテスト。運転モードは両モデルともに最強モードで検証しました。

カーペットでのテストでは、フローリングでまいた疑似ゴミに加え、実際の猫の毛を集めたものもまいています

カーペットでのテストでは、フローリングでまいた疑似ゴミに加え、実際の猫の毛を集めたものもまいています

「AQC-SD1R」(強モード+アクセサリーなし)の場合、カラーサンドのみ一部が残ってしまいました。そこで同モデルに「ケトリノズル」を装着し、改めて綿ゴミと猫の毛、重曹、カラーサンドをまいてテストしましたが、やはりカラーサンドのみ取り切れず……。フローリングでは吸い取れた砂粒も、カーペットの繊維の奥に入ってしまうと除去は難しいようです。

ドライフードや綿糸、綿ゴミ、猫の毛、重曹は、問題なく除去できました。いっぽう、カラーサンドは粒々がカーペット上に残っているのが見えます

ドライフードや綿糸、綿ゴミ、猫の毛、重曹は、問題なく除去できました。いっぽう、カラーサンドは粒々がカーペット上に残っているのが見えます

「ケトリノズル」を付けて強モードでテスト。それでもカラーサンドの粒々が残ってしまっていました

「ケトリノズル」を付けて強モードでテスト。それでもカラーサンドの粒々が残ってしまっていました

いっぽう、「WV515J」の場合、アクセサリーなしだと「AQC-SD1R」同様、カラーサンドが残りました。次に「ミニモーターヘッド」を装着して再テストしたところ、カラーサンドも含めすべて除去。ノズルの高速回転でカーペット奥の微粒子もかき出せる「ミニモーターヘッド」の実力発揮という結果に!

「WV515J」(ブーストモード+アクセサリーなし)をカーペットでテスト。カラーサンドがわずかに残っていますが、ごく少量。ただ、重曹もうっすら残っています。ちなみに、ブーストモードは吸引力がかなり強いため、掃除中、カーペットに吸引口がくっついてしまい、やや掃除しにくかったです

「WV515J」(ブーストモード+アクセサリーなし)をカーペットでテスト。カラーサンドがわずかに残っていますが、ごく少量。ただ、重曹もうっすら残っています。ちなみに、ブーストモードは吸引力がかなり強いため、掃除中、カーペットに吸引口がくっついてしまい、やや掃除しにくかったです

「ミニモーターヘッド」を装着してブーストモードでテストしたところ、すべてのゴミを完璧に除去! ヘッドがカーペットにくっついてしまうこともありませんでした

「ミニモーターヘッド」を装着してブーストモードでテストしたところ、すべてのゴミを完璧に除去! ヘッドがカーペットにくっついてしまうこともありませんでした

衣類

次に、衣服に付いた猫の毛を吸引テスト。

猫の毛がたっぷり付いた服の前面右側を「AQC-SD1R」(強モード+ケトリノズル)で、左側を「WV515J」(ブーストモード+ミニモーターヘッド)で掃除しました。

検証にはチャコールグレーのジップアップ・スウェットを使用。猫をちょっと抱き上げただけでここまで毛が付いてしまいます

検証にはチャコールグレーのジップアップ・スウェットを使用。猫をちょっと抱き上げただけでここまで毛が付いてしまいます

まず、「AQC-SD1R」。ノズルを1〜2往復するだけでほとんどの毛が取れました。「ケトリノズル」の効果てきめんです。いっぽう、「WV515J」で掃除した場合も、ほとんどの毛が取れましたが、前者と比べるとわずかに残った毛の量が多いようでした。

「AQC-SD1R」で服に付いた猫の毛を除去。「ケトリノズル」を当てた場所は、おおむね毛が取れていました。ちなみに、掃除中は「ケトリノズル」が服に吸い付くこともあり、やや掃除しにくいシーンも。ノズルを押すより、引くほうが服に吸い付かずに掃除できました

「AQC-SD1R」で服に付いた猫の毛を除去。「ケトリノズル」を当てた場所は、おおむね毛が取れていました。ちなみに、掃除中は「ケトリノズル」が服に吸い付くこともあり、やや掃除しにくいシーンも。ノズルを押すより、引くほうが服に吸い付かずに掃除できました

掃除後に「ケトリノズル」のヘッド部を見ると、上下の起毛ブラシにかなり毛が付いていました

掃除後に「ケトリノズル」のヘッド部を見ると、上下の起毛ブラシにかなり毛が付いていました

本体内のダストカップに取れていた猫の毛(左側)と「ケトリノズル」に付いていた猫の毛(右側)の量を比較。9割程度はダストカップに集められたようです

本体内のダストカップに取れていた猫の毛(左側)と「ケトリノズル」に付いていた猫の毛(右側)の量を比較。9割程度はダストカップに集められたようです

「WV515J」で掃除した側。こちらもほぼ猫の毛が除去できたいっぽう、「ミニモーターヘッド」が服に吸い付いてしまい、苦労しました(吸い付く力はより強力でした)。こちらもヘッドを引きながら動かすとよさそう

「WV515J」で掃除した側。こちらもほぼ猫の毛が除去できたいっぽう、「ミニモーターヘッド」が服に吸い付いてしまい、苦労しました(吸い付く力はより強力でした)。こちらもヘッドを引きながら動かすとよさそう

掃除後の「ミニモーターヘッド」のヘッド部には毛がまったく付いていませんでした

掃除後の「ミニモーターヘッド」のヘッド部には毛がまったく付いていませんでした

以上のように、フローリングではシャーク「WV515J」のゴミ除去能力はほぼ文句なし。AQUA「AQC-SD1R」もややていねいな掃除を心掛ければ、日々の掃除は問題ないと思います。カーペットでは、重めのカラーサンドの吸引において「AQC-SD1R」の非力さを感じました。衣服に付いたペットの毛の除去テストでは、「AQC-SD1R」の「ケトリノズル」が活躍。吸引力で勝る「WV515J」と同等のゴミ除去性能を発揮しました。

(2)2モデルの操作性と拡張性を比較!

続いて「操作性」と「アクセサリー装着による拡張性」をチェックします。

操作性

ハンディクリーナーで特に操作性に直結するのが本体の重さ。吸引力と軽さを高いレベルで両立させていることが製品評価の鍵です。「AQC-SD1R」の重さは550gでかなり軽量。「WV515J」は約680gと130gの違いですが、実際に持ってみると「AQC-SD1R」に比べて「重い」と感じます。

ただ、“ちょこっと掃除”なら両モデルの重量差はそこまで気にならないはず。また、「WV515J」はハンドルに滑りにくいゴム素材を採用しつつ、指が引っ掛かる突起もあり、本体をしっかりとホールドできます。

「AQC-SD1R」は550g。軽くて取り回しやすいのが特徴です

「AQC-SD1R」は550g。軽くて取り回しやすいのが特徴です

「WV515J」は約680gですが、吸引力を考えれば許容できる重さ。適度に角度の付いたハンドルやホールドしやすいグリップも操作性を高めています

「WV515J」は約680gですが、吸引力を考えれば許容できる重さ。適度に角度の付いたハンドルやホールドしやすいグリップも操作性を高めています

「WV515J」はLEDライトを搭載。薄暗い場所でもゴミを確認しながら掃除できます

「WV515J」はLEDライトを搭載。薄暗い場所でもゴミを確認しながら掃除できます

運転モードは、「AQC-SD1R」が「標準/強」の2モードで、「WV515J」は「標準/ブースト/エコ」の3モード。「WV515J」のほうが状況に応じて柔軟に吸引力を調整できます。

「AQC-SD1R」の電源ボタンを押すと、「標準モード」→「強モード」→「運転停止」と切り替えられます。標準モードで掃除して運転終了する際に一度「強モード」に切り替わるのがややストレス

「AQC-SD1R」の電源ボタンを押すと、「標準モード」→「強モード」→「運転停止」と切り替えられます。標準モードで掃除して運転終了する際に一度「強モード」に切り替わるのがややストレス

「WV515J」は電源ボタンのほか、ブーストボタンとエコボタンを装備。手が小さめの筆者は片手で運転切り替えできないのが残念ですが、電源ボタンで運転のオン/オフが切り替えられるシンプルさは好印象です

「WV515J」は電源ボタンのほか、ブーストボタンとエコボタンを装備。手が小さめの筆者は片手で運転切り替えできないのが残念ですが、電源ボタンで運転のオン/オフが切り替えられるシンプルさは好印象です

拡張性

付属アクセサリーは、以下のとおり。

AQUA「AQC-SD1R」:「ケトリノズル」「2WAYノズル」
シャーク「WV515J」:「隙間用ノズル」「マルチノズル」「ミニモーターヘッド」

AQUAの「2WAYノズル」とシャークの「隙間用ノズル」は同じような構造。AQUAの「ケトリノズル」とシャークの「マルチノズル」も、ノズルの前後にホコリや毛をからめ取る起毛部が付く点では似ています。「WV515J」にはさらに「ミニモーターヘッド」が付属する分、拡張性は高め。

AQUA「AQC-SD1R」に付属のアクセサリー。左が「2WAYノズル」で右が「ケトリノズル」

AQUA「AQC-SD1R」に付属のアクセサリー。左が「2WAYノズル」で右が「ケトリノズル」

シャーク 「WV515J」のアクセサリー。左から「隙間用ノズル」「マルチノズル」「ミニモーターヘッド」

シャーク 「WV515J」のアクセサリー。左から「隙間用ノズル」「マルチノズル」「ミニモーターヘッド」

「AQC-SD1R」(2WAYノズル+強モード/左)、「WV515J」(隙間用ノズル+ブーストモード/右)で窓サッシの掃除力をテスト。サッシの深さ約14oの溝に重曹をまいて吸引してみました

「AQC-SD1R」(2WAYノズル+強モード/左)、「WV515J」(隙間用ノズル+ブーストモード/右)で窓サッシの掃除力をテスト。サッシの深さ約14oの溝に重曹をまいて吸引してみました

「AQC-SD1R」(左)は、「2WAYノズル」のブラシなしでは吸引できず。ブラシで重曹を掃きながらでも、重曹が残ってしまいました。いっぽうで「WV515J」(右)は、「隙間用ノズル」にブラシを付けなくても、モーター吸引だけでしっかり重曹を除去できました

「AQC-SD1R」(左)は、「2WAYノズル」のブラシなしでは吸引できず。ブラシで重曹を掃きながらでも、重曹が残ってしまいました。いっぽうで「WV515J」(右)は、「隙間用ノズル」にブラシを付けなくても、モーター吸引だけでしっかり重曹を除去できました

ちなみに、アクセサリーを装着する際、シャーク「WV515J」は本体にアクセサリーが「カチッ」とはまってロックされますが、「AQC-SD1R」はきつく押し込むだけでロックはかからず。このへんの作り込みはシャークのほうがていねいです。

(3)面倒だけど必要不可欠な作業! ゴミ捨てとメンテナンスのしやすさを検証

ゴミ捨て

次に検証したのは「ゴミ捨て」。

AQUA「AQC-SD1R」のゴミ捨てには3工程が必要です。

「AQC-SD1R」のゴミ捨て。(1)ダストカップの取り外しボタンを押してカップを外し、(2)カップからフィルター部を外し、(3)ゴミを捨てます

「AQC-SD1R」のゴミ捨て。(1)ダストカップの取り外しボタンを押してカップを外し、(2)カップからフィルター部を外し、(3)ゴミを捨てます

シャーク「WV515J」は、本体背面のゴミ捨てボタンを引けばゴミ捨て完了。ただ、中のフィルター容器の裏にホコリなどが溜まりやすいため、フィルター容器を取り外して定期的に掃除する必要があります。

「WV515J」はゴミ捨てボタンを引くと、ダストカップのフタが開きます。フタが広範囲に開くため、捨てる際のゴミの飛び散りには要注意

「WV515J」はゴミ捨てボタンを引くと、ダストカップのフタが開きます。フタが広範囲に開くため、捨てる際のゴミの飛び散りには要注意

「WV515J」のゴミ捨て後に集じん部のフィルター容器を外すと、奥にゴミが溜まっていました。ここも定期的に掃除が必要

「WV515J」のゴミ捨て後に集じん部のフィルター容器を外すと、奥にゴミが溜まっていました。ここも定期的に掃除が必要

お手入れ

両モデルの「お手入れ」についても検証。AQUA「AQC-SD1R」で主にお手入れが必要なのは、「ダストカップ」「フィルター」「メッシュフィルター」で水洗いに対応。一般的にフィルターは長く使うとハウスダストなどの微粒子が溜まって除去が大変になるので、これを一気に洗い流せるのは助かります。

「ケトリノズル」の赤い「ケトリブラシ」(起毛部)に付いたゴミは、こまめに取り除く必要はありそう。ガムテープで取り除くと起毛部も一緒に取れてしまうため、ひんぱんに使うのはあまりおすすめできません

「ケトリノズル」の赤い「ケトリブラシ」(起毛部)に付いたゴミは、こまめに取り除く必要はありそう。ガムテープで取り除くと起毛部も一緒に取れてしまうため、ひんぱんに使うのはあまりおすすめできません

シャーク「WV515J」もダストカップ(フタ)とフィルター容器、中のフィルターを取り外して水洗い可。本体の集じん部もかなり汚れますが、ここは水洗いできません。ちなみに、付属の「ミニモーターヘッド」は中のブラシロールが髪の毛やペットの毛などがからみにくい構造で、メンテはほぼ不要です。

「WV515J」のフィルター(右)とフィルター容器(左)は、軽く叩いてホコリを落としてから水ですすぐだけで清潔さをキープできます

「WV515J」のフィルター(右)とフィルター容器(左)は、軽く叩いてホコリを落としてから水ですすぐだけで清潔さをキープできます

「ミニモーターヘッド」のブラシロールには、一般的な毛ブラシではなく、フィン形状を採用。髪の毛などがほとんどからまずお手入れが楽!

「ミニモーターヘッド」のブラシロールには、一般的な毛ブラシではなく、フィン形状を採用。髪の毛などがほとんどからまずお手入れが楽!

(4)両モデルの静音性と設置性をチェック!

静音性

両モデルの「静音性」について検証。

掃除機から1mの位置に騒音計を置き、運転停止状態で33.5dBA前後の環境で運転音を比較しました。

AQUA「AQC-SD1R」の運転音
「標準モード」:71.7dBA前後
「強モード」:74.3dBA前後

シャーク「WV515J」の運転音
「標準モード」:73.8dBA前後
「ブーストモード」:74.5dBA前後
「エコモード」:71dBA前後

どちらもかなりの音量です。ただ、「AQC-SD1R」の「標準モード」の運転音は、数値ほどうるさく感じませんでした。いっぽう、「WV515J」は運転音がやや甲高い分、少々耳障り。特に「標準モード」から「強モード」に変わると、数値の変化以上にうるさく聞こえました。両モデルの最大モードの数値はほぼ同じ。ところが耳で聞くと、「WV515J」のほうがうるさい印象でした。

設置性

最後に検証したのは設置性。両モデルともに、本体のほか、付属のアクセサリーをセットできるドックが同梱されています。全ツールが1か所にまとめられるのは便利。ドックから本体を取り出すのも両モデルともにスムーズ。しかし、掃除後に本体をドックに戻す際は、「WV515J」のほうがスムーズに収まりました。充電に関しても、本体にUSB Type-Cケーブルをつなぐ必要がある「AQC-SD1R」に対し、「WV515J」はドックに戻すだけで充電が開始されるのでストレスがありません。

「AQC-SD1R」は本体ハンドルの充電口にUSB Type-Cケーブルを挿して充電しますが、充電のためにいちいちケーブルを挿すのは少々面倒……。また、付属のUSB Type-A to USB Type-Cケーブルを使う場合、自宅に給電用のUSB Type-Aポートがなければ、5V/2AのUSB Type-Aポート付き充電器を別途購入する必要があります。いっぽうで、USB Type-Cポート付きの車なら、常備しておけば車内掃除がはかどるはず! ただ、本モデルは充電中は動きません

「AQC-SD1R」は本体ハンドルの充電口にUSB Type-Cケーブルを挿して充電しますが、充電のためにいちいちケーブルを挿すのは少々面倒……。また、付属のUSB Type-A to USB Type-Cケーブルを使う場合、自宅に給電用のUSB Type-Aポートがなければ、5V/2AのUSB Type-Aポート付き充電器を別途購入する必要があります。いっぽうで、USB Type-Cポート付きの車なら、常備しておけば車内掃除がはかどるはず! ただ、本モデルは充電中は動きません

「WV515J」は、充電ドックに掃除機を戻すだけで充電開始。3つあるアクセサリーもすっきりまとめて収納できます

「WV515J」は、充電ドックに掃除機を戻すだけで充電開始。3つあるアクセサリーもすっきりまとめて収納できます

【まとめ】吸引力は「WV515J」が勝るも、通常の掃除は「AQC-SD1R」でも問題なし! 衣服に付いたペットの毛も両モデルともにしっかり除去!

以上、AQUA「AQC-SD1R」とシャーク「WV515J」を比較検証した結果、吸引力(ゴミ除去力)は「WV515J」が勝るものの、通常の掃除では「AQC-SD1R」も十分使えることがわかりました。筆者の悩みの種である「衣服に付いて取れにくいペットの毛」に対しては、2モデルともかなり満足できる除去力を証明してくれました!

両モデルのゴミ除去力に差が出たのは、カーペット上のカラーサンドと、窓サッシの重曹を除去するシーン。同様の利用シーンが多いユーザーは、より吸引力の強い「WV515J」を選ぶとよいでしょう。

ちなみに、「AQC-SD1R」の「ペットの毛の除去能力」ですが、これはひとえに、毛をかき取る「ケトリノズル」の起毛部にかかっています。この起毛部は長く使えば劣化するため、どのくらい持つのか、このノズルのみの買い替えができるのか(AQUAの公式サイトでは販売ページが見つからず)気になるところです。

操作性に関しては、軽さで「AQC-SD1R」に分があるいっぽう、「WV515J」は持ち手の改良やLEDライト搭載などで使い勝手は上々。掃除の拡張性に関しては「ミニモーターヘッド」付きの「WV515J」が有利ですが、USB Type-C経由で車内充電できる「AQC-SD1R」は車内清掃を積極的に行いたい人には魅力的です。

ゴミの捨てやすさでは、ボタンをワンタッチでゴミ捨てできる「WV515J」が有利(ただし、ゴミ捨て時のゴミの飛び散りに要注意)。お手入れのしやすさは、どちらもダストカップとフィルターが水洗いできて◎。ちなみに、「AQC-SD1R」は、ゴミを捨てるのにダストカップを取り外す手間がある半面、ゴミがダストカップ内のみに溜まるため掃除機本体の掃除はほぼ不要です。「WV515J」は本体集じん部にゴミが溜まるため、定期的なお手入れが必要です。

静音性は数値的にはほぼ互角、というかどちらも運転音はうるさいですが、耳で聞いた印象では「AQC-SD1R」のほうが幾分耳障り感が少ないです。設置性に関しては、両モデルともにコンパクトに収納・設置できますが、充電しやすさではドックに置くだけで充電できる「WV515J」に軍配が上がります。

以上を踏まえて2モデルを総括すると、AQUA「AQC-SD1R」は実用性ほぼ十分なゴミ除去力と、まずまずの拡張性を備えた軽量モデル。シャーク「WV515J」は「AQC-SD1R」よりはやや重いものの、高い吸引性能と拡張性を備え、使い勝手もよい一台と言えます。

ペットオーナーにはどちらも推奨! 軽い掃除機を希望し、かつ自宅にカーペットが少ないなら「AQC-SD1R」、より快適な掃除を求めるなら「WV515J」がおすすめ!

こうしてみると、総合的な性能・機能は「WV515J」のほうがやや優勢。ただ、ここで考えたいのが価格。「AQC-SD1R」が価格.com最安価格8,000円と切っているのに対し、「WV515J」は18,000〜25,000円と、1万円以上の差があります。

では、具体的にユーザーはどちらを選ぶべきか。ペットオーナーはどちらを選んでも問題なしです。もちろん、ペットがいない家でも、両モデルともに問題なく使えます。

少しでも軽い掃除機を求める人で自宅にカーペットがない、少ない人は「AQC-SD1R」がおすすめ。ワンタッチゴミ捨てを希望するなら「WV515J」がおすすめですが、ゴミ捨てとお手入れの楽さを総合すると両モデルはほぼ互角です。

ドックにセットするだけで充電できる便利さや、LEDライトの搭載、アクセサリーが本体に「カチッ」とはまる作りのよさなど、より快適な掃除を求める人には多少価格が高くても「WV515J」を推奨します。

平島憲一郎
Writer
平島憲一郎
雑誌やWeb媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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