ダイソンは2026年9月2日、カメラを搭載した電動歯ブラシ「Dyson CameraJet」を発表しました。これまで世に驚きを与える製品を多数送り出してきたダイソンが放つ新カテゴリーの製品だけあって、ちょっと気になっている人も多いのではないでしょうか。そこで、Dyson 新製品発表会で明らかにされた本機の概要をレポートします。
「Dyson CameraJet」
「Dyson CameraJet」のルックスは、一般的な電動歯ブラシと同じようにも感じますが、ダイソンらしい未来感のあるデザイン。カラーはピンクとブルーとダイソンらしさを感じる色使いで、電動歯ブラシとして見るとかなり大胆です。見た目のインパクトでしっかりと心をつかんでくるところはさすがです。
カラーバリエーションは「セラミックピンク」「セラミックウルトラブルー」の2色展開。本体サイズは273(高さ)×44(幅)×44(奥行)mm、ブラシを含む重さは230gで、電動歯ブラシとしては大型・重量級ですが、実際に持ってみると想像よりも軽く感じました。歯磨きが苦になるような印象はありません
新カテゴリーをうたうだけあって、単なる電動歯ブラシではないようです。1oサイズの10万ピクセルカメラを内蔵していて、カメラが歯間をとらえるとマウスウォッシュをジェット噴射してくれるというのです。
「えっ、どういうこと?」と思った人もいるかもしれませんが、仕組みはこうです。歯磨きの際に歯ブラシの先のカメラが口の中に入り込み、歯を磨いている状況を監視。歯間をとらえると、即座にマウスウォッシュを噴射します。歯を磨いている最中に、一緒に歯間清掃まで行ってくれるというわけです。ブラッシングとウォーターフロスが同時にできる2in1の電動歯ブラシ。そう理解するとよさそうです。
歯を磨きながらマウスウォッシュを噴射。本機での歯磨きは、慣れるまではブラッシングによる振動や噴射されるマウスウォッシュで口の中が騒がしいことになりそうな気がします
電動歯ブラシをこのような形にデザインしたのには、合理的な理由があったようです。
お口の健康を考えたとき、毎日のセルフケアである歯磨きが重要となることは既に共通認識だと思いますが、歯ブラシだけでは60%ほどしか歯垢を除去できないと言われています。健康をしっかりと守るには、歯磨きにプラスして歯間清掃を行い、歯垢除去率を高めていくことが欠かせません。
筆者も歯科医に歯磨き後にフロスをすることをすすめられ、なるべくするように心がけていますが、歯間のひとつひとつにフロスを通すのはかなり面倒で手も汚れます。なかなか習慣化できません。しかし、お口の健康を考えれば、歯間清掃をやらない選択肢はありません。世界的に見ても十分な頻度でフロスをしている人は少ないそうで、だからこそ、一度に歯磨きと歯間清掃ができる2in1の形になったということのようです。
「Dyson CameraJet」は、6年の開発期間をかけ、661人のエンジニアが何度も検証を重ねて開発されたというだけあって、従来の電動歯ブラシとは「ちょっと違う」と感じさせてくれる、さまざまなテクノロジーが搭載されていました。
最大の特徴となるのは、カメラの搭載です。カメラはブラシを取り付ける軸の先端に備わっており、毎秒28枚の画像を撮影。撮影した画像をAI機械学習されたアルゴリズムで瞬時に解析し、歯間をとらえたと判断すると、歯間に向けて0.1秒以内にマウスウォッシュをジェット噴射します。カメラ映像は、スマホアプリでリアルタイムに見ることもできます。
ブラシヘッドを取り付ける軸の先端に1mmのカメラが搭載されているとのこと
カメラの映像を見ながらブラッシング。歯磨きが終了すると、これらの映像はプライバシー保護のため削除されます
また、一般的な口腔洗浄機の噴射は直線的で真っ直ぐなのに対し、本機の噴射は円錐状に広がります。こうすることで、歯ぐきへのダメージを抑えながら広範囲の歯垢を除去できるそうです。「コニカルジェット」と名付けられたこの噴射は、ダイソンの流体力学エンジニアが検証と改良を重ねた結果、導き出された最適解というわけです。
マウスウォッシュを0.1秒以内に噴射するためにも、高度な技術が採用されていました。本機のルックスを特徴づける、クリアカバーに覆われたハンドルの上部の膨らみは、マウスウォッシュを貯めるタンクなのですが、ここにはダイヤフラムポンプと圧力チャンバーが搭載され、常にタンク内に圧力をかけ、噴射に備えているとのこと。ブラッシング中に歯ブラシが縦や斜め、水平の状態になっても、カメラが歯間をとらえた瞬間に安定的にマウスウォッシュを噴射できるのは、この機構による恩恵です。
タンクに入れるのは必ずしもマウスウォッシュではなく、水でもOKとのこと。デモでは噴射の威力と連射で周囲が水浸しになっていました。なお、12.5mLのタンクは約80回の噴射が可能な容量で、補充することなくすべての歯間をゆうにカバーできます
ブラシの振動が“可変式”の音波振動であるのも特徴です。一般的な電動歯ブラシが採用する一定の振動では、歯の表面にブラシが当たると毛の振動が失速し、動かなくなってしまうのだそう。しかし、振動を可変にすると、ブラシを歯に当てても振動が失速せず、ブラシを使ってより多くの歯垢を除去できるとのこと。振動の強さは3段階で調節が可能です。
ブラシヘッドは、2026年9月時点ではレギュラーの1種類。内側の青い毛はやや硬め、外側の緑の毛はやわらかめになっています。RFIDタグが内蔵され、交換時期をユーザーに知らせてくれる機能も備えます。2026年10月発売予定でソフトタイプのブラシヘッドのリリースも予告されています
発表会でも強調されていた点ですが、お口の健康はさまざまな病気に影響すると言われています。筆者は虫歯で何度か痛い目にあっていることもあり、個人的にもしっかりとお口をケアすることは大切だと感じています。
歯磨きとウォーターフロスが本当に1回でこなせ、しっかりと歯垢を除去できるのなら、「Dyson CameraJet」は価値ある製品だと感じます。値段は張りますが、今お使いのオーラルケアツールに不満を感じている人は一度、検討してみるとよいかもしれません。