ブラウンにとって、日本の電気シェーバー市場は世界第2位の大きな市場だと言います。そんな日本のユーザーをリサーチして開発された、プレミアムな電気シェーバーが2026年7月に登場しました。それが、新フラッグシップモデル「NEVO」です。
日本人の肌質に合わせて独自開発した網刃により、肌との摩擦を最小限に抑えた「シルクのひと剃り」を体感できるというブラウンの新シェーバー「NEVO」。その気になる実力はいかに?
普段からブラウンの電気シェーバー(「シリーズ3」)を使用している筆者。ブラウン製品らしい「深剃り」には概ね満足しているものの、「肌へのやさしさ」に関してはまだ満足しきれてないところもあります。もっとも、「深剃り」と「肌へのやさしさ」はシェーバーにとって二律背反の要素。これらを高い次元で両立させるのは並大抵のことではありません。
相反する2つをどう両立させるか、シェーバーメーカー各社にとってここが腕の見せどころというわけです。
2014年の「シリーズ9」登場以来、約12年ぶりに追加されたブラウンの新シリーズ「NEVO」は、日本人の特性に合わせて開発されたと聞きます。そのタグラインは「やさしい深剃り」で、シルクのような滑らかな肌当たりから“シルクシェーバー”の愛称が付けられています。
「やさしい深剃り」を実現するのは、新開発された外刃「シルクタッチ網刃」。サメの皮膚にある微細な凹凸構造が水の摩擦を軽減し、素早く泳ぐことを可能にしている点に着目し、メタル素材を使用した網刃に微細な凸凹加工が施されています。これにより、肌への摩擦を約24%軽減(シリーズ9比較)するとともに、250枚の内刃「ダイヤモンドカット刃」と組み合わせることで、肌下最大-0.12mmという、驚異的な深剃り性能を実現しています(※肌下カットレベルまで)。
網刃上の凸凹加工により、肌への摩擦を約24%軽減(シリーズ9比較)。滑らかでシルキーな肌当たりを実現する「NEVO」最大のアピールポイントです
剃り残しやすいアゴ下にもぴったり密着するよう、ヘッドは40度のスイング機構を備えています。網刃も自在に角度を変えます
デザインは、フラッグシップモデルにふさわしい堂々としたたたずまいです。医療用ステンレススチール製の一体型ボディは、硬質な雰囲気が漂い、手に持つと、ひんやりとした上質なグリップ感が得られます。それとともに、約231gという軽さに驚かされます。
重厚感がありながら、取り回しは軽やか。サニタリールームに置いてあるだけで、空間全体が洗練された印象になる、そんなブラウンらしいプレミアムなデザインです。
医療用ステンレススチールを使用した、美しい一体型ボディ。デザイン性と耐久性を兼ね備え、新フラッグシップモデルの名に恥じないルックスです
ボディ中央のスマートディスプレイは、バッテリー残量を表示するうえ、替刃の交換タイミングなどを通知。文字やアイコンの表示がくっきり鮮明で、視認性の高さにこだわっているのがよくわかります
約231gの軽量な本体は、軽やかに取り回せます。使っていて感じたポイントは、“軽すぎない”こと。ほどよい重さによって安定感が生まれ、思い通りにシェービングできました
ヘッドロックとトリマーを一体化し、背面に配置。ここにも、機能性とデザイン性を両立させるエッセンスが取り入れられています
では、従来の最高峰モデル「シリーズ9 Pro+」と剃り比べてみましょう。
まずは、「シリーズ9 Pro+」でアゴの左半分をシェービング。しっかりと深剃りできるのに、引っかかりを感じず、スムーズにストロークできます。さすがは「シリーズ9 Pro+」、何の不満もありません。
この上を行くという「NEVO」の剃り味はどんなものか。新モデルへの期待が高まる半面、それほど差はないのでは? という一抹の不安も頭をよぎります。期待半分、不安半分で、「NEVO」に持ち替え、残りのアゴ右半分をシェービングします。
従来の最高峰モデル「シリーズ9 Pro+」(写真右)と剃り比べ。「シリーズ9 Pro+」が十二分に満足できる剃り味だっただけに、「NEVO」がその高いハードルを越えられるのか、楽しみです
もうとにかく、びっくりしました。
従来の「シリーズ9 Pro+」でも十分に満足できる剃り味でしたが、「NEVO」は、ヘッドが肌に触れた瞬間にその違いがわかるほど、肌当たりが滑らか。「シリーズ9 Pro+」が“ソフト”な肌当たりなら、「NEVO」はまさしく“シルキー”な肌当たりです。スケート靴を履いて氷の上を滑るような感覚で、スーッ、スーッとストロークでき、気持ちよささえ感じます。
従来の最高峰モデルである「シリーズ9 Pro+」との比較で、ここまで違いを体感できるというのは正直に言って想定外。いい意味で予想を裏切ってくれました。
シルクのような剃り味は本当でした。ヒゲの濃さに合わせて自動でパワーを調節し、効率よくシェービングできる機能の効果もあって、アゴ下や鼻下も剃り残しなく、一度のストロークでスムーズにカットできます
「NEVO」と「シリーズ9 Pro+」、いずれもシェービング後の赤みやヒリヒリ感はなく、両モデルがいかにハイレベルに作り込まれているのかを実感しましたが、「NEVO」の深剃り性能の進化を感じたのは、シェービングから約6時間後でした。
「シリーズ9 Pro+」で剃ったアゴの左側はほんの少し青ヒゲが目立ってきたのに対して、「NEVO」で剃った右側はまだツルンとしていて、手で触ってみると違いが明らか。これまで体感したことのないほどの深剃り性能で、それをシルキーな肌当たりと両立させていることに、率直に感心しました。
「肌へのやさしさ」は両モデルともにハイレベルで、赤みやヒリヒリ感はありませんが、シェービング中の肌当たりの滑らかさは明らかに「NEVO」が上。実際にシェービングすれば、肌に触れた瞬間にその“シルキーさ”を実感できるはずです
シェービングから約6時間が経過。「シリーズ9 Pro+」で剃ったアゴの左側は、かすかにジョリッという手触りが感じられます。これに対して、「NEVO」で剃った右側はシェービング直後のようにツルツルでした
深剃りと肌へのやさしさ。その両立をうたう電気シェーバーは数多くありますが、「NEVO」は間違いなく、そのなかでも最高峰のひとつと言えるでしょう。
金属を肌に当てているのに、肌当たりはどこかやわらかで、シルキー。ストロークするのが楽しくなる、心地よいシェービング体験でした。それほどの肌当たりでありながら、「シリーズ9 Pro+」をも凌駕する深剃り性能を備えているのですから、驚きます。
深剃り性能、肌へのやさしさ、デザイン性、使いやすさ。およそ弱点の見当たらない1台です。その価格を見ると購入には少し勇気のいる値段だと感じますが、実際に使ってみると「それだけの価値はある」と素直に思いました。「NEVO」を手に取って、「シルクのひと剃り」をぜひ体感してみてください。