食料品価格が上昇し、外食は控えて“おうちご飯”でちょっとした贅沢を楽しもうとする人が増えています。そこで、「週末の朝食をちょっと“特別”に」をテーマに、朝ご飯の満足度を高めてくれること間違いなしの、ちょっと心が弾むキッチン家電を、全3回の連載企画で紹介します。
主食であるご飯がおいしいこと。朝食をちょっと“特別”にする、シンプルにして最も重要な要素です
第1弾として注目したのは、象印のフラッグシップ炊飯器「炎舞炊き NX-AB10」。お米本来の甘みと旨みを堪能できる、象印のこだわりをギュッと凝縮した1台です。
象印「炎舞炊き NX-AB10」。筆者は普段、象印のミドルクラスの炊飯器を使用していますが、最上位のフラッグシップモデルともなれば、価格だけでなくおいしさも段違いのはず。どんなご飯が炊けるのか、楽しみで仕方がありません
銀色に輝く炊き立てのご飯は、それだけでご馳走。そこに焼き魚と漬物、味噌汁を添えれば、食卓につくのがこれまで以上に楽しみになる、ちょっと“特別”な朝食の完成です。
以前、メーカー各社のフラッグシップ炊飯器で炊き比べを行った際、筆者が“ダントツ”でおいしいと感じ、魅了されたのが、象印の炊飯器でした。当時は南部鉄器を使用した、ずっしりと重い内釜を使用したモデルでしたが、象印のフラッグシップモデルは2018年から「炎舞炊き」に移行しています。
今回注目した新モデル「炎舞炊き NX-AB10」も、筆者が炊き比べを行った当時から大きく進化していて、内釜には、IHと相性がよく、発熱効率と蓄熱性が高い鉄を、熱伝導率の高いアルミと耐久性にすぐれたステンレスで包み込んだ「鉄(くろがね仕込み)豪炎かまど釜」を、加熱には、「炎舞炊き」を実現する「3DローテーションIH構造」を採用しています。
IH炊飯器は、1つの底IHヒーターで内釜全体を加熱するのが一般的ですが、「炎舞炊き NX-AB10」は、6つの底IHヒーターを搭載。加熱範囲を6ブロックに分け、2つのヒーターを同時にオンにし、部分的な集中加熱を繰り返します。縦方向や横方向の激しい対流を引き起こし、釜の中心部までしっかりとかき混ぜながら、炊飯するのが特徴となっています。
目指したのは、理想の炊飯とされる、かまど炊きの“炎のゆらぎ”の再現。無論、炎のゆらぎは一定ではなく、不均一であり、その不均一性が縦横の対流を発生させ、お米を激しく、複雑にかき混ぜます。かまどで炊いたご飯がおいしい理由のひとつは、この点にあると象印は考えたわけです。
内釜の「鉄(くろがね仕込み)豪炎かまど釜」。南部鉄器を採用していたひと昔前に比べると、随分と軽く、扱いやすくなりました。内釜のふち部分が特に厚く設計されているのは、炎舞炊きの熱が外に逃げるのを抑え、大火力の熱を効率よくお米に伝えるためです
タッチ操作対応の液晶パネルでは、前回炊いたご飯の感想を元に、炊き方を自動調整し、好みの炊き方や食感に近づけていく「わが家炊き」メニューのほか、「蒸らし」工程において、新搭載の「集中加熱蒸らし」によってよりふっくらと弾力のあるご飯に仕上げる「熟成炊き」など、多彩なメニューを選択できます
口上はこのくらいにして、ご飯を炊いてみましょう。
用意したお米は、新潟県魚沼産コシヒカリの特別栽培米。これを「熟成炊き」で炊き上げます。4合のお米をていねいに研ぎ、炊飯器に内釜をセット。炊飯開始ボタンを押すと、表示された炊飯時間は、なんと73分。長めの所要時間ですが、今日は休日。ゆっくり、のんびり待つことにしましょう。
「光沢」と表現したくなるような、お米ひと粒ひと粒にツヤがある炊き上がり。銀シャリと呼ぶにふさわしい輝きを放っています
73分が経過し、炊飯完了。フタを開け、銀色に輝く、艶に包まれた炊き立てのご飯と対面します。ひと口食べて思わずこぼしたのが、「うまっ!!」という言葉。ハリがあり、粒立ちがよいのにもっちりとした食感で、お米本来の甘みと旨みが口の中にあふれます。
炊き比べ当時の印象を超える甘みと旨みで、用意した焼き魚や、ひじき、納豆、漬物がなくても十分満足できると感じるほどに、白米だけでも“味”がします。久しくフラッグシップモデルを使っていなかった筆者にとって、この味わいは衝撃的でした。価格.com最安価格は106,164円(2026年9月3日時点)と高価ですが、「なるほど、これだけおいしいご飯が毎日食べられるのなら、それだけの価値がある」と、素直に感じます。
食卓を囲む家族もそのおいしさに驚いたようで、まさに“ご馳走”を頬張るかのごとく、ひと口、もうひと口と、ご飯に箸が進んでいました。
甘み、旨みにあふれる味わい。粘りも十分で、ふっくら、もっちりとした食感がたまりません
保温したご飯のおいしさにも驚かされました。底センサーで温度を管理し、水分の蒸発を抑える「極め保温」では、白米の場合、最長40時間の保温に対応。実際に、12時間後、24時間後に試食してみましたが、12時間後までは、保温したご飯とは思えない、みずみずしい食感と味わいをキープ。24時間後は多少の変化を感じたものの、黄ばみやパサつきなどはほとんど見られませんでした。
水分の蒸発を抑える「極め保温」のおかげで、保温したご飯もおいしく食べられました。前日の夜に炊いたご飯でも、これなら自信を持って朝食の食卓に並べられます
保温したご飯が苦手な人は、「冷凍ごはん」メニューを使用するといいでしょう。1.3気圧の高圧力で、お米の中に水分を閉じ込めるので、冷凍したご飯をレンジで温め直しても、パサつきやベタつきが少なく、炊き立てに近い状態で食べられるのもうれしいです
炊飯のタイマー予約をし忘れて、「しまった!」。そんな朝にも対応できるのが「特急」メニューです。0.5〜4合の白米を約13〜21分で炊き上げられ、1合なら約15分。実際に食べてみると、通常炊飯に比べて若干甘みと旨みが劣るものの、もっちり弾力のある炊き上がりでした
少し食欲のない朝も、食卓にのぼるご飯がおいしいと、おかずも進み、朝食をしっかり摂ることができる。「炎舞炊き NX-AB10」を使って実感した、うれしい発見です。
これまで、象印のミドルクラスの炊飯器を使っていたわが家。それでも「十分においしい」と感じていましたが、実際に「炎舞炊き NX-AB10」で炊いてみると、普段のご飯とはまるで違う炊き上がりで、価格に見合った、いや、それ以上の価値を実感しました。
やっぱり、おいしいご飯はそれだけでご馳走。おいしいご飯が炊けるこの炊飯器は、週末の朝食を“特別”にするために欠かせないアイテムになるはずです。