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農業女子が認めた“ドロ汚れに強い”シャープのドラム式洗濯乾燥機って?

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白物家電は生活に深く関わるものだけに、ユーザーニーズをくみ取って反映することが重要。各社とも利用者の声を集めて製品に落とし込んでいるが、8月27日に発売されるシャープのドラム式洗濯乾燥機「ES-Z210」は本気度が違う。というのも、実際に農業に携わる“農業女子”にヒアリングし、農作業で汚れた衣類を洗浄力のテストに使用。さらに、試作機で洗った衣類の仕上がりを農業女子がチェック→ダメ出し→改良……とガチな要望はシャープ開発者の予想を超えていたという。そこまでして同社が実現したかったのは、“ドロ汚れ”を落とせるドラム式。どのような手法でドロ汚れをキレイにするのか、発表会で見てきた全容をお伝えしよう。

“農業女子”の要望を形にした「プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z210」

“農業女子”の要望を形にした「プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z210」

ドロ汚れを落とせるドラム式洗濯乾燥機を目指して

シャープが洗濯機の悩みをユーザーにアンケートしたところ、ドロの落ちにくさを63%の人が指摘。そこで「ES-Z210」は、洗濯の一番の悩みの種である“ドロ汚れ”にフォーカスすることにした。そのために欠かせないご意見番が“農業女子”だ。農業女子とは、農林水産省が推奨する「農業女子プロジェクト」に協力している農業従事者。リアルな汚れを検証に用いることで、頑固なドロ汚れも落とす洗濯コースが誕生した。その開発ストーリーと、洗濯コースの仕組み・効果を紹介していく。

アンケートの対象となったのは、子どもを持つ主婦。黄ばみや黒ずみ、食べ物の汚れよりもドロ汚れに困っているようだ

ドラム式洗濯乾燥機の主となる洗浄方式は、ドラム槽の高低差を活用した“たたき洗い”。節水性に優れるが、大量の水で攪拌して洗う縦型には洗浄力が劣ると言われている。現に、実際に一般的なドラム式同様の洗浄方式を採用する同社モデルでドロ汚れのある布を洗ってみたところ、完全には汚れが落ちなかった。

地域によって土の種類はさまざま。全国の農業女子から集めた土を布につけて、標準コースよりもしっかり洗える「念入りコース」で洗ってみると……

洗い上がった布には、うっすらと茶色い染みが! ドロ汚れを落とすことはできなかった

洗い上がった布には、うっすらと茶色い染みが! ドロ汚れを落とすことはできなかった

ドロ汚れに強い洗濯コースとは?

ドロ汚れを落とす洗濯コースを紹介する前に、「ES-Z210」の基本の洗浄方式についてを説明しておこう。一般的なドラム式の場合、循環された水が洗剤ケースを通ってふり注ぐが、「ES-Z210」は水道水を専用ホースで直接誘導し、小さな水滴にして勢いよく吹きつける「マイクロ高圧洗浄」を採用。毎秒100万個の微細な水のシャワーにより、繊維の奥の汚れまではじき飛ばすことができる。この洗浄方式は、ドラム式の弱点である洗浄力を強化するために開発されたシャープのみの手法で、前モデルから搭載。「ES-Z210」では、シャワーの範囲を従来の1.4倍に広げることで、「マイクロ高圧洗浄」の効果をパワーアップさせた。

水道水は、写真左の手前側にある透明の管と黒いホースによって運ばれる。前者の水は洗剤ケースへと流入し、後者の水はノズルで500μm以下の微細な水滴に変換され、ドラム上方から衣類に勢いよく噴射。ちなみに、シャワーのスピードを増すよりも範囲を広げるほうが汚れ落ちがよかったため、シャワー範囲の拡大が採用された

ドロ汚れのついた布に高圧シャワーを噴射すると、下の動画のように水だけの力で汚れがキレイに! 洗剤を利用する実際の洗濯では、さらなる仕上がりが期待できそう。

頑固なドロ汚れに効く「極め洗いコース」
「ES-Z210」に搭載された“ドロに効く”洗濯コースは2つある。まずは、1つ目の「極め洗いコース」から見ていこう。「極め洗いコース」は、衣類を約40℃の温風で温めた後、標準コース比最大約4倍となるシャワー量の「マイクロ高圧洗浄」で洗うというもの。衣類を温めておくことで最初から洗剤のパワーが効率よく発揮されるため、ガンコな汚れもキレイに落ちる。

洗剤の酵素が活性化しているところに、通常よりも量を増した高圧シャワーが降りかかることでドロ汚れも剥がし取ることができるという。シャワーの給水量は、標準コースより39L多い50Lとなる(洗濯容量2kgの場合)

乾燥工程でメインに活用されるのはヒートポンプだが、ヒーターも併設。「極め洗いコース」では、ヒーターで衣類を温める

一般的な洗浄方式では落ちなかったドロ汚れが、「極め洗いコース」で洗うと真っ白に!

一般的な洗浄方式では落ちなかったドロ汚れが、「極め洗いコース」で洗うと真っ白に!

ドロ汚れの落ち具合ばかり紹介してきたが、「極め洗いコース」はほかの汚れにも効果を発揮する。しかし、ヒーターを利用し、水量(シャワー量)が増す「極め洗いコース」は、標準コースよりもランニングコストがかかることは間違いない。毎回使う洗濯コースというより、汚れが激しい時や衣替えの時期などに活用するのがベストだろう。

黒ずんだ布も、キレイな白に復活!

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調味料の汚れもしっかり除去。色柄ものを洗っても、色落ちせずにキレイになった

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ワイシャツの襟元、袖口の皮脂汚れも気持ちいいほど白くなっている

ワイシャツの襟元、袖口の皮脂汚れも気持ちいいほど白くなっている

軽くドロを落とす「サッと予洗いコース」
次は、“ドロに効く”洗濯コースの2つ目「サッと予洗いコース」について。実は「サッと予洗いコース」は、「極め洗いコース」を開発している途中で急遽追加された。農業女子のほとんどが「激しい汚れ物は、洗濯機に入れる前に手洗いする」という話をしていたことが、コースの誕生につながったという。

そこで、水洗いで汚れを“軽く”落とせるようにしたのが「サッと予洗いコース」。上の動画で紹介したように、「マイクロ高圧洗浄」は水だけでも汚れが落ちる洗浄力を誇る。この効果を利用し、素早く予洗いしてしまおうという発想だ。「サッと予洗いコース」は洗濯〜脱水までが1工程となっており、5分で運転終了となる。洗剤を利用しないので、手洗いとランニングコストはそれほど大差なさそう。

土まみれの軍手と黄ばんだTシャツを「サッと予洗いコース」で洗ってみる。水だけで、どれほど落ちるのだろうか

使用方法は、通常の洗濯と同じ。衣類をドラムに投入後、「サッと予洗いコース」を選べばいい。「サッと予洗いコース」と「極め洗いコース」は、簡単に選べるように独立したボタンとなっている

「サッと予洗いコース」終了後の様子。まっ茶色だった軍手は、薄い茶色まで汚れが低減された。この程度の汚れなら、ほかの衣類と一緒に洗うのも気にならない。Tシャツのほうは、黄ばみが見えないほど白くなった

ちなみに今回は水道と洗濯機を直結していないので、タンクに溜めた水を利用している。そのため、「マイクロ高圧洗浄」の勢いが通常より弱い。一般家庭で使用する環境で「サッと予洗いコース」を実施すると、右の軍手ほど汚れが落ちる

検証した軍手やTシャツ以外にも、「サッと予洗いコース」で洗ったものが展示されていたので紹介しておく。ナイロン素材のウエアは、「サッと予洗いコース」で洗うだけでそのまま着られそう。ケチャップとパンプキングラタンで汚れた前かけも、水だけでキレイに。しつこそうな汚れが5分で落とせるのは、うれしい

びっしりとついた土を洗うと、その汚れにより洗濯機に不具合が出るのでは? と心配されるかもしれないが、その点は問題ないという。手洗いと同じように汚れは流れるため、排水口が詰まることもないそうだ。

外で干した心地よさを再現した乾燥

洗浄力を高めた「ES-Z210」は、同時に乾燥の質も向上させた。ヒートポンプ乾燥の場合、省エネ性能は高いが、どうしても少し湿ったような仕上がりになってしまう。そんな問題を解決するのが、「極め洗いコース」で活用されたヒーター。ヒートポンプ乾燥した後にヒーターによる熱を加えることで、天日干しした時のようなカラッとした乾燥ができるという。

ヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥の合わせワザで行う「ぽかぽか・おひさま乾燥」の仕上がりをユーザーに調査してみたところ、96%がヒートポンプ乾燥だけよりも心地よいと回答。カラッとするだけでなく、従来よりもふんわり感や柔らかさが増しているという評価も魅力だ

乾燥時の運転音は、約41dB。下の動画はデモモードだが、実際の乾燥運転と運転音には差がないという。とても静かなので、実環境で稼働させても気にならないはず。

【関連リンク】
《2018年》おすすめのドラム式洗濯乾燥機、縦型洗濯機7選! 本当の狙い目はこれ

中村真由美(編集部)
Writer / Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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