レビュー
ミストで潤すだけじゃない! 雑菌の繁殖を抑え、空気中のウイルスも抑制

超音波式の弱点を解消した“美し過ぎる”カドーの加湿器を2週間使ってみた!

空気が乾燥する冬に活躍する加湿器は、ずっと部屋に出しっぱなしにしておくものなのでインテリア性にもこだわりたい。そんな時に目を引かれたのは、超音波式のカドー「HM-C610S」。「HM-C610S」は同社初の“Made in Japan”で、取り扱いにつながる部分にも“和”の意匠が取り入れられている。もちろん見た目だけでなく、超音波式加湿器の弱点である衛生面(給水タンクに繁殖する菌)も独自の仕組みで解消しており、性能も上々。そんな「HM-C610S」を自宅で2週間使った所感をお伝えしよう。

サイズは直径270×高さ855mm(適用床面積〜17畳)で、比較的省スペース。縦長の構造にすることで、高い位置からミストを放出できるようにしているという

構造をチェック!

「HM-C610S」を見てまず目がいく2本の筒は、給水タンクとミストを噴出するダクト。その下に超音波振動を起こす電子部品やファン、制御部、温度・湿度センサーを搭載した本体がある。

加湿方式は、水を超音波振動で霧状にして放出する「超音波式」を採用。超音波式は消費電力が少ないメリットがあるいっぽう、水を温めて蒸気を発生させるスチーム式のように加熱で除菌することができないため、衛生面が問題となることが多い。また、水道水に含まれるミネラルなども放出されてしまうので、白い粉で部屋が汚れる心配も。このような課題を「HM-C610S」は、除菌機能を備えるカートリッジを給水タンクにセットすることで解消。タンクに入れた水を抗菌するだけでなく、ミストになってもその作用が継続するので浮遊する菌やウイルスの抑制にも役立つという。

クリアな筒が給水タンクで、銀色の筒がミストを放出するダクト。給水タンクの中に見えるものが、除菌のためのカートリッジだ

本体内には水路が設けられており、赤い囲み部分で起こる超音波振動によりミストとなる。そのミストをファンでダスト上部に誘導し、部屋中に噴出

給水タンクにセットするカートリッジが除菌できるヒミツは、中に入っている抗菌ゼオライト(沸石)。抗菌ゼオライトで抗菌された水が水路を通りミストとなって放出されるので、給水タンクや本体内部の清潔さが保たれるほか、抗菌ミストが室内の浮遊菌やウイルスにも作用する。さらに、カートリッジにはイオン交換樹脂が搭載されており、これが水道水に含まれるカルキを削減。“白い粉が出る”現象を防ぐ。カートリッジは半年ごとの交換が望ましいという

本体天面には電源と操作ボタンがある。デザイン性を損なわないシンプルな表記だ。リモコンは付属しない

実際に部屋を加湿してみよう!

さっそく、11畳のリビング(鉄筋コンクリート造マンション)で加湿してみることに。準備は、給水タンクに水道水を入れるだけ。ここで注目したいのは給水方法。給水タンクを本体から取り外してシンクに運んで水を入れるものが多いが、「HM-C610S」は給水タンクに水を注ぎ入れる仕様となっている。

給水タンクのフタを開けて、水を注ぐ。給水カップが付属しているので、こぼさずに入れることができた。一度に入れることができる最大量は2.2L

実は、給水タンクにも“和”の演出が! 水平にスライドするフタは、茶筒のようななめらかな開閉を意識したという。正直、茶筒のように引いて開ける仕様ではないので共通点は見当たらない。だが、一般的な給水タンクのようにフタをギュッと回して開け閉めすることなくできる動作で、茶筒を開けるように手間なくスムーズという感覚を意識したようだ

運転は基本的に室温と湿度を検知して加湿量を調整する「自動運転」でOK。もちろん、任意で加湿量を「急速(600ml/h)」「強(400ml/h)」「中(200ml/h)」「弱(100ml/h)」から選ぶこともできる。

選択された運転モードが青く点灯する。ちなみに写真は、「自動運転で加湿され、1時間後に停止する」設定。運転停止タイマーは、1・4・8時間が選べる

「急速運転」で加湿中に吹出口に手をかざしてみたところ、あっという間に垂れるほどの水滴が! なかなかのハイパワーだ。ちなみに超音波式なので、ミストは熱くない

本来は自動運転で問題ないのだが、筆者が使用した期間は湿度が高めだったこともあり「急速運転」で加湿器のパワーを測定してみた。運転前は室温23.7℃、湿度47%だった部屋が、運転開始から約30分で56%に上昇。さらに、1時間後には64%に! ちなみに測定は、加湿器から1.5mほど離れた場所で行った

室内の湿度は、給水タンク下のライトでも知ることができる。十分な湿度が保たれている時はブルーだが、やや乾燥しているとグリーン、湿度不足となるとイエローに光の色が変化していく。また、照度センサーが搭載されているため、就寝時などで部屋が暗くなると自動で輝度が落ちる

床やソファーに座った状態だとミストの噴出は、頭より上となる。高い位置に吹出口を設けているのは気流にのせてより遠くまで届ける工夫だというが、加湿器に近い位置で過ごすわけではないので実感はできず。しかし、原理的には納得できるので、ミストの拡散には優位な構造だと言えそうだ

十分な加湿力を備える「HM-C610S」には、目的にあわせて効率よく保湿するための工夫が施されている。同梱のアタッチメントを吹出口に装着することで、放出されるミストの拡散具合を変えるというものだ。

ミストが放出される部分には着脱できるノズルが装備されている。その中に「拡散フィン」をセットすれば、横方向にミストを広げることが可能に

拡散フィンを装着しない場合、ミストは細長く垂直に高く噴出。いっぽう、フィンを装備すると幅が広いミストが放出された。加湿器の周辺部を重点的加湿したい時にはフィンを付け、広範囲にミストを届けたいならフィンを外すといい

前述のように、給水タンクの容量は2.2L。適用床面積〜36畳であることを考えると少なめだが、満水状態から弱運転で加湿すればスペック上では最大22時間連続運転できるとある。湿度にもよるが、自動運転でも半日〜15時間程度は持つだろう。衛生面を配慮するなら、1日1回は水を入れ変えたほうがいいのでちょうどよいペースだ。

筆者は24時間加湿ONにしていたが、半日以上給水することなく過ごせた。給水が必要なタイミングになると、レッドの光でお知らせしてくれる

ちなみに、消費電力は弱運転の場合25W。1日フルで稼動させ、30日間使用したとしても1か月の電気代は約486円で済む(1kWhあたりの電力量料金は27円で算出)。

“潤い+リラックス”できる工夫もあり!

ミストで部屋を加湿するだけでなく、香りによるリラクゼーションもできる。アロマオイルを染み込ませたトレーをダクトの吹出口に装備することで、ミストと一緒にアロマの香りが拡散。好きな香りと保湿で心身ともに潤おう!

付属の給水芯にアロマオイルを染み込ませ、アロマトレーにセット。ちなみに、アロマオイルは同社が開発したものを使用するように推奨されている(別売)。※写真のアロマオイルはサンプル品です

ミストの広がりを調整する拡散フィンを取り付けた時と同様に吹出口のノズルを外し、アロマトレイとドッキング。再び吹出口に装着すれば準備完了だ

今回使用したアロマはバラをベースにしたもの。ミストとともに拡散される香りは、穏やかで空気に自然に溶け込むようにほんのり香る感じで癒される

衛生状態と能力を保つために欠かせないお手入れ

加湿器で欠かすことができないお手入れについてもチェックしておこう。「HM-C610S」はダクトや給水タンクを取り外して行う本体の掃除を、週2回実施することを推奨している。手間に感じるかもしれないが、本体内に溜まった水を捨てて汚れを拭き取るだけなので、比較的短時間で済む。フィルターなどを中性洗剤で浸けおき洗いしなければならない気化式の加湿器よりも、断然手入れはラク。

本体に溜まった水は、排水口から捨てる。そのついでに、固く絞った布で内部を拭くとより清潔に

本体に溜まった水は、排水口から捨てる。そのついでに、固く絞った布で内部を拭くとより清潔に

カートリッジの効果により水道水のカルキに含まれる炭酸カルシウムは低減されるが、水道水にはほか不純物も含まれる。放置しておけば不衛生であることはもちろん、加湿器の性能も損ねてしまうので手入れは怠らずに行おう。

まとめ

一般的に加湿器や空気清浄機はデザイン性を重視すると性能面が犠牲になりがちだが、「HM-C610S」はどちらも不足がなく、バランスがよい。特に、広範囲にミストを効率よく拡散させる能力の高さには感心した。今回は湿度が高めな時期でのレビューであったが、暖房で乾燥が激しくなる冬場には大活躍するのは間違いない。また、加湿具合を知らせるライトの光が幻想的で、インテリアとしても自慢したくなる。

実は筆者は、意外と衛生面が気になるほう。スチーム式のように水を加熱しない超音波式ということで、雑菌は大丈夫なの? と心配していた。カートリッジによる効果は2週間の使用ではわからなかったが、雑菌や白い粉の発生を抑える配慮が施されている点は高く評価したい。また、本体の手入れの頻度が他製品に比べると多いが、キレイに、そしてフル能力で稼動させるためには少々の手間は必要。衛生面を気にする筆者としては、非常に良心的であると感じた。

【関連リンク】
《2019年》今使うべき、おすすめ加湿器をタイプ別に厳選!

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

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