キャンプやBBQをするときにテーブルは必要だけれど、ピクニックやフェスなどちょっとしたアウトドアには不要と思っている人がいるかもしれませんが、1卓あると快適さが劇的に変わります。大型のものから軽量コンパクトなもの、専門性の高いものまで幅広くピックアップしたので、使用シーンに合ったアウトドアテーブルを見つけてください。
本連載の「アウトドアチェアの選び方」で、アウトドアチェアは収納方法によって分類されると紹介しましたが、アウトドアテーブルも同様に大きく「収束式」と「折りたたみ式」の2種類に分けられます。この2種類の間では、収納スペースや持ち運びのしやすさが異なるだけでなく、お手入れにも差が出てくることも。それぞれ代表的な1卓を例に、特徴を見ていきましょう。
収束式テーブルは脚と天板が分かれており、それぞれコンパクトにまとめられます。収納場所を取らないのがメリットですが、天板がスノコのようになっているため、隙間に汚れが残りやすいのがネック。使用する際は、脚を組み立て、その上に天板を展開します。
コールマン「ナチュラルウッドロールテーブル クラシック(110)」は、天板にスギ材を採用した収束式テーブル。高さを2段階で変えられます。使用時のサイズは約1,120(幅)×700(奥行)×400/700(高さ)mmで、耐荷重は約30kg
天板と脚は別々にまとめる仕様。脚は収束させ、スノコ状になっている天板は折りたたんで収納します
天板と脚に分かれていても、袋に入れてしまえばスッキリまとまります。1,120mmの幅があった「ナチュラルウッドロールテーブル クラシック(110)」の収納サイズは約190(幅)×200(奥行)×700(高さ)mm
「ナチュラルウッドロールテーブル クラシック(110)」の天板は木製ですが(写真は別の製品)、収束式のテーブルの多くはアルミ製。アルミ製は熱さに強いのに対し、木製は熱い鍋を置くと表面の塗装が変色したり、着火した炭が落ちると焦げたりすることがあるので注意が必要です
折りたたみできる天板は、このような汚れを布巾でサッと拭き取ると……
一見きれいになったようでも、隙間に汚れが入り込む可能性があります
折りたたみ式テーブルは脚と天板が一体となっており、たたんだ脚を天板ではさみ込むように収納します。2つ折りにするモデルが主流ですが、天板が広いものは3つ折、4つ折になる場合も。折りたたみ方で収納サイズに差が出るため、購入時は収納した状態やサイズ感を必ずチェックしておきましょう。
折りたたみ式でピックアップしたのは、ロゴス「グランベーシック 丸洗い3FDスリムテーブル」。雨が降っても傷まない樹脂素材の天板と、錆びにくいステンレスリベットとアルミ素材の脚を採用しているので、丸洗いできます。使用時のサイズは約1,200(幅)×600(奥行)×690/570/350/240(高さ)mmで、耐荷重は約30kg
折りたたみ式は収納サイズが大きくなりがちですが、「グランベーシック 丸洗い3FDスリムテーブル」のように3枚で構成された天板を3つに折りたたみ、3枚分の天板を1枚分の厚みに収められるものであればスリムに収納できます。収納サイズは約625(幅)×50(奥行)×500(高さ)mm、重量は約6.4kg
天板の素材は主に化粧合板を使ったものが多いのですが(写真上)、水に弱いため、雨などで天板がふやけ、表面のプリントが剥がれたり、ゆがんだりすることがあります。そうした心配をしたくないなら、竹集成材(写真中央)や「グランベーシック 丸洗い3FDスリムテーブル」にも採用されている樹脂素材(写真下)のものを選ぶといいでしょう
折りたたみ式の天板は面になっているため、汚れは拭き取りやすいです
収納方法の大まかな傾向を把握したら、次は、用途に応じた種類があることを知っておきましょう。上述の2卓のように、キャンプの食事に適した「ダイニングテーブル」をはじめ、運動会やお花見にも便利な小ぶりの「ピクニックテーブル」、調理をするための「キッチンテーブル」など、さまざまな種類があります。本記事ではBBQや焚き火を楽しむことを前提としたワザありのアイテムもセレクトしたので、利用するシーンをイメージして最適なテーブルを選んでください。その際、テーブルの高さが自分の持っているチェアと合うかも忘れずチェックしましょう。
高さが変えられるテーブルであればハイとローの両方に対応できますが、高さが固定されている場合は所有のチェアで快適に過ごせるか確認しておきましょう
普通のテーブルのようにも使えますが、天板中央が開くようになっており、その部分に卓上BBQグリルをセットできるのがポイント。焼き網とテーブルの天板がほぼフラットに設置できるので、焼肉を楽しむように卓上でBBQしたい人に最適です。
・コールマン「ナチュラルモザイク BBQテーブル/110プラス」
テーブルの高さを30cmのローにした際にも60×35cmまでのBBQグリルをセット可能。天板は汚れを拭き取りやすいメラミン加工のほか、菌の繁殖を抑える抗菌加工も施されています。
使用時のサイズは約1,100(幅)×800(奥行)×300/700(高さ)mm、耐荷重は30kg。折りたたみ式で、収納サイズは約800(幅)×70(奥行)×550(高さ)mm、重量は約7kg
・ロゴス「アイアンメッシュ 3FD BBQテーブル 13070-BC」
放熱性にすぐれたスチールメッシュ天板を採用しているため、熱したダッチオーブンをそのまま置けます。中央の開口部は約45.5×35cmで、同社の「ピラミッドTAKIBI M」「ピラミッドTAKIBI L」「グリルアタッシュM」に対応。BBQグリルなどをセットした際に取り外した中央の天板は、サイドテーブルとして使うこともできます。高さを無段階で調節できるランタポールが付属。
使用時のサイズ(メインテーブル)は約1,300(幅)×700(奥行)×820/1,570(高さ)[天板高370/700]mm、耐荷重は30kg。折りたたみ式で、収納サイズは約700(幅)×430(奥行)×100(高さ)mm、重量は約6.2kg
テーブルとチェアを1つにまとめて持ち運びしたい人には、ダイニングテーブルと横に長いベンチがワンセットになった「オールインワンテーブル」が最適。コンパクトに収納できるので、BBQなどの日帰りレジャー、荷物の量を抑えたいキャンパーにぴったりでしょう。
・コールマン「ナチュラルモザイクファミリーリビングセット/ミニプラス」
抗菌加工を施した天板中央には、最大32mm径のポールに対応するパラソル用の穴を用意。収納時はテーブル内にベンチを収められるので、持ち運びやすく、収納場所も取りません。
使用時サイズはテーブルが約800(幅)×700(奥行)×650(高さ)mm、ベンチが約780(幅)×250(奥行)×350(高さ)mm。テーブルの耐荷重は約30kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約800(幅)×105(奥行)×355(高さ)mm、重量は約9.2kg
・ロゴス「LOGOS Life ベンチテーブルセット6」
横に長いベンチ1脚と、ひとりで座るスツール4脚がセットになっているので、テーブルを囲むだけでなく、焚き火の近くなどに椅子を移動させて使うような使い方もしやすいでしょう。テーブルの高さは2段階で調節でき、中央には最大32mm径に対応するパラソルホールを備えています。
使用時のサイズはテーブルが約930(幅)×820(奥行)×375/690(高さ)mm、ベンチが約870(幅)×250(奥行)×400(高さ)mm、スツール[L]が約390(幅)×345(奥行)×410(高さ)mm、スツール[M]が約390(幅)×300(奥行)×410(高さ)mm。テーブルの耐荷重は約40kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約430(幅)×945(奥行)×105(高さ)mm、重量は約11.3kg
こだわりのキャンプサイトを作りたいなら、天板や脚部が天然木でできたローテーブルがイチ押し! おしゃれなので、家の中で使用している人もいるほどです。
・テントファクトリー「ウッドラインZELロールトップテーブル 90W」
風合いがよく、強度にすぐれたヨーロッパケヤキを採用しています。天然素材なので、個体によって木の風合いや色目が微妙に異なるのも魅力。スノコ状の天板は丸めて収納でき、付属のキャリーバッグに脚と一緒に入れて楽に持ち運べます。
使用時サイズはテーブルが約900(幅)×700(奥行)×430(高さ)mm、耐荷重は非公開。収束式で、収納サイズは約940(幅)×180(奥行)×109(高さ)mm、重量は約8kg
・Byer of Maine「パンジーン ロールトップテーブル ホワイトアッシュ」
大きめのウッドテーブルをご所望なら4〜6人で使える「パンジーン ロールトップテーブル ホワイトアッシュ」はいかがでしょうか。野球のバットやカヤックのパドルなどに採用されるホワイトアッシュを素材に使用しており、高いデザイン性と品質性を備えています。天板はクルクルと巻いて収納可能。
使用時のサイズは約1,066(幅)×710(奥行)×700(高さ)mmで、重量は約12kg。耐荷重と収納サイズは非公表でが、付属の収納バッグのサイズは約1,110(幅)×310(奥行)×190(高さ)mmです
・キャプテンスタッグ「CSクラシックス FDパークテーブル〈60〉」
60cm四方の小さなテーブルですが、地面だと安定しない飲み物を置くなど役立つシーンは結構あります。使用時も収納時も場所を取らないので、テント内で使ったり、ピクニックに持って行ったりするのに最適。
使用時のサイズは約590(幅)×530(奥行)×270(高さ)mm、耐荷重は約10kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約590(幅)×60(奥行)×530(高さ)mm、重量は約2.7kg
焚き火を楽しむ際、サイドテーブルとして使用できるように火の粉が飛んできても安心な金属を天板に採用。耐熱性があるので、熱々のフライパンやダッチオーブンを載せられます。
・ユニフレーム「焚き火テーブル」
コンパクトなテーブルながら耐荷重50kgというタフさを備えるほか、天板のステンレスにはキズが目立ちにくいエンボス加工が施されているので、ハードに使ってもキレイな状態を保ちやすいでしょう。金属で手を傷つけないように安全面に配慮して取り付けられたサイドの天然木のプレートは、デザインのアクセントになっています。
使用時のサイズは約550(幅)×350(奥行)×370(高さ)mm、耐荷重は約50kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約550(幅)×25(奥行)×350(高さ)mm、重量は約2.3kg
・テントファクトリー「スチールワーク ラス FDテーブル600」
テーブル側面には格納式の取っ手が付いており、必要に応じて出し入れ可能。脚も内側に折りたためるので、収納や持ち運び時にかさばりません。スチールメッシュ(ラス仕様)の天板は高温な物でも置けるほか、テーブル上の物が滑りにくいのも特徴です。
使用時のサイズは約600(幅)×450(奥行)×260(高さ)mm、耐荷重は約20kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約250(幅)×400(奥行)×50(高さ)mm、重量は約3.5kg
・DOD「テキーラテーブル」
天板が3枚に分かれており、その差込口が上段と中段にあるので、高さの異なる2段にレイアウトしたり、中央に焚き火を置いて囲炉裏を囲むように配置したりできます。また、市販の1×6サイズのワンバイ木材を追加して収納棚を作ったり、天板の1枚を1×4木材に変えたりすることも可能。金属部は焚き火に直接かけて調理するゴトクとして利用できるなど、自由度と汎用性の高さが魅力です。
使用時のサイズは約1,150(幅)×490(奥行)×410(高さ)mm、耐荷重は約40kgです。折りたたみ式で、収納サイズはプレート単体が約910(幅)×140(奥行)×19(高さ)mm、レッグ単体が約490(幅)×470(奥行)×13(高さ)mm。重量は合計で約8.6kgです
ある程度の大きさを確保しつつ、もっとコンパクトな収納を望むなら天板が布製の「ソフトトップテーブル」がいいかも。布製ですが、ピンッと張るのでものを置いても安定します。カップホルダーを装備したモデルを選べば、飲み物が倒れないので安心でしょう。
・ヘリノックス「テーブルワン」
世界最高の強度と柔軟性を持つアルミニウムポールを採用しており、耐荷重は約50kg! そんなタフさを備えながら重量は625gと軽く、コンパクトに収納できるので、いろいろなシーンに気軽に持ち出せるでしょう。
使用時のサイズは約600(幅)×400(奥行)×390(高さ)mm、耐荷重は約50kgです。収納サイズは約410(幅)×110(奥行)×110(高さ)mm、重量は約625g
・キャプテンスタッグ「CS コンパクトテーブル(グリーン)」
天板の四方から出ているベルトを引っ張ると、テンションがかけられます。テーブルのサイズは小さめながらコーナーにドリンクホルダーを4つ備えているので、複数人でも使えるでしょう。
使用時のサイズは約500(幅)×500(奥行)×370(高さ)mm、耐荷重は約10kgです。収納サイズは約140(幅)×140(奥行)×600(高さ)mm、重量は約1.5kg
地面にシートを敷いて過ごす際、飲み物が倒れそうになった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときは、小型の「ピクニックテーブル」を使用しましょう。キャンプをするときにテント内に持ち込んで小物置きとしても役立ちます。
・ロゴス「スタックカラータフテーブル」
テーブルに載せた物が転がり落ちないように、天板の縁に高さを持たせたトレーのようなデザインを採用。脚は折りたたんで収納できるので、持ち運びも楽々です。「スタックカラータフテーブル」を重ねれば、ミニラックのように使うことができるそう。
使用時のサイズは約390(幅)×240(奥行)×175(高さ)mm、耐荷重は約10kgです。収納サイズは約240(幅)×390(奥行)×40(高さ)mm、重量は約960g
・コールマン「ナチュラルモザイク ミニテーブルプラス」
脚を広げると自動的にロックがかかる機構やメラミン加工と抗菌加工が施された天板など、安心して使える工夫が満載。脚を折りたたみ、天板で挟むようにしてコンパクトに収納できます。
使用時のサイズは約530(幅)×400(奥行)×230(高さ)mm、耐荷重は約10kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約400(幅)×60(奥行)×265(高さ)mm、重量は約1.4kg
・キャプテンスタッグ「アルミロールテーブルコンパクト(ブラック)」
アルミ製で1kgに満たないほど軽いのに、耐荷重は約30kgというタフさ。天板には耐食・耐摩耗性にすぐれるアルマイト加工が施されています。
使用時のサイズは約400(幅)×290(奥行)×120(高さ)mm、耐荷重は約30kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約400(幅)×60(奥行)×70(高さ)mm、重量は約700g
ソロキャンプ、ツーリングキャンプ、トレッキングなど、荷物の体積や重さを抑えたいシーンに最適。用途は上述の「ピクニックテーブル」と同じ感じですが、「コンパクトテーブル」のほうがさらに軽量で小型です。
・SOTO「フィールドホッパー」
収納サイズはA4サイズの半分という小ささで、重量は400g以下。バッグに入れておいても負担にならないため、携帯するのに最適です。さらに、天板を開くだけで飛び出す絵本のように脚がセットされる構造なので、手軽に素早く設置可能。
使用時のサイズは約400(幅)×290(奥行)×120(高さ)mm、耐荷重は約30kgです。折りたたみ式で、収納サイズは約400(幅)×60(奥行)×70(高さ)mm、重量は約700g
・キャプテンスタッグ「CSクラシックス コンパクトロールテーブル<31>」
脚が天板から少し出た突起程度のもののため高さはありませんが、その分、安定感はバッチリ。使用時の状態でもコンパクトですが、クルクルと丸めて収納できるので、クロス感覚で素早く準備や片付けができます。
使用時のサイズは約310(幅)×250(奥行)×50(高さ)mm、耐荷重は約10kgです。収納サイズは約330(幅)×90(奥行)×100(高さ)mm、重量は約680g
・スノーピーク「オゼン ライト」
携帯性を優先し、天板を2つに分離し、脚も外してバラバラにして収納する方法を採用。重量270gなので、とにかく荷物をコンパクトにしたい人に最適です。
使用時のサイズは約297(幅)×210(奥行)×85(高さ)mm、耐荷重は約3kgです。収納サイズは約297(幅)×120(奥行)×250(高さ)mm、重量は約270g
調理する際、普通のアウトドアテーブルを使ってもかまいませんが、アウトドアテーブルは椅子に腰かけて食事を楽しむためのものなのでラクな姿勢では調理できません。腰を曲げて作業することになるため、腰を痛める可能性もあります。調理担当の人のことを思いやるなら、「キッチンテーブル」を用意してあげましょう。バーナースタンドやシェルフといった便利な装備が付いているモデルもあるので、調理がはかどるはずです。
キッチンテーブルは、ダイニングテーブルに比べると天板の高さが10cm前後高く設計されています。少しの違いですが、調理中の楽さは大違い!
・コールマン「オールインワンキッチンテーブル」
収納棚、ランタンスタンド、バーナースタンドなどすべての装備がテーブル天板内に収まるコンパクト設計。テーブル天板の高さは約80cmなので、幅広い人が楽な姿勢で調理できるでしょう。
使用時のサイズは約1,490(幅)×555(奥行)×1,700/1900(高さ)mm、耐荷重(テーブル/シェルフ)は約30kg/約25kgです。収納サイズは約800(幅)×110(奥行)×280(高さ)mm、重量は約6.7kg
・ユニフレーム「キッチンスタンドV」
熱に強く傷が目立たないエンボス加工を施したステンレス材を天面に採用。水にも強いため、メンテナンスの手間もかかりません。フレームの隙間にウォータータンクを置くことも可能です。
使用時のサイズは約1,150(幅)×370(奥行)×780(高さ)mm、耐荷重(棚板)は約15kgです。収納サイズは約540(幅)×370(奥行)×110(高さ)mm、重量は約5.8kg
・ロゴス「丸洗いアジャスタキッチンテーブル」
天板高を60〜80cmで無段階調節可能。脚の長さは1脚ずつ調節できるので、凹凸のある地面でも水平にしやすいでしょう。コンロの火を風から守る風防に市販のS字フックを取り付ければ、調理器具を引っ掛けておけます。
使用時のサイズは約925(幅)×500(奥行)×860〜1,060[天板高60〜80cm](高さ)mm、耐荷重(テーブル)は約30kgです。収納サイズは約235(幅)×820(奥行)×110(高さ)mm、重量は約4.6kg
アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。