牛島義之のアウトドアのススメ

アウトドアで温かく座れるアイテム発見! ヒーター内蔵のチェアカバーでポカポカに!!


キャンプで焚き火に当たっていても、暖かいのは体の正面だけ。ブランケットをかけるなどしても、背中やお尻は寒いままです。そんな時に役立つのではないかと発見したのが、ヒーター内蔵のチェアカバー「ぬくぬくヒーターチェアカバー」(マグクルーズ)。どのくらい効果があるのかを試してみました。

ヒーター内蔵のチェアカバーって、どんなもの?

キャンプをしていると、日中は暖かくても夜間は寒さを感じることも少なくありません。その対策のひとつとして、90年代には電池やガスで発熱させるクッションやベストなどがありましたが、近年はあまり見かけなくなりました。そんな中、業界初となるヒーター機能を装備したチェアカバー「ぬくぬくヒーターチェアカバー」が登場。モバイルバッテリー(別売)を接続して使うことで、内部温度が最大55℃になるそう。なお、ぬくぬくヒーターチェアカバーを装着できるのは、コンパクトチェア。同社の「クルーズチェア」をはじめ、ヘリノックスの「チェアワン」「グラウンドチェア」「チェアゼロ」、フィールドアの「ポータブルチェア」など、汎用性はなかなか高そうです。

重量約380gのチェアカバー。カラーはネイビー(写真のもの)とグレーがラインアップされています

重量約380gのチェアカバー。カラーはネイビー(写真のもの)とグレーがラインアップされています

ぬくぬくヒーターチェアカバーが装着できるのは、同社「クルーズチェア」のようなコンパクトチェア全般

装着方法はとても簡単。きんちゃく状になっているカバーを背もたれにかけた後、引っ張って座面にかけるだけです

ドローコードも装備されているので、引っ張ってしっかりとフィットさせることができます

ドローコードも装備されているので、引っ張ってしっかりとフィットさせることができます

ぬくぬくヒーターチェアカバーをかけると、ふっくらとしたソファのように! 薄手の中綿が入っているので、座り心地もよくなりました

生地表面はポリエステルの起毛素材。きめが細かくやわらかいので、肌触りがよく気持ちいい!

生地表面はポリエステルの起毛素材。きめが細かくやわらかいので、肌触りがよく気持ちいい!

ちなみに、ディレクターチェアでも使用できるかどうか、筆者所有のコールマン「コンパクトスリムチェア」(旧型)で試してみたところ、残念ながら座面までしっかり覆うことはできませんでした。しかし、座ることはできたので、少々見栄えは悪いですが使えるでしょう

温かさを検証!

起毛素材なので、ぬくぬくヒーターチェアカバーをかけただけでも、少しは温かくなりそうですが、この製品の最大の特徴は内蔵しているヒーターを発熱させること。そのために別途モバイルバッテリーを用意しなければなりませんが、スマートフォンの充電用のものが使えるので、それほど準備に困ることはないでしょう。メーカー公表によると、バッテリー容量10,000mAhで最大8時間使用できるそうです。

今回は10,000mAhのモバイルバッテリーを用意しました。なお、使用できるバッテリーは出力5V2A以上です

今回は10,000mAhのモバイルバッテリーを用意しました。なお、使用できるバッテリーは出力5V2A以上です

ぬくぬくヒーターチェアカバーにはバッテリーを入れるためのポケットが装備されているので、そこにバッテリーを入れ、USBケーブルを接続します

カバーに装備された電源ボタンを押すと、ヒーターがオンになります。なお、温度モードは最大内部温度が55℃の「High」、50℃の「Middle」、40℃の「Low」の3つ。10,000mAhのモバイルバッテリーを接続した場合、「High」は約4時間、「Middle」は約5時間、「Low」は約8時間使用できます

いよいよ検証をスタート。ぬくぬくヒーターチェアカバーの有無で、どれほど座面の温度に差が出るのかを確かめてみました。

スタート前の座面温度は、カバーありが11℃、カバーなしが5.8℃。ヒーターの電源はオンにしていませんが、このカバーを装着するだけでも寒さ対策になるようです

ぬくぬくヒーターチェアカバーのヒーターを「High」モードでオンにし、サーモグラフィーカメラで撮影してみると、ヒーターが背中と足が当たる部分に内蔵されていることが確認できました

そのまま待つこと10分。サーモグラフィーカメラで撮影した写真を見ると、カバーありとなしでは大きな温度差があることがわかります

サーモグラフィーカメラで明確な温度差が出た2つの椅子を、温度計で測ってみました(お尻が当たる部分)。カバーありは3.2℃上昇、カバーなしは0.2℃上昇しており、やはりヒーターが発熱するカバーがあるほうが、断然、あたたか!

温度計の数値を見ると、ヒーターが内蔵されているのにあまり温かくならないように思われるかもしれませんが、この温度は人が座っていない状態での表面温度。風が吹くだけでも表面温度はグッと下がってしまうので、ヒーターが内蔵されていない部分はそこまで高温にはなりません。人が座っていれば、ヒーターの熱を受けて、全体がポカポカになるようです。

運転開始から10分後のヒーターが内蔵されている部分の表面温度を測ってみると、34.6℃。ヒーターがない部分との温度差は20℃近くあります

実際に座ってみると、ヒーターと接する太ももの裏が最初に熱を感じます。厚着をしているためか、背中部分のヒーターのぬくもりは感じませんでしたが、10分くらい座っていると腰まわり全体が暖かくなってきました!

ちなみに、腰まわりが暖かくなってきたタイミングでヒーターが内蔵されている個所の温度を測ってみると、お尻部分が約52℃、背中部分は約50℃となりました。「High」モードではヒーター温度は55℃になるということなので、スペックどおりの性能は発揮されているようです。

試しに、同じように、カバーなしのチェアにも10分間座ってみましたが……時間が経つにつれ、腰まわりはどんどん冷えていき、全身が寒い!

なお、「High」モードでは4時間の使用ができるとスペックには記されていましたが、実際に4時間使用しても今回使用したバッテリーの残量はゼロにはなりませんでした。

バッテリーには4つのインジケーターがあり、4時間後はうちひとつが点灯している状態に。つまり、あと30分〜1時間程度は「High」モードで運転を続けられそうです

まとめ

使用開始直後は太もも部分だけしか温かくならず、正直、気休め程度の製品だったのか……とがっくりしていたのですが、そのまま座っていると、時間が経つにつれて徐々に腰まわりが温かくなり、気付けば体全体がポカポカになっていました。ガスヒーターなどにあたっているような感じではなく、腰に貼っておいた使い捨てカイロで体が温かくなっていく感じに近い印象です。これなら、焚き火にあたっている時、背中だけ寒い問題も解決できるのではないでしょうか。焚き火がない状況なら、ブランケットをかけるとより効率よく温まれるでしょう。

なお、ぬくぬくヒーターチェアカバーは2時間経つと自動的に電源がオフになるセーフティー機能も装備しているので、座ったまま眠ってしまっても低温ヤケドをする心配もありません。アウトドアでは冬以外でも時期によって夜や朝が寒いことは多々あります。そんな時、腰まわりを温められるのは予想以上に効果的。キャンプだけでなく、スポーツ観戦やお花見などでも活躍してくれるでしょう。

座っている際、ヒーターが体に当たって痛いということはありません。むしろ、ヒーターをオンにしていなければ、存在にも気付かないかも! このカバーを装着しているだけでも表面温度は温かくなるので、ちょっと冷える夏の夜などはヒーターをオフの状態で使ってもよさそう

ぬくぬくヒーターチェアカバーはクッションにも装着できました。家でも活躍してくれています!

ぬくぬくヒーターチェアカバーはクッションにも装着できました。家でも活躍してくれています!

なお、USB端子には保護カバーが付属しているので、ぬくぬくヒーターチェアカバーは洗濯機で丸洗い可能! これは、うれしい仕様です

牛島義之

牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。

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