レビュー
国内メーカーの1万円クラスのイヤホンでは貴重なリケーブル対応モデル

人気急上昇中! パイオニア初のハイレゾ対応イヤホン「SE-CH9T」を聴く

オンキヨー&パイオニアから、小型のハイレゾ対応DAP「rubato DP-S1」「private XDP-30R」と合わせて、パイオニアブランド初のハイレゾ対応カナル型イヤホン「SE-CH9T」「SE-CH5BL」「SE-CH5T」の3機種が発売された。

パイオニアのSE-CH9T

パイオニアのSE-CH9T

3モデルのもっとも大きな違いはケーブルで、最上位モデルのSE-CH9Tは、今回発表された3モデルの中で唯一、リケーブルに対応。“BL“の型番を冠したSE-CH5BLは、2.5mm4極バランス接続に対応しているのがポイントだ。SE-CH5Tはインラインリモコン付きの3.5mm4極プラグ採用とオーソドックスな構成ながら、実売で5,000円を切る価格が大きな魅力となっている。

SE-CH9Tはリケーブルに対応。リケーブル端子でもっともポピュラーなMMCX端子を採用する

SE-CH9Tはリケーブルに対応。リケーブル端子でもっともポピュラーなMMCX端子を採用する

標準ケーブルはインラインコントローラー付きで、コネクターは3.5mm4極タイプ。音質に配慮し、グラウンド分離構造を採用したツイストケーブル仕様となっている

なかでも、SE-CH9Tは国内メーカーの1万円クラスのイヤホンとしては貴重なリケーブル対応モデル、しかも音がいいということで、発売直後から瞬く間に大ヒット! 2017年4月21日現在、価格.com「ヘッドホン・イヤホン」カテゴリーの売れ筋・注目ランキングで3位にラインクインするほどの大注目モデルとなっている。さっそくSE-CH9Tの実機を入手したので、音質インプレッションをお届けしよう。

特徴的なノズル形状や独自の「Airflow Control Port」の採用など、リケーブル以外も盛りだくさん

音質インプレッションをお届けする前に、まずはSE-CH9Tのリケーブル以外の特徴について簡単に紹介しておこう。

ここ最近、フルレンジのダイナミック型ドライバー1発でハイレゾ対応をうたう製品が増えてきているが、今回紹介するSE-CH9Tも、そんな製品のひとつだ。こういった製品の多くは、ドライバーユニットの振動板に特殊な素材を使用したり、筺体に特殊な加工を施すなど、ハイレゾ対応の条件をクリアするためにさまざまな工夫を盛り込んでいるわけだが、SE-CH9Tもその例にもれず、さまざまな工夫が盛り込まれている。

なかでも、他メーカーのイヤホンにはないSE-CH9Tならではの大きな特徴となっているのがノズル部分。SE-CH9Tでは、波長の短い高音が打ち消し合う反射波形を抑制するため、ノズル部分の内径が大きく拡大されているのだ。

SE-CH9Tのノズル部分。写真を見てもらうとわかるが、かなり太く設計されているのがお分かりいただけるだろう

指向性の高い高音をクリアに再生するなら、音の通過するノズルを太くして音の通りをよくし、反射しないようにしてやればいい。理屈は非常に単純だが、ノズルを太くすればその分装着性にも影響が出るため、実現するのはなかなか難しい。SE-CH9Tでは、これまでのイヤホン製造のノウハウを生かし、装着性に影響のないギリギリの範囲までノズルを拡大したという。

ノズル部分が大きいと、気になるのはその装着感だが、実際に製品を装着してみたが、耳穴にあったイヤーピースをしっかり選択してやれば、一般的なイヤホンと同等の感覚で装着は可能だった。とはいえ、これはあくまでも筆者の主観なので、気になる人は実際に製品の装着性を確かめてから購入したほうがいいだろう

また、真鍮製ノズルとアルミ製ハウジングという2種類の金属を使った2層構造を採用したのも見逃せない。ドライバーユニットから出る音だけでなく、ドライバーユニットから発生する不要な共振を抑制することで、音質劣化を低減させているというわけだ。

ドライバーユニットについては、自社で新開発したという9.7o径ダイナミック型ドライバーを搭載。振動板の設計にコンピューターによる反復解析を利用し、振幅対称性を高めて低歪化と低域感度の向上を両立させたほか、振動板中央ドーム部の高さや形状を調整し、分割振動を抑えることで、ハイレゾ再生に最適な伸びのある高域再生を実現したという。

このほか、特許出願中の独自技術「Airflow Control Port」を採用したのもポイントだ。筐体の内部から外部に向かう通気部にチューブを使い、低音の音圧バランスを最適化することで、引き締まった低音とクリアな中音再生を実現したという。

密閉型イヤホンにとってもっとも重要なエアフローの最適化。SE-CH9Tでは、ここにチューブを使うというこれまでにないアプローチを用いている

アップテンポでノリのいい曲にピッタリな、ダイレクト感の高い気持ちのいいサウンド

というわけで、ここからは気になる音質についてレポートしたいと思う。なお、今回の視聴用プレーヤーには、オンキヨーブランドの「DP-X1」を組み合わせてみた。

全体的な音の印象としては、ダイレクト感が高く、聴いていて気持ちのいいサウンドだ。ダイナミック型ドライバーらしく、低域の存在感も十分。楽曲によってはベースラインがやや厚めに感じるものの、決して盛りすぎているわけではなく、適度にタイトに仕上げることで、力強さ感じさせつつ、気持ちよく聴ける自然で聴きやすいサウンドバランスになっている。

中域もクリアで見通しがよく、ボーカルの息づかいや声の繊細なニュアンスもしっかりと伝わってくる。高域についても、独特の形状を採用したノズル部のおかげか、ダイナミック型ドライバー1発とは思えないほどしっかりと伸びていた。中域から高域への伸びも自然で、アコースティック楽器の音色も心地よく聴かせてくれる。

今回、さまざまなソースの音楽を試聴してみたが、どれも解像度が非常に高く、ハイレゾらしい音をしっかりと楽しめた。苦手なジャンルというのはなさそうだが、個人的にはアップテンポでノリのいいJポップやアニソン、ロックなどとの相性がよさそうに感じた。

まとめ

現在、SE-CH9Tは1万円台前半のプライスがついているが、リケーブル対応だけでなく、ノズル部へのこだわりやサウンドクオリティを考えると、コストパフォーマンスはかなり高そうだ。ハイレゾらしい音をしっかりと感じられるバランスのよい音づくりも好印象で、価格.comでランキング上位にランクインするほど人気が高まっているというのもうなずける。1万円クラスのハイレゾ対応イヤホンへのステップアップを検討している人はもちろんだが、音質にこだわりのあるイヤホンユーザーもぜひ注目してほしい製品である。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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