ニュース
プロフェッショナルの性能を手の届く価格帯に落とし込んだULTRASONE渾身の1台

7万円前後で購入できる「Signature PRO」の弟分! ULTRASONEの最新モニターヘッドホン「Signature Studio」

ドイツに本拠を置く高級ヘッドホンメーカー「ULTRASONE(ウルトラゾーン)」。イヤホンなどのラインアップも用意されているものの、実質上ヘッドホン“専業”といえるくらいヘッドホンに注力し、ヘッドホンをもっとも得意とするメーカーと市場では認知されている。

そんなULTRASONEには、コンシューマー向けの「edition」「Performance」シリーズや、スタジオモニター系&プロフェッショナル向けの「PRO」「HFI」シリーズ、DJユーザー向けの「DJ」シリーズなど、数多くの製品がラインアップされているが、そのうちの「PRO」シリーズに位置付けされる新製品として、「Signature Studio」が登場した。さっそく実機を試聴する機会を得られたので、音質傾向などをくわしくレポートしたいと思う。

ULTRASONEのプロフェッショナルモニターヘッドホンの最新モデル「Signature Studio」。市場想定価格は66,000円前後(税別)

「Signature PRO」のサウンドを継承しつつ、コストパフォーマンスを高めたプロ向けモニターヘッドホン

「Signature Studio」は、5月20日に発売されたばかりのプロフェッショナルモニターヘッドホンの最新モデルだ。実は、“Signature”(=特別の)という代名詞を冠するULTRASONE製ヘッドホンはこれまでにもあって、現在「Signature PRO」「Signature DJ」の2つがラインアップされているが、「Signature Studio」はこれに続く第3のSignatureモデルとなる。ちなみに、この3モデルは(「HFI」シリーズあたりがベースとなっているのだろう)共通するデザインの外観を持っていることから、総じて「Signature」シリーズと呼ぶこともあるようだ。

「Signature Studio」のデザインは、これまでの「Signature」シリーズと共通する部分が多い

「Signature Studio」のデザインは、これまでの「Signature」シリーズと共通する部分が多い

このとおり、外観については「PRO」シリーズではなく「Signature PRO」に近いデザインが採用されている。このため、スイーベル機構を持ち、(ケーブル接続しない右側の)ハウジング部が180上下反転して外側を向けることができるなど、持ち運びしやすく、DJプレイにも活用できるのは同じ。

右ハウジングは、DJスタイルでも利用できるように回転機構を搭載

右ハウジングは、DJスタイルでも利用できるように回転機構を搭載

さらに、音質面ではチタンプレイテッド・マイラー振動板とNdFeBマグネットを採用する40mm口径ドライバーや、自然な音像定位を実現するULTRASONE独自の「S-Logic Plus」、電磁波を低減する「ULE」を採用するハウジング構造など、ハードウェア的な基本スペックも同じだ。製造がドイツ本国と、こちらについても変わらない。

一部の素材、ヘッドバンドやイヤーパッドをプロテインレザー(「Signature PRO」は本革)を採用したこと、ロゴプレートの素材を変えたことなど、音質はそのままに、いくつかの部分でハイコストパフォーマンス化された、「Signature PRO」の弟分といえる製品にまとめ上げられている。とはいえ、音質にまつわる部分は12万円前後の「Signature PRO」とほぼ変わらず、7万円程度の価格でこの内容を実現してくれたのは、嬉しい限りだ。

「Signature Studio」ではコストパフォーマンスを高めるために、ヘッドバンドやイヤーパッドの素材を、「Signature PRO」の本革からプロテインレザーへと変更している

ロゴプレートも、従来のガラス素材を使ったものから変更されている

ロゴプレートも、従来のガラス素材を使ったものから変更されている

さらにもうひとつ、優位な点がある。それは、「Signature Studio」が最新の製品だということだ。実は、「Signature PRO」の発売から最新の「Signature Studio」に至るまでに、ULTRASONEでは名機「edition 8」の新世代モデル「Edition 8 EX」や、ULTRASONE初のアルミ削り出しハウジング&アルカンターラ素材採用の限定モデル「Tribute7」など、技術的キーポイントとなるいくつかの新製品が登場しており、そういった新世代の技術やノウハウがこの「Signature Studio」には反映されているというのだ。俄然、興味が沸いてくる。

ちなみに、他の“Signature”モデルと同じくヘッドホン側に2.5mm3極端子を採用する着脱式ケーブルは、3.5mmステレオミニ端子の1.2mストレートケーブルと6.3mmステレオ端子の3mカールケーブルが付属される。さらに、セミハードの専用ケースも同梱されているが、こちらはなかなかに便利そう。セミハードといってもかなりがっちり作られているため、内部のヘッドホンをしっかり保護してくれそうだ。

ケーブルは着脱式。ヘッドホンとの接続端子は2.5mm3極端子を採用している

ケーブルは着脱式。ヘッドホンとの接続端子は2.5mm3極端子を採用している

ケーブルは、3.5mmステレオミニ端子の1.2mストレートケーブルと6.3mmステレオ端子の3mカールケーブルが標準で付属

専用セミハードケースは、ヘッドホン本体と2種類のケーブルを同時に収納可能だ

専用セミハードケースは、ヘッドホン本体と2種類のケーブルを同時に収納可能だ

粘りのあるしなやかな音が魅力的

さて、肝心のサウンドを聴いてみよう。まずは、Windows 10 PC(プレーヤーソフトはHQPlayer)にDACとしてiFi Audio「micro iDAC2」、ヘッドホンアンプとしてBURSON AUDIO「Soloist SL MK2」を接続し、試聴を行ってみた。

能率がいいのか、ボリュームは10時〜11時くらいで済む。リファレンスのFOSTEX「T50RP MKIII」だとだいたい12時くらいを常用しているので、それに比べるとはかなり鳴りやすい印象を持った。いっぽうで、帯域バランスや広がり感を考えると、ハイゲインで音量を絞った方が好みだった。

音質の特徴をひとことでいえば、粘りのあるしなやかな音。一聴すると、まずはULTRASONEのチタンブレーテッドドライバーらしい、キレがよく鮮度感の高い音が飛び込んでくるのだが、演奏の様子を細やかな部分まであまさず再現してくれるうえ、時間軸方向の繋がりがよいグルービー感溢れる抑揚表現を持ち合わせているため、演奏のひとつひとつ、音のひとつひとつがいつもより繋がりよく聴こえるのだ。

結果として、弦楽器はストリングの様子が、ピアノは演奏者の指の動きまでイメージできるほど。ヘッドホンの向こうで演奏を行うプレーヤーの存在を、リアルに感じ取ることができるのだ。例えれば、ディスプレイを4Kに買い換えて解像度を上げたら(もちろんコンテンツも4Kにしたら)映像が格段にリアルに感じられるようになった、そんなイメージのサウンドだ。おかげで、アコースティック楽器の演奏やライブ音源などは、生き生きとした臨場感のある演奏が楽しめる。

いっぽう、女性ボーカルはやや高域にクセが乗るが、基本的にはストレートな表現で、それぞれの歌声の魅力をしっかりと引き出してくれる印象だ。また、音色傾向としては、モニターライクな変調や演出のないストレートな表現を基本としつつ、チタンブレーテッドドライバーらしいというべきか、高域が鋭くパワフルなキャラクターに仕立てられている。このあたりは「Signature PRO」と共通しているので、金額的にこれまで手が出なかった、という人は「Signature Studio」を一聴してみてはいかが。大いに気に入ってもらえるはずだ。

鳴りやすそうなイメージだったので、最後にハイレゾ対応DAPでも試聴してみた。Iriver「Astell&Kern AK70」に接続したところ、音量は100前後で十分だし、帯域バランスも良い感じ。ポータブル環境でも充分に楽しめそうだ。逆に、低域の解像度感や高域の節度ある表現など、個人的にはこちらで聴いた表現の方が好みだったりする。

iriverのハイレゾポータブルDAPのエントリーモデル「AK70」との組み合わせてみた。ポータブル環境でも十分楽しめるのはうれしい限り

というように、この「Signature Studio」は、基本的にはスタジオモニターの“Signature”モデルとして作られたのだろうが、音色傾向さえ気に入れば、室内でも屋外でも、大いに活躍してくれそうな製品だ。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る