選び方・特集

《2023年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

10. Bose「QuietComfort Earbuds II」
本体サイズは従来比約3分の1に! 強力なノイキャン機能を搭載したBose渾身の1台

ノイズキャンセリング機能の老舗メーカーであり、一日の長を持ち合わせているBoseから、ノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「QuietComfort Earbuds II」が発売された。

なかでも特に注目したいのが、小型軽量化だろう。Boseの完全ワイヤレスイヤホンはこれまでかなり大型だったため、耳穴の小さい人が使うには少々厳しいところがあった。完全ワイヤレスイヤホンとしてノイズキャンセリング機能を初搭載した先代「QuietComfort Earbuds」もしかり。その部分が大きく改善され、「QuietComfort Earbuds II」は先代の約1/3という驚くほどの小型化を実現し、軽快な装着感をもたらしてくれるようになった。実際に装着してみても、耳穴のホールドが弱いセミカナル型ながら、耳からこぼれ落ちることがまずなくなってくれた。装着の快適さとホールド感の高さを巧みに両立した、すばらしいデザインだと思う。

また、「QuietComfort Earbuds II」にはセミカナル型のイヤーピースに加えスタビリティバンドと呼ぶ小柄なイヤーフックが付属しているため、ユーザーそれぞれにマッチした装着を行うこともできる。このあたりの確実さは、セミカナル型イヤホンを長らく作り続けているBoseならではのアドバンテージだろう。セミカナル型が苦手で、ちょくちょく耳からこぼれ落ちてしまう筆者も、試聴テスト時に一度も落ちることがなかったほどだ。

いっぽうで、ノイズキャンセリング機能の効果も出色の出来だった。アプリからコントロールというか、効き具合を調整できるのだが、その設定がなかなか絶妙だった。効果を最大にすると辺り一面ほとんど音のない空間が広がってくれる。それでいて、ノイズキャンセリング機能特有の圧迫感はいっさい感じさせない絶妙な調整具合なのだからすばらしい。騒音レベルの高い場所でも、ストレクなく過ごすことができそうだ。効き具合を緩めても、人の声はなんとなく伝わってくるけどファンノイズや暗騒音など耳障りな音はしっかりマスクしてくれる。好みや場所によって積極的に使いわけしたい、インテリジェントなノイズキャンセリング機能だ。このあたりは、個人パーソナライズ機能「CustomTuneテクノロジー」の効果も大きいものと思われる。

また、先代から継承したノイズキャンセリング機能と外音取り込みをシームレスに10段階調整できるアプリ操作も秀逸のひと言。ことノイズキャンセリング機能に関しては、Boseのアドバンテージはいまだ揺るぎないものと言える。

このほかにも、イヤホン単体のバッテリー性能が最大6時間に伸びていたり、IPX4の防滴性能を確保していたりと、使い勝手の将来性でさまざまな魅力を持ち合わせているが、いちばん感心したのがずばり音質だ。

そのサウンドはBoseらしさが戻ってきたと言うべきか、迫力のよさと自然な音色が巧みに両立している、旧きよきボストンサウンドを継承した絶妙なサウンドチューニングに仕立て上げられている。おかげで、楽曲が印象的に感じられ、それでいて聴き心地のよいサウンドを楽しませてくれる。ボーカルの歌声は男性も女性も自然、ベースやドラムなどのリズムパートはグルーヴ感のよい演奏となっているため、思わず体が動き出してしまうノリのよさがある。また、自然な音色傾向はクラシックからJポップまで、さまざまな音楽にマッチしてくれる。高級モデルにふさわしい機能性と音質を持ち合わせた、良質な製品だ。

イヤホン重量(片耳):6g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6時間
再生時間(充電ケース併用):最大24時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:トリプルブラックソープストーン

11. Bose「QuietComfort Earbuds」
Bose初のノイキャン機能搭載完全ワイヤレスイヤホン

Boseの完全ワイヤレスイヤホンとしては2代目となる「QuietComfort Earbuds」。ノイズキャンセリング機能に定評のあるBoseだが、意外にも完全ワイヤレスイヤホンとしてノイズキャンセリング機能を搭載したのはこの製品が初となっている。

イヤホン本体は、装着時にやや横長となるデザインを採用している。これは、装着感と操作性に配慮した結果なのだろう。また、耳に装着する部分はBoseユーザーにとってはおなじみの、ノズル部分のイヤーピースがカナル型に近いインナーイヤー型を採用。良好な装着感を持ち合わせている。なお、イヤーピースには同社がスタビライザーと呼ぶイヤーフィックが一体となったものが採用されていて、装着格の高さが求められている。

本体もやや大柄で、重さも8.4gと完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや軽快さに欠けるものの、同社初の完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDSPORT FREE WIRELESS HEADPHONES」に比べれば圧倒的に軽く、サイズも大幅にコンパクト化されている。コーデックはSBCとAACに対応。IPX4の防滴性能も持ち合わせている。

操作系は、音量調整がない点は残念だが、そのほかはノイズキャンセリング機能の調整(11段階で10−5−0の順)も含めてイヤホン本体から行える。とはいえ、おすすめはアプリ「Bose Music」からの操作。こちらを使用することで11段階のノイズキャンセリングのレベル調整が行え、しかもレベル10だと強めのノイズキャンセリング、レベル0にすると自然な外音取り込みといったように、実際の使い勝手がとてもよかったりする。いかにもBoseらしい、ユーザーフレンドリーなユーザビリティだ。

さて、実際のサウンドを聴いてみる。いい意味でとても普通な音。解像感はそれほど高くないけれど、音色が据え置き型のスピーカーを聴いているかのような自然さを持ち合わせている。おかげで、女性ボーカルは実体感のあるニュートラルな歌声を聴かせてくれる。ハスキーな声の人はハスキーに、かわいらしい声の人はかわいらしく、本来の歌声の魅力を存分に楽しませてくれる。ただひとつ、100〜120Hzあたりの低域にピークを感じる部分があるため、楽曲によっては(特にJポップなどは)リズムパートのフォーカスがにじんでしまうこともある。このあたりは、好みがわかれそうだ。イヤホン本体と充電ケースがやや大きいのが気になるところではあるが、ノイズキャンセリングを日常的に活用したい人にとってはかなり使い勝手のよい製品と言えるだろう。

イヤホン重量(片耳):8.5g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6時間
再生時間(充電ケース併用):最大18時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:トリプルブラックソープストーンストーンブルーサンドストーン

12. Bose「Sport Earbuds」
コンパクトなスポーツタイプでBoseサウンドを楽しめる1台

Bose「Sport Earbuds」は、Boseの完全ワイヤレスイヤホンの中でもスポーツモデルに位置付けられる製品で、そういった意味ではBose初の完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDSPORT FREE WIRELESS HEADPHONES」の直接的な後継モデルといえる製品だが、外観はまったくの別物と呼べるくらい異なっていて、重量も6.8gと格段に軽くなっている。同時発売された「QuietComfort Earbuds」とデザイン面では近いが、さらにイヤホン本体が小さく軽快な装着感をキープした製品、といったところ。装着性については「QuietComfort Earbuds」と同じく「StayHear Maxチップ」を採用しているが、軽量コンパクトなためか、装着感は多少こちらのほうが良好だ。

正直な話をすると、筆者は「StayHear Maxチップ」と相性が悪く、イヤホン本体が耳からこぼれ落ちてしまうのだが、「Sport Earbuds」だけは重心バランスがよいのか、しばらくの間ホールド状態が保たれ試聴し続けることができた。Boseのイヤーピースが苦手、という人もぜひ一度は試してみてほしいところだ。

いっぽうで、不満な点もある。それは、バッテリー性能がイヤホン単体で5時間、充電ケース併用で最大15時間と、やや心許ないスペックとなっていることだ。15分の充電で2時間が使用可能な急速充電に対応しているので、使い勝手の面で大きな不自由はなさそうだが、もう少し長いとうれしいところだ。なお、スポーツモデルらしく、イヤホン本体はIPX4の防滴仕様も備わっている。そのほか、コーデックは、SBCとAACに対応。着脱に対応して自動的に音楽再生/停止される装着センサーも備わっている。

さて、肝心のサウンドはというと、カラッとしたドライな中高音と、ゆったりとしたボリューミーな低音が組み合わされたメリハリのよいキャラクターに仕立てられている。とはいえ、低域のバランスにそれほど違和感がないので、ドンシャリ然としたイメージはなく、どちらかといえば低域がマスクされがちな屋外に強いポップなサウンド、いったイメージだろうか。女性ボーカルは、スッとしたスマートな声を聴かせてくれるし、男性ボーカルも低域の量感の多さに埋もれることなく、芯のある朗々とした歌声を聴かせてくれる。バッテリー持続時間など多少のマイナスポイントはあるものの、音質、装着感など、製品としての完成度は高い。まずまず良質な製品と言えるだろう。

イヤホン重量(片耳):6.75g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大5時間
再生時間(充電ケース併用):最大15時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:グレースホワイトバルティックブルートリプルブラック

13. ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 3」
ノイキャン性能が大きく進化! ゼンハイザーのフラッグシップTWSの3代目モデル

ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンフラッグシップ「MOMENTUM True Wireless」の第3世代モデル。コンセプトとしては音質を最優先すること、マテリアルの質感にこだわる点などには変わりなく、さらなる最新技術を投入することでクオリティを向上させているという。

さまざまな面が刷新された第3世代モデルだが、なかでも最大のセールスポイントが「デュアルアクティブノイズキャンセリング」だろう。こちら、フィードフォワードマイクとフィードバックマイクを組み合わせたハイブリッド方式のノイズキャンセリング機能で、フィードフォワード方式だった第2世代モデルに対して精度が大きく向上している。ゼンハイザーといえばこれまで音質を最優先するためシングルタイプのノイズキャンセリング機能の採用に留まっていたが、Bluetoothチップとは別にノイズキャンセリング機能の制御とDAC機能を融合した独自チップによるシステムを開発。これを活用することで、音質を犠牲にすることなく高精度なノイズキャンセリングを実現できたのだという。

また、イヤホン本体のデザインも大きく変更されている。元々「MOMENTUM True Wireless」シリーズは個性的なデザインを採用していて、それ故に結構大型で、耳の小さい人が装着するには少々難しい状況となっていた。第2世代モデルでも耳側のデザインを改善し装着感を向上させてはいたが、大きさはわずかに小型化した程度だった。いっぽう、今回の第3世代モデルではイヤホン本体のデザインを刷新し、小型化することで装着性のよいデザインへと変化している。実際に装着してみると、フィット感は良好。イヤーフィンもあるので、イヤーピースを含めてサイズをしっかりしっかり選べば、耳から落下することはほとんどないだろう。

さらに、外音取り込みや通話用のマイクにもひと工夫がなされている。フィードフォワードマイクだけでなく、フィードバックマイクで耳管や骨を通じて響く音を収音、活用することで、明瞭な通話音声を実現しているという。また、外音取り込み機能「トランスペアレントヒアリング」は、自然な外音を作り上げていることはもちろん、取り込みレベルをアプリで無段階調節できるなど、使い勝手の面でも工夫が盛り込まれている。

機能面では、IPX4の防滴性能を確保しているほか、バッテリー性能はイヤホン本体で最大7時間、充電ケースとの組み合わせでは最大28時間を確保。10分の充電で1時間使える急速充電も備わっている。なお、外装にファブリック素材を採用する充電ケースはかなり小さくなったが、ワイヤレス充電規格のQiに新たに対応している。

さて、ゼンハイザー最大のこだわりポイントである音質はというと、まるで同ブランドの有線イヤホンを聴いているかのよう。たっぷりとした低域とキレのある高域、スムーズな音場の広がりなど、表現力の高いサウンドが楽しめる。ある程度の解像感が確保され、メリハリもよく、しかも破綻がないので、迫力があるのに聴き疲れしない、絶妙なチューニングだ。このあたりは、自社開発の7mm口径ユニット「TrueResponse(トゥルーレスポンス)トランスデューサー」に加え、「IE 600」と同じバックボリューム機構を導入したことも大きいのだろう。有線イヤホンとイコールの音質、とまではいかないが、それほど違和感のない、完成度の高いサウンドといえる。機能性も含めて、フラッグシップモデルにふさわしい製品だ。

イヤホン重量(片耳):5.8g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大7時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合)
再生時間(充電ケース併用):最大28時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックグラファイトホワイト

14. ゼンハイザー「CX Plus True Wireless」
上位モデルと同じドライバーユニットでaptX Adaptiveにも対応する高コスパノイキャンTWS

ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンラインアップにおいて、フラッグシップモデル「MOMENTUM True Wireless 3」とエントリーモデル「CX True Wireless」の中間に位置付けされるミドルクラスの製品が「CX Plus True Wireless」だ。

しかし、単純にミドルクラスとは言い切れないいくつかの機能性を持ち合わせている。まず、外観についてはパッと見ただけでは「CX True Wireless」とほとんど変わりない。充電ケースもほぼ同じだ。しかしながら、わずかだかイヤホン本体が小型化されており、イヤーモニター然とした形状とも相まって、さらに良好な装着感を持ち合わせるようになった。

また、ノイズキャンセリング機能に関しても、フィードフォワード(外側)マイクによるノイズキャンセリング機能となっているが、イヤホン本体やイヤーピースの形状を工夫することで遮音性を高め、フィードバックマイクなしでも高い遮音性を実現しているという。このほかにも、イヤホンを外すと音楽再生が停止される「スマートポーズ」や、通話時などに便利な片耳だけでの使用(「CX True Wireless」にも実装)、外音取り込み機能、IPX4の防滴性能など、使い勝手の面ではなかなかの充実度を誇っている。

バッテリー性能もイヤホン単体で最大8時間(ノイズキャンセリングオフの場合)、充電ケース併用で最大24時間と十分なスペックを持ち合わせている。こと機能面に関しては、ほとんど不満のない製品に仕上がっていると思う。

「MOMENTUM True Wireless 2」などにも使われている7mm径「TrueResponse(トゥルーレスポンス)トランスデューサー」を搭載し、新たにaptX Adaptiveにも対応したという「CX Plus True Wireless」のサウンドを確認すべく、スマートフォンとaptX Adaptive接続してみたが、ダイレクト感の高さと、ニュートラルな音色が絶妙にバランスしたサウンドだった。ボーカルの定位はかなり近く、とても力強い。Aimerなどと相性がよく、ほんのちょっとハスキーな、それでいて本来の大人っぽい雰囲気の歌声を聴かせてくれた。高域はていねいな表現が特徴で、金管楽器やピアノなどはクリアネスな音色が心地よい。いっぽう、低域はかなり量感があり、ベースやドラムはかなり存在感を主張する。おかげで、ロックやジャズはノリのよい演奏が楽しめるし、クラシックも壮大なイメージのサウンドに思える。

さらに特徴的だったのが、音の広がり感のよさだ。aptX Adaptiveならではの解像感が生かされているのだろう。左右に大きく、奥行き方向にも距離感を持つサウンドステージが広がり、アーティストの意図が伝わる、臨場感あふれる演奏を楽しむことができる。この空間表現の巧みさは、aptX接続までしか対応していない「MOMENTUM True Wireless2」では敵わないところがある。aptX Adaptive対応のデバイスを持っている人はぜひ一度体感してみてほしい。

イヤホン重量(片耳):6g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大8時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合)
再生時間(充電ケース併用):最大24時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックホワイト

15. Technics「EAH-AZ60」
LDACにも対応。装着感もアップしたTechnicsの最新ノイキャンTWS

日本の老舗オーディオブランドであるTechnics(テクニクス)が展開する最新のノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンが「EAH-AZ60」だ。製品名から「EAH-AZ70W」の下位モデルのようにも思えるが、「EAH-AZ60」は、音質と機能の両面で「EAH-AZ70W」と並び立つモデルとして作り上げられている。

たとえば「EAH-AZ60」は、8mm口径と「EAH-AZ70W」に対して小口径ではあるものの、完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的大型のドライバーユニットを搭載しつつ、耳側のデザインを追求したり、内部レイアウトを工夫することで耳からの飛び出しを少なくするなど、フィット感の高いデザインを作り上げている。さらに、BluetoothはLDACコーデックに対応するなど、デジタルパートでのグレードアップも押し進められている。このように、「EAH-AZ70W」に対しては第2世代に相当する進化が押し進められているのだ。両者は上下としてとらえるのではなく、並び立つ製品としてとらえ、音の好みと機能性でどちらを是とするか、というのがよさそうだ。

ということで、今回は「EAH-AZ60」の機能性やサウンドについて紹介していこうと思う。「EAH-AZ60」最大の注目ポイントといえば、メーカーが高性能さをアピールするノイズキャンセリング機能だろう。「EAH-AZ60」では、フィードフォワードマイクによるデジタル制御と、フィードバックマイクによるアナログ制御を組み合わせた「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」を採用している。こちら、「EAH-AZ70W」にも採用されているTechnicsの独自技術だが、さらなるクオリティアップを押し進めることで、「EAH-AZ60」は業界最高クラス(2021年8月14日時点でのTechnics調べ)のノイズキャンセリング性能を実現しているという。

また、「トランスペアレントモード」と「アテンションモード」という2つの外音取り込み機能を用意。屋外での利用、周囲の会話やアナウンスを聴きたい時など、さまざまなシチュエーションで重宝してくれる。ただし、2つの外音取り込みモードの切り替えはアプリから行うようで、このあたりはイヤホン本体から簡単にできるとよかったかもしれない。

また、マイク性能のよさも「EAH-AZ60」の特徴だ。ビームフォーミング技術や音声解析技術などを組み合わせることで作り上げた独自のマイク音声処理技術「JustMyVoice」を搭載。独自の音声解析によって発話者の声とノイズを切りわけ、ノイズのみを低減することで相手にしっかりと声が伝わる快適な通話を実現しているという。実際に試してみたが、確かに、なかなかのクオリティを持ち合わせている。トーンの低い男性の声であっても、言葉のニュアンスが明瞭に伝わってくれるのはありがたいかぎりだ。また、自分の声をリアルタイム録音&ディレイ再生してくれる「JustMyVoice」も重宝する。

さて、肝心のサウンドはというと、メリハリのよいダイレクトな表現と、きめ細やかなディテール表現の両立が巧みで驚く。低域は量感があり、十分な迫力を持ち合わせているのだが、同時に中高域がとてもていねいな表現なので、演奏や歌声のディテールがしっかりと届いてくれる。高域に嫌なざらつき感もなく、聴き心地もよい。このあたりは、LDACコーデックの恩恵も大きいのだろう。結果として、女性ボーカルが存分に魅力的な歌声を楽しむことができるし、Jポップとの相性もよく、AimerやMYTH & ROIDは普段よりも力強い、それでいてどことなく透明感を感じるのびのびとした歌声を聴かせてくれる。音楽ジャンルを選ばない、懐の深いチューニングだ。ノイズキャンセリング機能やマイク性能を重視したい、けれども音質には妥協したくない、という人にはぜひ注目してほしい製品だ。

イヤホン重量(片耳):7g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大7時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合)
再生時間(充電ケース併用):最大24時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックシルバー

16. Beats by Dr. Dre「Beats Fit Pro」
高いフィット感と充実の機能性を備えたBeatsの最新TWS

「Beats Fit Pro」は、Beats(Beats by Dr. Dre)ブランドのノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン。2019年発売の「Powerbeats Pro」、2021年夏発売の「Beats Studio Buds」に続く第3のモデルで、価格的には両者の中間に位置している。基本的にはごく一般的なイヤーモニター系のスタイルを採用しているものの、Beatsが長年にわたって集めてきた耳型を元にした本体デザインやイヤーピースの採用によって、性別や耳のサイズを問わず、誰でも自然で心地よいフィット感が得られるという。なお、「Beats Fit Pro」は専用アプリも用意され、こちらを活用することで最適なイヤーピースのサイズをチョイスできるようになっている。

機能面では、「Apple H1」チップを搭載し、アップルが手がける空間オーディオにフル対応していることが大きなポイントとなっている。立体的な音響空間を楽しめるだけでなく、ヘッドトラッキングにも対応しているなど、アップルの「AirPods Pro」などと同等の最新機能を楽しむことができる。また、ノイズキャンセリング機能に関しては、マイク数こそ公表されていないものの、実際にテストしてみると、必要十分な効果を持ち合わせていた。それほど強くはないが、とても自然な消音、といった印象だった。いっぽう、外音取り込みに関しては、比較的自然な音に感じられるなかなかのすぐれもので、使い勝手がよさそうだ。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大6時間、充電ケース併用で最大24時間と、数値的には十分と言える。また、同社が「Fast Fuel」と呼ぶ急速充電により、5分で1時間の再生ができるようになっているのもうれしいポイントだ。ちなみに、防滴性能はIPX4となっていることから、名前の“Fit”はガチなフィットネス(スポーツ)用ということではなく、あくまでもフィット感のよさを強調している製品なのだろう。なお、BluetoothコーデックはSBCとAACに対応している。

そのサウンドは、Beatsブランドとしては意外にも自然で聴き心地のよい音色傾向だった。もちろん、高域は鋭く伸び、低域も量感たっぷりだが、ボーカルなどの中域がしっかり届くバランスを持ち合わせているなど、アップルの音作りと共通する方向性が垣間見られる。そのため、音楽ジャンルはEDMやポップスがいちばん得意であるものの、クラシックやハードロックなども“普段よりもちょっとメリハリ重視かな?”といった印象だけで、十分に楽しむことができる。強いこだわりを持つ装着感の良好さも含めて、なかなか魅力的な製品だと思う。

イヤホン重量(片耳):5.6g
イヤホン操作:物理ボタン
再生時間(イヤホン単体):最大6時間
再生時間(充電ケース併用):最大24時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:BeatsブラックBeatsホワイトセージグレイストーンパープル

17. Beats by Dr. Dre「Powerbeats Pro」
「Apple H1」を搭載したBeats初のTWS

Beats初の完全ワイヤレスイヤホン「Powerbeats Pro」。アップル「AirPods」シリーズにも搭載されている「Apple H1」チップを搭載することで、iPhoneやiPadなどとの接続性、利便性を追求したモデルに仕上がっているのが特徴となっている。

イヤホン本体は、一般的なカナル型というよりも、スポーツモデルのようなイヤーフックを採用したスタイルとなっている。しっかりした装着を実現する太めのイヤーフックなど、外観は「Powerbeats3 Wireless」に近いイメージとなっているが、ディテールはかなり異なっていて、完全ワイヤレスイヤホン専用にデザインされているのがわかる。

操作系は、上側に音量の+/−が可能なボタンと、再生/停止/受話などが行えるハウジング部のbマーク(ちなみに2回押しが曲送りで3回押しが曲戻し)の2つがレイアウトされている。こちらの操作感は良好で、とても扱いやすかった。また、本体にはセンサーが付属しており、装着すると再生が始まり、外すと再生が停止するようになっている。こちらもなかなかに便利だ。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大9時間、充電ケース併用で24時間以上の使用が可能となっている。さらに、5分の充電で90分の再生が行えるようになる急速充電機能(Beatsでは「Fast Fuel」機能と呼んでいる)もあるので、外出時にバッテリー切れで困ることはまずないはずだ。

ほかにも、充電ケースを開けてiPhoneを近づけるだけでペアリングしてくれたり、ケースの接続端子がLightningだったり(製品にはLightning to USB-Aケーブルが付属)、Siriに対応していたりと、iPhone/iPadユーザーにはとても扱いやすい仕様となっているのもポイントだろう。

さて、そのサウンドはというと、カリッとした、ハリのある中高音が特徴。ヌケのよい、広がり感のある清々しいサウンドが楽しめる。いっぽう低域は、十分な量感を持つが、全体の帯域バランスを崩すようなことはなく、どこまでもクリアな、上質な印象を感じさせるサウンドにまとめ上げられている。解像感がそれほど高くはないが、そういった不足を感じさせない。絶妙なチューニングと言えるだろう。

サウンドも使い勝手も満足できる内容となっている「Powerbeats Pro」だか、唯一残念なのが音漏れに関して。「Powerbeats Pro」は、かなり盛大に音漏れするため、電車内などではボリュームを大きく絞る必要がある。決して大げさな話ではなく、開放型ハウジング採用のインナーイヤーに近いのでは、と思えるほどの音漏れだったりするのだ。というのも、先日たまたま電車内で「Powerbeats Pro」ユーザーを目の前にしたのだが、こちらは座っていて、その人は立っているのにもかかわらず、どんな楽曲を聴いているのか丸わかりだった。利用シーンによってあらかじめ注意が必要だということは覚えておいてほしい。

イヤホン重量(片耳):11g
イヤホン操作:物理ボタン
再生時間(イヤホン単体):最大9時間
再生時間(充電ケース併用):最大24時間以上
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:モスアイボリーブラックネイビーラーバレッドネイビー(2022)アイボリー(2022)ブラック(2022)グレイシャーブルースプリングイエロークラウドピンク

18. JBL「LIVE FREE 2」
上位モデルと同じ充実の機能性。ノイキャン付きの高コスパ完全ワイヤレス

JBL「LIVE FREE 2」は、ノイズキャンセリング機能を搭載したミドルクラスに位置付けされる完全ワイヤレスイヤホン。最大の特徴は、上位モデルと同じくハイブリッド式のノイズキャンセリング機能を搭載していること。さらに、ノイズキャンセリングヘッドホン「TOUR ONE」で採用されたノイズキャンセリング機能の「リアルタイム補正」機能を、同社完全ワイヤレスイヤホンとして初めて搭載したのもポイントだ。なお、外音取り込みに関しては「アンビエントアウェア」「トークスルー」2つのモードを持ち合わせ、さらに、マイクの自分の声と周囲の音量バランスを調整できる選択できる「ボイスアウェア機能」も搭載され、周囲の迷惑にならない声の大きさでスムーズな通話が行えるよう工夫されている。

イヤホン本体、およびケースの小型軽量さも「LIVE FREE 2」の魅力だ。イヤホン本体は重さ4.9gとかなり小型軽量で、かつ楕円形のデザイン、楕円形のノズル部などによって軽快かつ良好なフィット感を持ち合わせている。耳からの飛び出しも少ないのも好印象だ。バッテリー性能は、ノイズキャンセリング機能オンの場合で最大6時間、充電ケース併用で最大28時間の使用が可能となっている。また、15分ほどの充電で4時間の再生が可能となる急速充電機能も用意されている。

充電ケースは薄型コンパクトなサイズで、持ち運びに便利。また、フタの裏側にシリコン製のスタビライザーを採用しており、イヤホン本体を確実に密着させ、安定した充電を行ってくれるという。そういった特徴もあってか、(初回使用時には)フタを開けただけですぐにペアリングモードに移行、スムーズかつスピーディにスマートフォンと接続することができた。最近の完全ワイヤレスイヤホンは接続がスムーズに行える製品が増えているが、その中でも「LIVE FREE 2」はかなり扱いやすい製品のひとつとなっている。ワイヤレス充電に対応しているのもうれしいポイントだ。

さて、肝心のサウンドはというと、クリアネスで見通しのよいサウンドが特徴。低域はたっぷりとした量感があり、同時に高域の抜けがよいパワフル志向のサウンドキャラクターではあるが、低域のフォーカス感がよいため中域をマスクすることなく、高域も鋭すぎず、迫力と聴き心地が絶妙なバランスで整えられている。おかげで、女性ボーカルはヌケのよい伸びやかな歌声を聴かせてくれるし、ギターのフレーズも普段より印象的に聴こえる。印象派のモニターサウンドとも言い換えてよいかもしれない。表現力、聴き心地ともに好ましいサウンドだ。ノイズキャンセリング機能の効き具合もまずまずで、なによりも音質的になかなかの魅力を持ち合わせている、優良な製品だ。

イヤホン重量(片耳):4.9g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合は最大7時間)
再生時間(充電ケース併用):最大28時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合は最大35時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX5相当)
対応コーデック:SBC、AAC(アップデートでLC3対応予定)
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックブルーシルバーローズ

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