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高機能なハイエンドモデルから高コスパモデルまで!続々登場する最新機種も網羅!

《2020年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

6. アップル「AirPods Pro」
カナル型デザインになり、待望のノイズキャンセル機能も搭載した最注目モデル

アップル「AirPods Pro」 カナル型デザインに刷新されたイヤホン本体。イヤーピースは楕円形だ クラムシェルタイプの専用ケース。「AirPods」に比べて横幅が広がり、多少大きくなった アップル「AirPods Pro」を装着したところ

数多ある完全ワイヤレスイヤホンの中でも、圧倒的な人気でナンバーワンのシェアを保ち続けているアップル「AirPods」に、新バリエーションが登場。それがこの「AirPods Pro」だ。

「AirPods Pro」は、従来の「AirPods」の上位に位置するモデルで、イヤホン本体のデザインやノイズキャンセリング機能など、デザインや機能性を大きく変更したのが特徴となっている。また、操作にコツがいるマルチタップシステムも感圧センサーに変更され、一段とわかりやすく扱いやすい操作方法となった。要するに、ユーザーから要望があがっていたさまざまなポイントに改良を施し、より高機能でより扱いやすい製品へと進化しているのが「AirPods Pro」の特徴といえる。加えて、カナル型イヤホンとなったことによりホールド感も格段に向上し、IPX4レベルの耐汗防滴性能と合わせて、フィットネスやランニング等のスポーツユースにも活用できるようになった。まさに、うれしい改良が施された使い勝手のよい製品といえる。

特に、カナル型イヤホンとなってくれたのは大いに歓迎したい。耳掛け型だったこれまでの「AirPods」は、筆者はもちろん、利用者の多くが“使用中に耳からポロリとこぼれ落ちてしまう”ことがあり、紛失が深刻なレベルでの問題となっていた。また、音漏れに関してもかなりの音量となっていて、正直、混雑時の電車内などでは周囲の迷惑を考えると使いづらかった。日本人および日本の都会の環境には適合しにくい部分があったのだが、カナル型イヤホンとなった「AirPods Pro」は、装着感や音漏れの面でもかなりの良好さを持ち合わせるようになっている。

とはいえ、「AirPods Pro」のノズル部分はそれほど長くなく、緩くはめ込むカタチとなっていて、サイズをしっかり合わせないと外れやすい。筆者は普段MかMSサイズのイヤーピースを使用しているのだが、「AirPods Pro」ではLサイズでピッタリだった。一般的なカナル型イヤホンとはホールドされる位置が異なっているので、同梱されているS/M/Lイヤーピースのうち、どのサイズがベストか、しっかりと試して欲しい。ちなみに、「AirPods Pro」にはうれしいことにイヤーピースの装着状態テストも用意されている(設定アプリの「Bluetooth」をタップして接続中の「○○ 's AirPods Pro」の横の「i」をタップするとAirPods Proの設定画面が表示されるのでその中の「イヤーチップ装着状態テスト」をタップ)ので、こちらを使ってフィット感を確認して欲しい。

「AirPods Pro」のイヤーピースは、楕円形の独自デザインが採用されていて、台座部分も一体化されており、イヤホン本体から簡単に外れないようになっている。イヤホンを外した際に耳からこぼれ落ちたり耳穴に残ったりしない点は大歓迎だが、その代わりにサイズ交換がかなりしづらい。実際、サイズ交換のため何回か試してみたが、シリコン部分を破ってしまわないか、かなりヒヤヒヤした。皆さんも、交換の際には十分注意して欲しい。

さて、音漏れに関してはもうひとつ、構造だけではなく新機能のノイズキャンセリングシステムもある程度の効果を発揮してくれている。「AirPods Pro」のノイズキャンセリング機能は、かなり強力なもので、環境騒音の中心である低域はもちろん、中域など人の声のあたりも含め、全体的に強く効かせている傾向にある。そのため、静粛性が高く、音楽の音量を自然と抑えるようになるため、音漏れが圧倒的に減ってくれるのだ。さすがに、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車では厳しいだろうが、多少混んでるくらいであれば大丈夫だろう。また、ノイズキャンセリング機能は外部音取り込みモードも用意されていて、こちらに変更すると外部の音がしっかりと届いてくれる。しかも、とても周囲の音がとても自然に感じられるので、徒歩などの移動中には積極的に活用したくなる。製品によっては、この外音取り込みモードがかなり不自然な音になるため、あまり活用したい気持ちにはならないのだが、「AirPods Pro」では普段から利用したくなる質の高さがある。このあたりも「AirPods Pro」ならではのアドバンテージといえるだろう。

もうひとつ、専用ケースは「AirPods」に比べて横幅が広がり、多少大きくなった印象があるが、持ち運びの点で特に不満はない。ただし、イヤホン本体の取り出しには多少コツが必要で、手前にくるりと回すようにして取り出すため、慣れるまではポロリと落としてしまう場合がある。取り出しの際には、十分注意して欲しい。

さて、肝心のサウンドはというと、基本的にはジェントルなサウンドキャラクターといえるもの。荒々しさをまったく感じさせない、ていねいな抑揚表現によって、落ち着きのある、聴き心地のよいサウンドを楽しませてくれる。男性ボーカルも女性ボーカルも、どちらかというとしっとりとした印象の朗々とした歌声て、聴き心地のよさはなかなかのもの。解像感はそれほど高くはないが、あまり気にならない良質な表現を持ち合わせている。その代わりに、ややパワー感に欠ける傾向はあるが、ハードロックばかり聴く人でもないかぎりは、それほど気にならないだろう。Jポップとの相性もまずまず良好なので、サウンドキャラクターを不満に思う人はそれほどいないだろう。

アップの初のノイズキャンセリング機能搭載カナル型イヤホン「AirPods Pro」は、なかなかに完成度の高い、充実した内容を持つ製品といえる。

イヤホン重量(片耳):約5.4g(片耳)
再生時間:最大4.5時間(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードをオフにした場合は最大5時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト

7. Anker「Soundcore Liberty Air 2」
音質や機能がさらに進化! 高コスパイヤホン「Soundcore Liberty Air」最新モデル

Anker「Soundcore Liberty Air 2」 スティック形状のイヤホン本体。IPX5対応で、スポーツにも積極的に使える 専用ケースは非常にコンパクトだが、ワイヤレス充電に対応するなど、使い勝手にもしっかり配慮されている Anker「Soundcore Liberty Air 2」を装着したところ

軽量コンパクトなイヤホン本体と(連用ケースからの充電を含めて)約20時間のロングライフ、コストパフォーマンスの高い価格設定などにより、高い人気を博した「Soundcore Liberty Air」の最新モデル。先代に対して、機能性やデザイン、音質面など、さまざまな面からグレードアップされたモデルに進化したのが特徴となっている。

ここではまず、「Soundcore Liberty Air」シリーズの変遷について軽く触れておきたい。実はこの「Soundcore Liberty Air 2」、シリーズとしては第2世代ながら3rdモデルにあたる製品となる。というのも、初代「Soundcore Liberty Air」には、1stモデルとマイナーアップデートした2ndモデル、2つのバリエーションがあるからだ。この2つは、外観はそれほど変化なかったものの、バッテリー持続時間など機能性についてかなりのバージョンアップを果たしている。そしてシリーズ第2世代にして3rdモデルとなる「Soundcore Liberty Air 2」では、機能性のさらなる向上に加え、ダイヤモンドコーティング振動板採用のドライバーを新採用するなど、音質にも注力した様子がうかがえる。

それでは、まずは「Soundcore Liberty Air 2」の、機能面の特徴について紹介していこう。イヤホン本体の連続再生時間は約7時間。これは、1stモデルの約5時間からは大きく向上したもので、十分以上のスペックといえる。実はこの数値、2ndモデルとほぼ同じだったりするのだが、「Soundcore Liberty Air 2」では新たにクイック充電にも対応。10分の充電で2時間の再生が行えるようになっている。また、専用ケースのほうもトータル約28時間というのも変わりないが、専用ケースがかなり小型化されたこと、ワイヤレス充電にも対応したことなど、利便性はかなり向上している。

このほか、イヤホン本体はIPX5の防水性能を持ち合わせていて、スポーツユースも可能。また、専用アプリも用意されていて、こちらを使って音の聴き取りやすさを測定し、サウンドバランスを自動的にカスタマイズする「HearID機能」も搭載。ユーザーにベストなサウンドを作り上げることができることに加えて、22種類のイコライザー設定がプリセットされていて、好みの音色傾向にカスタマイズすることも可能だ。

さて、肝心のサウンドはというと、ダイヤモンドコーティングならでは、といった印象のスピーディーな表現が特徴的だ。カリッとした中高域とパワフルな低域が合わさった、いわゆるドンシャリ傾向のサウンドキャラクターだが、ある程度の解像感が確保され、音数も多いため、勢い一辺倒ではない確かな表現力を持ち合わせている。ボーカルは男性も女性もクールで力のこもった歌い方だが、これはこれで気持ちいい。どうしても高域にクセの強い音がのってくるので、ピアノの音が音階によっては鋭過ぎる嫌いもあるが、これは借用したサンプル機が新品同様だったからなのかもしれない。もう少し聴き込んで、様子を見る必要がありそうだ。

先代に比べてデザインも上質なものとなり、使い勝手も向上。そして、音色傾向は好みが分かれるかもしれないが、音質的には悪くない。バランスのよい製品といえるだろう。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大7時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト

8. ソニー「WF-1000XM3」
ノイキャン性能や接続安定性を高めたソニーの最新完全ワイヤレスイヤホン

ソニー「WF-1000XM3」 イヤホン外側とノズル内部にマイクを2つ搭載し、ノイズキャンセリング性能を高めた。操作部分はタッチセンサー式で、同社ノイキャンヘッドホンでおなじみの外音取り込み機能「アンビエントサウンドモード」も健在だ 専用ケースはやや大柄だが、NFCによるワンタッチペアリング機能など、便利な機能を備えている ソニー「WF-1000XM3」を装着したところ

ノイズキャンセリングをはじめ、多彩な機能が搭載されたソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000X」がモデルチェンジ。「WF-1000XM3」へと生まれ変わった。

新モデルの特徴をひとことで表すならば、それはズバリ、コンセプトの完璧な実現、といったイメージだろうか。先代「WF-1000X」は、完全ワイヤレスイヤホンとして世界初となったデジタル・ノイズキャンセリング機能の搭載や、フラッグシップモデルらしい上質なサウンドで大いに人気を得ることとなったが、ソニーとしては初めて手がける完全ワイヤレスイヤホンだということもあってか、接続安定性や装着感などで、ユーザーから不満の声が上がることもままあった。そういった部分をすべてしらみつぶしに解消していき、フラッグシップモデルに相応しい“理想の”完全ワイヤレスイヤホンを作り出そうとした様子が、新モデル「WF-1000XM3」の随所からうかがえるのだ。

たとえば、イヤホン本体のデザインは、ハウジング部のオーバル形状など基本的なスタイルこそキープコンセプトであるものの、まったくの新造形となっているし、さらに耳側、ノズルまわりの形状はまったく異なるデザインへと変わっている。これによって、先代に対して格別となる、高い装着感を実現していることを確認できた。また、内部に目を移しても、Bluetoothチップセットを新規に開発するなど、徹底した改良が行われている。名前は“M3”だが、完全新作といっていいほどのブラッシュアップが行われているのは確かだ。

ちなみに、2代目なのに何故“3”なのか疑問に思ったのだが、その旨をたずねてみると、ノイズキャンセリング機能搭載ヘッドホン「WH-1000XM3」のイヤホン版という位置付けとなっているため、この名前を採用したようだ。正直、M3をマーク3と捉えると多少の違和感をもつが、ソニーとしてはマーク3の略と明言している訳ではなく、世代で製品名末尾をそろえるのは製品特徴として分かりやすい面もあるので、これはこれで分かりやすいかも、とも思えた。

いっぽう、機能面でも先代モデルに対しての進化がいくつも見られる。デジタル・ノイズキャンセリング機能は、新たにヘッドホンの外側と内側に配置した2つのマイクを配置した「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を完全ワイヤレスイヤホンとして初めて採用。さらに、ヘッドホン「WH-1000XM3」用のノイズキャンセリングプロセッサー「QN1」を省電力/小型化した「QN1e」を新たに搭載することで、ノイズキャンセリング機能の精度も高めている。さらに、ノイズキャンセリング機能のオンオフに加え、「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」も、イヤホン本体のタッチパッドから操作できるようになった。もちろん、スマートフォン用アプリからの操作も引き続き行えるようになっていて、こちらは外音取り込みレベルを22段階で調整可能なほか、ボイスフォーカスをONにすることで外のノイズを低減しつつ人やアナウンス音のみを聞きやすくすることもできる。また、ペアリングしているスマートフォンの加速度センサーを読んで、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンを検出して、あらかじめ設定したノイズキャンセリング&外音取り込みのモードを自動で切り替えてくる「アダプティブサウンドコントロール」も健在。使い勝手については、大いに満足のいくレベルだ。

なお、付属の専用ケースは先代に比べると多少コンパクトになった印象だが、他社製品の最新状況を踏まえると、大柄と感じてしまうサイズかもしれない。とはいえ、NFC機能が付属してくれているのはとても便利だし、約3回分のフル充電が行えることを考えると、許容できる範囲かもしれない。ちなみに、バッテリー持続時間は、イヤホン本体で約6時間、ケースからの充電もあわせると最大24時間使い続けることができるようになっている。充分な数値といえるだろう。

さて、実際の使い勝手はというと、装着感についてはなかなかのもの。ホールド感がしっかりしていて、耳からポロリとこぼれ落ちることはまずない。先代では、安定した装着が適わなかった筆者としてはありがたいかぎり。また、接続安定性に関しても、特に気になるほどではなかった。ヘッドホンイベント会場という、かなり劣悪な環境でも試してみたが、他社製品に比べると優秀といえる接続安定性を示してくれた。もちろん、相当な悪環境だったので接続が切れることは何回もあったが、クアルコム社製「QCC3026」搭載モデルなど接続安定性をアピールする製品と同等か、それ以上のクオリティは持ち合わせていたように思う。

肝心のサウンドはというと、SBC、AACコーデックのみの対応とは思えないほど、質感のよい表現を持ち合わせている。ピアノはタッチのニュアンスがしっかりと伝わってくることに加えて、倍音がしっかりと乗っているので、のびのびとした演奏に感じられる。ボーカルも迫力のある、メリハリのよい歌声を聴かせてくれる。アコースティック楽器が得意だった先代に比べると、オールラウンダータイプにシフトしたというべきか。ボーカルの押し出し感や、ドラムやベースのグルーヴ感の高さなど、メリハリのしっかりしたサウンドとなっている。幅広いジャンルの音楽が楽しめるようになったのは嬉しいかぎり。これでSBC/AACコーデックのみの対応というのはもったいない、もしLDAC対応であればさらに良質なサウンドが楽しめただろうと、少々残念な気持ちにはなっている。とはいえ、「WH-1000XM3」の音質、機能性は一級品といえるもの。上級クラス完全ワイヤレスイヤホンのリファレンスといえる、とても優秀な製品だ。

イヤホン重量(片耳):約8.5g
再生時間:最大6時間(NC ON)/最大8時間(NC OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/プラチナシルバー

9. Technics「EAH-AZ70W」
機能性も抜群!Technicsブランド初の完全ワイヤレスイヤホン

Technics「EAH-AZ70W」 音質優先で10mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載したこともあり、イヤホンはちょっとだけ大きめだ 専用ケースはクラムシェルタイプ。天面にメタリック素材を使用し、高級感あるデザインに仕上がっている Technics「EAH-AZ70W」を装着したところ

アクティブノイズキャンセリング機能を搭載した、Technicsブランド初の完全ワイヤレスイヤホン。音質はもとより、ノイズキャンセリング機能や接続安定性の高さ、アプリによるカスタマイズが可能な点など、音質はもちろんのこと、機能性にもこだわっているのが特徴だ。

まず、機能面で最大の注目といえるのが、アクティブノイズキャンセリング機能だろう。「EAH-AZ70W」には、デジタル制御を採用するフィードフォワード方式(イヤホン外側のマイク配置)と、アナログ制御のフィードバック方式(イヤホン内側のマイク配置)を組み合わせた独自の「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」が採用されている。これは、どちらもデジタル方式を採用すると音質的なデメリットを生じてしまうことから、これを回避すべくフィードバックにアナログ制御のものをチョイスしたという。これによって、音質に与える影響を最小限に留めつつ、自然なノイズキャンセリング機能を実現しているという。

実際に試してみると、強烈な効きというよりも、自然な効き、といったイメージで、その分音色が自然に感じられる。なかなか好印象な音作りに感じた。ただし、アクティブノイズキャンセリング機能をオンオフすると、ほんの少し音楽の表現が変わる。オフにしているときのきめ細やかな表現に対して、オンにするとやや客観的な、ダイナミックレンジの幅を少しばかり狭めたかのような表現になる。確かに、ノイズキャンセリング機能オンが必要な環境だと、こちらのバランスの方が聞き取りやすいかもしれない。

もうひとつ、接続安定性に関する工夫にも注目だ。「EAH-AZ70W」では、イヤホン本体が左右それぞれ直接スマートフォンと接続する「左右独立受信方式」を採用し、人体(頭)を間に挟むことでどうしても不利になりがちな接続安定性を解消しているという。また、TWS Plusのような対応スマートフォンが限られた規格ではなく、大半のスマートフォンでこの接続が可能だという転もメーカーはアピールする。また、タッチセンサー配線などもアンテナ回路に利用した「タッチセンサーアンテナ」を新開発するなど、ワイヤレス関連にパナソニック製コードレス電話で培った技術を投入しているという。

実際、iPod touchに「EAH-AZ70W」を接続して屋外テストを行ってみたところ、見通しのよい場所であれば30m近く離れても音切れすることなく音楽再生が楽しめた。接続テストを行った場所が住宅街のため、どちらかといえば良好な環境ではあるが、なかなかに優秀な結果といえる。

なお、ノイズキャンセリング用に加え、会話用としても左右1ペアのMEMSマイク(Micro Electro Mechanical Systems)を搭載。風切り音を低減する「ラビリンス構造」と、送話の音声とそれ以外の音を区別しノイズを低減する「ビームフォーミング技術」とを組み合わせることで、明瞭な音声での通話が可能となっている。こちらもなかなかにうれしい気づかいだ。

ほかにも、専用アプリではノイズキャンセリングの効果を100段階で調整可能なほか、イヤホン単体で約6.5時間(NC ON/AAC時)〜約7.5時間(NC OFF/AAC時)の連続再生(充電ケースとあわせて約19.5時間〜約22.5時間)、IPX4の防滴機能など、最新モデルならではの隅々まで配慮されたユーザビリティを持ち合わせている。こと機能面に関しては、完成度の高い製品だ。

音質にこだわり、10mm口径のグラフェンコートPEEK振動板採用ドライバーを搭載したという「EAH-AZ70W」の音はというと、ひとことで表現するならばバランス派。いちばん得意とするのはアコースティック楽器だが、JポップやJロックもイケる、懐の深さが特徴となっている。特に女性ボーカルは、細かいニュアンスがしっかりと伝わるため、実体感の高いリアルな歌声が楽しめる。また、ピアノも高域側の倍音成分がしっかり整っているため、伸びやかな響きだ。

ノイズキャンセリング機能のオンオフで多少なり音色の変化はあるものの、どちらも中域重視のバランスにブレはないので、どちらも良好な聴き心地となっている。初めてリリースした完全ワイヤレスイヤホンとは思えない、優秀な製品だ。

イヤホン重量(片耳):7g
再生時間:最大6.5時間(ノイズキャンセリングON、AAC接続時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/シルバー

10. パナソニック「RZ-S30W」
イヤホンが小さくて付け心地良好なお手軽モデル

パナソニック「RZ-S30W」 6mm径のダイナミック型ドライバーを採用したこともあり、イヤホン本体はシュッとした細みのスタイルだ 専用ケースはイヤホン本体と同じカラーリングを採用。フロント部分には電池残量を確認できるLEDも搭載する パナソニック「RZ-S30W」を装着したところ

Technicsブランドを含めると3モデルが同時発表されたパナソニック製の完全ワイヤレスイヤホンだが、その中でもこの「RZ-S30W」は末妹に位置するモデルで、唯一アクティブノイズキャンセリング機能が搭載されていないスタンダードモデルとなっている。そのため、コストの面で手頃さを感じる製品となっているが、いちばんのウリは価格ではなく、装着感であることが注目ポイントでもある。

ドライバーは、3モデル中最小口径となる6mmのダイナミック型ドライバーを採用。さらに、ハウジング形状に工夫を凝らすことでかなり小柄なイヤホン本体にまとめられており、女性でも違和感なく装着できるようになっている。確かに、他社製品を含めて装着感のよさはかなりのもの。筆者は耳穴サイズこそMで大丈夫なものの、使用中にこぼれ落ちやすい傾向があるのだが、「RZ-S30W」については、重量の軽さも手伝ってか、ピッタリとフィットし、試聴中にこぼれ落ちてしまうようなことはいっさいなかった。

また、ノイズキャンセリング機能が搭載されないかわりに連続再生時間が長くなっていて、イヤホン単体では約7.5時間(AAC)、充電ケースを合わせると約30時間(AAC)の使用が可能となっている。また、IPX4の防滴機能も用意。イヤーピースは、女性ユーザーを意識してか、他の2モデルとは異なるXSサイズを付属(XS〜Lの4サイズ)。細やかな気配りが行き届いた、魅力的なパッケージにまとめ上げられている。

いっぽう、上位モデルの「RZ-S50W」同様、左右それぞれにイヤホン本体が直接スマートフォンと接続する「左右独立受信方式」を採用したり、タッチセンサー配線などもアンテナ回路に利用した「タッチセンサーアンテナ」を搭載するなど、接続安定性や通話用マイクの明瞭さなどが、上位モデルと変わりない点もうれしいところだ。

さて、肝心の音はというと、3モデルの中ではいちばん聴き心地のよい、ポップで明るい印象のサウンドが楽しめた。音色傾向的にはニュートラルといえる範疇に位置するが、キレのよさから、とても軽快な歌声&演奏に聴こえるのだ。女性ボーカルはしっとりした落ち着きのある歌声だし、ピアノの演奏も軽やか。長時間でも聴きやすいサウンドだ。

ちなみに、上位モデル「RZ-S50W」はもう少し彫りの深い、抑揚に富んだサウンドとなっている。ドライバー口径の恩恵か、ワイドレンジさ、解像感の高さもこちらの方が有利。しかしながら、明るく楽しい「RZ-S30W」のサウンドを聴いていると、これはこれで魅力のある表現だと思える。「RZ-S30W」の音や装着感がとても魅力的なため、「RZ-S50W」とどちらを選ぶかは思っているほどには悩まないかもしれない。逆に、「RZ-S50W」はTechnicsブランドの「EAH-AZ70W」とどちらにするか悩む人が多くなりそうだ。

イヤホン重量(片耳):4g
再生時間:最大7.5時間(AAC接続時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:グリーン/ブラック/ホワイト

11. ヤマハ「Empower Lifestyle TW-E3A」
独自機能「リスニングケア」を搭載したエントリーモデル

ヤマハ「Empower Lifestyle TW-E3A」 イヤホン本体はオーソドックスな楕円形。奥行の厚みがややある クラムシェル型の専用ケース。イヤホンのでっぱり部分が多く、ケースから取り出しやすい ヤマハ「Empower Lifestyle TW-E3A」を装着したところ

オーディオ機器やホームシアター機器はもちろん、楽器から音楽制作機器まで、幅広いサウンド関連機器を手がけるヤマハから、初の完全ワイヤレスイヤホンが登場した。先日、「TW-E7A」「TW-E5A」「TW-E3A」という3モデルが同時発表されたが、いずれもユーザーのライフスタイルに寄り添うことをコンセプトとした「Empower Lifestyle」シリーズでの展開となる。また、3製品のうち「TW-E7A」のみノイズキャンセリング機能を持ち合わせている。今回は、3製品の中から先んじて発売されたエントリーモデル「TW-E3A」をピックアップして紹介していこう。

ヤマハ製完全ワイヤレスイヤホンの特徴といえば、AVアンプ開発で培った技術を応用したという独自機能「リスニングケア」を搭載することだろう。これは、「耳の安全を守る」ことに配慮した設計で、音量によって異なる聴こえ方を解析し、ボリュームごとに最適な帯域バランスになるよう補正してくれるというもの。実際には、専用再生アプリ「Headphones Controller」と連動し、設定された音量に合わせてイヤホン本体内のイコライジング機能(低域/中低域/中域/高域の4バンド)を自動調整。小ボリュームでも、迫力を損なわないサウンドを作り上げてくれるのだという。当然、エントリーモデル「TW-E3A」にもこの機能は搭載されている。

このほか、クアルコム社製SoC「QCC3026」を搭載し、高い接続安定性を提供するほか、TWS Plus(TrueWireless Stereo Plus/左右独立通信技術)にも対応。連続再生時間も約2時間の充電で6時間使用することができ、専用ケースからの3回分の充電も合わせると、最大24時間の音楽再生が可能となっている。コーデックも、SBCやAACに加えてaptXに対応する。このほか、ボタン操作によるSiri/Googleアシスタントなどボイスアシスタント機能の起動に対応していたり、IPX5相当の生活防水を有していたりと、充実した内容を誇っている。特に、「QCC3026」SoCを搭載しながらも1万円前後の価格帯を想定しているのは、なかなかに意欲的な価格設定といえる。

さて、実際の製品を手にしてみると、イヤホン本体は、最新モデルの中ではほんの少し奥行きが厚めのような気がする。これは、耳穴側に滑り止め用のシリコンカバーが付属しているためなのかもしれない。実際に装着してみると、片側6.3gという比較的軽量さとも相まってか、さほど違和感はなかった。ちなみに、専用ケースの方は持ち運びしやすい小型のタイプで、かつイヤホン本体が取り出しやすい(ハウジング部分の飛び出しが大きくつかみやすい)ため、好感が持てた。また、ハウジング部の操作ボタンは“カバーされた押しボタン式”といった印象のもので、やや硬めではあるものの、着実な操作が行えた。

さて、肝心のサウンドはというと(アプリを利用し「リスニングケア」をオンにしてウォークマンNW-ZX507で試聴)、低音はボリューミーで、高域もエッジのある煌びやかなキャラクターを持ち合わせている。ただし、重低音というよりは、クセのないモニター系統のサウンドをベースにややメリハリを強調したといったイメージ。それなのに、あまり聴き疲れしない不思議なキャラクターとなっている。これぞ「リスニングケア」ならではの恩恵なのだろう。また、音量を下げても結構ディテールが見える質のよいサウンドを聴かせてくれる。確かに、解像度を求めてついつい音量をアップさせてしまう、ということはなさそうだ。楽曲も、Jポップからクラシックまで得手不得手がなく、とても扱いやすい。ファーストモデルとは思えない、完成度の高い製品だ。

イヤホン重量(片耳):6.3g
再生時間:最大6時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト/スモーキーブルー/スモーキーピンク

12. アップル「AirPods」(第2世代モデル)
「Siri」による音声操作に対応したAirPodsの第2世代モデル

アップル「AirPods」(第2世代/Wireless Charging Caseモデル) 最新の「H1」チップを搭載し、低消費電力化や接続機器の切り替え速度が向上 Wireless Charging CaseはLEDの位置がケースフロントに変更され、外から確認できるようになった アップル「AirPods」(第2世代モデル)を装着したところ

完全ワイヤレスイヤホンの牽引役にして、ジャンル最大の販売数を誇るアップル純正モデル「AirPods」が新モデルへと進化した。本体に関して外観の変更はほとんど見られず、ケースも同じデザインながら、Qiによるワイヤレス充電に対応したこと(非対応ケース付属の製品も用意される)、LEDが外部に移動されて充電状況が外からわかりやすくなったことなど、いくつかの利便性向上が図られている。

とはいえ、イヤホン本体も情報をよく見てみると、いくつかの性能アップが盛り込まれているのがわかる。「AirPods」はもともと、取り出すだけでiPhoneと簡単に接続でき、左右を意識せず(実際形状的にはLRはあるが)装着するだけで音楽再生を楽しむことができるうえ、同じApple IDを登録したiPadやMacなどとペアリング情報が共有されるため、機器ごとに設定する必要もない。これまでもアップル製品のユーザーには、とても使い勝手のよい製品となっていたのだが、新世代の製品では声で音声アシスタント「Siri」を呼び出せるなど、いくつかの機能性アップも行われている。

これは、ワイヤレスモジュールの変更によって実現した機能性だと思われる。初代「AirPods」では「W1」というチップを採用していたが、新モデルでは「H1」へと変更され、低消費電力化や接続機器の切り替え速度向上など、主に使い勝手の面でグレードアップが行われている。使いやすさを重視した製品作りは、アップルらしい方向性だといえる。

しかしながら、「AirPods」も純然たるオーディオ機器であるのも確か。一番重要なのは、その音質だろう。ということで、さっそくiPhoneに接続して、そのサウンドをチェックしたが、初代「AirPods」に対して、ややニュートラルなサウンドキャラクターにシフトしたイメージだ。初代「AirPods」は、昔のBoseのようなアメリカ東海岸サウンドとも呼ぶべき音色傾向を持ち合わせていたが、最新の「AirPods」は、逆に中域重視のキャラクターが強まり、奔放さよりもまとまりのよさを重視したような印象となった。

ややウォーミーな音色傾向を持ち、女性ボーカルはいつもよりハスキーだが、高域への伸びやかさはしっかりと保たれていて、印象的な歌声を聴かせてくれる。ピアノの響きも伸びやかだ。解像感も高まってくれているのだろう、楽器の音色もリアリティが高まっている。音質については、確実なグレードアップを果たしている印象を持った。機能性といい音質といい、グっと完成度の高まった製品に生まれ変わったと思う。

インナーイヤー型なので、当然音漏れはある。また、街中で耳からポロリとこぼれ落ちた人を何人も見ている(そのうち2人の女性は線路に吸い込まれていった)。電車内で使用する際は音量に気を使う必要があり、歩きながらの使用は(こぼれ落ちるのを回避するためにも)避けてもらいたい製品だが、いっぽうでこの扱いやすさは大きな魅力といえる。特にアップル製品ユーザーにとっては、最有力候補となる製品だ。

イヤホン重量(片耳):約4g(片耳)
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(15分の充電で最大3時間の再生、内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト

13. JVC「HA-A10T」
エントリーモデルとは思えないサウンドクオリティに注目!

JVC「HA-A10T」 専用ケースはコンパクトさにやや欠けるが、バッテリー残量を確認できるLEDインジケーターや、クイックチャージ機能など、使い勝手に配慮した機能はありがたい JVC「HA-A10T」を装着したところ

最近は完全ワイヤレスのラインアップ拡充にも力を注いでいるJVCから、いくつかの新製品が登場した。そのひとつ「HA-A10T」は、エントリークラスに位置するハイ・コストパフォーマンスモデルだ。

完全ワイヤレスとしてはとてもオーソドックスなデザインのイヤホン本体は、比較的コンパクトなサイズにまとめ上げられていて装着感もよく、ハウジング側に配置されているプッシュボタンもシンプルで操作しやすい。楽曲操作に加え、2クリックで音量調整(左が小、右が大)ができるのも嬉しい。また、専用ケースは今となってはやや大柄な部類になってしまうのかもしれないが、決して邪魔にならないサイズをキープしているし、何よりもイヤホン本体が取り出しやすくてありがたい。そのほか、連続再生時間は約4時間と必要十分なレベルはキープされ、15分の充電で約1時間の連続再生が可能なクイック充電にも対応している。防水性能も、IPX5が確保されている。

そして、この製品の最大の特長といえば、そのサウンドクオリティだろう。ダイレクト感の高い、メリハリに富んだサウンドを聴かせてくれるのだが、その質感が、価格帯を大きく上まわる良質さを持ち合わせているのだ。実際に聴いてみると、ボーカルは声の特徴をしっかり届けてくれるし、ギターはエッジの効いた演奏を楽しませてくれる。とても距離感の近い音なので、普段よりも音楽にのめり込んで聴くことができる。エントリーユーザーだけのものにしておくにはもったいない、Jポップやロックを楽しむためのサブ機として手元に置いておきたくなる、聴き応えのあるサウンドだ。

イヤホン重量(片耳):約5.2g
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC
カラーバリエーション:インディゴブルー、ブラック、ミスティグレイ、ダスティピンク

14. Bose「SoundSport Free wireless headphones」
スポーツユースも想定したBose初の完全ワイヤレスイヤホン

Bose「SoundSport Free wireless headphones」 イヤホン上部にはオンオフ/音量調整ボタンを搭載 充電は専用ケースを使用。満充電で約5時間の音楽再生が可能だ Bose「SoundSport Free wireless headphones」を装着したところ

Bose初となる完全ワイヤレスイヤホン。ジョギングなどのスポーツユースにも配慮されており、本体は防滴仕様となっている。また、本体右側にはオンオフ/音量調整ボタンが配置されており、必要な操作はこちらから直接行えるようになっている。ワンボタンだけではなく、音量の+−まで用意されているのはありがたいきがりだ。また、連続再生時間も5時間と、ほかに類のないロングライフを確保している。2回分の満充電が行える専用ケーズとあわせて、大きなアドバンテージとなっているのは確かだ。

いっぽう、装着感に関しては、本体サイズがかなり大柄なものの、イヤーピースにウイングのついた「StayHear+ Sportチップ」を採用することで、安定した装着感を確保しているとアピールする。実際、試聴時に首を振るなどいろいろと試してみたが、よほど激しい動きをしないかぎり、外れてしまうことはなかった。

音質に関しては、Boseらしいサウンドというべきか、量感のある低域と張り出しのよい中域によって、実体感のあるリアルなサウンドを聴かせてくれた。特に男性ボーカルは、芯のしっかりした歌声に柔らかい低音がわずかに付帯して、なかなかセクシーな歌声に感じられる。チェロなどの弦楽器も、音に深みがあって印象的な演奏に感じられる。Bluetooth、しかも完全ワイヤレスになっても、Boseらしさあふれるサウンドが健在なのはありがたい限りだ。

ただし、注意点がふたつ。こちらの製品、かなり大柄な本体となっているため、女性の中には装着に違和感を覚える人がいるかも。また、「StayHear+ Sportチップ」は完全なカナル型ではないため、多少の音漏れが発生するので、混雑した電車内などでは音量に気をつけたいところだ。

イヤホン重量(片耳):約9g
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分の充電が可能)
対応コーデック:SBC
カラーバリエーション:トリプルブラック、ミッドナイトブルー×イエローシトロン

15. Beats by Dr. Dre「Powerbeats PRO」
最新AirPodsと同じApple H1チップ搭載! Beats初の完全ワイヤレスイヤホン

Beats by Dr. Dre「Powerbeats PRO」 イヤーフックを採用したスタイルは、「Powerbeats3 Wireless」に近いが、細部が若干異なる クラムシェルタイプのケース。充電端子はiPhoneと同じLightning端子だ Beats by Dr. Dre「Powerbeats PRO」を装着したところ

Beats初の完全ワイヤレスイヤホンがこの「Powerbeats PRO」だ。現行「AirPods」にも搭載されているアップル社製「H1」チップを採用することで、iPhoneやiPadなどとの接続性、利便性を追求したモデルに仕上がっているのが特徴となっている。

イヤホン本体は、一般的なカナル型というよりも、スポーツモデルのようなイヤーフックを採用したスタイルとなっている。しっかりした装着を実現する太めのイヤーフックなど、外観は「Powerbeats3 Wireless」に近いイメージとなっているが、ディテールはかなり異なっていて、完全ワイヤレスイヤホン専用にデザインされているのがわかる。

操作系は、上側に音量の+/−が可能なボタンと、再生/停止/受話などが行えるハウジング部のbマーク(ちなみに2回押しが曲送りで3回押しが曲戻し)、ふたつがレイアウトされている。こちらの操作感は良好で、とても扱いやすかった。また、本体にはセンサーが付属しており、装着すると再生が始まり、外すと再生が停止するようになっている。こちらもなかなかに便利だ。

専属再生時間は最大9時間ほど。専用ケースからの充電を含めると、24時間以上の使用が可能となっている。さらに、5分の充電で約90分の再生が行えるようになる急速充電機能(BeatsではFast Fuel機能と呼んでいる)も持っているので、外出時にバッテリー切れで困ることはまずないはずだ。

そのほか、専用ケースを開けてiPhoneを近づけるだけでペアリングしてくれたり、ケースの接続端子がLightningだったり(製品にはLightning to USB-Aケーブルが付属)、Siriに対応していたりと、iPhone/iPadユーザーにはとても扱いやすい仕様となっている。とはいえ、このあたりはAndroidユーザーにとってはデメリットになることが多いので、あくまでもiPhone/iPadユーザーをメインとした製品といえる。

さて、そのサウンドはというと、カリッとした、ハリのある中高音が特徴。ヌケのよい、広がり感のある清々しいサウンドが楽しめる。いっぽう低域は、十分な量感を持つが、全体の帯域バランスを崩すようなことはなく、どこまでもクリアな、上質な印象を感じさせるサウンドにまとめ上げられている。解像感がそれほど高くはないが、そういった不足を感じさせない。絶妙なチューニングといえるだろう。

サウンドも使い勝手も満足できる内容となっている「Powerbeats PRO」だか、唯一残念なのが音漏れに関して。「Powerbeats PRO」は、かなり盛大に音漏れするため、電車内などではボリュームを大きく絞る必要がある。決して大げさな話ではなく、開放型ハウジング採用のインナーイヤーに近いのでは、と思えるほどの音漏れだったりするのだ。というのも、先日たまたま電車内で「Powerbeats PRO」ユーザーを目の前にしたのだが、こちらは座っていて、その人は立っているのにもかかわらず、どんな楽曲を聴いているのか丸わかりだった。ラッシュ時の電車などでは、まず使えないといっていいだろう。「AirPods」も含め、アップル社製イヤホンは音漏れについてあまり配慮していない傾向があるので、そのあたりはあらかじめ注意が必要だ。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大9時間
充電方法:専用ケース(イヤホン本体と合わせて24時間以上再生可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:アイボリー/ブラック/ネイビー/モス

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