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《2018年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー! 音質や装着感を徹底検証

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2016年秋に、Apple「iPhone 7」シリーズがヘッドホン出力端子を廃止して以降、急激に注目度を高めているのがBluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンだ。実際、ここ1〜2年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンジャンルのなかでも、主流のひとつとなりつつあるのは確かだ。

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhone 7/iPhone 7 Plusの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

“ワイヤレス”という圧倒的な利便性をもつBluetoothヘッドホン&イヤホンだが、よくよく見てみると、最新モデルのなかにいくつかのトレンドがあることに気がつく。まず、中上級クラスの製品の大半が、aptXやAACなどの高音質コーデックに対応するようになったことだ。

これは、単純にいま主流のBluetoothモジュール(安価なものを除く)がaptXに対応したためで、ひと昔前のようにaptX対応を“自慢”することが差別化のアピールにはならなくなってきている。いま、高音質をアピールしたいのであれば、LDACやaptX HDへの対応が必須だ。とはいえ、音質面での底上げが進んでいることは、いちユーザーとして嬉しい限りではある。

いっぽうで、Bluetoothヘッドホン&イヤホンの低価格化、正確な表現をすると価格帯のワイドレンジ化というのも進んできている。これは、いままで市場になかった3,000円前後のBluetoothイヤホン、5,000円前後のBluetoothヘッドホンといった、エントリー向けの格安モデルが登場してきたからだ。

こちらは、Bluetoothの利便性をより多くのユーザーに提供すべく、音質や耐久性よりも手頃な価格を優先したモデルとなっている。そのため、大半の製品がスタンダードなSBCコーデックしか対応していなかったりするが、圧倒的な説得力を持つ低価格さで、過去にない数の売れ行きを示しているのも確かだ。

そのいっぽうで、LDACやaptX HDをも採用する5万円超の高級モデルも新たに登場してくるなど、いまやBluetoothヘッドホン&イヤホンは、さまざまなタイプや趣向のユーザーに向けた、多彩なラインアップが取り揃うようになってきた。

そういった、幅広い製品ラインアップのなかにあって、ここ最近特に注目を集めているのが、"完全ワイヤレスイヤホン"だ。「トゥルーワイヤレス」や「耳栓型イヤホン」、「左右分離型」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンに存在する左右の筐体を結ぶケーブル等を廃して、完全左右独立となったイヤホンとなっている。

そう、ワイヤレスといっても、Bluetoothイヤホンは左右の筐体(耳に装着する部分)をつなぐケーブルが必要となっており、ヘッドバンドで左右をつないでいるヘッドホンはまだしも、イヤホンに関しては、この左右の接続ケーブルの扱いに不満を持っているユーザーが少なからずいたのも確かだ。完全ワイヤレス方式のBluetoothイヤホンでは、左右の筐体それぞれに小型バッテリーを内蔵したり、機器の認識方法を工夫するなど、左右をつなぐケーブルを不要としたのだ。結果、これまでにないほどに身軽なワイヤレスイヤホンが登場することになったのである。

もちろん、完全ワイヤレス方式のBluetoothイヤホンならではのデメリットもある。連続再生時間が短かったり、紛失しやすかったり、スマートフォンに認識させるのにちょっとしたコツが必要だったりする。しかし、充電機能を持った小型ケースが付属していたり、独自の認識方式を採用することで手間なくスマートフォンでも使い始められたりと、最新モデルではさまざまな改善が行われ、デメリットも解消されつつある。

また、2018年に入ってからはさまざまなメーカー/ブランドから次々と新製品が登場し、完全ワイヤレスBluetoothイヤホンはますますの盛り上がりを見せている。そこで、今回から数か月にわたり、完全ワイヤレスイヤホンの新製品を紹介していこうと思う。内容は、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めレビューさせていただく。もちろん、これまでの製品レビューも別ページに掲載しているので、多くの中〜、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

目次
2018年6月追加分
1. ソニー「WF-SP700N」
2. サムスン「Gear IconX」
3. パイオニア「SE-C8TW」
4. EARIN「EARIN M-2」
2018年6月以前に紹介した製品はコチラ
5. ソニー「WF-1000X」
6. Bose「SoundSport Free wireless headphones」
7. アップル「AirPods」
8. B&O PLAY「Beoplay E8」
9. ERATO「Apollo7s」
10. JayBird「RUN TRUE WIRELESS SPORT HEADPHONES」
11. NuForce「BE Free8」
12. ERATO「VERSE」
13. GLIDiC「Sound Air TW-5000」
14. YEVO Labs「YEVO1」
15. SOL REPUBLIC「AMPS AIR」

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1. ソニー「WF-SP700N」
ノイキャン機能を備えたスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホン

ソニー「WF-SP700N」 そら豆のような楕円形のユニークな形状を採用。IPX4相当の防滴にも対応する スライド式のフタで片手で簡単にあけられる専用ケース ソニー「WF-SP700N」を装着したところ

「WF-1000X」に続く、ソニーとして2製品目となる完全ワイヤレスイヤホン。同社が得意とするノイズキャンセリング機能を搭載しつつも、スポーツモデルに仕立てられた、キャラクターの明確な製品にまとめ上げられている。

まず、本体の重量は約7.6gと「WF-1000X」に対してはほんのわずかに重くなってはいるものの、それでもかなり軽量な部類に属する。また、IPX4相当の防滴対応や「アークサポーター」と呼ばれるフィンも付属され、スポーツやフィットネス時に大いに活用できる仕様が盛り込まれている。

もうひとつ、「WF-SP700N」の特徴となっているのがノイズキャンセリング機能だ。しかも、単なるノイズキャンセリングではなく、環境音や人の声を取り込む「アンビエントサウンドモード」が搭載されており、ランニングなどのスポーツを行っている際にも安全な運用が可能となっている。また、コントロールはスマートフォン用のアプリから行えるようになっており、ノイズキャンセリング、外音取り込み(ボイスモード)、外音取り込み(ノーマルモード)の3タイプを設定できるため、環境に応じたモードを設定することができる。このため、スポーツ時だけでなく、通勤時など普段使いでも大いに活用が可能だ。ちなみに、スマートフォン用のアプリには、イコライザー機能も搭載されており、自分好みの音色傾向にカスタマイズすることもできる。

バッテリー持続時間は、約3時間と十分な内容を持ち合わせている。加えて、2回のフル充電ができる専用ケースが付属されており、どちらのフル充電しておけばトータル9時間ほどの利用が可能だ。また、NFCにも対応しており、スマートフォンを近づけるだけで手軽にペアリングを行うことができる。いろいろな記事で書かせてもらっているが、やはりNFC対応は便利だ。また、対応コーデックはSBCとAACの2つのみとなっている。先の「WF-1000X」同様、LDACへの対応は見送られたようだ。

さて、肝心のサウンドはというと、伸びやかなイメージのサウンド。メリハリのよい中高域と力強いドラム&ベースによって、ノリのよいサウンドが楽しめる。ボーカルはほんのちょっぴりドライで、どちらかというと爽やかなイメージの歌声だ。「WF-1000X」に対して音質的には劣るものの、価格差を考えると悪くないレベルだし、逆にこちらの方が好み、という人もいるはず。外音取り込み機能や装着感の確かさも含めて、なかなか使い勝手のよい製品だ。

イヤホン重量(片耳):約7.6g
再生時間:最大約3時間(ノイズキャンセリングON/OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト、ブラック、イエロー、ピンク

2. サムスン「Gear IconX」
スマホなしでも音楽再生を楽しめる完全ワイヤレスイヤホン

サムスン「Gear IconX」 本体内にメモリーを内蔵しており、スマホなしでも音楽を楽しめる 専用ケースも非常にコンパクトだ サムスン「Gear IconX」を装着したところ

サムスン製スマートフォン「Galaxy」シリーズをメインターゲットとしつつも、幅広いandroidスマートフォンでの活用も視野に入れた完全ワイヤレスイヤホン。専用アプリとの連携することで、イヤホン本体内の加速度センサーを使ったコーチングプログラムによる「フィットネストラッカー機能」や、外音取り込み機能と音楽再生のボリュームバランスを調整できるなど、細部まで配慮の届いた便利な活用が行えるようになっている。対応コーデックは、SBCのほかに、サムスン独自の「Samsung Scalable codec」にも対応。同コーデック対応の「Galaxy」スマートフォンとの組み合わせで、良質かつ安定した接続を確保している。

さらに特徴的なのが内蔵メモリーを使ったプレーヤー機能により、スタンドアロンで音楽再生を楽しめる(対応ファイルはMP3とM4A、AAC、WMA、WAVなど)ことだ。しかも、左右それぞれに4GBのメモリーを内蔵して同時再生するため、スマホと連携しなくても、音切れゼロで音楽再生を行うことができる。かなり力業だが、他に類のない完璧な再生方法である。また、連続再生時間はワイヤレス接続時で最大5時間、スタンドアローンモードでは最大7時間とかなりのスペックを誇る。

音質に関しては、パワフルさとクリアさをあわせ持つイメージ。強めの低音とクリアな中高域によって、メリハリのよいリズミカルなサウンドを楽しむことができる。ピアノの音はなかなかに伸びやかで、広がり感もしっかりしている。女性ボーカルも、高域にハリのある凜とした歌声だ。また、高域や低域の特徴に関しては、イコライザー機能である程度好みに合わせられるので、そちらを活用するのもよさそうだ。

イヤホン重量(片耳):約8g
再生時間:ストリーミングモード時最大約5時間、スタンドアロンモード時最大約7時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで1回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、Samsung Scalable codec
カラーバリエーション:ブラック、グレー、ピンク

3. パイオニア「SE-C8TW」
パイオニアブランド初の完全ワイヤレスイヤホン

パイオニア「SE-C8TW」 本体はやわらかいシリコン素材で包まれている スライド式の専用ケース。サイズはやや大ぶりだ パイオニア「SE-C8TW」を装着したところ

パイオニアブランド初の完全ワイヤレスイヤホン。本体にはマットフィニッシュのシリコン製スリーブで覆われ、全体が約2mmピッチのディンプルが形成されている。これによって、装着時の安定性が確保され、同時に汗の蓄積による蒸れなど軽減し快適性も高められている。その内部には6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。小口径ドライバーを採用することで、耳奥にしっかりと収まるデザインを実現しているという。

バッテリーの持続時間は、約3時間と完全ワイヤレスイヤホンとしては標準的。付属ケースにより2回の充電が行えるようにもなっている。ちなみに、ケースは充電端子にUSB-Type Cを採用している。スマートフォンへの今後の普及を考えると、ありがたい選択肢だ。

機能面では、パイオニア製Bluetoothヘッドホン専用アプリ「Notification App」に対応しており、音楽再生を楽しみながらメールやLINE、Facebook Messengerなどの通知を音声の読み上げで確認することができる。こらちは、なかなかユニークな機能性だといえる。なお、コーデックはSBCとAACに対応する。

肝心のサウンドはというと、エッジの明瞭なメリハリのある表現が特徴で、芯のある低域とも相まって、グルーヴ感の高いサウンドが楽しめる。ハードロックやエレクトロ系、Jポップなど、ビートが強めのサウンドがもっとも良好な相性を見せ、ノリのよいビートと、ちょっとだけドライで凜とした歌い方のボーカルが楽しめる。上品な印象のデザインも含め、なかなかに所有欲をくすぐる製品だ。

イヤホン重量(片耳):約12g
再生時間:最大約3時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ブラック

4. EARIN「EARIN M-2」
完全ワイヤレスイヤホンブームの火付け役がさらに進化して登場

EARIN「EARIN M-2」 本体は非常に小さく、まさに耳栓サイズ スティック型のケースも非常にコンパクトだ EARIN「EARIN M-2」を装着したところ

完全ワイヤレスイヤホンの代表格であり、現在のブームの火付け役でもあるスウェーデンのオーディオメーカー「EARIN」の第2世代モデル。直径14.5×高さ20mm、重さ3.6gという超軽量小型ボディは維持しつつ、随所にブラッシュアップが施されているのが特徴だ。

まず、本体デザインはイヤーモニター系を意識したデザインへと変更され、装着感が格段に向上した。いっぽうで、フォームタイプのイヤーチップもフィット感や遮音性を向上させるなど、随所に改良が加えられている。それにも増して便利なのが、本体に左右の区別がなく、耳に装着した時点で内蔵センサーが働き左右のポジションを自動検出すること。装着時、いちいちLRを確認しなくて済むのはとにかくスマートだ。これだけでも、十分な価値観を見いだせる。ちなみに、発売当初は左右の認識が甘く逆転するなどの意見も見られたが、今回のテストでそういった症状が出ることはまったくなかった。

加えて、ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能を掛け合わせた「トランスパレンシー機能」が追加されているのも特徴だ。こちらを活用することで、街中でも安全に音楽鑑賞を楽しむことができる。また、専用アプリを活用することで、音量だけでなく聞こえてくる環境音の“距離”を設定できるのもユニークなところ。音楽を停止すると外音の取り込みを行い、音楽の再生が始まると自動的にオフになる「オートモード」も用意されており、音楽に集中することも可能だ。また、左右間の接続にはNXPR Semiconductors社が開発したNFMI(近距離磁器誘導)技術である「MiGLOテクノロジー」が採用され、音切れや遅延なども大きく改善されたとアピールする。

いっぽうで、先代でも人気の高かったリップスティック型ケースも、アウターボディをメタル製にし、取出口に向かってわずかに細くなるデザインに変更するなど、より上質なイメージとなった。また、ケースのmicroUSBコネクターのまわりにはLEDが配置され、“3つ点灯しているときは3回の充電が可能”というようにひと目でケース側の充電状況も分かるようになっている。これもなかなかに便利だ。ちなみに、本体は最大再生時間が4時間、ケースからの充電を合わせると約14時間の連続使用が可能となる。

ミニマムな本体サイズを想像させない、堂々とした鳴りっぷりが特徴のサウンド。低域は十分な量感があり、それでいてフォーカス感も良好。中高域もメリハリがハッキリしているため、はつらつとした元気溢れるサウンドを楽しむことができる。とはいえ、表現が荒いというわけではなく、高域のニュアンス表現は丁寧で、女性ボーカルやピアノの演奏は、とても表情豊かに感じられた。パッケージングの絶妙さといい、初代からの完成度の高さをしっかり受け継いだ、なかなかの優秀機だ。

イヤホン重量(片耳):約3.6g
再生時間:最大約4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX
カラーバリエーション:ブラック、アルミシルバー

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