選び方・特集

《2023年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

19. オーディオテクニカ「ATH-TWX9」
音質とノイズキャンセリング機能を徹底追及したオーディオテクニカのフラッグシップTWS

音質とノイズキャンセリング機能、どちらのクオリティも妥協したくない人にとってかなりの有力候補となってくれるのがオーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンフラッグシップモデル「ATH-TWX9」だ。

まず音質面では、専用の5.8mm口径ダイナミック型ドライバーを新開発。クアルコムの対応SoCと組み合わせることで「Snapdragon Sound」に対応するほか、aptX Adaptive(96kHz/24bit)コーデックにも対応。80ms以内の低遅延と、ハイレゾ相当のワイヤレス再生を楽しむことができる。また、ソニー製品以外としては珍しく、「360 Reality Audio」にも対応している。Jポップなどで「360 Reality Audio」に対応した音源が増え始めている印象もあるので、人によっては購入時の重要ポイントとなってくれるかもしれない。

個性的、かつ装着感のよいデザインが採用されている「ATH-TWX9」だが、イヤーピースにもさらなるひと工夫が盛り込まれている。傘の部分と軸の部分で堅さの異なるハイブリッド構造のシリコンイヤーピースを採用しているほか、軸の長さが異なる3種類をサイズごと、合計12タイプを付属。1人ひとりにピッタリマッチする装着が可能だ。実際、筆者はショートタイプMサイズ、スタンダートタイプSサイズの2つともに良好で、どちらにするか迷うほど。試聴時にはとりあえずスタンダートタイプSサイズをチョイスした。

機能面ではやはりノイズキャンセリング機能が最大の注目ポイントだろう。フィードフォワード+フィードバックのハイブリッド方式を採用し、高精度のノイズキャンセリングを実現している。加えて、イヤホン装着時にロングタッチすることでイヤホン本体が周囲の騒音レベルを計測、自動的に最適なノイズキャンセリング特性を選び出してくれるという、インテリジェントな機能も備わっている。さらに、シチュエーションに合わせて5種類(Airplane、On The Go、Office/Study、Home、Train)のプリセットモードから選べるなど、使い勝手に配慮した機能性も持ち合わせている。

さて、そのサウンドはいかなるものか。手元にSnapdragon Sound対応スマートフォンがないため、Androidスマートフォンの開発者向けオプションを使い、aptX Adaptive(96kHz/24bit)コーデックに設定して試聴を実施したが、オーディオテクニカの高級イヤホンに通じる、フォーカスが高くハイスピーディ、エッジのはっきりしたクリアネスなサウンドで、あらゆる楽曲が躍動的に感じられる。aptX Adaptiveコーデックの恩恵もあってか、解像感も完全ワイヤレスイヤホンとしては望外の上質さを持ち合わせている。特にボーカルやアコースティック楽器などは、リアルさが伝わってきて音楽が一般的な完全ワイヤレスイヤホンに対して何倍も楽しく感じられる。音質的に有線イヤホンでないと納得できないオーディオテクニカ派にも気に入って貰えそうな、魅力あるサウンドだ。

イヤホン重量(片耳):5.4g
イヤホン操作:物理ボタン&タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合)
再生時間(充電ケース併用):最大18.5時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラック

20. オーディオテクニカ「SOLID BASS ATH-CKS50TW」
イヤホン単体で最大20時間。大容量バッテリーを搭載したノイキャンTWS

重低音モデル「SOLID BASS」シリーズのノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング機能は、フィードフォワード方式を採用し、周囲の音声をマイクで取り込みつつ音楽が聴ける「ヒアスルー」、再生中の音量を下げる「クイックヒアスルー」などの外音取り込み機能も備わっている。

「SOLID BASS ATH-CKS50TW」で大きなアドバンテージが、イヤホン単体で最大20時間、充電ケース併用で最大50時間というスタミナバッテリーだろう。特にイヤホン単体で最大20時間というのは、完全ワイヤレスイヤホンではほとんど見かけないほどの圧倒的なスペックだ。また、急速充電にも対応しており、10分の充電で90分(ノイズキャンセリング機能オフの場合)使用できる点もありがたい。

BluetoothコーデックはSBC、AAC、aptXに加えて、aptX Adaptiveにも対応する。さらに、「360 Reality Audio」の認定モデルであり、アプリ「Connect」を使って設定すれば、ソニーが推奨する立体音響を存分に楽しむこともできる。IPX4の防滴性能やAndroidデバイスと簡単接続できるFast Pair対応、2台の機器が同時接続できるマルチポイントに対応するなど、最新モデルならではの充実した機能性の魅力のひとつと言えそうだ。

装着感もなかなか良好だ。重低音モデルながら、比較的コンパクトなサイズなうえ、イヤーモニター然としたデザインを採用。傘部分と軸部分で硬さの異なるシリコンを採用した新開発のコンフォートフィットイヤピースなどにより、良好なフィット感をもたらしてくれる。

9mm口径という、完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや大きいドライバーユニットを搭載したそのサウンドは、「SOLID BASS」シリーズならではの重低音が特徴。パワフルで勢いのある低域表現によって、迫力あるサウンドを楽しめる。とはいっても、低域のフォーカスは緩すぎず、ハードロックなどもアプリのイコライザー調整などで十分対応可能だ。中高域は、エッジの効いた明瞭度の高い表現が特徴。BPMの速いEDMやJポップなどもノリのよいサウンドを聴かせてくれる。重低音モデルなのでサウンドに関しては好みがわかれるかもしれないが、こと機能性においてとても魅力的な製品と言えるだろう。

イヤホン重量(片耳):5.4g
イヤホン操作:物理ボタン
再生時間(イヤホン単体):最大20時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合は最大15時間)
再生時間(充電ケース併用):最大50時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合は最大37.5時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ベージュブラックブルー

21. オーディオテクニカ「SOLID BASS ATH-CKS30TW」
重低音「SOLID BASS」シリーズのTWSのエントリーモデル

重低音イヤホンの先駆者とも呼べるオーディオテクニカ「SOLID BASS」シリーズ。そんな同シリーズの完全ワイヤレスイヤホンタイプのエントリーモデルとして登場したのが「SOLID BASS ATH-CKS30TW」だ。

ディープな重低音を実現しつつも、片側4.5gと小型軽量なサイズを両立したのが特徴で、イヤホン本体には完全ワイヤレスイヤホンの「SOLID BASS」シリーズ専用となる9mm口径のダイナミック型ドライバーユニット「SOLID BASS HD TWSドライバー」を搭載。さらに、ドライバーユニット背面に空気の流れをコントロールする音響スペースと「アコースティックダクト」をレイアウトし、ドライバーユニットの動きを最適化することで、量感のある低音を実現しているという。

また、専用アプリ「Connect」を活用することで「SOLID BASS」シリーズ専用の「Bass Boost」2種類(DeepとBeat)を含む5つのプリセットイコライザーを利用することができる。好みに応じて、さらにディープな低域にカスタマイズすることも可能となっているのだ。ちなみに、好みのイコライザーを設定しておけば、アプリを立ち上げることなく、イヤホンのワンタップでいつでも呼び出すことができるようになっている。この手軽さは大変ありがたい。というのも、実際にアプリ内のイコライザー設定をいろいろと試してみたところ(2022年10月に対応した)、「Bass Boost」2種類はさすがに好き嫌いがわかれるレベルの低音増強ではあったが、騒音レベルの高い屋外でもそれなりの迫力で音楽を楽しみたい、という場合にはうまく活用できそうな印象も持った。また、低域がしっかりしているので全体的なボリュームを必要以上に大きくすることもなく、そこそこの音量でも迫力を失わず、グルーヴ感のあるサウンドが楽しめた。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大7.5時間、充電ケース併用で最大20時間と必要十分なスペック。IP55の防塵/防水機能も持ち合わせている。対応コーデックはSBCとAACの2つとなっている。

イコライザー設定の部分で簡単な音質について触れたが、総じて締まりのあるディープな低域は好印象。それに負けず、中域もパワフル、高域もエネルギッシュなので、勢いのあるサウンドが堪能できる。クラシックなどアコースティック楽器を多用する音楽ジャンルには向いていないものの、EDMやJポップだけでなく名盤ロックやジャズも楽しい。特に屋外、電車内などカナル型ですら騒音が入り込んでくるような騒音レベルの高い場所でも迫力のサウンドを楽しめるのはうれしいかぎり。重低音モデルなので好き嫌いはわかれるだろうが、音質、使い勝手の両面で十分に満足できる製品だ。

イヤホン重量(片耳):4.5g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大7.5時間
再生時間(充電ケース併用):最大20時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IP55相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックピンクベージュブルーホワイト

22. オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW」
カラフルで小さくてかわいい個性派デザインに注目!

オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンの中でも、ユーザビリティの高さを重視した製品となっているのがこの「ATH-SQ1TW」だ。6色のカラーバリエーションを用意し、個性的なスクエア基調のデザインを持つコンパクトなイヤホン本体は、耳の小さな人でもストレスなく装着が可能。充電ケースも、バックやポケットなどに収まりやすい小柄なサイズとなっている。

機能面では、イヤホン単体で最大6.5時間、充電ケース併用で最大19.5時間のバッテリー性能、SBCコーデックのみの対応ながら低遅延モードの搭載、Android OS搭載スマートフォンと簡単ペアリングできるFast Pair対応、音楽を聴きながら周囲の音を確認できるヒアスルー機能、両耳でも片耳でも使用可能など、スタンダードモデルとは思えない充実した内容を誇る。

さらに、実際の製品を手にしてみると、とても使い勝手のよい、ていねいに作り込まれた製品だということが実感できる。スマートフォンとペアリングを行おうとイヤホン本体をケースから取り出すと、“L”“R”文字の部分が光ってくれ、左右を間違えないで装着することができた。また、ケースから取り出すときちんとペアリングモードに移行し、動作もかなり安定している。ケースから取り出しただけではペアリングモードに移行してくれず何度も入れ直したり、説明書を引っ張り出して操作方法を読まなければならない製品がまだまだ多いが、こういった説明書どおりの安定した反応を示してくれるのはうれしいかぎり。このあたりの作り込みは、さすがオーディオテクニカといえる部分だ。

さて、実際のサウンドはというと、とても素直な音色にまとめ上げられている。同社の有線イヤホンにたとえるならば、人気定番モデルの「ATH-CK350M」に近いイメージで、フラットな帯域バランスを基調として、ほんの低域に力強さを加えたような、聴き心地のよさと臨場感の高さが絶妙にバランスしている。おかげで、どんなジャンルの音楽でもそつなくこなすことができる。

とはいえ、いちばん得意としているのはボーカル系。女性ボーカルは伸びやかな高域を持つ清々しい歌声を聴かせてくれるし、男性は低域の付帯音がいつもよりほんの少し多めで、普段より落ち着きのある、おおらかな歌声に聴こえる。セクシー、とまではいかないが、なかなか聴き心地のよい歌声と言えるだろう。装着感のよさ、使い勝手のよさも含めて、なかなか魅力的なモデルだ。

イヤホン重量(片耳):5.2g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6.5時間
再生時間(充電ケース併用):最大19.5時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ピンクブラウンブラックブルーマスタードネイビーレッドホワイト

23. JVC「HA-A5T」
機能を絞り込み、圧倒的コスパを実現したJVCの完全ワイヤレスイヤホン入門機

「HA-A5T」は、手ごろな価格ながらも良質なサウンドを持ち合わせていることで好評を博していたハイコストパフォーマンス機「HA-A11T」の、さらに下位に位置するエントリークラスの完全ワイヤレスイヤホンとして投入されたモデルで、機能性を必要十分な内容に絞り込むことでさらなる低価格を実現したのが特徴だ。とはいえ、Bluetooth Ver.5.1およびPower Class1に対応するとともにアンテナ位置を最適化することで安定した接続性を実現。バッテリー性能もイヤホン本体で最大5時間、充電ケース併用で最大15時間の利用が可能、IPX4相当の防滴性能を備え、ハンズフリー機能を持ち合わせているなど、機能性はしっかり確保されている。

また、イヤホン本体は3.9gと超軽量で装着感も良好だ。充電ケースも小柄で、持ち運びしやすくなっている。コーデックはSBCのみ。カラーバリエーションは定番のホワイトとブラックに加えてグリーン、ブルー、レッドの全5色を用意する。

スマートフォンと接続してさっそく試聴してみる。ひと言で表すならば、ていねいな表現のサウンド。ダイナミックレンジの幅は狭くディテール表現もさほど細かくはないものの、嫌なピークが目立つことなく、どんな音楽ジャンルもそつなくこなす優秀さを持ち合わせている。ボーカルの距離感が近く、声が明瞭に感じられる点には好感が持てる。いっぽう、低音はやや強めとなっていて、屋外でも音が痩せることなく、十分な迫力を楽しませてくれる。価格と音質のバランスのよい手ごろな製品で、完全ワイヤレスイヤホン入門機としてもうってつけの1台だ。

イヤホン重量(片耳):3.9g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大5時間
再生時間(充電ケース併用):最大15時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ホワイトブラックグリーンブルーレッド

24. JVC「XX HA-XC72T」
重低音サウンドが特徴の「XX」シリーズのノイキャン搭載TWS

パワフルな重低音サウンドが特徴の「XX」シリーズの完全ワイヤレスイヤホン。製品名から、既存モデル「HA-XC51T」と「HA-XC91T」の中間、ミドルクラスに位置する製品ということがわかる。

最大の特徴と言えるのが、重低音モデルでありながらもかなり小型のイヤホン本体を採用していることだ。イヤホン本体が片側4.6gと、かなりの小型軽量ボディへと刷新されている。また、充電ケースも34gと、こちらもコンパクトなサイズにまとめられている。これまでの「XX」シリーズはイヤホン本体がやや大型だったが、この「HA-XC72T」では幅広いユーザーが無理なく装着できそうだ。

また、ノイズキャンセリング機能の搭載もありがたい。フィードフォワードのみのシングル方式ではあるが、イヤホン本体のノズル根本部分を比較的太めに作り、新開発のイヤーピースを採用するなどパッシブの遮音性を高めているため、必要十分な効果が得られている。さらに、低遅延モードも搭載されており、こちらはスマホゲームで遊ぶ人に重宝しそうだ。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大9.5時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大7.5時間)、充電ケース併用で最大21時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大17時間)と必要十分な持続時間を確保。IP55の防水・防塵性能もありがたい。

搭載されているドライバーユニットは上位モデル「HA-XC91T」の12mm口径に対して6mm口径と完全ワイヤレスイヤホンとしてはごく一般的なスペックだ。とはいえ、下位モデルの「HA-XC51T」は5.8mm口径ユニットを採用しながらもしっかりと“重低音”を再現できていたので心配の必要はなさそうだ。BluetoothコーデックはSBCとAACに対応していて、逆にSBCのみの「HA-A30T」よりも優遇されているなど、アドバンテージを感じる部分もあった。

さて、実際のサウンドを確認すべく、スマートフォンとAACコーデックで接続してみた。「XX」シリーズの真骨頂であるパワフル重低音はしっかりと継承されており、特にバスブーストモードにすることで、多大な低域の量感を持つ重低音が楽しむことができた。EDMやJポップなどと相性のよい、迫力満点のサウンドだ。それでいて、中域をマスクすることなく明瞭な歌声も伝わってくるのがいい。いっぽう、中高域はディテール表現がつぶれず、しかも高域が鋭すぎることなく荒れも少なく、なかなか聴き心地よいサウンドでもある。質のよい重低音と表現できる、絶妙なサウンドだ。音、使い勝手の両面から魅力的だと思える製品だ。

イヤホン重量(片耳):4.6g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大9.5時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大7.5時間)再生時間(充電ケース併用):最大21時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大17時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IP55相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ブラックレッド

25. JVC「Victor HA-A30T」
アンダー1万円。Victorブランドのノイキャン搭載TWSの末弟モデル

Victorブランドのカナル型完全ワイヤレスイヤホンの末弟モデル。1万円を切る価格設定ながら、ノイズキャンセリング機能を搭載。幅広い層にフィットする小型軽量のイヤホン本体も大きな特徴と言えるだろう。

実際、イヤホン本体は片側4.2gとかなりの小型さ。装着してみても、なかなかに軽快だ。それに合わせてケースもかなりの小型デザインが採用されており、こちらの持ち運びも容易だ。

いっぽう、ノズル根本部分が比較的太めに作られており、遮音性に対しての工夫が見られるなど、かなり作り込まれた筐体だということが感じられる。このイヤホン形状のおかげもあってか、ノイズキャンセリングはフィードフォワードのみのシングル方式ながら十分な精度を確保している。また、低遅延モードも搭載されているので、スマホゲームなども存分に楽しめそうだ。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大9時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合で最大7.5時間)、充電ケース併用で最大21時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合で最大17時間)と十分なスペックを確保。IPX4の防滴性能も備わっている。イヤーピースに関してはスパイラルドットではなく、ごく一般的なタイプが同梱されているのはやや残念だ。

タッチ操作については、かなりの好印象を持った。アプリは用意されていないものの、ノイズキャンセリング機能のオン/オフや外音取り込み、低遅延モードのオン/オフやサウンドモードの切り替えなど、すべての設定・操作がタッチ操作で行え、しかもわかりやすい。操作パターンも奇をてらわず、既存モデルのパターンにタップの回数や長押しなどの違いで機能を追加しているため、とても扱いやすかった。このあたりの工夫は、JVCケンウッドならではの快適さと言えるかもしれない。

搭載されているドライバーユニットは、6mm口径と完全ワイヤレスイヤホンとしてはごく一般的。そのいっぽうで、BluetoothコーデックはSBCのみとなっているのがやや残念だ。しかしながら、実際の音は「ほんとにSBC?」と思える良質さだった。基本的にはメリハリのしっかりした音で、低域の量感が高く迫力がある。サウンドモードの切り替えができ、迫力ある低音を持つバス設定もあるが、フラットでも十分にパワフルなメリハリ表現だ。また、解像感はそれほど高くないものの、ボーカルやギターなどフロントラインの声や演奏はあまさず伝えてくれる聴かせ方の巧みさも感じられた。

既存のVictorブランド製品とはサウンドキャラクターの趣が微妙に異なっていて、Victorブランドの末弟というよりもJVCブランドのミドルクラス、といったほうがしっくりくるかもしれない。JポップやEDMも十分に楽しめる、熱いサウンドに仕立てられているのは確かだ。一度試聴して、自分の好みに合うかチェックしてみてほしい。

イヤホン重量(片耳):4.2g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大9時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大7.5時間)再生時間(充電ケース併用):最大21時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大17時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ブルーブラックグリーンピンクホワイト

26. JVC「HA-A50T」
JVC初のノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン

JVC初となるノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング機能を搭載しながらも1万円前後という、比較的手ごろな価格設定が大きな魅力となっている。

とはいえ、機能面、音質面で一切の手抜かりはない。ノイズキャンセリング機能はフィードフォワード方式による2マイクシステムのようだが、低反発イヤーピースと組み合わせることで、良好な遮音性を確保。外音取り込み機能も備わっているため、シチュエーションに合わせて便利に活用することができる。

いっぽう、バッテリー性能は、イヤホン本体で最大8時間、充電ケース併用で最大32時間の長時間再生を確保。10分の充電で1時間の再生が可能な急速充電にも対応しているので、日常での不便はまずない。さらに、IPX4相当の防滴性能を持ち、Bluetooth 5.0と位置を最適化したFPCアンテナによって安定した接続も実現しているとアピールする。

ドライバーユニットは、10mm口径のダイナミック型を搭載。スペース的な余裕の少ない完全ワイヤレスイヤホンでは、6mm口径前後のユニットが一般的だが、10mm口径を搭載することで、本来の音質はもちろん、ノイズキャンセリングの効果としても有用だという。実際にノイズキャンセリングをオンにしてみると、しっかりとした効き具合が感じられた。それほど強烈ではないが弱すぎることもなく、全体的に自然な騒音低減をしてくれるため違和感も少ない。ノイズキャンセリング機能のオン/オフでそれほど音の変化がない点も好ましい。

さて、肝心のサウンドはというと、ナチュラルな音色と押し出しの強いメリハリ表現をあわせ持っているのが特徴だ。解像感はそれほど高くないものの、バイオリンやチェロなどの楽器が実体感のあるサウンドを楽しませてくれる。ピアノの音も、抑揚は浅いが心地よい響きだ。帯域バランス的には、低域の量感たっぷりのダイナミックな抑揚表現で、ポップスやロック系は普段よりも迫力満点のサウンドが楽しめる。ボーカルも歌声に力強さがある。音楽を存分に楽しむためのノイズキャンセリング機能を搭載したという製品コンセプトを感じる、絶妙なサウンド設定だ。

イヤホン重量(片耳):7.1g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大8時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大6時間)再生時間(充電ケース併用):最大32時間(ノイズキャンセリング機能オンで最大24時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ブラックブルートープ

27. JVC「Victor HA-FX100T」
「ビクタースタジオ」のエンジニアが音質を監修した完全ワイヤレスイヤホン

ビクタースタジオのレコーディングエンジニアがサウンド監修を行った証である「Tuned by VICTOR STUDIO」ロゴが与えられた、初の完全ワイヤレスイヤホン。とはいえ、この「HA-FX100T」は“完全ワイヤレスイヤホンであっても高音質で楽しみたいというユーザーの要望に応えるため「ビクタースタジオ」に音質の監修を依頼した”という経緯を持つ製品であり、実際にビクタースタジオで利用されているスタジオモニターヘッドホン「HA‐MX100V」とは製品の成り立ちやビクタースタジオ監修の意味合いが異なっていたりする。プロが認めた音をいつでもどこでも手軽に楽しめるというのが「HA-FX100T」最大の魅力と言っていいだろう。

実際、完全ワイヤレスイヤホンとしての機能性はなかなかの充実度を持ち合わせている。(型番は非公表だが)最新のクアルコム製SoCを採用することでロングライフと接続安定性を両立。イヤホン単体で最大8時間、充電ケース併用で最大28時間のバッテリー性能も立派だ。また、接続安定性に関しても、「TWS Plus」に対応しているほかLDSアンテナなども採用されており、あらゆる接続での安定性が追求されている。コーデックはSBC、AACに加えてaptXにも対応。IPX4相当の防滴性能も確保されている。

マイク性能に関しても、ちょっとしたこだわりが盛り込まれている。cVcテクノロジーと高性能MEMSマイクの組み合わせによってクリアな通話が追求されていることに加えて、自動で音質を切り替えて会話を聴き取りやすくなる「はっきり音声」機能も搭載。ハンズフリー機能や片側だけで使用可能な点など、さまざまな便利機能を持ち合わせている点も注目だ。

装着感については、円筒から斜めにノズルか突き出したシンプルなデザインと、片側4.5gの小型ボディによってなかなかに良好だ。また、JVCのイヤーピース「スパイラルドット」が標準添付されているので、音質での優位性もうれしいポイントとなっている。

さて、肝心のサウンドはというと、中域重視、メリハリのはっきりした表現が特徴。帯域バランス的には低域が強めとなっているが、あくまでも中域が主役のチューニングとなっていて、ボーカルなどのフロントラインが強い存在感を主張する。加えて、リアル志向の音色傾向も持ち合わせているため、ボーカルはもちろん、アコースティック楽器の演奏も心地よいサウンドが楽しめる。特にピアノは、ハンマーのノックからホールへと音の広がりまで、すべてが感じ取られるくらいに情報量が多く、それでいて聴き心地のよい素直な音色ともなっている。スタジオモニターヘッドホン「HA-MX100V」もボーカル、特に女性ボーカルが熱気あふれる歌声を聴かせてくれる魅力的なサウンドだった。そういった点で、両者のサウンドは共通するキャラクターを持ち合わせており、確かに「Tuned by VICTOR STUDIO」の看板に偽りなし、すぐれたサウンドを持つ製品といえる。

ちなみに、「HA-FX100T」は傘の部分が短い交換用イヤーピース「スパイラルドットSF(ストレスフリー) EP‐FX11」もオプションで用意されている。こちらを試してみたところ、音質的にも装着感としてもなかなかに良好だった。定位感のしっかりしたサウンドへと変化するため、音場表現が豊かに感じられる。また、低域もフォーカス感が高まってくれるので、ハードロックなども聴きやすくなり、男性ボーカルは落ち着いた響きに変化する。この組み合わせはなかなかだ。しばらく標準添付の「スパイラルドット」イヤーピースで楽しんだのち、ぜひ「スパイラルドットSF EP-FX11」も試してみてほしい。

イヤホン重量(片耳):4.5g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大8時間
再生時間(充電ケース併用):最大28時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ブラック

28. JVC「Victor WOOD HA-FW1000T」
WOODドーム振動板を採用した初の完全ワイヤレスイヤホン

イヤホンやヘッドホン、スピーカーなどで木の振動板を採用する「WOOD」シリーズを展開しているJVCケンウッドから、WOODドーム振動板を採用する初の完全ワイヤレスイヤホン「HA-FW1000T」が登場した。

こちらの製品、フルネームが「Victor WOOD HA-FW1000T」と、Victorブランドを冠した製品となっている。具体的には、ビクタースタジオのエンジニアがサウンドチューニングに携わっていることに加えて、完全ワイヤレスイヤホンとして初めて「K2テクノロジー」(ビクタースタジオを由来とする高音質化技術)を採用するなど、Victorブランドならではの音質にこだわった特徴が見られる。

また、フィードフォワードとフィードバックを組み合わせたハイブリッド方式のノイズキャンセリング機能を搭載。装着センサー、1dB単位で音量調整が可能な100段階のボリュームステップ、専用アプリはなくイヤホン本体からすべての機能が操作できるなど、ユーザビリティの面でもさまざまな工夫や配慮がなされている。

Bluetoothコーデックも、SBC、AAC、aptXに加え、96kHz/24bitまでの伝送可能なaptX Adaptiveにも対応している。ほかにも、IPX4相当の防滴機能や、Bluetooth Ver.5.2およびPower Class 1に対応するとともに高性能LDSアンテナを採用することで安定した接続性を確保。バッテリー性能も、イヤホン本体で最大9時間、充電ケース併用で最大27時間のロングバッテリーを実現。弱点らしい弱点のない、充実した内容を持ち合わせている。

音質の要となるドライバーユニットには、11mm口径のウッドドームカーボン振動板に加えて、ステンレスドライバーケースなど有線モデルと同じグレードの素材と技術を投入することで、よりピュアな音を実現。ドライバーユニットの後方に音響空間を配置して、奥行き感のある空間表現を実現しているという。また、付属のイヤーピースは好評の「スパイラルドット」ではあるものの、音質や装着感をさらに進化させた専用タイプ「スパイラルドットPro」となっている。

さて、実際のサウンドはいかなるものだろうか。スマートフォンとaptX Adaptiveコーデック96kHz/24bitで接続して試聴を行ったが、完全ワイヤレスイヤホンであることを忘れてしまう音質のよさに驚いた。特にディテール表現のきめ細やかさ、音色の自然さが秀逸で、アコースティック楽器の演奏がとてもリアルに感じられる。チェロは力強いボーイングの豊かな響きを聴かせてくれるし、ピアノはアタックが強めながら、倍音の整いのよい伸びやかで聴き心地よい音色を楽しませてくれる。金管楽器も普段よりややきらびやかな、存在感のある演奏が気持ちよい。音色楽器それぞれの音色的な個性がしっかりと伝わってくる、表現豊かなサウンドだ。

いっぽうで、ハードロックやJポップなどの音楽ジャンルもそつなくこなす懐の深さも持ち合わせている。有線イヤホン「HA-FW10000」と同じ方向性のサウンドチューニングを施したというが、確かに、キャラクターは近いものを感じる。当然、音質では「HA-FW10000」に敵わないものの、完全ワイヤレスイヤホンならではの利便性を確保しつつ、ここまでの音質を実現したことについては大いに歓迎したい。音質と機能の両面で、なかなかに魅力的な製品だ。

イヤホン重量(片耳):7.8g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大9時間(ノイズキャンセリング機能オン/K2機能オフで最大5.5時間)
再生時間(充電ケース併用):最大27時間(ノイズキャンセリング機能オン/K2機能オフで最大16.5時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ブラック

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