2017年10月4日、ヤマハからカナル型イヤホンの新モデル「EPH-200」が発表された。名機と名高い同社初のハイエンドカナル型イヤホン「EPH-100」の上位モデルという位置付けで、「EPH-100」からさまざまな点で進化を遂げている。実機の写真を交えながら、新モデルの特徴をレポートする。
今回発表された「EPH-200」は、「EPH-100」の発売から約6年ぶりとなるハイエンドカナル型イヤホンの新モデルだ。本体は、口径6mmの超小型ダイナミックドライバーと、アルミニウム削り出しボディを組み合わせた細長い本体構造を採用。遮音性にすぐれた2ステージイヤピースと組み合わせにより、本体を耳穴の奥にまでしっかりと挿入でき、鼓膜へ音をダイレクトに届けることで、ゆがみの少ないピュアな音質を狙っている。このあたりの基本コンセプトは、「EPH-100」と同じだ。
アルミニウム削り出しの細長いボディ
フルレンジの6mm径ダイナミックドライバーを搭載
小さな筐体を採用することで、耳の奥に深く挿入でき、鼓膜に音をダイレクトに届けることができるという
いっぽう、「EPH-100」と大きく異なるのが、“ハイレゾ認証の取得”と“リケーブル”への対応だ。まずハイレゾ認証の取得の取得だが、これまでにも、同社のイヤホンの一部では再生周波数帯域で40kHzをカバーする製品はあったが、ハイレゾ認証を取得したモデルとしては、「EPH-200」が初となる。
また、リケーブルへの対応についても、「EPH-200」が同社イヤホンとして初の対応となる。ケーブルとの接続部分には一般的なMMCXを採用しているが、ケーブル側の接合部分が独自形状となっており、ケーブルの接合部分に90度ごとに用意された切れ目をイヤホン側の印と合わせることで、3スタイルの装着方法が可能となっている。カナル型イヤホンにありがちなタッチノイズを防ぐのに最適な“Shureがけ”にもしっかりと対応できるようになっているのだ。リケーブル機構が加わったため、EPH-100と比べて本体重量がやや重くなっているが、3タイプの装着方法が選べるようになったのはうれしいところだ。
同社のイヤホンとして初めてリケーブルに対応。接合端子は一般的なMMCXタイプだ
ケーブル部分の接合部分を工夫することで、3Wayの装着スタイルを選べるようになっている
ケーブルについても、セレーション加工をケーブル表面に採用し、タッチノイズやケーブル同士の絡まりの低減を図るなど、かなりこだわっているという。「EPH-100」で好評だったというスマートケーブルホルダーについても引き続き採用された。
ケーブル表面にはセレーション加工を採用
独自のスマートケーブルホルダーも装備。イヤホン本体部だけでなく、プラグ部分も固定できる便利な機能だ
サウンドチューニングについては、“すべての音楽をありのままに再現する”という同社のサウンド思想をベースに、音楽リスニング向けの製品ということで、バランスのよいサウンドに仕上げたという。短時間ながら実際に試聴してみたが、6mm径という超小型のフルレンジドライバー1発だとは思えないワイドレンジで立体的なサウンドに驚いた。「EPH-100」に比べると、低域は多少控えめになった印象だが、全体的に付帯音が少なく、ヤマハのモニターヘッドホンに通じる質実剛健なサウンドで、ロックやアコースティックなど、どんなジャンルにも合いそうだ。
本体の付属品は、2ステージイヤピース(SS/S/M/L/LLの計5サイズ)と専用キャリングケースが付属する。価格はオープンで、市場想定価格は24,800円前後(税別)になるという。
いろいろな耳の穴の大きさに対応できるよう、イヤーピースは標準で5つのサイズが付属する
付属の専用キャリングケース
キャリングケースの中にには固定用のバンドが用意されている
発売は2017年11月下旬とちょっと先だが、10月中旬からビックカメラやヨドバシカメラ、e☆イヤホンで先行試聴がスタートするという。久々のヤマハのハイエンドカナル型イヤホン。気になる人は、ぜひ店舗に足を運んでみて、そのサウンドを確かめてみてほしい。