JVCケンウッドは、ハイクラスイヤホン・ヘッドホンブランド「CLASS-S」に、「SOLIDEGE」(ソリデージ)シリーズのインナーイヤホンを追加。新モデルとして、プレミアムモデル「SOLIDEGE 01 innner」、スタンダードモデル「SOLIDEGE 02 inner」を2017年11月下旬より発売する。
JVCケンウッドのハイクラスイヤホン・ヘッドホンブランド「CLASS-S」に、「SOLIDEGE」シリーズの製品が加わる
「SOLIDEGE」シリーズは、これまで同社のハイレゾ・ニューウェーブ系ブランド「N_W」で展開されてきた、高解像かつキレのあるサウンドが特徴のシリーズだ。今回登場したのは、そのSOLIDEGEシリーズをより進化させたもので、フルステンレスボディや新設計ドライバーユニットの搭載により、さらにクリアかつ高解像に仕上げることで、ハイクラスブランドの「CLASS-S」シリーズに適応させたもの。ステンレス素材ならではの高い強度や金属特有の「音」が少ないという特性を生かし、伸びのある高域と輪郭のある低域を実現しているという。また、音が鮮明すぎると、聴き疲れしやすくなるが、その点を解消しているのも特徴とのことだ。
フルステンレスボディのプレミアムモデル「SOLIDEGE 01 innner」
同じくフルステンレスボディのスタンダードモデル「SOLIDEGE 02 inner」。「SOLIDEGE 01 innner」と比べて、ハウジングデザインは若干異なるものの、見た目はさほど変わらない
両モデルともに、搭載するドライバーは新開発の「D3ドライバーユニット」。11mm口径のダイナミック型となり、内部の振動板、エアダンパー、インナーハウジングを一新。
なかでも振動板は、中央のドーム部とそれを支える外周部で、異なる高分子ポリマーを採用。その表面のそれぞれにこちらも異なるアモルファスカーボンでコーティング。外周部はしなやかで硬く、ドーム部は剛性を高めることで、解像度の高いサウンドでありながら聴き疲れしにくいという心地よさを実現している。ちなみに、D3ドライバーユニットのD3とは、「Dignified(凛とした)」「Distinct(明確な)」「Delightful(心地よい)」の意味を表しているという。
2種の高分子ポリマーと2つのアモルファスカーボンを組み合わせた振動板。中央のドーム部に高分子ポリマーのPENを、その表面をDLC(ダイアモンドライクカーボン)でコーティングすることで、剛性を引き上げ。ドーム部を支える外周部には、同じく高分子ポリマーのPETを使い、カーボブラックでコーティング。これによりしなやかで硬く仕上げている
また振動板の前後の空気条件をそろえる、新開発のアキュレートモーションエアダンパーを搭載することで、振動板をより正確に動かせるようにしたという。なお、インナーハウジングには、チタニウムを使い強度を高めた。ちなみに、チタニウムをは「SOLIDEGE 01 inner」のみ。「SOLIDEGE 02 inner」はステンレスとなる。
心地よさの点で特にユニークなのが、自分の耳に合わせてフィットできる「ファインアジャスト回転機構」を採用したことだ。これは、ノズルを含めたハウジング前半部が360°回転するようになっているもので、耳の形に応じて角度を微調整できるのが特徴。「通常がけ」と「耳がけ」の2つのスタイルのうち、自分にあった着け方を選ぶことができる。
「SOLIDEGE 01 inner」と「SOLIDEGE 02 inner」ともに「ファインアジャスト回転機構」を搭載しており、耳の形にあった装着ができる
そのほか、プレミアムモデルの「SOLIDEGE inner 01」のみ、イヤーピースの内壁にくぼみを施した独自のスパイラルドットイヤーピースの上位版を採用。先代モデルから内部の形状を見直したうえ、肌に近い力学特性を持つ新素材で作られている。この新素材は、端的に言えば人肌に近い弾力があるものとのことで、着け心地がいいだけでなく、イヤーピースの音響特性によって音色が変わりにくくなっている。
また、交換可能なノズル部「Jマウントノズル交換システム」も搭載。チタン、ステンレス、ブラス(真鍮)の3つのメタル素材のノズルが付属し、各金属の音色の違いを楽しめる。なお、内部のフィルターは共通で、周波数特性自体は変わらず響きのみ変化するということだ。
「SOLIDEGE inner 01」に付属する、スパイラルドットイヤーピースの上位版(サイズはS/MS/M/ML/L)と、交換用ノズル(チタンとブラス)。「SOLIDEGE inner 02」には、従来と同じスパイラルドットイヤーピース(サイズはS/MS/M/ML/L)のみ付属する
「SOLIDEGE inner 01」の交換可能なノズルシステム。標準でステンレスノズルが装着されている
ケーブルは両モデルともにMMCXコネクターを使用した着脱式となるが、「SOLIDEGE inner 01」のみ、本体からプラグまで左右チャンネルを完全にセパレートしたハイグレード仕様となり、線材の芯構成も見直されている。なお、プラグは、「SOLIDEGE inner 01」がストレート、「SOLIDEGE inner 02」がL型。
両モデルの共通仕様は、ドライバーがダイナミック型(口径11mm)、出力音圧レベル103dB/1mW、再生周波数帯域が8〜52,000Hz、インピーダンスが16Ω、最大許容入力が200mW。
「SOLIDEGE 01 inner」の市場想定価格は40,000円(税別)で、「SOLIDEGE 02 inner」の市場想定価格は28,000円(税別)となる。
このほか、「CLASS-S」ブランドの新製品として、有線イヤホンをワイヤレス化するオーディオレシーバー「SU-ARX01BT」も同時発表。ネックバンドスタイルとなっており、MMCXコネクターを搭載する「WOOD」シリーズや、今回登場したSOLIDEGEシリーズを簡単にワイヤレス化できる。JVCケンウッド独自の高音質化技術「K2テクノロジー」を搭載し、Bluetoothでもハイレゾ相当の音質で楽しめるのが最大の特徴だ。
ネックバンドタイプのBluetoothオーディオレシーバー「SU-ARX01BT」
なお、この製品に搭載されているK2テクノロジーは、Bluetooth伝送に合わせて波形補正処理を行ったもので、補正用のパラメーターも使用するコーデックごとに最適化。Bluetoothでもハイレゾ相当の音楽信号(192kHz/24bit)で音楽を楽しめるという。対応コーデックは、SBC、AAC、aptXと幅広い。NFCも搭載し、ペアリングも簡単に行える。連続再生時間は7時間。市場想定価格は22,000円(税別)となる。発売は11月上旬。
K2テクノロジーはスイッチによってオン/オフできる
本体はソフトレザー仕上げ。布巻きケーブルを採用する