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8K時代を見据えた最新ver「HDMI 2.1」登場

デジタルAV家電の進化と切り離せない!「HDMI」の基礎知識

映像と音声のデジタル化時代を迎え、さまざまに進化するAV家電。その歴史は、HDMI規格の歴史と言っても過言ではないだろう。2017年末には、8K時代を見据えた最新バージョン「HDMI 2.1」がリリースされ、注目が集まっている。ここでは、そんな「HDMI」の基礎とこれまでの進化を整理しよう。

デジタル化以降のAV家電の歴史は、HDMI規格の進化と切り離せない

8K/10K、ダイナミックHDR、eARC……、デジタル化以降のAV家電の進化をになう「HDMI」の歴史

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そもそもHDMIとは?

HDMIは、「High-Definition Multimedia Interface」の略。デジタル方式の非圧縮映像と音声データの両方を、1本のケーブルで伝送できるインターフェイスの規格である。旧来の主流であったAV用インターフェイスと比較しケーブルの数が減り、配線がスッキリかつわかりやすくなったのがエンドユーザーにとってもメリットで、現在のAVシステムでは欠かせない存在になっている。

たとえば旧来のAVケーブル、いわゆる「3ピンケーブル」は、ステレオ音声(赤/白)とコンポジット映像(黄)の3端子を両端に搭載していた(合計6端子)。それに対して、HDMIケーブルは両端に1つずつ端子を備えるシンプルな形状

1本のケーブルでデジタル形式の映像/音声が一気に伝送できるHDMIは、近年のAVシステムには必須の接続端子

1本のケーブルでデジタル形式の映像/音声が一気に伝送できるHDMIは、近年のAVシステムには必須の接続端子

HDMI規格は、映像の高精細化や、さらなる機能の強化を目的に、継続的なバージョンアップが行われてきた。原則として下位互換が保たれていることも特徴で、新バージョンのHDMI規格に対応したケーブルを、古い規格のHDMIポートを搭載する機器に接続することもできる。伝送する信号を、スペックが低い機器に自動で合わせられる仕組みなので、規格の世代が違うことによって「映像や音声が出ない」といった問題が回避でき、家庭用として扱いやすいのもポイントだ。

このほか、「HDMI-CEC (Consumer Electronics Control)」機能によって、HDMI接続したAV機器同士の電源を連動させたり、入力切替を自動化するといったようなことも可能で、これらはHDMI登場以前には考えられなかった便利機能だ。

総じて複雑になりがちなAV機器の接続や操作を、よりシンプルにして、多くのユーザーに使いこなしやすくしてくれているのが「HDMI」と考えるとよいだろう。

HDMIの歴史

HDMIの最初のバージョンとなる「HDMI 1.0」は、2002年に規格化された。PCディスプレイのデジタル接続規格として普及していたDVIをベースに、音声伝送機能が追加された格好だ。

機能面では、ハイビジョン解像度のデジタル放送やブルーレイ映像の伝送を可能にする、コンテンツ保護のための暗号化技術「HDCP」が盛り込まれた。現在、民生用AV機器においては、著作権保護のための暗号化が施されたコンテンツは、実質HDMI以外での伝送はできない。その後に登場したHDMIバージョンと、主な新規対応機能は以下の通り。

▼HDMI 2.0までの代表的な進化
・HDMI 1.1(2004年): DVD Audio、PCM 8ch(7.1ch)の伝送をサポート
・HDMI 1.2(2005年): SACD(1bitオーディオ)の8ch伝送をサポート
・HDMI 1.3(2006年): 伝送可能な帯域が2倍の10.2Gbpsに拡大。48bit(16bit×3)ディープカラー映像および、Dolby TrueHDやDTS-HDといったロスレス圧縮のハイレゾマルチチャンネル音声伝送をサポート
・HDMI 1.4(2009年): 4K/24p映像、3D(HD)映像をサポート
・HDMI 2.0(2013年): 伝送帯域が18Gbpsに拡大。4K/60p映像の伝送をサポート
・HDMI 2.0a/b(2015〜2016年): HDR映像の伝送をサポート

HDMI 2.0までの主な仕様

HDMI 2.0までの主な仕様

詳細な対応機能表はこちらを参照のこと

詳細な対応機能表はこちらを参照のこと

8K時代の最新HDMIバージョン「HDMI 2.1」が登場

8K映像時代を見据え、2017年11月にリリースされた最新のHDMI規格が、「HDMI 2.1」である。コネクター形状は従来と同じで互換性を持ちつつ、最高48Gbpsというデータ転送レートを規定している。

帯域幅が大幅拡張されたHDMI 2.1。HDMI 2.0の18Gbpsと比べて約2.7倍に相当する48Gbpsもの大容量データを伝送できる

データ転送の高速化は、より高い解像度、より高いフレームレートへの対応を意味し、具体的な機能としては主に以下のような進化を遂げる。8K時代を見据えた高解像度映像や、高品位な音声データの伝送のほか、滑らかなゲーミングを実現するVRRへの対応も含まれており、高スペックに進化する次世代エンターテイメントをサポートする仕様が頼もしい。

▼HDMI 2.1の主な新機能
・高解像度に対応: 放送の最高峰である8Kを超える10Kに対応
・高フレームレートに対応:非圧縮映像で最大8K/60Hz(4:2:0/12bit)、4K/120Hz(12bit/4:4:4)に対応
・HDR機能の強化:フレーム毎に動的に輝度の定義が可能な「ダイナミックHDR」を規定
・ARC機能の強化:ARC(Audio Return Channel)で、Dolby AtmosやDTS:Xといったオブジェクト方式の音声が伝送可能な「eARC」に対応(テレビからAVアンプ方向への音声伝送)

HDMI 1.0からHDMI 2.1までの対応機能表はこちら。HDMI 2.1では、一気に7項目の新機能が追加された。ゲームなどのプレイをスムーズにする可変リフレッシュレートにも対応していて、次世代のゲーミングシステムでの採用も期待される

映像については、8Kを超える10K映像の伝送までサポートする

映像については、8Kを超える10K映像の伝送までサポートする

映像フォーマット別のデータ転送レートはこちらを参照

映像フォーマット別のデータ転送レートはこちらを参照

HDMIケーブル購入時の注意点

現在HDMIケーブルは、伝送できる帯域(言い換えると伝送速度)に応じてカテゴリー分けされていて、「Standard」(スタンダード)と「High Speed」(ハイスピード)の2種類が存在する。前者と比べ、後者は約2倍のデータを転送できるので、HDMI 1.3に相当する映像や音声を安定して伝送するには、「High Speed」(ハイスピード)対応のケーブルを選ぶようにしたい。

HDMI 2.0相当の映像(4K/60p)を伝送するには、18Gbpsの伝送を保証する「Premium High Speed」(プレミアム・ハイスピード)の認証を受けた製品を選ぶと安心だ。そしてHDMI 2.1時代には、48Gbpsの伝送に対応する「Ultra High Speed」のような新カテゴリーが追加される見込みである(正式名称は未決定)。

HDMIの規格策定を行う米HDMI Licensing, LLCによってライセンス提供されている「Premium High Speed」。なお、「Premium High Speed」認証のない普通の「High Speed」ケーブルでもHDMI 2.0相当の映像(4K/60p)を伝送できる可能性はある。ただし、トラブル発生時にケーブル自体の品質が疑わしいと原因究明に時間がかかるので、基本的には「Premium High Speed」認証品の使用をおすすめしたい

ちなみに、「with Ethernet」は、イーサネットによるデータ伝送が可能なHDMIケーブル。同機能を利用する際は、ケーブル製品が対応していることを確認する必要がある。

コネクターは、テレビやレコーダーなどの据置型AV機器に採用されている一般的な「タイプA」のほか、モバイル機器用に小型化された「タイプC」(ミニ)や、「タイプD」(マイクロ)も流通しているので、接続する機器の仕様を確認しよう。

タイプC=HDMI-miniと呼ばれる端子(右)。ビデオカメラなどの製品で多く採用されている

タイプC=HDMI-miniと呼ばれる端子(右)。ビデオカメラなどの製品で多く採用されている

さいごに

頻繁なバージョンアップを重ねており、理解が難しく感じがちなHDMIだが、コネクター形状を維持しつつ、デジタルAVの飛躍的な発展をキャッチアップしてきたのは驚くばかり。AV機器の使い勝手に大きく影響しており、エンドユーザーが混乱しないような、AV家電の日常的な使いやすさに貢献しているのは間違いない。最新の「HDMI 2.1」も、2018年中には対応製品が増えるだろう。長距離伝送など課題もゼロではないが、8Kの大容量伝送時代でもAV家電の標準的規格としてあり続けると思われる。

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鴻池賢三

鴻池賢三

オーディオ・ビジュアル評論家として活躍する傍ら、スマート家電グランプリ(KGP)審査員、家電製品総合アドバイザーの肩書きを持ち、家電の賢い選び方&使いこなし術を発信中。

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