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聴こえ方、音質、接続性、装着感をくわしくチェックしました

話題のウェアラブルネックスピーカー“買いの1台”はコレだ!ソニー、JBL、Boseの製品を徹底比較

ソニー「SRS-WS1」、JBLの「SOUNDGEAR」でテレビ番組の音声を聴く

まずは実際にテレビまわりのサウンドから聴いていこう。対応モデルはソニー「SRS-WS1」、JBLの「SOUNDGEAR」だ。

ソニー「SRS-WS1」でテレビを付けてワイドショー番組の『ひるおび』を観てみたが、テレビの音声を聴くアイテムとしての出来栄えはさすがだ。声はきちんとクリアネスを持って、前方(やや下位置ではあるから)聴こえるイメージ。音量を思い切り小さくしても人の声は聴こえる。もちろん、外の声もそのまま聴こえ、バランスも良好だ。『ミュージックステーション』を始めとしたステレオ制作の番組では、音で顔が包み込まれる臨場感も作りあげてくれる。低音については”音連動バイブレーション”が上手くカバーし、超小音量でも「弱」の設定でリズムの刻みやベースは気持ちよく出る。ただし「切」にすると低音はスカスカだ。もっとも、「強」すると、痩せ型で鎖骨の出ている僕にはくすぐったかった。

テレビ放送版の『ジュラシックパーク』も臨場感は素晴らしくよく出ていた。映画は特にそうだが、首元をぐるりと音を取り巻くイメージで音の移動感が出る。ソファでゆったりしながら、この臨場感で聴けるのは、プライベートシアター環境としてまさに極上だ。なお、映像からの音声遅延はゼロではないが遅延していることの判別も難しいレベルだったことは付け加えておこう。

ソニー「SRS-WS1」とテレビを組み合わせて試聴

ソニー「SRS-WS1」とテレビを組み合わせて試聴

JBLの「SOUNDGEAR」も『ひるおび』から見始めると、声はソニーと比べると低音寄りだが情報量もあるし、音はクリアに引き立てる。ただ問題は音の出所。スピーカー本体を装着している首元のイメージなので、人の声がその位置から聴こえることにずっと違和感がつきまとう。『ミュージックステーション』では音の広がり、パワフルなサウンド、情報量もしっかりと出ており、リズムの刻みと素の音のよさも伝わる。『ジュラシックパーク』の音声も臨場感は十分。超小音量に下げても低音は残るバランスだ。

臨場感、音の素性のよさとしては文句ないのだが、声の出所はやはり首の後ろあたり。音が後ろから聴こえるのかが許せるか、というのが「SOUNDGEAR」の評価を分ける最大のポイントだ。

JBL「SOUNDGEAR」は、「SOUNDGEAR BTA」に付属するテレビ用Bluetooth送信機を組み合わせて試聴した

JBL「SOUNDGEAR」は、「SOUNDGEAR BTA」に付属するテレビ用Bluetooth送信機を組み合わせて試聴した

なお、音声遅延については、ドラマを見てズレを確認したが、口元に注意しながら鑑賞すると、少しずれているかなと、判別できる程度。apt-Xコーデック採用だけに、基本的にはほぼ問題なしと考えてよさそうだ。

Bluetooth接続でも遅延はほとんど感じられなかった

Bluetooth接続でも遅延はほとんど感じられなかった

スマホとペアリングしてBoseの「SoundWear Companion speaker」、JBLの「SOUNDGEAR」をテスト

続いてiPhoneとペアリングしてアプリの音声をチェックしていこう。対応モデルはBoseの「SoundWear Companion speaker」、JBLの「SOUNDGEAR」だ。

iPhoneと組み合わせてBose「SoundWear Companion speaker」とJBL「SOUNDGEAR」をテスト

iPhoneと組み合わせてBose「SoundWear Companion speaker」とJBL「SOUNDGEAR」をテスト

Boseの「SoundWear Companion speaker」を装着して接続して、音楽を聴く所からスタート。やはり何を聴いても音の出所のイメージはやや後ろ。ただ、スピーカーの首元を曲げて装着するほど後ろから前に近づき、横くらいまでは届く。サウンドは相変わらずの重低音のズンズンと沈むBose流サウンドで、Bluetoothスピーカーに近いタイプ。たとえばRADWIMSの『前前前世(movie.ver)』を聴くと低音とリズム感は出るがボーカル等の中域はクリアには抜けない感じだ。ただ、Bruno Marsの『24K Magic』のように洋楽を聴くと、リズムの刻みが気持ちよくハマる。iPhoneのボリュームで最小から1〜3程度まで小さくしてもリズムの刻みはよく出る。

Bose「SoundWear Companion speaker」で音楽試聴を体験

Bose「SoundWear Companion speaker」で音楽試聴を体験

Netflixでドラマを見ても声はクリアには抜けないが、臨場感とステレオ感で上手く引き出す。ギリギリ横まで音の位置を持っていければ音の包まれる感じも良好。アプリでゲームをプレイした時のサウンドはパワー、低音と臨場感は素晴らしく鳴るのだが、女性声優さんのボイスで喋りまくりというタイプだと、やや甲高い音になりがち。小音量の再生クオリティも確保しているので、あとは音バランスが好み次第といったところだ。

スマホとの組み合わせてゲームアプリをするのにぴったり

スマホゲームとの組み合わせはタイトル次第でかなり相性が分かれる

続いてJBLの「SOUNDGEAR」。まずは音楽から聴き始めた。RADWIMSの『前前前世(movie.ver)』を聴くと低音は沈むし、ボーカルもある程度実体感を持ってセパレートするので、音楽的にはとても好調。音に包み込まれるイメージというよりスピーカーの存在感がはっきりしているが、首の後から音楽が流れているな……というイメージは常に付きまとう。Bruno Marsの『24K Magic』のように洋楽も低音からのライブ感も現れるし、小音量も出てバランス感もよい。

Netflixでドラマを見ると、首元で音が鳴るイメージは薄れてステレオで音の広がり、特に臨場感は巧みに引き出す。セリフは相変わらず後ろよりだが、テレビ放送ほどには気にならないようだ。アプリでゲームをプレイした時の、女性声優の声の情報量、そして粒立ちのよい音楽に包み込まれる臨場感は抜群。ソファでリラックスして和製ゲームアプリのプレイをすると最高だ。

最後にソニー「SRS-WS1」はBluetooth接続ができないので基本的には出番がないと思いきや、一応micro USB変換でアナログ音声入力はできる。もっとも、今どきのiPhoneはアナログ出力に変換が必要だし、これを常用しろと考えるのは非現実的だ。

ただ、ふと考えてノートPCでNetflixの映画を見る時に「SRS-WS1」を装着してみたところ、なかなか相性がよいことに気が付いた。ノートPCにはヘッドホン端子があるし、感覚的に画面の前にしっかり留まっていることが多いためだ。スマホ・タブレットと比べるとレガシーなノートPCだが、大画面ではあるので、ゲーミングや動画試聴の用途なら意外と相性はよいかもしれない。

ソニー「SRS-WS1」はPCとの組み合わせが意外によかった

ソニー「SRS-WS1」はPCとの組み合わせが意外によかった

3機種とも一長一短も、コスパで選んだ”買い”のモデルは……

3機種をしっかり使い込んだ上で、“買い”のモデルはどれなのだろうか。

スピーカーなのだから音のよさ、そして臨場感や装着感で考えると、最古参ながらソニー「SRS-WS1」をトップに推したい。スピーカー部の前への張り出しが大きいので、音がもっとも自然に前方向から聴こえるし、振動による重低音の演出も的確。トータルのサウンドの出来はトップだ。ただ、ソニー「SRS-WS1」にはスマホ接続に必要なBluetooth対応がないのが大問題で、アナログ端子があるとは言え、テレビをあまり観ない人には薦められない。
「SRS-WS1」人気に火をつけたテレビ番組の影響で品薄がずっと続いており、ソニーストア直販での価格の2倍近いプレミア価格になっているのも懸念材料だ。

JBLの「SOUNDGEAR」は本体のみでBluetooth対応もあり、”テレビもスマホも”を実現する「SOUNDGEAR BTA」のパッケージの存在も素晴らしい。音は後ろから聴こえるイメージはあるが、臨場感、素の音のクオリティも問題ナシ。テレビもスマホも使いたいという、使い回し幅で考えた上で万人向けモデルとなるとJBLの「SOUNDGEAR」。「SOUNDGEAR BTA」でも、6月8日時点の価格.com最安価格で2万3千円前後という手頃なお値段なのも魅力的だ。

Boseの「SoundWear Companion speaker」は、唯一のBluetooth対応のみのモデルで、純正機器としてのテレビとの接続手段がない。サウンドバランスとしてはBose流と呼ぶべきズンズンと沈み込む重低音系で、日本の音楽や声優のボイスには相性のよくないタイプだ。だが、首にフィットするようにしっかりと本体を曲げれば、音の聴こえ方はソニー「SRS-WS1」の次程度には前方近くなるし、ようは使い方次第。スマホ前提で音の鳴り方重視ならBoseの「SoundWear Companion speaker」を選ぶのも大いにアリだ。6月8日時点の価格.com最安価格で3万円弱と、予算的にはBluetoothスピーカーのイメージに近い。

テレビの音声、そしてスマホ接続でソニー「SRS-WS1」、Boseの「SoundWear Companion speaker」、JBLの「SOUNDGEAR」を使っていくと、利用シチュエーション、そしてサウンドとしての特性で一長一短とも呼べることがわかった。ただ、あえて1機種を選ぶとしたらJBLの「SOUNDGEAR」はテレビ接続ユニット付きの「JBL SOUNDGEAR BTA」が安価で利用シーンの多さと、コスパで一歩リードかなという結論だ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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