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ボーズ初のスマートスピーカー「Home Speaker 500」。往年のヘッドセット技術を応用した力作

ボーズから、同社初のスマートスピーカー「Bose Home Speaker 500」が登場した。AIシステムに「Amazon Alexa」を搭載したデバイスとなる。2018年10月24日時点で発売からまだ2週間ほどしか経っていないが、すでに価格.comのBluetoothスピーカー売れ筋ランキングでTOP10内に入っており、早くも人気が上がっているようだ。

……とは言っても、2017年に「Amazon Echo」や「Google Home」が登場し、「スマートスピーカー元年」と言われてからすでに1年が経過している。これまでにさまざまなメーカーから続々とスマートスピーカーが開発されてきており、単にスマートスピーカーというだけでは「もう目新しさは感じない」と思う方も多いだろう。

では、このタイミングで登場したボーズのスマートスピーカーの何が強みかと言えば、ずばり音声認識性能だ。同社が往年のノイズキャンセリング機能やヘッドセットの開発で培ってきた技術を応用することで、音声ピックアップの精度を高めているのである。その特徴を紹介していこう。

スピーカーとしての基本仕様をチェック!

まずは、Bose Home Speaker 500のスピーカーとしての基本仕様をチェックしていこう。本体内には、独自開発のカスタムドライバーを2基搭載している。この2基のドライバーを逆向きに配置することで、音を周囲の壁に反射させる仕組みとしており、ワイドなステレオサウンドの再生を図っている。

音楽再生機能としては、Wi-FiおよびBluetooth接続に対応しており、スマートフォン内にある音源をワイヤレス再生したり、Spotifyなどの音楽配信サービスを手軽に楽しむことが可能だ。また、今後のアップデートで「AirPlay 2」にも対応予定としている。

Bose Home Speaker 500は「トリプルブラック」と「ラックスシルバー」の2色を展開

Bose Home Speaker 500は「トリプルブラック」と「ラックスシルバー」の2色を展開

本体サイズは170(幅)×204(高さ)×110(奥行)mmで、重量は2.1kg。BluetoothプロファイルはA2DP/AVRCPに対応し、3.5mmステレオミニ音声入力も装備する

スピーカーユニット自体は既存のBluetoothスピーカー「SoundTouch 10」と同じものを採用しているが、本機ではそれを2基搭載して逆向きに配置し、専用のチューニングで音をブラッシュアップした。ボーズ製品でおなじみの「QuietPortテクノロジー」も搭載し、歪みのないクリーンな再生を実現する

8基マイクで音声認識性能アップ! ノイキャン機能やヘッドセット技術を応用

続いて、スマートスピーカーとしての特徴を見ていこう。本機は、8基のマイクを搭載する独自アレイ構造で、どの方向から話しかけてもちゃんと声を認識できるよう集音性能を高めているのが特徴だ。

静かな状態はもちろんのこと、大音量で楽曲を再生している間でも、人の声をしっかりと聞き分けて検知するようにしているので、ストレスがなくスムーズな音声操作が可能となる。

本体上部に8基のマイクを搭載し、全方位的に集音できるようにしている。なお、天面のコントロールパネルでも、再生、一時停止、スキップなどの操作が可能

ボーズは、かつて世界初のノイズキャンセリングヘッドホンを世に送り出したブランドだ。業務用機からコンシューマー向けまで、多くのノイズキャンセリング機能搭載ヘッドホン/ヘッドセットを開発してきた。

ノイズキャンセリング技術の基本は、ヘッドホンに搭載されるマイクが周囲の音を集音し、それを解析して逆の音となる信号を出すことで打ち消す仕組み。つまり、大前提として集音性能の高さがモノを言う。さらに業務用ヘッドセットの場合、ユーザーの会話をしっかりと集音して正確に伝送することも求められる。

Bose Home Speaker 500は、そんなノイズキャンセリング技術や業務用ヘッドセットの開発でボーズが培ってきた技術が投入されているのがポイント。これにより、ただ単にスマートスピーカーの機能を搭載しただけではなく、中核となる音声認識性能をしっかり向上させているのが強みだ。

Alexa搭載の“スマートサウンドバー”も登場

なおボーズからは、同じくAmazon Alexaに対応し音声操作が行えるサウンドバー「Bose Soundbar 700」「Bose Soundbar 500」も登場した。実はこの2機種も2018年10月に発売されたばかりなのだが、すでに価格.comのサウンドバー売れ筋ランキングTOP10内に入っている。せっかくなので、こちらについても、簡単に紹介しよう。

ボーズ初の“スマートサウンドバー”「Bose Soundbar 700」(手前)と、「Bose Soundbar 500」(奥)。いずれもシンプルでスタイリッシュな薄型デザインとしている

2機種とも、音声入力に光デジタル端子、音声出力にHDMI端子を1系統ずつ搭載するシンプルなワンボディ型サウンドバーだ。上述のBose Home Speaker 500と同じく、Amazon Alexa対応スマートスピーカーとして集音性能を高めているのが特徴で、テレビや映画の再生中にもスムーズに音声操作を行える。

音場補正機能に独自の「ADAPTiQ」を採用するほか、内部には独自のDSPや歪みを抑える「QuietPortテクノロジー」など、ボーズのホームシアタースピーカーでおなじみの技術も搭載。テレビ番組から映画、音楽まで、さまざまなコンテンツの音声をリアルに再現できるようにした。

なお、上位モデルのBose Soundbar 700のみ、特にマルチチャンネル再生時に効果を発揮する音声技術「PhaseGuideテクノロジー」も装備することで、より臨場感のあるサウンド再現を図っている。

Bose Soundbar 700は、本体サイズ980(幅)×57(高さ)×108(奥行)mmのスタイリッシュなデザイン。ガラストップパネルが高級感をかもし出す。出力は65Wを確保

下位モデルのBose Soundbar 500は、本体サイズ800(幅)×44(高さ)×102(奥行)mm。マット加工のスリムな筐体が特徴。本体両サイドにもスピーカー出力部を配置しており、広がり感のある再生を狙った設計としている。出力は45W

Bose Soundbar 700には、1台でテレビのリモコンになったり音楽プレーヤーのリモコンになったり、シームレスに仕様を切り替えられる便利なユニバーサルリモコンが付属

もちろんボーズのホームシアター製品として、リアスピーカーやサブウーハーなどの追加モジュールとの連携にも対応。サウンドバーを中心としたフル5.1ch構成に拡張することができる

新アプリ「BOSE MUSIC APP」でシームレスに操作できる

なお、今回ご紹介したスマートスピーカー/サウンドバーとも、新開発の専用アプリ「BOSE MUSIC APP」(無料)を使用すれば、スムーズに設定や操作が行える。ラジオやプレイリスト、音楽配信サービスなど再生ソースの切り替え操作が可能なほか、アプリを使ってお気に入りの楽曲を本体にプリセット登録しておくこともできる。

新しい「BOSE MUSIC APP」を使用して、スマートスピーカー/サウンドバーの設定をシームレスにコントロールできるのがポイント。お気に入り楽曲やプレイリストのプリセット登録は最大6つまで。Bose Soundbar 700/500を拡張した場合は、サブウーハーやリアスピーカーなどのモジュールを個別にボリューム調整できる

というわけで、ボーズが手がける同社初のスマートスピーカー/サウンドバーを見てきたが、いかがだっただろうか。やはり注目したいのは、スマートスピーカーの本質的な能力に直結する集音性能の向上だ。世界初のノイズキャンセリングヘッドホンを開発した歴史を持つ、同社ならではの強みが現れた製品群と言えるだろう。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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