特別企画
野村ケンジ 6畳間「ミニマムシアター」の4K HDR & Dolby Atmos化計画

いままでにない使い方ができる!? ミニマムボディに進化した新おうちクラウドDIGAを試す

ありがたいことではあるが、ここしばらくはいろいろとやらなければならないことが山積みで切れ間がまったくといっていいほどなく、極小シアターのアップグレードがなかなか進められていない。とはいえ、年内にはDolby Atmos化の目処を立てたい!と改めて奮起していたところ、思わぬニュースが飛び込んできた。それが、この10月に発売されたパナソニックの新型レコーダー「新おうちクラウドDIGA」だ。

いま、テレビ界隈は12月1日に放送を開始する4K8K衛星放送の話題で持ちきりで、DIGAも最大の注目株は4K放送チューナを搭載する「4Kディーガ DMR-SUZ2060」となっているが、“極小シアター”的にもっとも気になっているのは別の製品。それが、Ultra HD Blu-ray再生対応の新おうちクラウドDIGA「DMR-UBZ2060」だ。

新おうちクラウドDIGA「DMR-UBZ2060」

新おうちクラウドDIGA「DMR-UBZ2060」

実はこちら、ちょうど1年前に導入し、現在も大いに活躍してくれている「DMR-UBZ2030」の後継に当たる製品で、スマートフォンで撮った写真や動画を取り込んだり、音楽CDからリッピングした音楽ファイルやe-onkyoで購入したハイレゾ音源などを内蔵HDDに保存でき、それらをテレビだけでなくスマートフォンからも楽しめるなど、単なるHDDレコーダーではない、ホームサーバーのような便利な機能を持ち合わせている。それが今回、そういった便利機能を継承しつつ、215(幅)×80(高さ)×215(奥行)mmという、まるでミニコンポの1ユニットであるかのようなコンパクトさと、イマドキのインテリアにマッチしやすいホワイトカラーの筐体に変更されたのだ。

これまでのHDDレコーダーといえば、奥行きこそ大分短くなってきたものの幅はフルサイズに近いものしかなかったし、外観もブラックを基調としたシックなものが大半だった。それが今回、明らかにコンセプトの異なるデザインを身にまとった、まったく新しいスタイルのHDDレコーダーへと生まれ変わったのだ。しかも、4K放送チューナを搭載する「4Kディーガ DMR-SUZ2060」以外、おうちクラウドDIGAと呼ばれる製品はすべて、このボディに変更されている。これは、大きなトピックだろうし、個人的にはかなりの衝撃だった。

実は以前から“AVアンプなどマルチチャンネル機器はイマドキのライフスタイルに合わせてコンパクト化が必須、特にフルサイズ幅から脱却すべき”という考えを持っていて、いろいろな場所で提案してきたのも確かだ。しかしながら、海外市場が主戦場となるホームシアター機器においてそういった視点が入る余地はなく、これまでと変わらないスタイルのものが継続されてきた。そんな時勢のなか、パナソニックがやってくれました! 設置やインテリアとのマッチングまで踏まえた、ライフスタイル重視のコンセプトを前面に掲げた製品を登場させてきたのだ。

もともと、パナソニックのおうちクラウドDIGAはライフスタイル重視の機能が充実していることから、このスタイルは見事にマッチする。いや、機能にデザインが追いついた、といったほうが正しいだろうか。というのも、新DIGAが何処にでも置けるようになったため、テレビ下のAVラックに収納する必要がなくなり、そればかりか、AVラック自体設置する必要すらなくなった。テレビは壁掛け、新DIGAはちょっと離れたところにあるユニットシェルフなどに設置、などというレイアウトの自由度も格段に高まってくれたのだ。これは、かなりの魅力といえるだろう。

リモコンを含めすべてホワイトカラーになったので、ユニットシェルフに配置してもまったく違和感がない

リモコンを含めすべてホワイトカラーになったので、ユニットシェルフに配置してもまったく違和感がない

ちなみに、極小シアターではAVプリ+パワーアンプやBDプレーヤーなど、AV機器がいくつも設置されているため本格的なオーディオラックを設置しているが、スペースに余裕があるわけではないため、設置の自由度が高い製品は大歓迎だ。機能性の進化などによっては、「DMR-UBZ2030」との入れ替えなども考えられる。とはいえ、百聞は一見にしかず、手にしてみないと分からないことは多々ある、ということで、さっそく「DMR-UBZ2060」の実機を借りてみることにした。

最初に手にした感想はというと、とにかく小さいことに驚いた。小さい、といってもあくまで「DMR-UBZ2030」との比較なのだが、幅、奥行きともに215mmという、上からだと正方形となる「DMR-UBZ2060」の外観は、とても小さく感じられるし、2.2kgという軽量さもあって、女性でも片手で持ち運べるサイズだ。

ちなみに、幅はA4ファイルサイズとピッタリ一緒で、長さ方向は90mmほど短くなっている。これまでのHDDレコーダーとは一線を画すサイズ感。デザインに関しても、ホワイトボディとちょっとした鏡面仕上げとなっているフロントパネルの組み合わせは、これまでのAV機器とは別物といっていい雰囲気で、ミニコンポのセンターユニットか何かのようだ。

横幅はたった215mm。ディスクトレイの大きさからも、本体の小ささがわかるはずだ

横幅はたった215mm。ディスクトレイの大きさからも、本体の小ささがわかるはずだ

実際、光デジタル入力付のプリメインアンプと組み合わせれば、ミニコンポのソースユニットとしても活用できる。パナソニック自らアンプやスピーカーを追加ラインアップしていかないのだろうか、と思わず妄想したくなるほどのいい意味でAV機器らしからぬ佇まいだ。

「DMR-UBZ2060」自身はステレオシステムのそばに置き、長めのHDMIケーブルでテレビと接続するのもいいかもしれない。いや、無線LANも搭載しているし、パナソニック製テレビと組み合わせてビエラリングで映像を楽しむというのもありか。いやいや、せっかくのUltra HD Blu-ray再生対応、4K HDR対応なのだから、やはりHDMIで有線接続するべきか。そのコンパクトさから、使い方の想像がいろいろと膨らんでいく。

そして、ふと思い立った。なんだ、持ち運んじゃえばいいじゃないか。

「DMR-UBZ2060」は、サイズも小さく、重さも2.2kg程しかないので、手軽とまではいわないが持ち運ぶのにあまり苦労はない。自宅でもUltra HD Blu-rayを見たり、自宅で録画した番組を仕事場の極小シアターで楽しむことができる。HDDが内蔵されているため丁寧に扱う必要があり、常に持ち運ぶまではいかないだろうが、“何だったらレコーダーごと持って行ってしまえ”という自由度があるのはとっても楽。ポータブルBDプレーヤーに近い活用ができるのだ。電源のあるクルマを所有していれば、キャンプ先で映像を楽しむこと勝手できる。これは、大きなメリットといえる。

いっぽうで、「DMR-UBZ2030」に対しての弱点もいくつかあった。最大のポイントは、HDMIの出力数だ。「DMR-UBZ2030」は映像と音声を分離して出力可能な2系統のHDMI出力が用意されており、4K HDR出力の際はこれを活用して映像クオリティを確保しているシステムだった。対して「DMR-UBZ2060」は、HDMI出力が1系統のみ。スペック的には不利になる可能性がある。

HDMI出力が1系統で、映像と音声を分けて出力することができないのは残念だ

HDMI出力が1系統で、映像と音声を分けて出力することができないのは残念だ

ということで、実際の映像でチェックしてみた。作品は以前と同じく劇場版アニメ「君の名は」4Kディスクで、電車および隕石落下のシーンをチェックした。

UHD BD版の「君の名は」でテストを実施

UHD BD版の「君の名は」でテストを実施

結論をいえば、どちらもよくできた映像だ。フォーカスが高く、クリアネスで、ディテールが細やかに、それでいて自然な印象で再生されている。厳密に比較すると、ほんの少し「DMR-UBZ2060」のほうがほんの少しフォーカス感が高く、明るめの色合い。いっぽう、黒側の階調は「DMR-UBZ2030」がやや有利で、画面に奥行き感を感じる。どちらかというと、シアター系の作品で好まれそうなのは「DMR-UBZ2030」のほう。対して「DMR-UBZ2060」は、テレビのバラエティ番組でもイケそうな、汎用性の高さを感じる。映像については、クオリティの差というよりも、想定される使い方の違いが大きいのかもしれない。

結論としては、まだ導入して1年ほどということもあり、引き続き「DMR-UBZ2030」は活用していきたいと思う。そのいっぽうで、持ち運びも考慮に入れたサブ機として、「DMR-UBZ2060」の導入も本気で考えたい。このサイズが生み出す利便性は、筆者にとってとてつもない魅力に感じるからだ。あくまでもサブ機、Ultra HD Blu-rayもこちらでは見ないというのであればBD搭載の「DMR-BRT2060」や「DMR-BRT1060」という選択もあり得る。こちらであれば、テレビはビエラリングで接続して楽しむ、というプランにもピッタリくる。

いずれにしろ、コンセプトがしっかりした製品だからこそ、サイズ変更でここまで魅力的なモデルに映るのだろう。今後の単体HDDレコーダーの行く末に、興味が惹かれるところだ。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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