特別企画
【不定期連載】野村ケンジ 6畳間「ミニマムシアター」の4K HDR & Dolby Atmos化計画

念願の4K放送録画実現に向けて、パナソニック「おうちクラウドディーガ DMR-4W400」を導入してみた

本業、というわけではないのだが、2019年はポータブルオーディオ界隈が一段と活気づいていて、ホームシアター系について、というか「ミニマムシアター」の4K化が全くといっていいほど進まなかった。とはいえ、2020年は東京五輪が開催される年でもあるし、4K HDR & Dolby Atmos化計画もいつまで足踏みしているわけにはいかない。2020年は気持ちを入れ替えていろいろ進めるぞ!ということで、まずは4K放送の録画ができるレコーダーの導入を実践することにした。

事務所の6畳間に設置したミニマムシアターで進めている4K HDR&Dolby Atmos化計画。プロジェクターは4K化しているが、映像ソースを撮り貯める肝心のレコーダーが4K録画未対応のままだった

というのも、4K放送録画レコーダーについては、ここ1年ばかり、仕事の合間でいろいろと検討を続けてきたからだ。NHKを中心に、4K(または8K)カメラで撮ったと思われる映像が、2K放送(フルHD)で見ても、あきらかによさそうだったからだ。特にライブものは見応えがありそうだし、せっかく4K放送されているのだから、4Kで見ないともったいないではないか。そう思いつつ、さて、どれを選べばいいかと1年間、気にし続けてきたのだ。半年以上悩んだ結論として、パナソニックの最新モデル「DMR-4W400」をチョイスすることとした。

導入したのは、パナソニックの2019夏モデル「おうちクラウドディーガ DMR-4W400」

導入したのは、パナソニックの2019夏モデル「おうちクラウドディーガ DMR-4W400」

こちらを選択した理由はいくつかあるが、まず4Kまわりについては、2番組同時録画ができるようになったのが決め手となった。2018年モデルでも4K録画ができる製品は登場していたが、4Kについては同時に1番組しか録れないものばかりで、1台を先々まで使い続けるのは厳しそう、と考えていたからだ。その点「DMR-4W400」は3チューナーを搭載し、そのうちの2つは4K放送に対応、4K放送を2番組同時録画できるようになっている。夏の東京五輪を考えると、2番組同時録画は必須だろう。

BS/110度CSチューナー(3基)部分に4K BS/110度CSチューナーも内蔵されている。後述するが、3チューナーのうち4Kが使えるものは2つまでとなっている

もうひとつ、長時間録画ができるようになったことも重要なポイントといえる。4K放送のオリジナルデータは、2Kの倍ほどのファイルサイズがあり、1層のBD(25GB)に1時間30分ほどの録画できるといわれている。過去の経験からいってDR録画(放送そのままを録画したもの)がメインなのは変わらないものの、やはり、長時間録画ができるのは嬉しい。一応見ておきたい番組などは長時間録画にしておくことで、HDDの空き容量を頻繁に気にしなくてもいいからだ。

ちなみに、「DMR-4W400」の4K長時間録画には1.5倍録、2倍録、4倍録、8倍録、おまかせ(8-12倍録)など多くのモードがあり、しかも「4K解像度」「広色域規格BT.2020」「10bitの階調表現」「HDR」「60p表示」などの要素を残しながら映像圧縮を行うため、長時間モードでも高精細で色彩豊かな映像を楽しむことができるという。また、長時間録画で興味深かったのが音声信号の選択だ。複数の音声信号を持つ番組を録画する場合、「4K画質の音声ch数優先」を「入」にしておくと、AAC 22.2chまたはAAC 7.1chの音声も記録してくれるようなのだ。ちなみに、デフォルトの「切」となっている場合は(ファイルサイズを小さくするためだろう)、AAC 5.1chまたはAAC 2chのいずれかひとつのみ記録されるようだ。

とはいえ、製品選びでいちばんのポイントとなったのが、マルチメディア性能と使い勝手のよさだ。パナソニックがアピールする“おうちクラウド”機能は、本当に多機能だ。録画番組をスマートフォンに持ち出して視聴することも可能だし、スマートフォンアプリ「どこでもディーガ」を使えば、写真や音楽を楽しむこともできるし、番組表からかんたんに録画予約ができたりもする。しょっちゅう使う機能ではないが、これができると意外に便利だったりする。

また、個人的に重宝しているのが、ネットダビング機能とe-onkyo music自動ダウンロード機能だ。HDDの残量不足や予約忘れなどでテレビシリーズ全話が録れていないとき、予備のレコーダーから不足の話数をダビングしたりするのだが、パナソニックは同社だけでなく他社レコーダーからも比較的スムーズにダビングできるため、大変重宝している。また、e-onkyoで購入した音源はPCにも保存しているものの、その予備としてディーガにも自動的に保存されているのもありがたい。ネットワークプレーヤーの試聴などでは、音楽用ネットワークディスクとして活用することもあるが、一般的なNASに比べて特にボトルネックがあるわけでもなく、なかなかありがたい機能性だったりする。

そして、もうひとつ「DMR-4W400」を選んだ決定的な理由が、インターネット動画サービスへの対応だ。そう、YouTube対応がレコーダーとしてはしばらくぶりの復活を果たしているのだ(テレビは結構対応しているものがある)。現在所有している「DMR-UBZ2030」でも「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」などには対応しており、実際に活用していたが、YouTubeは対応しておらず、その都度パソコンをつなげて見る必要があり、多少手間に思っていた。それが「DMR-4W400」ではしっかり対応、しかも4K HDR映像を見ることもできるようになったのだ。そのほかにも、BD-Rへのダビング操作にだいぶ慣れたいまではいちばん扱いやすいとか、テレビシリーズは勝手にフォルダを作ってまとめてくれるのが楽とか理由はあるが、特に

1.4K放送2番組同時録画
2.4K長時間録画
3.YouTube対応

の3つが決め手となっているのは間違いない。

ということで、年末大みそかも間近な頃に「DMR-4W400」を入手し、さっそく使ってみて、いろいろなことを確かめてみた。

実際の製品を見てみると、手持ちの「DMR-UBZ2030」とは基本的な部分は変わらないものの、デザインが多少変化していることに気がつく。奥行きの短さは同じだが、インシュレーターが付属したこともあって高さが少し高くなっている。とはいえ、サイズ的には大差のないレベル。これだけの高機能さを持ちながら、設置場所を選ばない薄型ボディを実現してくれているのはありがたい。

4K対応レコーダーの最上位モデルということで、設置部分にはインシュレーターも付属していた

4K対応レコーダーの最上位モデルということで、設置部分にはインシュレーターも付属していた

リモコンは全録タイプに付属の無線リモコンではなく、赤外線タイプのものが付属

リモコンは全録タイプに付属の無線リモコンではなく、赤外線タイプのものが付属

もうひとつ、B-CASカードがなくなっているのにもビックリした。これは、「ACASチップ」内蔵タイプに変更されたということなのだが、いざカードがなくなってみるとちょっと不安になった。しかし、しばらく使い続けていると、こちらの方がいいかもと思えてきた。というのも、B-CASカードは時々だがエラーを起こすことがあり、肝心の番組が録画されていない、という場合があったからだ。実際の状況は長期間使い続けてみないと分からないが「少なくとも接点不良が原因のエラーがなくなるだろうから安定動作してくれるかも!?」と期待している。

B-CASカードスロットやSDメモリーカードスロットがなくなったため、フロントパネル内側のデザインはかなりシンプルになった

まずは各ケーブルをつなぎ、初期設定を行い、番組を映し出してみる。アンテナケーブルはこれまで使っていいたものをそのまま流用した(HDMIケーブルは足りなかったため取り急ぎ18G対応製品を購入した)が、特に問題なく4K映放送の像が映し出された。今回の設置ではとりあえずという意味もありアンテナからケーブルから全く変えていないのだが、それでもBS4Kについては問題なく映し出されることが分かった。左旋(左旋円偏波)への対応があるため、そのうちBS/CSアンテナを換えるかもしれないが、しばらくはこのままで行こうと思っている。

アンテナ設備はこれまで使っていたものをそのまま流用。HDMIケーブルだけ新たに購入して設置したが、何の問題もなくあっさりと設置は完了した

いくつかの番組を録画し始めて最初にわかったのが、4Kの2番組同時録画を含む3番組録画にちょっとしたクセがあること。たとえば、誤って(4Kと2K混在で)4番組同時録画の指定をしてしまった場合、4K BS番組ではなく2K BS番組の方をいったん取り消さないと重複エラーが消えなかったりする。最初はこれに騙されて“2K含めて2番組しか録画できないのか?”と思い込んでしまったのだが、その後何人かからご指摘いただき、改めて試してみたところ、同時録画予約をやり直すことで4K BSx2+2K BSx1の合わせて最大3番組まで(もちろん4K BSは2番組まで)行えることがわかった。30分ドラマやアニメ放送などは深夜に集中しているため、3番組同時録画できる「DMR-UBZ2030」はとても重宝していた。それがしっかり受け継がれているのはありがたいかぎり。いまある「DMR-UBZ2030」はこのまま予備機として継続活用するつもりだが、タイミングを見て別の用途を考えてもよさそうだ。

4K放送の2番組同時録画を含む3番組録画にはちょっとしたクセがあり、重複エラーが出た場合は録画予約をやり直さないといけない

※初出で同時録画の制限について誤った内容を掲載しておりました。お詫びして訂正します。[2020年1月14日 11:00]
※一部加筆・画像追加対応を行いました[2020年1月14日 15:00]

また、BS4K放送の番組表を見ると、4K放送でないものもまだまだ多いことに気がついた。これらは2K番組のアップコンバートなのだろうか、BS2K放送と比べてみると明度がやや高くなっていたり、輪郭がシャープになっていたりするものがあった。とはいえ、特にキレイになっているわけではなく、放送までの作業工程の違いがクセとなって画面に端々に現れている、といったイメージでしかない。HDD容量を考えると、あえてBS4Kで録る必要はなさそうだ。

そうそう、HDD容量といえば、「DMR-4W400」には「DMR-4W200」という姉妹モデルがあり、機能的にはほとんど同じとなっている。それでも上位の「DMR-4W400」を選んだのは、内蔵HDDの容量が「DMR-4W200」の倍の4TBとなっているため。BS4K録画を行う場合は、HDD残量がよりシビアな問題になってきそうなので、内蔵HDDの容量はできるだけ大きい方がいい。ということで、迷わず「DMR-4W400」を選んでいる。

外付けのUSB HDDで録画容量を増やせばいいのでは、と考える人がいるかもしれないが、実はパナソニック製HDDレコーダーには4TBまでのUSB HDDしか認識できないという話がある。「DMR-4W400」で実際に試してみたところ、こちらも4TBまでしか認識できないようで、8TB容量のUSB HDDは認識して貰えなかった。今回、唯一残念に思ったポイントだ。今後の製品の課題として欲しいところだ。

背面に用意されていたHDD増設用USBポートに8TBの外付けHDDを接続してみたが、上記のようなアラート画面が出てしまい、接続することができなかった

4K長時間録画については、2倍録、4倍録あたりは使いそうになりそう、といった印象だ。録画した番組が少ないため、ハッキリしたことはいえないが、永久保存ものでなければ4K長時間録画も使えそう。今回は時間がなくてそれほど試せなかったが、先々、さらに長時間のモードも試してみたいと思う。

このように、「DMR-4W400」の導入によってUHD BDに加えてBS4K放送、そしてYouTube等のインターネット配信4K放送も楽しめる環境が整った。とはいえ、HDR対応プロジェクターをどうするか、Dolby Atmos導入に向けてのスピーカー選び&設置という、2つの大物が待っている。今年のうちに、できれば夏の東京五輪までには、そのあたりのご報告ができればと思っている。ということで、いろいろ頑張ります。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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