ハーマンインターナショナルから、同社が取り扱う「JBL」ブランドの2021年新製品が発表された。以下より、プレス向けの展示会で披露された実機の写真を交えながらご紹介していこう。人気Bluetoothスピーカーの最新機種やプレミアムグレードのスピーカーシステムが登場したほか、未発表モデルとして、開発中の完全ワイヤレスイヤホンや、ブランド創業75周年を記念した限定生産スピーカー「L100 Classic 75」なども披露された。
まずは、Bluetoothスピーカーの人気シリーズから。大容量バッテリーを搭載し、スマホを充電することもできるアウトドアモデル「CHARGE」シリーズが第5世代に進化した。最新機種の「CHARGE 5」として、2021年5月21日に発売される。直販サイト価格は16,280円(税込)。
カラバリは5種類をラインアップ
最大20時間の連続再生が可能な7,500mAhの大容量バッテリーを搭載する点は、前世代モデル「CHARGE 4」から継承しつつ、全体のシルエットやロゴデザインを最新世代のJBL製Bluetoothスピーカーと統一する形でアップデート。加えて、本モデルからは防水のほかに防塵にも対応したIP67仕様となった。
さらに、スピーカーも、従来はフルレンジユニットを内蔵していたが、CHARGE 5では20mmツイーターと独自開発の52×70mm楕円型ウーハーを搭載する2ウェイ構成になった(横向きに置いた場合、ツイーターとウーハーが隣同士に配置される)。パッシブラジエーターも装備しており、迫力あるJBLサウンドの再現を図っている。また、スピーカー本体の上部にある「PartyBoost」ボタンを押すことで、同機能を搭載したJBLスピーカー同士を複数台接続して一斉に音楽を鳴らすといった機能にも対応している。
本体背面には、防水対応のUSB Type-Cポートを搭載。接続部のフタがなくなり直接差し込むことができる
ポータブルオーディオ関連では、米国で先行発売されているスティック(ステム)型のノイキャン付き完全ワイヤレスイヤホン「LIVE PRO+ TWS」が参考出品されており、日本市場にも導入されることが示唆された。年内発売を目指しているとのことだが、具体的な発売時期や価格等は未定とのこと。
耳に引っかけるスティック型を採用し、フィット性を高めたLIVE PRO+ TWS
現時点で製品についてわかっている情報としては、JBLの「ハイブリッドノイズキャンセリング機能」を搭載し、「アンビエント機能」や「トークスルー機能」にも対応。どちらか片方の単体でも使用できる「デュアルコネクト機能」もサポートし、2020年に発売された人気モデル「Club Pro+ TWS」と共通の機能性を備えている。マイクは、ビームフォーミングマイクを含む3基を内蔵する。ドライバーは新開発の11mmダイナミック型を搭載し、JBLが掲げるシグネチャーサウンドにチューニング。そのほか、機能面では「Googleアシスタント」や「Amazon Alexa」にも対応している。正式発表が楽しみだ。
ブラックのほか、ホワイトとくすみカラーのピンクも含めた3色をラインアップする。最大再生時間は、ノイキャンオフ時で本体約7時間+充電ケース21時間=最大約28時間、オン時で本体約6時間+充電ケース18時間=最大約24時間
「TUNE 120TWS」のアップグレードモデルである「TUNE 125TWS」も参考出品されていた。USBポートがType-Cになったほか、デュアルコネクト機能に対応するなど使い勝手がよくなるようだ。こちらも発売時期や価格は未定
続いては、スピーカーシステムの新モデル「HDI Series」をご紹介しよう。高品位なプレミアムモデルとして開発されたシリーズで、フロア型の「HDI-3800」「HDI-3600」、ブックシェルフ型の「HDI-1600」の3機種をラインアップし、2021年初夏より発売される。
真ん中のグレー調のモデルが、最上位機種のHDI-3800。価格は275,000円(税込/1本)
次位のHDI-3600は198,000円(税込/1本)、ブックシェルフ型のHDI-1600は110,000円(税込/1本)。また、専用スタンド「HDI-S」も55,000円(税込/ペア)で同時期に発売開始
シリーズに共通する特徴は、まず独自のHDI(High Definition Imaging)ホーン技術を採用したこと。これは、JBLのスタジオモニター「Model 4367」「Model 4349」に搭載されているHDI-Xウェーブガイド・ホーン技術をベースに開発された、新世代の定指向性ホーンとなる。広い周波数帯域において、水平方向100°×垂直方向80°の安定した指向性パターンを発揮するHDIウェーブガイド技術により、リスニング環境の影響を抑えつつ広いリスニングスポットを実現する。
また、それぞれ中高域用ユニットには、同じく「Model 4367」「Model 4349」に搭載されているD2ドライバー技術から派生した、新開発のコンプレッションドライバー「2410H-2」を採用しているのもポイント。強力なネオジウム・リングマグネットとTeonex製の25mm径リングダイアフラムによって構成されており、上述のHDIホーンとあわせて、JBLらしい明瞭で抜けのある中高域と鮮明な音像イメージの再生を実現する。
低域用ユニットには、軽量高剛性アルミ・マトリックスコーン振動板を採用した低歪・高出力のウーハーを搭載している。特に、最上位モデルHDI-3800は200mm径のユニット、次位のHDI-3600は165mm径ユニットをそれぞれ3基搭載するトリプルウーハー構成。2機種とも最上部のウーハー1基と下2基のウーハーをスタガー接続する仕様で、中高域の定位を明瞭化しつつ豊かな重低音再生を行う。内部にはブレーシングによる綿密な補強を施しており、高い剛性を確保した。
最後に、JBL創業75周年を記念したモデルの参考出品をご紹介しよう。多くの名機を生んできたJBLスピーカーの歴史において、近年のヒットモデルのひとつと言えば、2019年発売の「L100 Classic」があげられる。1970年代に登場した名機「L100 Century」をモチーフにしつつ、最新の技術を投入して開発された1台で人気モデルとなっている。
このL100 Classicをベースに、75周年記念モデルとしてハイグレード化した「L100 Classic 75」が、近いうちに正式発表されるようだ。なお、キャビネットには新しくチーク材のリアルウッドを採用しており、内部のユニットやネットワークなども完全刷新されているという。
チーク材の木目が印象的な外観になったL100 Classic 75。レトロモダンな黒い「Quadrexグリル」を採用する。スピーカースタンド「JS-120」も同梱される
L100 Classic 75は、2021年初夏より予約受付を開始する予定で、価格はおそらく70万円前後(税込)になるとのこと。世界限定750台生産となり、日本市場にどれくらいの数が入ってくるのかはまだ不明だが、期待が高まる。
今回の展示会には実機がなかったが、ネットワーク機能に対応するプリメインアンプのハイグレードモデル「SA750」も、75周年記念モデルとしてラインアップされる。こちらも1年間しか供給されない台数限定製品で、同じく2021年初夏より予約受付を開始予定。価格は40万円前後(税込)を見込んでいる
さらにJBLの75周年を記念し、ブランドアンバサダーにCristal Kayさんが就任。JBLらしい「アイコニックなサウンド」の魅力を幅広いユーザー層に積極アピールしていく構えだ
そのほか、プロゲーミングチーム「FAV gaming」との2021〜2022年度スポンサーシップ契約を更新するなど、今年度もさまざまな分野でJBL製品を積極展開