レビュー

テレビ視聴や録画機能の使い勝手は? ヤマダ・Amazonが共同開発した日本初のFireTVスマートテレビを実機レビュー

テレビに接続するだけで手軽に動画配信サービスを中心としたさまざまなコンテンツを楽しめる、Amazonのスティック型メディアストリーミングデバイス「Fire TV」。このFire TVの機能を搭載したテレビ「FireTVスマートテレビ」が、ヤマダとAmazon協業によって3月5日よりヤマダホールディングス傘下店舗、Amazon.co.jpで発売された。製品はFUNAIブランドで全4モデルが展開されるが、今回はその中でも比較的手ごろに入手できる43V型4Kテレビ「FL-43UF340」を使って、動画配信対応やテレビ放送視聴・録画、画質・音質など全方位でチェックしてみた。

Fire TVの機能を搭載した43V型4Kテレビ「FL-43UF340」。価格は109,780円

Fire TVの機能を搭載した43V型4Kテレビ「FL-43UF340」。価格は109,780円

最初にFUNAI「FL-43UF340」の画面を映した姿から紹介しよう。本体サイズは43V型で外見寸法はスタンドありの状態で96.9(幅)×61.6(高さ)×22.9(奥行)cm。スタンド部分は左右にちょこんと付く形でシンプルな設置性だ。

FUNAI「FL-43UF340」の本体デザイン。画面は価格.comマガジンのYouTube動画より

FUNAI「FL-43UF340」の本体デザイン。画面は価格.comマガジンのYouTube動画より

テレビの背面は以下の写真のとおり。Fire TV搭載テレビというのでネット専用TVといったイメージでとらえがちだが、地デジ/BS、そして4K放送チューナーもしっかり搭載。入出力端子もHDMI3系統(HDMI1はACR対応)、アナログ映像音声入力、光デジタル出力、ヘッドホン出力、有線LAN、そして無線LAN(2.4GHz/5GHz、IEEE802.11acまで対応)とひと通りの機能を網羅している。

背面インターフェイス。一般的な入出力端子が揃う

背面インターフェイス。一般的な入出力端子が揃う

FUNAI「FL-43UF340」のセットアップを始めると、最初にAmazonアカウントへのログインをうながされる。スマートフォン向けに提供されている「Fire TVアプリ」を使えば、ネットワーク接続などの各種設定を一気に済ませられるので便利だ。ネットワークに接続すると、自動的に最新ソフトウェアへの更新が実行。初期設定はアップデート含め10分程度かかるが、ネットワーク環境やスマートフォン、Amazonアカウントがあらかじめあれば、そう難しくはないだろう。

Amazonアカウントなどの設定は、付属のテレビリモコンだけでなく、スマートフォン向けに提供されている「Fire TV」アプリからも行える

Amazonアカウントなどの設定は、付属のテレビリモコンだけでなく、スマートフォン向けに提供されている「Fire TV」アプリからも行える

Fire TVに関係するセットアップをひと通り済ませたら、次はテレビのチューナー周りの設定を行う。地デジの放送局スキャンなどを済ませれば準備完了だ。

AmazonアカウントなどのFire TVに関係する設定が済んだら、地デジのチャンネルスキャンなどのテレビ周りの設定を行う

AmazonアカウントなどのFire TVに関係する設定が済んだら、地デジのチャンネルスキャンなどのテレビ周りの設定を行う

さて、実際にFUNAI「FL-43UF340」を起動してホーム画面を見てみると、率直にいってFire TVシリーズの画面に非常によく似ている。ではどこが違うかというと、ホーム画面に統合される形で、地デジなど各放送局のチャンネルアイコンが追加されているところ。各局にカーソルを合わせれば現在放送中の番組情報が出て、そのままライブ視聴も可能だ。

FUNAI「FL-43UF340」のホーム画面

FUNAI「FL-43UF340」のホーム画面

放送関連を除くと、あまりにFire TVシリーズと同じで突っ込むところも少ない。Fire TVと共通のアプリストアも使えるし、Amazonプライム・ビデオはもちろん、YouTube、Netflix、TVer、Hulu、DAZN、ディズニープラスなど各種動画配信アプリも導入可能。ちなみに、搭載されているOSのバージョンは7.2.7.5で、これは「Fire TV Stick 4K Max」よりも新しい。ホーム画面の操作レスポンスもサクサクしていて、「Fire TV Stick 4K Max」とほぼ同じだった。

Fire TVの画面に統合されているチャンネル選択画面

Fire TVの画面に統合されているチャンネル選択画面

映像配信系アプリの挙動もFire TVシリーズとまったく同じ。きちんと4K対応のFire TVとして動作している。細かなところだと、たとえばスマホからのミラーリングもFire TV扱いで、Amazonプライム・ビデオはAirPlay経由で動作、Netflixもアプリ経由で動作することが確認できた。

Amazonプライム・ビデオも4K UHD画質で動作を確認

Amazonプライム・ビデオも4K UHD画質で動作を確認

NetflixはiPhoneからの画面ミラーリングもうまく動作した

NetflixはiPhoneからの画面ミラーリングもうまく動作した

地デジなど放送関連の操作はというと、いちばん多くの人が使う操作は一般的なテレビと同じくリモコンの地上、BS/CS、4Kといった放送波切り替えやチャンネル切り替えのボタンだろう。Fire TVのリモコンを縦長にしたようなデザインのリモコンは、上部にFire TV系のボタンを、その下に既存のテレビ系のボタンがレイアウトされていて、Fire TV系の操作をじゃましないようにうまく融合されている。ただ、いくつか気になるところもあった。ひとつは、HDMI端子などへの入力切り替えボタンがないこと、もうひとつは後半でも触れるが録画リストのボタンがないところだ。

FireTV系と地デジ系を一体化したリモコン

FireTV系と地デジ系を一体化したリモコン

ちなみに、リモコンは音声アシスタントのAlexaを使える関係もあってBluetooth接続。いちいちテレビの方向に向けて使う必要がないので地味に便利だ。

事前にまったく情報が出なかったのが、地デジ時代の今となってはおなじみの「番組表」。FUNAI「FL-43UF340」も番組表は利用でき、リモコンにも「番組表」の専用ボタンが用意されている。

FUNAI「FL-43UF340」の番組表

FUNAI「FL-43UF340」の番組表

左上の“G-GUIDE”のロゴからもわかるが、他社でも採用例のあるG-GUIDEベースの番組表を採用している。画面デザインはFire TV系とはことなり、独立して動いているように見える。

G-GUIDEの番組表はFUNAIのほかのテレビでも採用実績もあり、操作性はこなれている。フリーワード、ジャンルなどの検索もあるし、お気に入り番組表の作成なども可能。珍しいところでは「カテゴリー検索」というオフラインで動作するジャンル検索的な機能もある。機能性としては必要十分だ。

番組検索などもひと通り対応している

番組検索などもひと通り対応している

FUNAI「FL-43UF340」は外付けUSB HDDを増設することで、地デジやBS/CS、4K放送などを録画することができるので、今回は1TBのHDDを増設して録画にも挑戦。ちなみに、USB HDDを登録する機能はFire TVのソフトウェア側に搭載されており、録画機能を始めるには、ここで事前にUSB HDDの登録を行う必要がある。

USB HDD増設による録画にも対応

USB HDD増設による録画にも対応

まずは、オーソドックスに番組表から録画予約を検証してみる。録画モードは放送データそのままのDRモードのみ対応のよう。録画時間については公式にアナウンスはないが、容量1TBのHDDを取り付けたところ、地デジで約127時間、4K放送で約65時間録画できるようだ。ちなみに、チューナーは2系統で、裏番組視聴はできるが2番組同時録画は不可。録画中には気になる動作制限もなく、動画配信サービスなどの機能はすべて使えた。

録画予約はもちろん繰り返し設定も可能

録画予約はもちろん繰り返し設定も可能

番組録画をしたら今度は録画番組の再生……なのだが、なんとリモコンに録画リストのボタンがない。録画リストを呼び出すには、リモコンのホームボタンを長押し、メニューから選択する形で、HDMIなどの入力切り替えも同じ操作となっている。ちなみに、手動の録画スタートはこれとも違って、メニューボタンで呼び出す画面の中にある。説明書を見ないとまったくわからなかったので、この部分については不親切と言わざるを得ない。

録画リストの画面。この画面はメニューボタンで呼び出す必要がある

録画リストの画面。この画面はメニューボタンで呼び出す必要がある

録画リストの画面はG-GUIDEベースなので絞り込みも可能だが、あくまで必要最低限なので、CMスキップに便利や30秒スキップボタンや、自動チャプターなどの機能はなし。録画番組の視聴をメインに考えると、使い勝手がやや気になるかもしれない。

初期設定だと画面が暗め。「ナチュラル」への切り替えを推奨

画質に関して公開されている情報は、4Kパネルで画質エンジンに「クリアピクス2」を搭載している程度だ。この高画質エンジンはFUNAI「3130」シリーズに搭載されているものと同じ。4Kテレビの高級機ではなく、最も安いライン相当と推定される。

実際に地デジ放送やYouTube映像を視聴してみると……出荷時の初期設定である「標準」モードの画面は暗くて精細感も足りず、かなり物足りない。これはカタログスペック上の消費電力の数値をよくするために意図的に暗くしているのだろう。

地デジを映し出したところ。画質モード「標準」だと少し暗めに感じる

地デジを映し出したところ。画質モード「標準」だと少し暗めに感じる

リモコンのホームボタンを長押ししてメニューから画質を選択、映像モードを「ナチュラル」に切り替えると明るくなり、画面にメリハリも出る。色合いもそのままで不自然さはない。ここまで設定してやれば、エントリー機でもまずまずの画質で楽しめる。本来はこの設定をデフォルトで出荷してほしいところではあるが。

映像モードは「ナチュラル」への切り替え推奨

映像モードは「ナチュラル」への切り替え推奨

4K放送(HLGで放送している番組)も「標準」だと暗いため、「ナチュラル」に切り替えるのを推奨。ただそれでも人肌の色が妙に濃くて不自然なので、「色の濃さ」を下げるとバランスが整う。

視野角については、30度ほど角度をつけると画面がやや暗く見えるが、それ以上悪化はしない。安価なテレビは全体的に視野角がよくはないことを考えると、まあまあといったところだ。

視野角。斜めから見るとやや黄色がかる傾向があるが、おおむね許容範囲だ

視野角。斜めから見るとやや黄色がかる傾向があるが、おおむね許容範囲だ

音質については10W+10Wのスピーカーで、アンダースピーカー仕様。テレビ放送を視聴する分にはナチュラルな音で人の声も聞きやすく大きな問題もないが、Netflixで映画を視聴すると低音の迫力はやや物足りなさを感じるかもしれない。

まとめ

というわけで、ここまで日本初のFire TV搭載スマートテレビとして登場したFUNAI「FL-43UF340」をレビューしてきてが、個人的な満足度でいうと、Fire TV搭載による動画配信サービスの使いやすさにはとても満足だ。テレビ放送・録画関連は必要最低限だが、テレビ視聴をそれほど重視しないのなら問題ないだろう。画質・音質はエントリー機ならアリという程度のクオリティだ。

43V型で109,780円という価格は、価格.comで購入できる他社製品と比較すると決してコスパがよいとは言えないが、いちいちリモコンを持ち替えなくてもFire TVとテレビの両方が楽しめる利便性があることも確かだ。スティック型のFire TVシリーズ同様、今後のアップデートで使い勝手が進化していく可能性もあるし、テレビとFire TVが1台に融合したというところに魅力を感じるのであれば選んでもいいだろう。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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