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ハイセンス「U8R」が2025年mini LEDの大本命! 画質も音質も旧モデル以上だった

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ハイセンスのmini LEDバックライト搭載液晶テレビの大本命「65U8R」をレビュー。従来モデル「65U8N」を横に並べて比較を行った

ハイセンスのmini LEDバックライト搭載液晶テレビの大本命「65U8R」をレビュー。従来モデル「65U8N」を横に並べて比較を行った

mini LEDバックライトを搭載する4K液晶テレビで、明るさとコストパフォーマンスにすぐれたモデルを選びたい……そんなユーザーの期待に応えるハイセンスの2025年最新テレビ「U8R」シリーズが発売された。

この記事では、売れ筋である65V型「65U8R」の実機レビューをお届けしよう。

65U8R [65インチ]の製品画像
  • ハイセンス
  • 65U8R [65インチ]
  • 価格.com最安価格163,800 ( 発売日:2025年5月15日 )
  • 売れ筋ランキング21
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画面サイズ
65V型(インチ)
種類
4K液晶テレビ
バックライト
mini LEDバックライト
量子ドット
倍速機能
HDMI端子
4端子
BS/110度CS4K
x2
自動録画対応
65U8N [65インチ]の製品画像
  • ハイセンス
  • 65U8N [65インチ]
  • 価格.com最安価格118,972 ( 発売日:2024年5月中旬 )
  • 売れ筋ランキング4
  • 2024年発売の旧モデル
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ハイセンス「65U8N」

「最大のライバル」旧モデル「U8N」と直接比較

2024年モデルの「65U8N」(左)も用意し、2025年モデル「65U8R」(右)と比較した

2024年モデルの「65U8N」(左)も用意し、2025年モデル「65U8R」(右)と比較した

「U8R」シリーズの65V型モデル「65U8R」は、65V型という今どきのサイズ感ながら、6月下旬時点での価格.com最安価格は21万円前後。上位シリーズの技術を取り入れつつ価格を抑えた、いわゆる「コスパ志向」のハイグレードモデルという位置付けだ。

そんなハイセンス「65U8R」を購入するにあたっていちばんライバル機種は……同じくハイセンスの2024年モデル「65U8N」ではないだろうか。価格.com最安価格は取材時点で13万円を割り込み、発売から約1年も経ち価格がこなれてきている。

そこで検証にあたっては旧モデル「65U8N」を隣に並べて画質・音質の直接比較を実施。新モデル「U8R」はどれほどの実力向上を果たしたのか徹底的にチェックしていこう。

着実に機能と操作性が向上した独自OS「VIDAA」採用

ハイセンス「65U8R」をレビューするにあたって、最初にハイセンス製品初心者に向けて解説をしておこう。

オリジナルOS「VIDAA(ヴィダー)」を採用していることはハイセンス製テレビ共通の特徴で、「U8R」シリーズももちろん各種ネット動画の再生にも対応している。また、映像や音質を最適化する処理エンジンにはTVS REGZA社と共同開発した映像処理エンジン「HI-VIEW AIエンジン PRO」を搭載する。

なお、日本で発売中のモデルは海外モデルとは細部の仕様が異なっているようだ。

ハイセンス傘下のTVS REGZA社と共同開発した「HI-VIEW AIエンジン PRO」を搭載

ハイセンス傘下のTVS REGZA社と共同開発した「HI-VIEW AIエンジン PRO」を搭載

ハイセンスのテレビはオリジナルOS「VIDAA」を採用している。Google TVのようにアプリの追加はできないいっぽう、ログインなどの作業は不要。NetflixやAmazonプライム・ビデオ、YouTube、TVerなど多数のアプリを利用できる

ハイセンスのテレビはオリジナルOS「VIDAA」を採用している。Google TVのようにアプリの追加はできないいっぽう、ログインなどの作業は不要。NetflixやAmazonプライム・ビデオ、YouTube、TVerなど多数のアプリを利用できる

付属リモコンには12個のアプリ起動ダイレクトボタンを搭載する

付属リモコンには12個のアプリ起動ダイレクトボタンを搭載する

このことは、ハイセンスの2025年モデルが画質面でレグザのスタンダード機と同じ技術を基盤としているだけでなく、システムUIも基本は同じプラットフォーム上で動作していることを意味する。特に日本の地デジ放送の番組表デザインはソックリで、使いやすい。なお、地デジチューナーは3基、4K放送チューナーは2基搭載。USB HDD接続による番組録画も利用可能だ。

地デジ放送の番組表などは、レグザとよく似ている

地デジ放送の番組表などは、レグザとよく似ている

ちなみにハイセンスとレグザで共通化しているのは、UIの見た目や基本操作のロジックのみ。レグザ独特の高度な録画機能やネット動画関連のUI、リモコンデザインなどは異なるため、あくまで「レグザに似た操作感」であるということを誤解なくおさえておいてほしい。

ハイセンスの2025年モデルではシステム全体のアップデートが行われていて(これはレグザの2025年モデルも同様)、設定メニューの階層の作りなどUIの作りも変更が行われている。

2025年モデルは、設定画面などのデザインが変更されていた

2025年モデルは、設定画面などのデザインが変更されていた

また、特筆すべき進化点として「2画面表示」にも対応した。実機で確認してみたところ「左画面放送+右画面放送またはAirPlay」の組み合わせに限られるものの、2画面の同時見をしたい人向けにとっては便利だろう。

2画面機能も搭載。4Kを除く放送とAirPlayの組み合わせに対応する

2画面機能も搭載。4Kを除く放送とAirPlayの組み合わせに対応する

ゲーム機能も両機ともに最新仕様と言える内容だ。HDMI2.1に対応し、最大4K/144HzのVRR(可変リフレッシュレート)やALLM(自動低遅延モード)をサポート。2024年モデルの「U8N」では、55V型の「55U8N」のみ144HzのVRR非対応だったが、2025年の「U8R」では全モデルがVRR対応となった。世代を経て少し進化したポイントではある。

そのほか、暗いシーンで敵を視認しやすくする「暗部ガンマ調整」や、FPSゲームで有利になる「照準表示」機能を備えた専用のゲーミングメニューも利用可能。なお、4K Lag Testerで想定した「65U8R」の4K/60Hz信号での遅延は10.0ms前後だった。

地デジやYouTubeも明るい! 「U8R」も「U8N」も十分な“輝度感”がある

さて、ハイセンスの2024年モデル「U8N」、そして2025年の新モデル「U8R」で地デジ放送やネット動画などのSDR映像からチェックしよう。撮影した画面はYouTubeおよびHDMIで入力したデモ映像を利用している。

まず画質の第一印象は、「U8N」「U8R」とも明るく、素直に「画質がいい」のひと言に尽きるということ。大画面いっぱいに広がる映像は何を見てもビビッドで、地デジ放送特有のノイズもしっかり抑えられている。

「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のSDR画質比較

「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のSDR画質比較

「U8R」はさらに高輝度化を果たしているためもちろん印象的なのだが……、旧モデルの「U8N」でも十分すぎるほど明るいのだ。ちなみに出荷時の映像モードでもある「AI自動」モードで地デジなどを見ると、意外にも見た目上は「U8N」のほうが明るいが、これはあくまで見せ方の話。設置環境の「明るさ検出」をオフに設定したうえで両機種の明るさを最大に設定すると、やはり“出せる明るさ”の最大値は「U8R」が若干上回る。

こちらも「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のSDR画質比較

こちらも「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のSDR画質比較

明るさ以外では、2025年新モデルの「U8R」のほうがコントラストも高い。明るさが出せることと同時に黒側の階調が引き締まるのだ。「U8R」は新映像処理エンジン「HI-VIEW AIエンジン PRO」による「AIバンディングノイズ制御」や「AI美肌リアリティーPRO」といった機能で色の階調表現もていねい。特に地デジ番組では「AI クリアモーションPRO」の動き補完が効果的で、CGアニメーションなども違和感なく動きをスムーズにしてくれた。総合的な画質の完成度では「U8R」が一枚上手だ。

「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のYouTube画質比較

「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のYouTube画質比較

視野角については「U8N」「U8R」とも液晶テレビとしては十分といったところ。ADSパネルとアンチグレア低反射パネルというスペック的にも同等だ。

HDR映像の表現はピークの伸びとハロ対策で「U8R」が有利

続いて映像モードを「映画」に設定して、2024年モデル「U8N」、新モデル「U8R」を比較してみた。

画質は「U8N」「U8R」で近いのだが、「U8R」は一画面内のピーク輝度の伸びが向上している。また旧モデル「U8N」でもハロ(バックライトの光漏れ)は正面では見えないレベルではあるが、「U8R」はさらに斜めから見た場合も光漏れが抑えられている

これは「U8R」が新開発の「Mini-LED PRO」を採用し、旧モデル「U8N」と比較して、バックライトのエリアコントロールの分割数を4倍以上(65V型の場合)としたことが有効に働いているようだ。

「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のHDR画質比較

「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のHDR画質比較

こちらも「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のHDR画質比較

こちらも「65U8N」(左)と「65U8R」(右)のHDR画質比較

HDR映像の「映画」モードでの輝度測定も記しておこう。2024年モデル「65U8N」の最大輝度は、画面の25%を白表示したとき(※)の最大が1245cd/m2、画面の100%(画面全体が白)では650cd/m2。2025年モデルの「65U8R」の面積10%を白表示したときの最大が2248cd/m2、100%では500cd/m2。
(※小面積の最大輝度値=ピーク輝度は、数値が最大化したときの面積を記載)

分光放射計でピーク輝度(明るさ)と全画面白表示したとき(全白での)輝度を測定

分光放射計でピーク輝度(明るさ)と全画面白表示したとき(全白での)輝度を測定

全白の輝度は意外にも2024年モデル「65U8N」のほうが高いが、通常コンテンツを見るうえでは新モデルの「65U8R」のほうが最大2248cd/m2の輝度で明るく感じられる。

「U8R」の内蔵スピーカーは「2.1.2」chのサラウンドシステム

「U8R」と「U8N」を比較してわかったのは、画質が「着実な進化」を遂げていること。それに対して、音質は「劇的な進化」を遂げている。「65U8N」が2.1ch(合計40W)のサウンドシステムだったのに対し、「65U8R」は最大出力60Wの「2.1.2」ch空間サラウンドシステムを搭載しているのだ。「65U8R」では、画面上部に上向きの「トップスピーカー」が追加されている。

「2.1.2」chの立体音響仕様となった「U8R」の内蔵スピーカー。上方向に音を放射して「天井から音が降ってくるような」音響を再現するとしている

「2.1.2」chの立体音響仕様となった「U8R」の内蔵スピーカー。上方向に音を放射して「天井から音が降ってくるような」音響を再現するとしている

「U8R」は本体上部にもスピーカーを搭載している

「U8R」は本体上部にもスピーカーを搭載している

実際にコンテンツを視聴しても、地デジのニュース番組を再生し始めた時点で「U8R」の音質はまったくの別物。中低域まで厚みのあるサウンドだ。Ultra HDブルーレイの「トップガン マーヴェリック」を視聴してみても、低音のパワー、前後左右の音の広がり、高さ方向の音の再現など臨場感も別次元だった。

【まとめ】「U8R」は特に音質が大幅アップ! どちらを選ぶかは価格次第

ハイセンスの「65U8R」のレビューの結果をまとめよう。まず、新機種の「65U8R」は画質・音質・機能のすべてにおいて2024年モデル「65U8N」を上回っていることが確認できた。

「U8R」シリーズは、SDR映像でコントラストの高い映像を再現するし、HDR映像では圧倒的なピーク輝度を獲得している。そして音質向上も劇的で、「2.1.2」chのサラウンドシステムの迫力・臨場感が優秀だ。これだけでも「U8R」を選ぶ価値があると言える。

ただし、画質のみならば2024年モデルである「U8N」シリーズでも十分すぎるほどすぐれていて、価格差によっては旧機種の「U8N」のほうがコスパはよいという考え方もあるだろう。これは予算とサウンドバーなどの買い足し計画を合わせて検討したいところ。

こうしてハイセンス「U8R」の全体像をとらえると、2025年の新製品として隙のない性能向上を果たしたモデルと評価できる。2025年のmini LEDバックライト搭載液晶テレビ市場における新たなベストバイの有力候補と言えそうだ。

折原一也
Writer
折原一也
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家。「オリチャンネル」主催。IT系出版の編集者出身で、2004年に独立後はモノ雑誌やオーディオ・ビジュアル専門誌で活動。2009年より音元出版主催のVGP審査員。画質・音質にこだわるAV評論家ではあるが、ライフスタイルになじむ製品、コスパにすぐれた製品を評価する庶民派。2022年に立ち上げたYouTubeチャンネル「オリチャンネル」では、取材メディアの人間として一次情報の発信、検証と測定データに基づくレビューなど独自の発信も行っている。最近のマイブームはAI全般。
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柿沼良輔(編集部)
Editor
柿沼良輔(編集部)
AV専門誌「HiVi」の編集長を経て、カカクコムに入社。近年のAVで重要なのは高度な映像と音によるイマーシブ感(没入感)だと考えて、「4.1.6」スピーカーの自宅サラウンドシステムで日々音楽と映画に没頭している。フロントスピーカーだけはマルチアンプ派。
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