選び方・特集

《2025年》高画質なmini LEDなら「BRAVIA」! ソニーのおすすめテレビ2選

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ソニーのテレビは、「BRAVIA(ブラビア)」の愛称で長く親しまれています。現在は液晶テレビ「BRAVIA 9(XR90)」シリーズをフラッグシップモデル(最上位モデル)と位置づけ、有機ELテレビなど数多くのテレビをラインアップしています。

ここでは2024年、2025年に発売された現行モデルを網羅して、ソニー製テレビの選び方とおすすめモデルを紹介します。実際に見て、聴いて「これは買い!」という製品を選出したので、ぜひ購入の参考にしてみてください。

〈レビュー・監修〉ホームシアターコンシェルジュ 遠藤義人
ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。

基本的なテレビの選び方

まずはソニーに限らない基本的なテレビの選び方を確認してみましょう。これから選ぶならば、4Kテレビを検討すべきです。

部屋のサイズや用途に合ったサイズを選ぶのが基本ですが、サイズによって選べる製品が異なることに注意しましょう。

最新製品の基本は4Kテレビ

※データは2025年6月時点のもの

※データは2025年6月時点のもの

4Kテレビとは、水平(横)方向の解像度が4,000画素(実際には3,840)のテレビのこと。従来の一般製品で採用されていたフルHD(1,920×1,080)よりも約4倍細かく、高精細な映像を映し出せます。地デジ放送の解像度はHD(1,440×1,080)なので、4Kは必要ないと思われるかもしれません。それでもこれからテレビを購入するならば、4Kテレビがおすすめです。

その大きな理由は、42V型以上の最新テレビは、基本的にすべて4K解像度だから。あえて旧モデルなどの低解像度のテレビを選ぶ必要はありませんし、低解像度の大型テレビが安いということもありません。また、4K放送を見ないのであれば、専用アンテナの設置は不要です。

今やAmazonプライム・ビデオやNetflix、YouTubeなどでは4K解像度のコンテンツは珍しくありません。それらを100%楽しめるのが4Kテレビなのです。さらに、地デジ放送などHD以下の解像度コンテンツであっても、4Kテレビは映像の解像度を4Kに変換(アップコンバート/アップスケーリング)して高精細化します。

すぐれた映像処理能力を持っていることも4Kテレビのよいところ。4Kテレビに買い替えれば、何気なく見ていたいつものコンテンツをより楽しめるかもしれません。

高画質・高音質を狙うなら55V型以上

※データは2025年6月時点のもの

※データは2025年6月時点のもの

高画質・高音質のテレビを求めるならば、メーカーの主力と言える55V型以上のモデルがおすすめ

テレビは年々大型化していて、現在メーカーの主力サイズは55V型と65V型。高画質モデルはそもそも55V型もしくは65V型以上のモデルしか展開されていないこともよくあります。50V型以下のサイズを検討すると選択肢が減ってしまうため、コストパフォーマンスと高画質を考えるなら、いちばん有力になるのが55V型以上のサイズです。

ソニーのラインアップで言えば、最上位モデル「BRAVIA 9(XR90)」シリーズの最小サイズは65V型。そのほかに高画質志向のmini LEDバックライト搭載モデルを見渡しても、最小サイズは55V型です。こうした上位シリーズはスピーカーの品質も高く、音質的にも有利です。

予算を抑えたい人、一人暮らし向けには43V型か32V型

55V型が大きすぎると考える人にちょうどよいのが43V型の4Kテレビ。4Kテレビとしては最小サイズであり、選択肢が多く、価格もリーズナブルです。

40V型よりも小さなサイズのテレビは、解像度がフルHD(1,920×1,080)以下になることには注意が必要です。それでも小さなテレビが欲しいという人には32V型フルHD解像度のテレビがおすすめ。小型テレビのなかでは高画質を期待できるため、一人暮らし向けやサブテレビとして人気があります。

また、テレビのサイズが小さくても、録画やネット動画の再生機能など、できることには大きな差がないことがほとんど。価格を抑えたいという場合にも、4Kならば43V型、フルHDならば32V型がそれぞれ狙い目のサイズと言えます。

ただし、ソニーのラインアップを見渡すと高画質・大画面モデルに注力されており、43V型テレビは2023年モデル「KJ-43X80L」などが現行製品となります。32V型のフルHDモデルは「K-32W840」という2025年モデルが発売されましたが、ネット動画再生に対応しておらず、機能面で物足りなさがあることは否定できません。小さめのテレビならば、価格.comでも人気のハイセンスなどを検討するとよいでしょう。

有機ELテレビは「部屋を暗くして」「映画を見る」人におすすめ

現在のテレビは、有機ELと液晶の大きく2つに分けられます。2つを分けるのは発光方式の違い。詳細はともかく、とにかく画質がよいテレビを求めるならば有機EL、コストパフォーマンスを求めるならば液晶を選ぶとよいでしょう。

有機ELテレビは総じて画質がよく、グレーではない黒らしい黒を再現できることが特徴です。正確な光の表現ができるため、映像に臨場感が出るのです。また、視野角が広い(斜めから見ても色が変わりにくい)ことも大きな特徴です。ひと昔前の有機ELテレビは液晶テレビよりも暗いと言われていましたが、最新モデルでは明るさに不足はなく、どのような環境でも使いやすいテレビだと言えます。

価格と画質のバランスで選ぶならばmini LED

高画質テレビの最新技術として注目されているのがmini LEDバックライトを搭載した液晶テレビです。

有機ELテレビには「焼き付き」と呼ばれる現象(※)や寿命の面で心配する声もあります。そこで、価格的に有利な液晶テレビのなかで高画質を実現するための技術が注目されているのです。実際に、mini LEDバックライトを搭載した液晶テレビは、有機ELテレビよりも安い(一般の液晶テレビよりは高い)ことがほとんど。画質とコストのバランスがよい選択肢だと言えます。
※同じ画像を長時間表示し続けた場合、その部分に残像が生じたり、劣化が進行したりする症状のこと。最新製品での実使用上はそれほど気にする必要はありません。

液晶テレビは画面の裏に設置されたバックライト(光源)で映像の明暗を再現します。このバックライトを細かく区切り、エリアごとに別々に動かす(ローカルディミングする)ことで、コントラストの高い(明暗差がはっきりした)映像を表示できるのです。

録画機能重視派は3チューナーモデルが安心

最新のテレビでは、外付け(別売りの)HDDを接続すれば地デジなどの番組を録画できます。テレビ番組を録画する方法としてはブルーレイ・DVDレコーダーを使う方法もありますが、録画番組をディスクに残したり、DVDなどのディスクを再生したりという予定がないならば、テレビだけでも十分でしょう。

ブルーレイ・DVDレコーダーを使わずに録画機能を充実させたい場合は、3チューナーを搭載したテレビがおすすめ。3チューナーのテレビならば、テレビと外付けHDDを接続するだけで2番組の同時録画(と同時の別番組視聴)が可能。録画したい番組が重なる場合でも困ることがありません。

よく使うネット動画に対応しているかをチェック

最新のテレビは、基本的にほとんどがネット動画の視聴に対応しています。つまりDVDプレーヤーやFire TV Stick、Chromecastなどのストリーミング端末がなくても、NetflixやAmazonプライム・ビデオ、YouTubeなどの動画を楽しめるということ。

上記3つはほぼすべての製品が対応していると思って間違いありませんが、TVerやDAZNなどに対応しているかどうかは製品次第。リモコンにショートカットボタンを搭載していることもあるので、自分が利用するサービスに対応しているかどうか、リモコンにボタンがあるかどうか、確認するとよいでしょう。

記事で紹介しているテレビ一覧

製品
価格.com最安価格
画像ショップリンク画面サイズ解像度種類地デジチューナー数
ソニーK-65XR90
ソニー「K-65XR90」65V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-75XR90
ソニー「K-75XR90」75V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-85XR90
ソニー「K-85XR90」85V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-55XR50
ソニー「K-55XR50」55V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-65XR50
ソニー「K-65XR50」65V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-75XR50
ソニー「K-75XR50」75V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-98XR50
ソニー「K-98XR50」98V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-55XR80
ソニー「K-55XR80」55V型(インチ)4K有機EL3
ソニーK-65XR80
ソニー「K-65XR80」65V型(インチ)4K有機EL3
ソニーK-77XR80
ソニー「K-77XR80」77V型(インチ)4K有機EL3
ソニーK-55XR70
ソニー「K-55XR70」55V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-65XR70
ソニー「K-65XR70」65V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
ソニーK-75XR70
ソニー「K-75XR70」75V型(インチ)4K液晶(mini LED)3
パナソニックK-85XR70
パナソニック「K-85XR70」85V型(インチ)4K液晶(mini LED)3

ソニーテレビのおすすめ2選

ここからは、ホームシアターコンシェルジュ遠藤義人さんが実際に見て聴いて、“これは買い!”とおすすめする製品を紹介します。

ソニー最高画質を求めるならこれ!
ソニー「BRAVIA 9(XR90)」シリーズ

気に入った点
  • 液晶のデメリットを感じさせない正確な映像描写力
  • 臨場感と広がりがある自然なサウンド
  • 横から見ても色がほぼ変わらない
気になる点
  • 黒の再現性はさすがに有機ELにかなわない

シリーズ最小サイズの65V型「K-65XR90」を確認しました。「BRAVIA 9(XR90)」シリーズは2024年に発売されたモデルですが、この2025年夏以降もフラッグシップモデル(最上位モデル)として継続販売されています。

フラッグシップモデルならではと言える絶対的な輝度(明るさ)が、単に白の明るさだけでなく、各色の鮮やかさにも大いに貢献していることを見せつけています。元々赤がしっかりコッテリ出る印象のあるソニーですが、「XR90」シリーズではドレスの赤やドレープの影も飽和することなく正確です。一見黒に見えるような小豆色のズボンも潰れたり浮いたりすることなく「黒とはちょっと異なるスタイリングがオシャレ」という印象を抱かせるように、スタイリストの意図まで正しく映し出すようです。

夜間の戦闘のようなシーンも、暗部の落差や色味をていねいに表現し、動きボケも自然。液晶特有のハロ(光漏れ)も皆無でした。

映像補間による意図せぬ映像生成やエラーもなく、とにかく作品に集中できることが特徴です。「X-Wide Angle」のおかげで視野角も広く、ほぼ真横から見ても色味が崩れず、そのわりには正対した映像のクッキリ感も犠牲になりません

そして、実は映像よりも感心したのはサウンド。サウンドバーなどとの併用を推奨する「BRAVIA Theatre」を提唱するいっぽうで、テレビ単体でもきちんとツボを押さえているのです。テレビでは重要な甲高い男声と野太い男声の描き分けは随一なうえ、スタジアムでの歓声もワアッと臨場感豊かに広がります。液晶こそソニーのフラッグシップモデルであるという同社の想いを感じさせる内容です。

価格.comユーザーの口コミレビュー

・スタンドの高さと脚の幅をそれぞれ2段階から選べるのが便利
・液晶では最高峰の画質

※2025年8月4日時点の、価格.com「K-65XR90」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。

BRAVIA 9 K-65XR90 [65インチ]の製品画像
  • SONY
  • BRAVIA 9 K-65XR90 [65インチ]
  • 価格.com最安価格441,883 ( 発売日:2024年8月10日 )
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画面サイズ
65V型(インチ)
種類
4K液晶テレビ
バックライト
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倍速機能
HDMI端子
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BRAVIA 9 K-75XR90 [75インチ]の製品画像
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  • BRAVIA 9 K-75XR90 [75インチ]
  • 価格.com最安価格643,000 ( 発売日:2024年8月10日 )
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種類
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85V型(インチ)
種類
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ソニーのmini LEDテレビ「BRAVIA 9」と「BRAVIA 7」をレビュー。ひときわ高価な製品ですが、それにも納得せざるを得ない高画質・高音質モデルでした。
2024/12/25 13:00

mini LEDモデルの中で最も高コスパ
ソニー「BRAVIA 5(XR50)」シリーズ

気に入った点
  • 上位モデル譲りの鮮やかかつ自然な画質
  • 声を届けることに割り切った音質
気になる点
  • 外光の映り込みは多め

確認したのは65V型の「K-65XR50」。4K mini LEDバックライト液晶テレビシリーズの末弟「BRAVIA 5」は、2025年夏に追加された唯一の最新モデルです。2023年モデル「X90L」シリーズと同程度の価格に抑えつつ、画質の印象は上位モデル「BRAVIA 7(XR70)」シリーズに近く、コストパフォーマンスはかなり高いと言えます。また、98V型をラインアップするのは本シリーズのみです。

暗部の電流を明部に集中させてクッキリ感を高める独自技術「XRコントラストブースター」のスペックは上位モデルよりも控えめですが、mini LEDのバックライト制御技術「XRバックライトマスタードライブ」は同等。「BRAVIA 7」シリーズと見比べても、赤いドレスのドレープが作る影やくすんだ小豆色、青空と白いユニフォームといった色の鮮やかな描き分けは、圧倒的な落差があるとは言い難いレベルです。

倍速パネルの素のよさをそのまま生かし映像補間を控えめにした処理も自然で、過度な書き割り感もありません。視野角による色味の低下や外光の映り込みは、「BRAVIA 9」シリーズと比べると確かに感じられますが、それでも十分実用の範囲に収まっています。

サウンドシステムは「BRAVIA 7」シリーズ同等というスペックどおり、音域を中域中心に絞ることで人の声をしっかり聴かせて好印象。ただし、設置環境の違い(壁掛け/棚置き、環境補正+位置補正あり)の影響なのか少し声にキンつくところがありました。

価格.comユーザーの口コミレビュー

・鮮明で高画質
・上位機に負けず劣らず完成度・満足度が高い

※2025年8月4日時点の、価格.com「K-55XR50」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。

BRAVIA 5 K-55XR50 [55インチ]の製品画像
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  • BRAVIA 5 K-55XR50 [55インチ]
  • 価格.com最安価格163,443 ( 発売日:2025年6月7日 )
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55V型(インチ)
種類
4K液晶テレビ
バックライト
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  • BRAVIA 5 K-65XR50 [65インチ]
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  • BRAVIA 5 K-75XR50 [75インチ]
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75V型(インチ)
種類
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  • BRAVIA 5 K-98XR50 [98インチ]
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98V型(インチ)
種類
4K液晶テレビ
バックライト
mini LEDバックライト
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4端子
BS/110度CS4K
x3
自動録画対応

ソニーテレビのラインアップ紹介

おすすめ2選のほかにも、ソニーのテレビには多くのラインアップが用意されています。ここからは、シリーズ間での選び分け方をどう考えるべきか? どういう人がどれを選ぶべきか? ソニーの主要シリーズを解説します。

ソニーが2025年夏に追加したモデルは、液晶のスタンダードモデル「BRAVIA 5(XR50)」シリーズのみですが、2024年モデルのmini LED液晶「BRAVIA 9(XR90)」「BRAVIA 7(XR70)」シリーズや有機EL「BRAVIA 8(XR80)」シリーズも継続してラインアップされています。

今回の取材では、この4つの主要製品の65V型モデルを同じ環境で確認できました。有機ELと液晶の両方をラインアップするメーカーは、有機ELの画質を頂点としていることがほとんど。液晶はそれにできるかぎり近づけるというコンセプトで全体のラインアップを形成していると推察されます。しかし、ソニーのフラッグシップ(最上位)モデルはあくまで液晶の「BRAVIA 9」。堂々と「映像も音質も液晶が最高」と言い切りたいという意気込みが見られます

その自信は、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社と共同開発した超小型LEDドライバーICと発光制御技術「XRバックライトマスタードライブ」「XRコントラストブースター」が、自発光方式の有機ELと遜色ないハイコントラストを実現しているという自負があるからだと思われます。

実際に、ソニーのmini LED液晶の画質を見てみると、有機ELの「BRAVIA 8(XR80)」シリーズとは異なるアプローチをしつつ、最終的には正確かつ忠実なことにこだわった同じ画調で描き出していました。色に偏りがなく、シルエットの描き方にも誇張や破綻がないので、作品内容に集中できるのです。

基本的に地上波番組などの低画質素材はそれなりに補正して見せる方向ですが、速い映像の動きのボケ感が自然で、映像補間を弱めにしかかけていない点で好感が持てました。

つまり、ソニーについて言えば、有機ELと液晶はもはや上下関係になく、冒頭で紹介した「テレビの選び方」の一般原則がそのまま適用できるということ。

暗いシーンが多い映画作品を中心に楽しむなら有機ELが駆動方式による本来の強みを無理なく発揮します。対する液晶は、mini LEDとソニー独自のバックライト制御で、一般的なテレビ番組やネット動画コンテンツの大半を占める明るい映像のニュースやバラエティ、スポーツを清々しく描き出し、普段使いのテレビとしてははるかに使いやすいと感じさせてくれます。

以下に、おすすめとしてあげた以外のラインアップも紹介します。

暗いシーンの再現性は「BRAVIA 9」以上の有機EL
ソニー「BRAVIA 8(XR80)」シリーズ

気に入った点
  • 部屋を真っ暗にして見る映画の自然な描写力
  • 横から見ても色がほぼ変わらない
気になる点
  • 価格は高め

確認したのは65V型の「K-65XR80」。部屋の照明を落とし、暗いシーンが多い映画作品を観るというシチュエーションにおいては、陰影のグラデーションやハッとするアイキャッチ中心に表現に余裕があります。この有機ELならではの再現性には、「BRAVIA 9(XR90)」シリーズを含む最新液晶テレビをもってしてもかないません

特に「XR80」シリーズは、暗いシーンの暗い部分もペタッと潰れたり、作品性に無関係なシーンで物陰がガサガサ動いたりという不自然さもなく、色味も含めてナチュラルに表現します。画面に対して斜めから見た場合に色味が変わらないのも、有機ELならでは。

音質は中音域中心に手堅くまとまっています。弱点は、画面全体の絶対的な輝度感が同社製mini LED液晶テレビほどではないことのほか、77V型までのサイズに限定されること、消費電力が大きいこと、そして価格でしょう。

価格.comユーザーの口コミレビュー

・深みのある落ち着いた画質
・人の声が聴き取りやすく薄型テレビとしては十分な音質

※2025年8月4日時点の、価格.com「K-55XR80」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。

BRAVIA 8 K-55XR80 [55インチ]の製品画像
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  • BRAVIA 8 K-55XR80 [55インチ]
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4K有機ELテレビ
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65V型(インチ)
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77V型(インチ)
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バックライト
量子ドット
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4端子
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mini LED + 量子ドットのリッチな画質が光る
ソニー「BRAVIA 7(XR70)」シリーズ

気に入った点
  • mini LEDや量子ドットのよさを生かした自然な画質
  • 人の声が聴き取りやすく、得手不得手がない音質
気になる点
  • コスパでは「BRAVIA 5(XR50)」にかなわない

確認したのは65V型の「K-65XR70」。2024年モデルではありますが、明るい場所に集中して電流を集める機能「XRコントラストブースター」の数値は「20」。これは同数値が「10」である「BRAVIA 5(XR50)」シリーズの2倍です。倍になるのは絶対的な明るさだけでなく、それにともなって色味も増えるので、確かに「BRAVIA 5」シリーズよりも鮮やかで、見栄えのよい映像です。

しかし、コストパフォーマンスを考えると、うまく価格を抑えた「BRAVIA 5」シリーズの出来がよく、この「BRAVIA 7」シリーズはやや中途半端な存在とも言えます。購入検討は価格.comの最安価格次第でしょう。

なお、音質や視野角の基本性能は「BRAVIA 5」シリーズと同等です。

価格.comユーザーの口コミレビュー

・映像がとてもきれいで奥行きを感じる
・撮影するカメラによって映りが違うものだと、気づかされた

※2025年8月4日時点の、価格.com「K-55XR70」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。

BRAVIA 7 K-55XR70 [55インチ]の製品画像
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画面サイズ
55V型(インチ)
種類
4K液晶テレビ
バックライト
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量子ドット
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4端子
BS/110度CS4K
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BRAVIA 7 K-65XR70 [65インチ]の製品画像
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  • BRAVIA 7 K-65XR70 [65インチ]
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65V型(インチ)
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4K液晶テレビ
バックライト
mini LEDバックライト
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HDMI端子
4端子
BS/110度CS4K
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75V型(インチ)
種類
4K液晶テレビ
バックライト
mini LEDバックライト
量子ドット
倍速機能
HDMI端子
4端子
BS/110度CS4K
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85V型(インチ)
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4K液晶テレビ
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HDMI端子
4端子
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ソニーの液晶テレビ・有機ELテレビ 価格.com人気売れ筋ランキング

2025年8月4日時点の価格.com「ソニーの液晶テレビ・有機ELテレビ 人気売れ筋ランキング」

2025年8月4日時点の価格.com「ソニーの液晶テレビ・有機ELテレビ 人気売れ筋ランキング」

価格.comマガジン編集部 柿沼
価格.comマガジン編集部 柿沼

価格.comでのソニー製テレビの売れ筋は、最新のmini LEDバックライト搭載モデル「K-55XR50」。ソニーとしては価格を抑えたmini LEDテレビで、本記事でもおすすめシリーズとして推挙しています。他社比較で言えば価格は高めですが、画質の安定性が特筆される高コスパモデルです。

比較的安価な製品として上位にスタンダードな4Kテレビ「75WL」シリーズがありますが、こちらは2023年モデル。やや古めの製品であることに留意しましょう。

柿沼良輔(編集部)
Writer / Editor
柿沼良輔(編集部)
AV専門誌「HiVi」の編集長を経て、カカクコムに入社。近年のAVで重要なのは高度な映像と音によるイマーシブ感(没入感)だと考えて、「4.1.6」スピーカーの自宅サラウンドシステムで日々音楽と映画に没頭している。フロントスピーカーだけはマルチアンプ派。
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