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オンキヨー初のカスタムIEMが登場! スポーツ向けの遮音性も選べる

オンキヨー&パイオニアイノベーションズは2015年6月16日、シバントスと共同開発した、オンキヨーブランドのカスタムIEM(インイヤーモニター)を7月17日に発売すると発表した。搭載するドライバーはバランスド・アーマチュア(BA)型で、フルレンジドライバーを1基搭載する「IE-C1」、低域用と高域用のドライバーを1基ずつ搭載する「IE-C2」、低域用/中域用/高域用のドライバーを各1基搭載する「IE-C3」をラインアップする。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、シングルドライバーのIE-C1が59,800円(税別)、2way2ドライバーのIE-C2が79,800円(同)、3way3ドライバーのIE-C3が119,800円(同)。いずれも耳型採取は別料金。

販売は、シーメンス補聴器の取り扱いのある全国のメガネショップで7月17日より順次開始される。なお、6月下旬より、東京・八重洲のGibson Brands Showroom TOKYOと、シーメンス補聴器コンセプトストア銀座店にて先行販売が行われる。

フルレンジのBAドライバーを1基搭載したIE-C1。展示されていたのは、すべてユニバーサルモデルとなる(ユニバーサルモデルは未発売)

補聴器ブランドと共同開発したカスタムIEM

今回発表されたIE-Cシリーズは、オーダーメイドの補聴器ブランド「シーメンス補聴器」を手がけるシバントスと共同開発したカスタムIEM。本体の製作はシバントスが担当する。オーディオブランドであるオンキヨーと、オーダーメイド補聴器の出荷台数70万台の実績を持つシバントスが、それぞれの得意分野を調和させることで生み出した製品だ。ちなみに、シバントスが手がけるシーメンス補聴器は、国内でもトップクラスのシェアを持つブランドとなっている。

音の要となるBAドライバーには、振動と共振を低減する「フローティング構造」を採用している。BAドライバーをシリコン製クッションでコーティングし、やわらかめの接着材で固定することで振動を吸収する構造で、これにより、にごりのない輪郭のハッキリとした音を再生することができるという。こういうような振動対策は、スピーカーで培ってきたノウハウだ。また、肉厚のシェルのほか、内部の配線などにもこだわっているとのこと。

シェル内の構造。BAドライバーをシリコン製クッションでつつみ、やわらかめの接着材で固定する「フローティング構造」を採用。ドライバーの不要な振動や共振を防ぎ、輪郭のハッキリとした音を再生する

フィット感の高い細身のシェルデザインを採用。3タイプの遮音性も選べる

IE-Cシリーズでユニークなのが本体デザインだ。カスタムIEMは、大きなフェイスプレートとシェルを採用するのが一般的だが、IE-Cシリーズは、それと比べるとかなり細身だ。これはシーメンス補聴器の「COOL(クール)」と呼ばれるデザインで、装着しやすく外れにくいほか、耳穴の奥(外耳道)を圧迫しないものとなっている。長時間使用しても疲れにくいデザインなのだ。また、カスタムIEMでは初という抗菌コーティングも採用する。

さらに、自分の好みや使用用途に応じて、3タイプの遮音性が選べるのも大きなポイント。3製品の中で一番遮音性が高い「プロ・ミュージシャン」、音楽鑑賞に最適な遮音性とフィット感を備えた「スタンダード」、体を動かしていても外れにくく外の音が適度に聞こえるように密閉度を調整した「スポーツ」を用意している。

装着例

装着例

この独特な細身の形状がシーメンス補聴器のCOOLデザインだ

この独特な細身の形状がシーメンス補聴器のCOOLデザインだ

3タイプの遮音性の違い

3タイプの遮音性の違い

シェルで耳穴付近の厚みを増やしたり減らしたりして密閉度を調整しているほか、外耳道の長さも若干だが変えている様子。おのおので聞こえ方にも少しずつ差があるようだ

7営業日で製作。全国のメガネショップでも受付可能

IE-Cシリーズの製作は、まず、シリコンで採取した耳型を、レーザー光を用いた高精細な3Dスキャンでスキャンする。取り込んだ耳型の3Dデータに微調整を加えて、モデリングを仕上げていく。完成したモデリングデータは、レーザー光を使用した精密な3Dプリンターで出力され、最後は「匠」と呼ばれるシーメンス補聴器の日本技術者によって手作業で仕上げられる。なお、これらの工程は、神奈川県の相模大野にあるシバントスの工場で実施される。設計から製造までを一貫して国内で行うため、耳型が工場に到着して約7営業日で完成品を発送できるという。海外ブランドのカスタムIEMは、輸送や製造などで手元に届くまで3か月前後かかることもあるが、国内製造と最新技術によってそのリードタイムを大幅に減少させている。

耳型の採取については、Gibson Brands Showroom TOKYOやシーメンス補聴器コンセプトストア銀座店のほか、シーメンス補聴器の取り扱いショップでも可能。最寄りのメガネショップでオーダーメイドのシーメンス補聴器を取りそろえていれば、そこで耳型を採取し注文できるという。遠くの専門店で耳型を採取する必要もない。

また、商品の初回受取日から30日以内であれば、出来上がった製品が耳になじまない場合でも、無償で再作(リメイク)も可能としている。

シーメンス補聴器のオーダーメイド補聴器の工程。IE-Cシリーズも同じ工程を経て作られる

シーメンス補聴器のオーダーメイド補聴器の工程。IE-Cシリーズも同じ工程を経て作られる

採取した耳型が工場についてからの製作日数は約7営業日。オーダーから納品まで早ければ2週間くらいで手元に届くということになる

ケーブルはMMCXタイプの着脱式でリケーブルも可能。プラグは3.5mmステレオミニ。ケーブル長は1.2m。カラーラインアップは、シェルカラーが12色、ケーブルカラーが3色。

シェルカラーは、レッド、マゼンタ、パープル、ブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、ブロンズ、パールホワイト、メタリックブラック、ギャラクシー、ブラックの12色。ケーブルカラーは、ブラック、ホワイト、レッドの3色

IE-C1/C2/C3の主な仕様

IE-C1/C2/C3の主な仕様

なお、6月19日から7月16日までの間、特別価格で購入できる発売記念キャンペーンを実施。Gibson Brands Showroom TOKYOとシーメンス補聴器コンセプトストア銀座店で予約・支払いを行うと、1〜2万円安く購入できる。さらに、音楽演奏を楽しむ高校生や大学生を対象とした、学生応援特別価格での販売も予定している。

銭袋秀明(編集部)
Writer
銭袋秀明(編集部)
編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!
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