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「春のヘッドフォン祭 2016」で見つけた注目の新製品を一挙レポート!

国内外のヘッドホン・イヤホンメーカーが多数出展し、多くの新製品や参考展示品が並んだ「春のヘッドフォン祭 2016」(開催日:2016年4月29日〜30日)。「Astell&Kern」ブランドの高級ハイレゾプレーヤー「AK380」などとつなげて使用するポータブルレコーダーユニット「AK RECORDER」ついてはすでにレポートしたが、ここでは、そのほかの注目製品を紹介しよう。

アナログレコードにも合う?
ゼンハイザーの超高級ヘッドホンシステム「HE-1」

会場内で大きな注目を浴びた製品の1つが、ゼンハイザーブースで展示された、フラッグシップヘッドホンシステム「HE-1」だ。

ゼンハイザー「HE-1」

ゼンハイザー「HE-1」

パワーアンプを内蔵したコンデンサー型ヘッドホン「HE 1060」と、専用のDAC搭載の真空管プリアンプ「HEV 1060」で構成。再生周波数は8Hzから100kHzというワイドレンジな再生を得意としている。会場にいたスタッフによれば、情報量の多いハイレゾ音源だけでなく、復活の兆しを見せているアナログレコードのよさも引き出せるように設計された機種とのこと。開発には、同社のフラグシップヘッドホン「HD800」を手がけたチームが携わっているという。なお、会場に展示されたのはプロトタイプで、いまなお音質のチューニングは続いているという。現地での発表価格は約5万ユーロだが、日本で販売されるときはおそらく600万円〜700万円になるという。発売は2016年を予定している。

アナログ音声入力だけでなく、USBなどのデジタル音声入力も搭載している

アナログ音声入力だけでなく、USBなどのデジタル音声入力も搭載している

スピーカーのように聴こえるヘッドホン
CROSSZONE「CZ-1」

トライオードのブースで展示されていた台湾CROSSZONE「CZ-1」は、スピーカーで聴いているような自然な音の広がりが楽しめるステレオヘッドホン。一般的なヘッドホンで音楽を聴くと、頭の中に音を感じる(頭内定位する)のに対し、「CZ-1」では頭外定位し部屋でスピーカーを聴いているような感覚で楽しめる。こうした効果を得るために「DSP(Digital Signal Processor)」を用いるのが一般的だが、「CZ-1」は、役割の異なる3つのドライバーユニット(高域用/低域用/逆チャンネル用)を、3角形状のハウジング内に立体的に配置するという、アコースティックな設計により実現している。また頭の大きさ(ヘッドバンドの長さ)に関係なく、側圧の負荷がほぼ一定というソフトな装着感も大きな魅力だ。発売は6月下旬。市場想定価格は25万円。

CROSSZONE「CZ-1」

CROSSZONE「CZ-1」

低域の再現性にこだわったコンデンサー型ヘッドホン
MrSpeakers「ETHER エレクトロスタティック」(仮)

米MrSpeakersの新作ヘッドホンの目玉となったのが、今年発売予定としているコンデンサー型の「ETHER エレクトロスタティック」(仮)。コンデンサー型の特徴とも言えるリニアリティの高い音はそのままに、コンデンサー型が不得意な低域を独自技術で強化しているという。ハウジングデザインは既存の「ETHER」を流用している。なお、コンデンサー型では必要となる専用アンプは、ほかのメーカーと協力していくとのこと。くわしい価格は明かされていないが、「ETHER」や「ETHER C」よりも高くはなるが、ものすごく高くなることはないとのこと。

MrSpeakers「ETHER エレクトロスタティック」(仮)

MrSpeakers「ETHER エレクトロスタティック」(仮)

着脱できるプレートで密閉型と開放型を切り替え可能
HiFiMAN「Edition S」

HiFiMAN JAPANはダイナミック型ドライバー内蔵のヘッドホン「Edition S」を出展。ハウジング部に装着されたマグネット付きプレートを着脱することで、密閉型と開放型を切り替えられるのが特徴。密閉型にすると低音の量感が上がり、開放型ではヌケのよい音が楽しめる。ドライバー径は50mm。ケーブルは着脱可能(3.5mm)。発売は5月下旬。市場想定価格は35,000円前後。

HiFiMAN「Edition S」

HiFiMAN「Edition S」

ハウジング部に装着されたマグネット付きプレート

ハウジング部に装着されたマグネット付きプレート

国産ブナ材でできた木のヘッドホン
Konohazuk「Konohazuk H3」

Konohazukは、国内のクラウドファンディンク発のプロジェクトである、木のヘッドホン「Konohazuk H3」を参考出展。ヘッドバンドやハウジングなどのボディ全体に岩手県産のブナ材を使用したモデルで、職人の手作業で仕上げられている。ウレタン塗装を施したハウジングは密閉型となり、40mm口径のダイナミックドライバーを搭載している。再生周波数帯域は20Hz〜20kHz。イベント当日、支援者などの声を受け、(1)一体型だったケーブルを着脱式に変更、(2)オリジナルのキャリングケースを付属する、という2つの仕様変更をアナウンスしている。一般販売は冬頃。価格は34,800円(税別)を予定している。

Konohazuk「Konohazuk H3」

Konohazuk「Konohazuk H3」

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