レビュー
ビジネスでもプライベートでも使える超小型モバイルプロジェクター

キヤノンのミニプロジェクター2機種を自宅で比較レビュー

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据え置き型のビジネス向けプロジェクターを中心にラインアップしているキヤノンから、手軽に持ち運びできるミニプロジェクター「C-10W」「C-5」が登場した。カバンの中にしまえるコンパクトサイズなので、外出先でのプレゼンといったビジネスシーンで活躍するだけでなく、専用のスクリーンもいらないためプライベートでも扱いやすい製品となっている。今回は、「C-10W」「C-5」の2製品を、スマートフォンなどを使ってプライベートでどれくらい使えるのかをチェックした。

どこでも持ち歩け、すぐに接続できる、スマートフォン時代のミニプロジェクター

キヤノンのミニプロジェクターは、スマートフォンやタブレットと組み合わせて使うのに最適な、超小型サイズのモバイルプロジェクターだ。その大きさはまさに手のひらサイズ。映像入力がスマートフォン向けのMHLに対応しているほか、本体内部にはバッテリーや、スピーカーを搭載するなど、これとスマートフォンを持っていればひと通りの映像投影が行える。まさにスマートフォン時代の超小型プロジェクターなのだ。コンパクトなため映像調整機能はフォーカスのみ(ズームは固定)とシンプルだが、逆に複雑な操作が必要なく手軽に使えるのが魅力だ。

そんなキヤノンのミニプロジェクターのラインアップは、無線で映像を受信できるワイヤレス対応の上位モデル「C-10W」と、機能を絞ることでよりコンパクトに仕上げた「C-5」の2モデル。それぞれ用途に合わせて選ぶのが楽しい特徴的なモデルに仕上がっている。そのうち、まずは「C-5」から見ていこう。

キヤノンのミニプロジェクター「C-10W」(左)と「C-5」(右)。写真のミニ三脚も同梱される

キヤノンのミニプロジェクター「C-10W」(左)と「C-5」(右)。写真のミニ三脚も同梱される

胸ポケットにおさまる超小型サイズを実現した「C-5」。完全ケーブルレスでも使用可能な多機能モデル「C-10W」

「C-5」は前述の通り、圧倒的なコンパクトさが特徴のモデル。ジャケットの胸ポケットにも入る大きさを実現している。その本体サイズは124(幅)×20(高さ)×71(奥行)mmと超小型で、重量も169gときわめて軽量。モバイルプロジェクターの中でもとりわけコンパクトさが目を引くモデルになっている。

また本体に内蔵されたバッテリーにより最大3時間駆動できるのも大きな魅力。最大解像度は640×480ドット(VGA)と低く、アスペクト比4:3なのが難点だが、とにかく小さいのでスマートフォンに保存した映像や写真などを手軽に映し出すのには最適だ。映像入力端子はミニHDMIだが、付属のケーブルを使うことでテレビやレコーダーで使われる一般的なタイプAのHDMIポートを搭載する機器とも接続できるようになっている。

いっぽうの「C-10W」は、「C-5」に比べて本体サイズがひと回り大きいが、プロジェクターとしての基本性能は高い多機能モデルだ。とはいえ、本体サイズは、110(幅)×17(高さ)×110(奥行)mmで、重量260gなので、十分コンパクトではある。「C-10W」のメリットは、まず出力できる画素数が高く、表示解像度は854×480ドットと、アスペクト比16:9のWVGAに対応している点。さらに入力解像度はフルHDに対応している。このため1080pの映像を出力できるプレーヤーなどとも接続可能だ。さらに、Android端末やiOSデバイスの画面を無線で伝送できる、ワイヤレス機能を内蔵し、電源ケーブルも映像ケーブルもなしで完全なワイヤレス動作を実現している。このほか、明るさも100lmと、「C-5」の倍の明るさを確保。内蔵スピーカーもステレオとなっている。両機種の仕様をまとめたのが、以下の表だ。

では両機種の本体の大きさやインターフェイスを見比べてみよう。

「C-10W」(左)は横幅が広く設置面積が大きい。いっぽう「C-5」(右)は横幅は狭いが、奥行が長く厚みも多めになっている。またフォーカスリングの位置は、「C-10W」が前方左上にあるのに対し、「C-5」では前方左側面に設けられている。なお、「C-5」の左側面には電源スイッチも付いている

背面には各種インターフェイスが搭載されている。「C-10W」(左)は、無線モード切り替えのスライド式スイッチ、音声出力端子、HDMI端子、micro USBポート、電源入力端子が並ぶ。「C-5」は、音声出力端子、ミニHDMI端子、電源入力端子

「C-10W」(左)には2基の冷却ファンが搭載されているのに対し、「C-5」(右)の冷却ファンは1基。のみ「C-10W」は2基搭載している分、ファンの動作音がやや大きく感じた。また、スピーカーも「C-10W」はステレオなのに対し、「C-5」はモノラルとなっている

室内の壁に映像を投影して画質を比較

次に画質もチェックしていこう。ここまで小型のミニプロジェクターだけに画質面ではあまり期待していなかったが、今回は筆者の自宅の壁に両モデルの映像を投影してその画質をチェックしてみた。確認してみたところ、思っていたほど悪くはなかった。むしろ、ひと昔前のモバイルプロジェクターを知っている人であれば、この小ささでこの画質がでるなら十分、と納得するだろう。十分実用的なレベルの画質と言っていい。

まずミニプロジェクターでよく使用するであろう、動画再生のクオリティについてチェックした。それぞれのプロジェクターに同一の映像を表示させている。表示させてみた感想としては、「C-10W」のほうが解像感が高くクッキリとしているが、階調表現については、一概に「C-10W」が優位とは言えない。メリハリのあるハッキリとした色の「C-10W」に対して、「C-5」はナチュラルな自然な色合い。階調表現は甲乙つけがたく、どちらも実使用においては十分なクオリティを実現している。

室内照明を少し明るくして投影した「C-10W」(左)と「C-5」(右)の映像。エンボス加工の壁に直接投影。メリハリのある映像を出しているのは「C-10W」だが、ハイライトなどが一部飛んでいるところもある。逆に「C-5」ではハイライト部でもさほど飛んでいない。投影サイズが小さく、明るい環境であれば、大きな違いはさほど感じられない

室内照明を落として投影した「C-10W」(左)と「C-5」(右)の映像。部屋が暗いときのほうが、「C-10W」のメリハリのある精細感がよく感じられる。暗いシーンや大画面で楽しむなら「C-10W」の解像度がよりアドバンテージとなってくる

なお、見落としがちなのが、投影したときの画面の位置だ。「C-5」と並べて映すとわかりやすいが、「C-10W」のほうが画面の位置がやや上側にオフセットされていることがわかる。これはテーブルや机に直置きしたとき、画面の下側が欠けないようにするための配慮。「C-10W」の場合、うっかり付属のミニ三脚を忘れてしまってテーブルに直置きなんてことになっても、きちんと画面が欠けることなく表示できるようになっている。

投影されている画面がすべて表示されている「C-10W」(右)に対して、「C-5」(左)の画面下側が切れていることがわかる。「C-5」はミニ三脚が必須になりそうだ

スマートデバイスの画面をワイヤレスで投影

最後に、「C-10W」のWi-Fi機能使いスマートフォンやタブレットからワイヤレスで映像を投影してみよう。対応端末は、Andoroid OS 搭載端末(4.2.2以降)やiOSデバイス(iOS8.1以降)となる。

映像出力はどちらもOS側の機能を使用する(Androidではスクリーンミラーリング、iOSではAirPlay)ため、専用アプリは不要。ちなみに、iOS 9.3では現状接続できないが、対応したファームウェアをリリース予定とのこと(以前のバージョンでは問題なく利用できる)。なお、iOSデバイスでのミラーリング時は、デバイス本体から操作できなくなるため、付属の変換アダプターを使ってUSBマウスを接続する必要があるという。

※2016年5月27日追記:iOS9.3に対応したファームウェアが公開されました。くわしくは以下のキヤノンのWebページで確認できます。
http://cweb.canon.jp/drv-upd/projector/c10wfirm.html

Androidでスクリーンミラーリングを使用して映像をワイヤレス投影してみた。画面回転も可能。本体との距離が遠くなると、通信が不安定になりやすい

このほか、「C-10W」にはボタンを押すことで星座を表示できる「おやすみモード」という機能が搭載されているのもユニークだ。

「おやすみモード」で表示される星座の映像

「おやすみモード」で表示される星座の映像を、1091×788mmの模造紙に投影した様子

まとめ

以上、キヤノンのミニプロジェクター「C-10W」と「C-5」をチェックした。価格.com最安価格は、「C-10W」が46,444円で、「C-5」が27,200円(いずれも2016年5月24日時点)となっており、価格も比較的手ごろだ。

映像ケーブルもコンセントも不要で、完全なワイヤレスで使える「C-10W」は、オールラウンドで活躍できるミニプロジェクターだ。表示解像度はハイビジョンレベルではないものの、フルHD入力に対応しているため、スマートデバイスだけでなく、さまざまな映像機器とも組み合わせやすい。机にそのまま置いても画面が欠けたりしないので、シーンを選ばず使えそうだ。逆に欠点としては、冷却ファンを2基搭載しているため動作音がやや大きいことと、バッテリー駆動時間が最大1.5時間(標準モード)とさほど長くはないこと。

逆にバッテリーの駆動時間の長さに注目するなら「C-5」の最長3時間は見逃せない。それでいてコンパクトな本体サイズを実現しているのも大きな魅力だ。投影できる解像度は確かに低いが、画面をあまり大きくしなければ解像度の差はさほど感じない。むしろ持ち運びできてじゃまになりにくい、スマートフォンと組み合わせやすい手ごろなミニプロジェクターを探していた人であれば、確実に選択肢に入る1台だろう。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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