ティアックは、東京・八重洲にあるGibson Brands Showroom TOKYOで新製品発表会を開催。“New Vintage”をテーマにしたReferenceシリーズフラッグシップラインのネットワークCDプリメインアンプ「NR-7CD」と、オールインワンのネットワークオーディオシステム「WS-A70」を発表した。NR-7CDは2017年1月下旬発売予定で、市場想定価格は42万円前後(税込)、現在開発を進めているWS-A70は2017年春の発売予定で、価格は現時点では未定となっている。
ネットワークCDプリメインアンプのNR-7CD。2017年1月下旬発売予定で、市場想定価格は42万円前後
NEW VINTAGEとは、オーディオとしての基本である「いい音」であること、価値を失わない「いいデザイン、技術」であること、日本のモノづくりで大事にされている「匠の技に徹底的にこだわる」という3つの要素をベースに、ティアックだからこそできる音楽の新しい楽しみ方を提案するというコンセンプト。同社は今年の4月に新企業理念と新企業タグライン「Recording Tomorrow」を発表し、「新生ティアック」として「リアクティベーション(ブランド再生)」を掲げて活動していたが、 New Vintageをテーマに今回発表された2機種は、それを象徴する新製品と位置付けられている。ここでは、実機の写真を交えながら、新製品の特徴を紹介しよう。
新製品は、NEW VINTAGEという大きなコンセプトテーマに沿って開発された
今回発表されたNR-7CDは、Referenceシリーズのフラッグシップライン「7シリーズ」初の製品だ。プリメインアンプにCDプレーヤーやネットワークプレーヤー、Bluetoothレシーバーなどの機能を内包しており、スピーカーを追加するだけで、本格的なオーディオシステムを構築できるようになっている。
本体はこれまでのReferenceシリーズから大型化し、初のフルサイズモデルに。ハイレゾ対応などの最先端のオーディオ技術を詰め込みつつも、メーター部にピークレベルメーターを採用するなど、NEW VINTAGEのコンセプトを反映するかのように、新しいものと古くて価値のあるもののそれぞれが交差したどこかノスタルジックな雰囲気を感じるデザインに仕上がっている。
NR-7CDのフロント部分。左右にピークレベルメーターを配置し、オーセンティックなオーディオのエッセンスと新しさを感じさせるデザインに仕上げた
ネットワークプレーヤー部はOpenHome互換になっており、最大DSD5.6MHz、PCM192kHz/24bitまでの音源ファイルを再生可能。NR-7CDに最適化された専用アプリ「TEAC HR Streamer」を使い、スマートフォンやタブレットから操作することも可能だ。また、本体背面にUSB端子を装備。接続したUSBストレージを簡易サーバーとして使用することもできる。
ネットワークプレーヤー部には、最新のトレンドをしっかりと盛り込んだ
CDプレーヤー部は、務用機にも採用されている高性能、高信頼性の自社製オーディオ専用CDドライブメカを採用。Bluetoothレシーバー部は、aptX/AAC/SBCのほか、LDACコーデックをサポートし、対応デバイスとの組み合わせることで、Bluetooth経由でもハイレゾ相当の音質で楽しめる。
独自のアップコンバート回路「RDOT-NEO」も搭載しており、CD、ネットワーク、Bluetoothのソースに関わらず、ボタンひとつですべてのPCM音源を最大DSD12.2MHz、PCM384kHzまでにアップコンバートして楽しめる。
このほか、回路部分にはD/Aコンバーターからプリアンプ、パワーアンプまで、L/Rchそれぞれの基板をシンメトリーに配置したデュアルモノ回路構成を採用。アンプ部には、ICEpower製Class-Dステレオパワーアンプ「50ASX2」をBTL構成で左右チャンネル独立して搭載し、最大出力は140W×2ch(4Ω)となっている。
フラッグシップモデルということもあり、これまでの製品開発で培ってきた高音質技術を惜しみなく投入
ゴールデンイヤープログラムの認証を受けた開発者が製品のサウンドチェックを行うことで、同社ならではの高音質設計を実現しているという
音声入力はアナログRCA×1、同軸デジタル×1、光デジタル(角型)×2。ネットワーク入力は1000BASE-T。ヘッドホン出力は、3.5mmステレオミニジャック×1で、4極グランドセパレート接続にも対応する。本体サイズは約442(幅)×345(奥行)×152(高さ)mmで、重量は約13.4kg。
WS-A70は、木と布を使い、ライフスタイルにあうシンプルかつこだわりのあるデザインをテーマにしたというオールインワンオーディオシステム。ウォールナット仕上げのキャビネットには、ネットワークプレーヤーやBluetoothレシーバー、2Wayスピーカーなどを内蔵。日本製の布を使用したスピーカーグリルは、東京造形大学教授も務めるテキスタイルデザイナー、須藤玲子氏の「NUNO」ブランドとのコラボとなっており、ライフスタイルに合わせて、デザインをコーディネートできるという。なお、スピーカーグリルは別売予定とのこと。
木と布をデザインテーマにしたWS-A70
さまざまなデザインのスピーカーグリルを用意しており、ライフスタイルに合わせてデザインコーディネートを楽しめる
シックなデザインのものからカラフルなデザインのものまで、さまざまなタイプのスピーカーグリルが展示されていた
また、スマートフォンやタブレットから簡単操作できるようにしたほか、天面のコントロールパネルはボタンを最小限にし、少ないステップでコントロールできるようにするなど、操作性にもこだわったという。
天面の操作パネル。ボリュームなどをモニターで直感的に確認できる
ネットワークプレーヤー部はハイレゾ音源に対応。LAN/Wi-Fi、Bluetooth、USB接続をサポートしており、SpotifyやGoogleCastといった各種ストリーミングサービスやAirPlayにも対応している。BluetoothはNR-7CD同様、LDACコーデックをサポートする。
SpotifyやGoogleCastといったストリーミングサービスやAirPlayにも対応しており、さまざまなオーディオスタイルをこれ1台でカバーできる
本体背面にはアンテナや各種インターフェイスを用意
なお、現時点でこのほかの仕様については明らかにされなかったが、発売に向けて製品の情報は随時追加していくとのことだ。