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バイオマス素材を配合し墨を塗布した振動板? ホーン採用のツイーターも健在

創業70周年のオンキヨーが高級スピーカー「Scepter」の最新モデルを発表

オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンは2016年10月27日、オンキヨーブランドのスピーカー新製品「SC-3(B)」を12月中旬より発売すると発表した。価格は1台300,000円(税別)。1962年から開発が続いているホーンを組み合わせた、オンキヨー製の高級スピーカー「Scepter(セプター)」の最新モデルだ。なお、「Scpeter」を冠する新製品は15年ぶりの登場となる。

オンキヨーの創業70周年に合わせて開発された、高級スピーカー「Scepter」シリーズの最新モデル「SC-3(B)」

軽くて強いバイオマス素材を配合した振動板と新型のホーンツイーター

「SC-3(B)」は、コーンウーハーとホーンツイーターを採用した、2Wayバスレフ型のスピーカー。別売の専用スタンドが用意された大きめのスピーカーで、キャビネットサイズは300(幅)×484(高さ)×440(奥行)mm(ターミナル突起部含む)、重量は24.1kg。再生周波数帯域は28Hz〜50kHzと幅広く、また最大入力は200Wに対応するなど、ハイレゾ音源の再生に適したエネルギー感と精細さを再現可能なモデルとなっている。

ウーハーは、特許出願中のバイオマス素材CNF(セルロースナノファイバー)とパルプを配合した、軽くて強いONF(Onkyo Nano Fiber)振動板を採用。オンキヨー伝統のプレス加工を行わないノンプレスコーンによって成形した。ユニークなのはコーンの表面に、奈良の老舗墨ブランド「古梅園」の紅花墨(こうかぼく)を塗布していること。これにより、表面の伝搬速度が向上するのに加えて、内部ロスやS/N比も改善。音の抜けがよく、分厚い低音を再現できるという。

さらに、フレームには高強度のアルミダイキャスト製を採用。不要な共振や可聴帯域への影響を排除することで、力強く低重心でありながらレスポンスよく立ち上がる低音を実現した。

鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強度を持つというバイオマス素材CNF(セルロースナノファイバー)と、パルプを独自の比率で配合したONF(オンキヨーナノファイバー)振動板。オンキヨー独自のプレスを行わないコーン成形で作られている。フレームには高強度のアルミダイキャストを使用している

ノンプレスONF振動板のレスポンスをさらに向上させるために「墨」を塗布したというユニークな加工も見どころ。同社によれば、さまざまな材量で試したところ墨がもっとも効果的だったとのこと。これにより、ヤング率、内部ロス、S/N比の改善につながったという

ツイーターには、新開発のコンプレッションドライバーを搭載。オンキヨー初の2.5cm口径のリング型マグネシウム振動板の採用によって、可聴帯域外での分割振動も徹底的に排除しているという。さらに「Scepter」シリーズの特徴的なホーン部分も一新。自然な音の広がりを実現するため、振動板の形状に加えて、ホーン部分の形や厚みのほか、キャビネットへの取り付けフランジの形状など、シミュレーションを重ねて設計したことで、従来のホーンで発生していた開口部での回折音の反射を防いでいる。

スーパー楕円形状を採用したアルミダイキャスト・ホーン

スーパー楕円形状を採用したアルミダイキャスト・ホーン

ツイーターには、オンキヨー初の2.5cmリングマグネシウム振動板を搭載したドライバーを採用している

ツイーターには、オンキヨー初の2.5cmリングマグネシウム振動板を搭載したドライバーを採用している

響きを制御する分厚いキャビネット

ドライバーユニットを支えるキャビネットには、響きを制御するテクニックが多く使われている。板厚最大42mmの高剛性MDF材の内部に彫りを加えたのもそのひとつ。この構造でキャビネット内部の固有振動を抑えるとともに内部の定在波を低減。低域の増強に役立っている。また、高剛性MDF材を削り出し、つなぎ目のないラウンド形状にすることで、回折音の反射を抑制。音場感を損なわずに再生できるようになった。さらに、バッフルには、高級車のシートでも使用される「アルカンターラ」材を使用しており、不要な音の反射を防いでいる。

つなぎ目のないキャビネットには板厚最大42mmのMDF材が使われている

つなぎ目のないキャビネットには板厚最大42mmのMDF材が使われている

キャビネット内部には彫りを入れることで、不要な振動を抑えている

キャビネット内部には彫りを入れることで、不要な振動を抑えている

高級車のシートでも使用される「アルカンターラ」材を使用したバッフル。背面にも施されている

高級車のシートでも使用される「アルカンターラ」材を使用したバッフル。背面にも施されている

接続端子の基板回路には、不要な相互誘導の発生を抑制し、電気的ノイズが音声信号に混入するのを防ぐ、特許出願中の電流面を一致させた素子マウント構造を採用。音質に定評のあるドイツMundorf社製コンデンサーや日本製のチョークコイルなど、高品質なパーツをふんだんに採用している。ターミナルはバナナプラグ対応のネジ式。バイワイヤリングにも対応した。

そのほかの主な仕様は、インピーダンスが4Ω、出力音圧レベルが87dB/2.83V/m、クロスオーバー周波数は3kHz。付属品は、コルクスペーサー×4、グリルネット×1、ショートワイヤー×1セット。

なお、「SC-3(B)」の特性を再現に発揮するために設計された専用スタンド「AS-3(B)」も同時発表されている。こちらも12月中旬発売で、価格は1台で60,000円(税別)。

Mundorf社製コンデンサーや日本製のチョークコイルなど、高品質なパーツをふんだんに採用している

Mundorf社製コンデンサーや日本製のチョークコイルなど、高品質なパーツをふんだんに採用している

専用の別売スタンド「AS-3(B)」。脚部には適度な弾性を持たせる構造とすることで、スピーカー駆動時に発生する振動を吸収する

なお、10月29日〜30日に東京・秋葉原の富士ソフトビルで開催される「音のサロン&カンファレンス」で初お披露目される。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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